<次走へのメモ>
5月26日 第12回七時雨賞(3歳オープン 水沢1800m)
(写真・佐藤到)
1着 ボスアミーゴ
前走(ニュージーランドトロフィー)時に比較してプラス17キロの472キロで出走。この数字だけで見れば明らかに太目の印象を受けるが、実際はデビュー時、487キロ(水沢850m 1着)で出走し、4戦目の重賞・ジュニアグランプリも472キロで快勝していたように、今回は長距離輸送もない地元水沢での競馬。それゆえ元に戻ったと言うか、太め感はほとんどなし。パドックで少しチャカチャカしたところを見せたが、全体的には落ち着いて好印象を受けた。
レースは中央挑戦の時と同様、後方待機策を取ってジックリ待機。3コーナー過ぎからスパートをかけ、直線半ばで先頭。そこで一瞬、とぼけた感じもあったが、内を突いて伸びてきたハルサンヒコとはやはり役者の違い。仮にゴールが50m先にあっても交わされることはなかっただろう。
冒頭にも記したが、今季始動はJRA中山・ニュージーランドTから。その後はJRAに適鞍がなかったため、次走へのステップとしてこの七時雨賞を選んだ。
ダートは昨年8月、りんどう賞(水沢1400m)3着以来、久々でパワーのいるダートが懸念材料ではあったが、いつも調教で走っているコース。また砂を被ってもさほど影響なく、着差はクビだったが、それ以上に余裕が感じられた。さすがハイレベルのメンバーで戦ってきた実績はダテではなかった。
「久々の地元戦で気合いが入ったのか、折り合いに苦労する場面もあったし、ダートも久々で半信半疑だったが、ここでは力が違っていたということでしょうね」と菅原勲騎手。
次走予定は盛岡芝1700mを舞台に行われる特別「第8回ガーベラ賞」。その一戦を叩いて、選ばれればラジオNIKKEI賞へ向かいたいと鈴木七郎調教師。
2着 ハルサンヒコ
終始5、6番手インでじっと我慢し、直線も外に出せるところがなく、最内コースを選ぶ。ゴール前で2番手争いから抜け出してボスアミーゴに肉薄しそうになったが、最後は脚色がいっしょになって2着となった。
この馬の良さはどんな流れ、展開にも対応ができ追い出すと確実に伸びる末脚。欲を言えば最後の爆発力がほしく、それで勝ちを逃がしているが、メンバー構わず4戦連続で2着は立派。
3着 ネバーオブライト
無理をせずに4番手外を追走し、3コーナーから仕掛けたが、例によってコーナーコーナーでもたつく。そのロスがなんとも痛いが、直線ではジワジワ盛り返して3着に入った。550キロの大型馬で決して器用なタイプではなく、それならば盛岡の広いコースの方が合うかもしれない。
5月27日 第21回ひまわり賞(3歳牝馬 地方競馬全国交流 水沢1900m)
(写真・佐藤到)
1着 マツリダワルツ
もっさりスタートで後方2番手からの競馬だったが、馬群が固まり始めた3コーナー手前からロングスパート。前回・あやめ賞もそうだったが、行き脚がついてからの伸び脚が実にシャープ。逃げたオーナーズスキャンを捕らえるのにもたつくパラダイスフラワーを尻目に、大外一気に交わして快勝。ほぼ最後方から追い込んで2着に1馬身半差をつけるのだから、これは圧勝と言える内容。あやめ賞を勝ってもパラダイスフラワーとの力比較では劣ると見られていたが、それをアッサリ覆す。完全に本格化を迎えたと言って間違いないだろう。
「最初、スタートが悪くてちょっとヒヤッとしましたが、うまく進路が取れて大きなロスが無くて済みました。馬の方は前走と同じくらい落ち着いていたし、反応も良かったので、3コーナーくらいでイケるなと思いました。
あやめ賞もそうでしたが、距離が長いとレースが楽。それに必ず終いの脚を使ってくれる馬で、それを信用しているからこちらも安心して乗れます」と南郷騎手。
次回から舞台は盛岡競馬場に替わる。マツリダワルツは芝2戦1勝2着1回と全く問題なし。一方、ダートは若駒賞5着、プリンセスカップ6着と苦手の印象はあるが、当時はまだ出世するはるか前。今の充実度を持ってすればダートでも見事な末脚を披露してくれるだろう。
2着 パラダイスフラワー
1周目スタンド前はマツノメガミ、オーナーズスキャンの3番手外。1コーナー過ぎから2番手をキープし、3コーナーでスパート。やはり前回同様、前を捉えるのに苦労し、オーナーズスキャンをようやく捕らえたと思ったのもつかの間、外強襲マツリダワルツに一瞬で交わされる。
今回からレースに集中させるべくチークピーシーズを着用したが、それ以前に前走比(あやめ賞)と比較してプラス7キロの498キロ。3月のレースでも同じ馬体重でマツリダワルツに敗れていたが、これは太めの印象。その影響もあって道中、もたついた可能性もあり、完敗とは言い切れない。
昨年は追い出してからシャープな反応を見せていたが、一日も早くその気の良さを取り戻してほしいところ。
3着 オーナーズスキャン
笠松転籍、そして再転入後とずっと精彩を欠いていたが、今回は積極策に出て直線でも渋太く粘る。2歳時、重賞・白菊賞でも逃げて勝ったように、それが持ち味を最大に出せる戦法だと思う。マツノメガミを1周目1コーナーで交わして先頭に立った積極策が好結果につながった。
1着:インターサウンド
いつもは中団やや後方からレースを進めるこの馬が、今回は逃げ馬を追いかけるポジション。これは「我慢しても伸びる脚があるわけじゃない。スタミナがあるから前にいって簡単に止まる事もない。だったらニホンピロゼンより前でレースをしないと勝ち目はないと思って(関本 淳騎手)」と狙い通りの作戦。おまけに、9Rの時に降った土砂降りの雨のおかげでこの馬向きの脚抜きのいいコース状態になり、終始危なげのないレース運びで勝利を手にした。開幕からずっと好調をキープしていたのもこの勝利につながっている。
2着:ニホンピロゼン
ポジション的には先行馬を大名マークの位置、いつでも交わせるという所でレースを進めていたが、直線の伸びが今ひとつで勝ち馬を捉えきれず。これには鞍上・村上忍騎手もショックを受けたようだが、中間、熱発で順調さを欠いた時期があったそうで、「調整が難しい馬だから仕方がない面も(村上忍騎手)」とも。
3着:マクロプランナー
後方から徐々に差を詰め、4角のごちゃごちゃしたところも極々スムーズに突破するというレース内容は完璧。ただ、相手が少し強かったという事。
4着:マルカンジョオー
「勝負を賭けて外に持ち出したが、もう脚が残っていなかった(阿部英俊騎手)」。B級だと力任せに何とかできるが、A2だとさすがに・・・。という印象。ただ、調子はかなり良くなってきた。
5/20 第8回あすなろ賞(オープン)
1着:サイレントエクセル 前走の5着で復活の兆しが見えていた。今回は馬体重的には+1kgに止まり、調教もまだ物足りないレベル。昨秋の絶好調時を100とすれば75くらいの出来だったが、むしろそれだけに底力の高さを感じさせる結果となった。勝ちタイム2分1秒1はコースレコードタイ。次走はみちのく大賞典(6/17盛岡ダ2000m)に。
2着:テンショウボス
逃げるオウシュウクラウンを追いかけ続け、4角手前で早々と先頭に。しかし先頭に出るととぼけてしまう馬、伸びあぐねてもたもたしている所を勝ち馬に捉えられてしまった。
結果的には好調さと、オウシュウクラウンが意外に早く止まってしまったのが仇になった感があるが、レース内容は1番人気のそれで、“強い4歳”をしっかりと印象づけた。
3着:タイキコジャック
2連勝中とはいえ一気の相手強化でどうなるかと思われたが、自分のレースの形は崩さなかった。距離や時計勝負も苦にしない感じ、あまり周りの動きに影響されないタイプでもあるようで、やはり今後も要注意の馬だろう。
4着:ゲイリーエクシード
有力どころが前に固まって、しかもそのままなし崩しに高速決着に持ち込んでしまったからこの馬には辛い展開だった。とはいえあいかわらず怖い10歳馬には違いない。
5着:オウシュウクラウン
「馬に気合いを入れる意味でも、行けたら逃げようと思っていた(小林俊彦騎手)」という鞍上の気持ちに応えて久々の逃げに出たオウシュウクラウン。直線半ばで脚が止まり、小林騎手も「本当のこの馬なら逃げ切って当たり前だから」と辛口の評価だったが、スランプ脱出の糸口は見えたか。
1着:ローランボスコ
逃げる馬がはっきりしていた今回はハナには立たず、ダンディキングをぴったりマークの2番手追走。直線はしっかり競り落として優勝し、苦手の盛岡に替わる前に待望の勝ち星をGETした。この馬には気持ち長い1800m戦でも全く危なげないのは、それだけ調子が良いという事なのだろう。
2着:ダンディキング
「馬が落ち着いているから距離には全く不安がない(草地騎手)」というとおり、逃げて最後まで脚色が鈍らない。勝ち負けは展開のあやで、それよりはこの日のコース状態としてはかなり速いラップ・走破タイムで走りきった事を高く評価したい。
3着:マツリダブロッコ
相変わらず好調キープ、道中の動きも悪くなかったはず。この馬にはちょっとタイムが速すぎた印象。
5月12日 第33回あやめ賞(3歳牝馬オープン 水沢1600m)
(写真・佐藤到)
1着 マツリダワルツ
1周目4コーナー過ぎ、14秒前後のスローに落ちたこともあっていつもより前、中団直後につける。各馬が仕掛けたのは3コーナー手前からだったが、こちらはワンテンポ遅らせてスパート。「直線でインを突っ込むか、外を回るか一瞬迷ったが、大外は伸びるのでそこを選んだ」と南郷騎手がレース後に語ったが、今の馬場は最内と大外が伸びるので正解。
パラダイスフラワーが直線半ばで先頭に立ち、そのまま押し切ろうとするところマツリダワルツがゴール寸前で捕らえ、初の特別タイトルを手に入れた。
「この馬のペースで行かせたら中団からの競馬になった。必ずいい脚を使ってくれるのでそれを信じて3コーナーから追った。今回はプラス9キロで馬体もフックラしていたし、馬も落ち着いていた。距離が伸びてペースがゆったりしたのもこの馬には良かったのでは」と南郷騎手。
マツリダワルツは追ってバテないタイプなので距離延長は歓迎。次走・ひまわり賞は今回よりさらに100m伸びて1900mが舞台で、マツリダワルツには願ってもない条件となる。
2着 パラダイスフラワー
マツノメガミが何が何でも逃げる構えを見せたのでスッと2番手に控える。道中は折り合いもつき、いつでも交わせるポジションをキープしたが、3コーナーから満を持して追い出しても反応がひと息。最内で粘るマツノメガミをラスト50mで捕らえたが、大外強襲マツリダワルツに頭差交わされて連勝は2でストップしてしまった。
菜の花賞、日高賞といずれも逃げ切り勝ち。今回もその2戦と同じ1枠に入り、逃げ必至と思ったが、前回・日高賞後のコメントで「ズブくなっているので、できれば控える競馬をしたい」と小林騎手が語っていたので、この2番手はむしろ望むところだったに違いない。
ところが、いざ追い出したらもたついてマツノメガミを捕らえるのがやっと。「全然、行く気がない」と小林騎手。
3着 サクラアリエル
マツノメガミ、パラダイスフラワー、オーナーズスキャン、内にナイトタイム、その後ろにサクラアリエルがつける。先にサイレントステージが動いて、それを見てスパートをかけ、一旦パラダイスフラワーに並びかけたが、あと一押しが足りず今回も3着惜敗した。
「3、4コーナーでもっと前につけた方が良かったかも」と菅原勲騎手。
4着 マツノメガミ
絶対にハナを譲らない構えで逃げ、1周目スタンド前でスローに落とす。笠松時代も先に行ったケースがあったが、マイペースに持ち込んで直線でも渋太く粘る。これで今後のメドが立った。
5着 サイレントステージ
道中は4番手外につけ、3コーナー手前からスパート。その時の反応は良かったが、直線では伸び切れず5着に終わった。「ピークからだとマイナス20キロ。体重が減っているのでどうしても最後が甘くなる」(板垣騎手)
5月13日 第7回阿久利黒賞(3歳重賞 水沢1600m)
1着 セイントセーリング
ネバーオブライト、セイントセーリング両馬とも好スタートを切り、どちらが逃げるか注目だったが、1周目スタンド前でセイントセーリングがハナに立つ。「大外に入ったし、ネバーオブライトがいたので2番手の競馬も考えていたが、自分の方が若干リードしていたから、それならば逃げようと思った」(菅原勲騎手)。
ラップが速かったのは2ハロン目だけ。セイントセーリングが先手を取って以降はペースが落ち着き、気分良く逃げる。4コーナーでソードが差を詰めにかかったが、セイントセーリングは余力十分。直線で再び伸びて6馬身差の圧勝劇となった。
「この馬の力を信じて逃げることにした。その方がダートでは持ち味を生かせますからね。昨年に比べ馬体、精神両面で成長を感じます」と菅原勲騎手。
次開催をスキップし、岩手ダービー・ダイヤモンドカップ(6月10日)に直行すると鈴木七郎調教師。
2着 ハルサンヒコ
自分の競馬をすることに徹し、道中は中団インでジックリ待機策を取る。3コーナーから徐々にスパートをかけ、直線でもジワジワ伸びて2着を確保。鈴木七郎調教師のワン・ツー・フィニッシュで決着した。
「セイントセーリングとは力が一枚落ちるが、自身は確実に成長している」と板垣騎手。
3着 ネバーオブライト
当初は逃げるかと思ったが、スタンド前で2番手に控える。2コーナー過ぎから追いどおしだが、反応がひと息。「これは毎回のこと」と村松騎手は語っていたが、それにしても動きが鈍く、3コーナー過ぎでソードに交わされたが、直線ではひとまず盛り返す。それでも外から伸びてきたハルサンヒコ、ワクワクヨークンを差し返すまでには到らなかった。
もっと上昇度を期待したが、まだ体もゆるい印象。今後のことも考えれば無理に絞ることもないだろうが、もう少し反応の良さが見たかった。
4着 ソード
いつもは中団より後ろがマイポジションだったが、「前に行かせてみたかった」と村上忍騎手は考え、3番手外を追走。3コーナー、馬なりでネバーオブライトを交わして2着確保の勢いかと思ったが、直線では前半で脚を使った分、末が甘くなってしまった。
5月6日 第33回シアンモア記念(3歳以上オープン・地方競馬全国交流 水沢1600m)
(シアンモア記念ゴール 写真・佐藤到)
1着 ニューベリー
1枠から好ダッシュを決めて逃げの手に出る。戦前はダンディキングが逃げるかと見られていたが、菅原勲騎手は当初からこの戦法を取るつもりでいたようだ。
というのはトライアル・栗駒賞でも1番人気に支持され、絶好の3番手をキープ。前の馬を射程圏に入れて、どこからでも抜け出せるポジションにつけたつもりだったが、いざ3コーナーで追い出しをかけてもまったく反応せず、ただもたつくばかり。
ひとまず直線で若干盛り返して4着にまとめたが、転入初戦でクビ差2着まで肉薄した末脚をイメージしていた菅原勲騎手にしてみれば案外の結果となっていた。
そういう訳で逃げの戦法を取った。また仮に他の馬が来ても「ハナを譲るつもりはなかった」とコメントした。
1周目スタンド前でペースが落ち着き、ニューベリーはハロン12秒台後半の正確なラップを刻み、4コーナーでゲイリーエクシードが並びかけるシーンもあったが、再びニューベリーが突き放して2馬身半差。岩手では3戦目で初勝利を飾り、それが待望の重賞タイトル獲得となった。
「3コーナーを回っても手応えが良かったのでこれなら大丈夫だと思った。9歳馬だが中央時代に無理をして使っていなかったので馬体の張りもいい、衰えを全く感じない。おそらくタイプ的にマイル以下の距離がベストだと思うが、岩手のような小回りで時計のかかる馬場なら長い距離もこなせるのでは」と菅原勲騎手。
2着 ゲイリーエクシード
いつもは最後方か、それに近い場所がマイポジションだったが、今回はスローに近い流れと見て後方4番手からの競馬。向正面からロングスパートをかけ、4コーナーで一瞬、ニューベリーに迫る場面もあったが、そこまで。「今日はいつもより長い脚を使え、いい感じで追い詰めたと思ったが、相手がまた伸びたから仕方がない」と沢田騎手。
こちらは10歳馬でめっきり馬体が白くなってしまったが、衰えなし。3月の一戦こそ後方のまま8着に終わったが、前回1着、そしてこのシアンモア記念2着と老いてますます末脚が冴え渡っている。この状態を維持できる厩舎スタッフには本当に頭が下がる。
3着 ヤマニンエグザルト
終始4番手インにつけ、直線も最内を突いて渋太く伸びる。前回・栗駒賞でほとんど見せ場なし9着に沈み、ピーク過ぎたかと思ったが、得意のマイルと本来の根性が復活し、3着を死守した。
5着 サイレントエクセル
冬期間はずっと川崎で調整されてグレードレースを狙っていたが、脚部不安のアクシデントもあってマリーンカップ1戦のみに。そのレースでも本来のシャープさが影を潜め、11着に惨敗。
今回はそれ以来の実戦に加え、遠征の反動が心配されたが、ひとまずプラス10キロで出走にこぎつけたことにはホッとした。それでも「道中、ブレーキがかかった感じで走った」(板垣騎手)そうで、もたつきが目についたが、直線を向いてようやくエンジンがかかり、直線大外から鋭く伸びる。結果的には5着だったが、今後に明るい材料が出てきた。
11着 オウシュウクラウン
スタートで出遅れを喫し、終始後方を追走。直線でもいいところなしで二ケタ着順11着と信じられない内容と結果。
前走・栗駒賞を叩かれて馬体そのものは良くなっていたが、パドックで入れ込みが目立つ。そしていつもは掛かり気味にレースを進めるタイプだが、それも見られなかった。どうやら精神的なスランプに陥っている印象で、なんとか復活のきっかけを掴んでほしい。
4月29日 重賞・第7回留守杯日高賞(3歳牝馬・水沢1600m 地方競馬全国交流)
1着 パラダイスフラワー
(写真・佐藤到)
前回・菜の花賞と同様、1枠に入って予想どおり逃げの手に。しかし「できれば追いかける競馬にしたかった」(小林騎手)そうで他に行く馬がいたら行かせようとしたが、無理にハナに立つ馬がいなかった。
1周目スタンド前で13秒台に落とし、続いて14秒1とガクンとペースダウン。2コーナーで、いや逃げた時点で勝利を確定させ、あとはどのようなレースで勝つかに焦点が絞られた。
4コーナー手前でサクラアリエルが馬体を併せそうなシーンも一瞬あったが、手応えが他馬とは全然違い、直線を向いて余裕で後続を突き放す。ただ「菜の花賞」回顧でも記したが、追ってからの反応に今回も若干不満が残った。このあたりを小林騎手に話を聞いてみたところ「前回より反応は良くなったが、昨年みたいに気一杯で走らずズブさが出てきた。それで追いかける競馬をしたかった。今ならマイルより長い距離の方が合うかもしれない」とコメント。
つまりパラダイスフラワーはまだ本気で走っていないことを意味するが、逆の見方をすれば今後、上昇の余地は十分と見るのが妥当だろう。
次走には5月に開催される牝馬重賞・ひまわり賞(昨年まで8月頃に実施)トライアル・あやめ賞(5月12日 水沢1800m)を予定している。
2着 マツリダワルツ
菜の花賞は後方4番手から早めにまくって3着。今回は後方2番手につける。これは南郷騎手の想定外だったようで「なぜか行く気がなくて、ちょっとやばいかなと思った」が、向正面からようやくエンジンがかかり、あとはシャープな末脚を駆使し、大外から2着に突っ込んできた。
3月の特別開催でパラダイスフラワーに土をつける金星をあげたが、それがフロックでないことを今回証明。400キロを割る小柄な牝馬でもう少しフックラして欲しいところだが、それにしても切れる脚は見事だった。
3着 サクラアリエル
今回、一番見せ場を作ったのがこのサクラアリエルだった。スローの流れに反発し、早めにスパートをかけてパラダイスフラワーを負かしに行き、直線で苦しがって内にササる場面もあったが、地力アップを証明した。
4着 シュクジャンヌ
前走・菜の花賞と同じく3、4番手のインでジックリ待機して直線抜け出しを図ったが、サクラアリエルに寄せられる不利もあって4着。これが不運だったが、2着以降はまさに団子状態。この結果だけで判断するのは早計だろう。