上半期のダート界総決算、『帝王賞』!
今年は【スマートファルコン】VS【エスポワールシチー】という2大スターの対決に注目が集まりました。
単勝人気は、【スマートファルコン】が1,2倍、【エスポワールシチー】が3,2倍。
3番人気の【バーディバーディ】が10,6倍で、4番人気の【ボンネビルレコード】になると64,0倍ですから、2頭が圧倒的な支持を集めていました。
【スマートファルコン】は、パドックでもかなりリラックスして落ち着いているように見えました。
すでに王者の風格を漂わせ、堂々と歩いています。
私の近くにいたファンの方が、「ちょっと落ち着き過ぎじゃない?」と心配するほど、本当にリラックスしていました。
対する【エスポワールシチー】は、アメリカ遠征時に減った体が徐々に戻って、この日は久しぶりの500キロ台。
パドックでは、少しチャカつく場面もありましたが、佐藤哲三騎手が跨ると、いつものように先出しして、馬場に出ると落ち着きを取り戻しました。
レースは好スタートから、ジワッと【スマートファルコン】がハナへ。外から【マグニフィカ】、大外から【エスポワールシチー】も差なく進みます。4番手に【バーディバーディ】、その後ろはかなり離れた集団を形成していました。
【スマートファルコン】が気持ちよく逃げて、勝負所で【エスポワールシチー】も捉えに行きますが、並ぶまで行きません。
直線に入ると【スマートファルコン】の独走。武豊騎手はほとんど追わずに最後は流す余裕で9馬身差の圧勝でした!
【スマートファルコン】に並びかけに行った【エスポワールシチー】は、最後苦しくなりましたが、それでも追いすがる【バーディバーディ】を制して2着を確保。
結局、1,2,3番人気の順にゴールに入り、なんと三連単は290円という配当でした!!
それにしても...
【スマートファルコン】強すぎです!
武豊騎手
「今日はゲートの中でいつも以上に力んでいたので、出遅れだけを心配してました。上手に出てくれたんで、まずはクリアしてくれたなと思いましたね。
【エスポワールシチー】は本当に強い馬だし、スピードもあって強敵だと思ってましたが、まさかここまで差がつくとは...。
直線向いてまたひと伸びしてくれた時、改めてすごい馬だなと感じました。
今日は落とせないレースだったので、勝ててホッとしています。
断然の1番人気に応えられて、僕自身も嬉しいですね。
【スマートファルコン】は、これからもっと期待しても大丈夫だと思います。これからも応援よろしくお願いします」
小崎憲調教師
「昨年、このレースでは悔しい想いをしたので、今年の前半はここを目標に頑張って来ました。
南関東まで来ると体重が減るけど、今回はいつもより、到着してからよくカイバを食べていましたね。
今日は枠も良かったし、スタートだけ気をつけてと思ってたけど、上手に出てくれました。1000メートルのラップもかなり速かったし、この馬は本当に予測のつかない規格外の馬ですね。
このあとは夏休みして、ドバイを狙ってローテーションを組んで行きます。
今年もドバイに行きたかったけど、『東京大賞典』の反動が大きかったので。
ここでその借りは返せたかな。
ドバイに行きたい馬はたくさんいるので、出走枠を取りに行くのは大変だけど、とにかく行きたいです!
具体的なプランはまだですが、『南部杯』は東京で開催するみたいだし、その辺りを視野に入れて調整していきます!」
昨年の『帝王賞』。【スマートファルコン】にとって初めて一線級と対戦した時には、この馬らしいレースが全く出来ずに6着に敗れました。
あの時の小崎調教師、悔しそうな表情で「完敗です...」と呟いた姿がとても印象に残ってますが、1年経った今年は、圧倒的な強さを見せ付けてリベンジを果たしました!
大いなる目標のドバイ遠征に向けて...【スマートファルコン】はどこまで進化するのでしょうか。
2着に敗れた【エスポワールシチー】の佐藤哲三騎手は、
「2着でした。残念でした」
と、言葉少なく競馬場を後にしました。
2着は確保したものの、やはり9馬身差という着差は、納得出来るものではありません。
アメリカ遠征から、なかなか本来の体調に戻ってこないようですが、再び王者の力を見せてくれると信じています。