<次走へのメモ>
8月15日 第12回クラスターカップ(水沢1400m Jpn?)
(写真・佐藤到)
1着 メイショウバトラー
好スタートを切ったが、アグネスジェダイがハナに立とうとしたので、無理せずに2番手を追走。これは武豊騎手がイメージしたとおりの展開となり、2コーナーからアグネスジェダイがペースを上げたが、楽に追走。むしろ逃げたアグネスジェダイの方が終始つつかれる苦しい流れとなってラスト100m、内で必死に粘るアグネスジェダイを楽に交わすと、あとは余裕残してゴール。結局、3馬身差の完勝劇を演じ、Jpn?4連勝を飾った。
「2頭ともお手馬なので同じレースで走ってほしくなかった(笑)。アグネスジェダイの強さは分かっていたので離されないように心がけた。いいスタートを切れたし、道中の手応えも抜群。1400mのピッタリだったし、コースも合うと思っていたが、それにしても今回は強かった。牝馬だが、体調もいいので次はG?を狙いたい」と武豊騎手。
2着 アグネスジェダイ
他の馬をけん制しながら、11番枠からハナに立つ。前半3ハロンが12秒6―25秒2―38秒1と交流重賞では決して速くはないラップだったが、4ハロン目=2コーナーから11秒台に一気に加速。これでメイショウバトラーを突き放しにかかり後続はどんどん離される一方だったが、メイショウバトラーは馬なりで追走。これではアグネスジェダイもさすがに苦しく、我慢できたのは直線半ばまで。メイショウバトラーにアッサリ交わされてしまった。
「もっと他の馬に行ってほしかったが、押し出される感じで逃げることになった。こんなにマークされればきついし、一騎打ちになると3キロの斤量差ではこの結果も仕方がない」と小牧騎手。
このコメントのとおり展開もあったが、今回はメイショウバトラーが強すぎた。次は同ハンデで戦わせてみたい。
3着 テンショウボス
6番手外を追走し、1コーナー過ぎまでは手応えも良かった。しかし2コーナーから前の2頭が後続を離し、遅れまいと小林騎手も早めスパートをかけて3コーナーでは単独3番手まで進出。それでも2頭の差は詰まらず、逆に離される一方。アグネスジェダイからも9馬身差がついたが、これは力の差。ここは地方最先着を死守した点を素直に評価すべき。
8月19日 第39回不来方賞(水沢2000m 3歳オープン)
(写真・佐藤到)
1着 セイントセーリング
「内枠だったので逃げられるか心配だったが、いいスタートを決めることができた」と菅原勲騎手がレース後に語ったとおり、外から被せられて包まれると苦しい競馬になっただろうが、好ダッシュからスンナリ逃げる。あとはマイペースに持ち込み、直線でも二の脚を駆使し、阿久利黒賞、ダイヤモンドカップ、そして今回の不来方賞と地元重賞三冠を達成。
今回の勝因はマイペースで逃げれたこと、2000mの距離を経験していたこと、古馬との対戦によって鍛えられたこと、そして開幕からの調子を維持できたことなどがあげられるが、最大の勝因はセイントセーリングの実力である。
2着 マツリダワルツ
スローの流れと判断するや、南郷騎手が4、5番手追走の積極策に出る。向正面から鞍上の手は動いていたが、インからジワジワ進出。「反応は悪くなかった。ただ3コーナーで前が壁になる不利が痛かった」(南郷騎手)そうで、直線で外に持ち出して鋭く伸びてきたが、1馬身半差までにとどまる。
それでもダイヤモンドカップに続いてセイントセーリングの2着を死守し、改めてレベルの高さを証明した。
3着 ボスアミーゴ
道中は後方3番手に待機し、向正面から仕掛けるとシャープに反応。3〜4コーナーではアッと言う間に2番手まで進出したが、そのあとの伸びがもう一つ。ラスト100mで一杯となり、2000mの距離に泣いた印象だった。
<次走へのメモ>
7月29日 第8回フェアリーカップ(3歳以上オープン牝馬 水沢1800m)
(フェアリーカップ ゴール 写真・佐藤到)
1着 サイレントエクセル
出たなりで4番手インにつけ、どこからでも抜け出せるポジションかと思ったが、向正面で反応が鈍く板垣騎手の手が動く。それで一瞬、ヒヤッとしたが3〜4コーナーでようやく本来の動きを取り戻して、馬なりで追走。ただ、直線を向いても前が壁となって出る場所がなかったが、馬群がばらけたラスト150mでエンジン全開。
ジュリアを交わして先頭に立ったドリームカーニバルの内を突くや、あっという間に交わして3馬身差をつけて圧勝。やはり牝馬同士では役者が違いすぎた。
「ここ3戦、向正面で手応えが悪くなって、アレッと思ったが、3〜4コーナーでようやく走る気になってくれたのでホッとした。あとは脚色が違うと思っていたので、直線はどこを抜け出すかだけを考えた。この着差ですからね、ここでは格が違ったということでしょう」と板垣騎手。
次走は8月26日、地方競馬全国交流・ビューチフル・ドリーマーカップへ直行する。
2着 ドリームカーニバル
逃げたジュリアのピッタリ直後につけ、レースの流れを作る。ジュリアのペースは決して遅くはなくむしろ速かったが、いつでも交わせる態勢から直線入り口で先頭。菅原勲騎手はパーフェクトの騎乗を披露したが、サイレントエクセルとの瞬発力は明白で、逆に2着確保を誉めるべき。
3着 マルカンジョオー
サイレントエクセルをマークする形でレースを進め、直線は外を回って自身の力は出し切ったが、3馬身、1馬身半差の着差が実力の差だろう。
7月22日(日) 第8回オパールカップ(3歳オープン地方競馬全国交流 芝1700m)
(写真・佐藤到)
1着 ボスアミーゴ
ハイベットタイムがスタートでバランスを崩して落馬。から馬で先行グループにつけたが、ボスアミーゴはほとんど影響を受けず後方3番手を追走。向正面から徐々に差を詰めて3コーナー過ぎにスパートをかけ、4コーナーでも不利を受けない大外(内が荒れていたので落馬がなくても同じコースを行くつもりだった、と菅原勲騎手)を回り、内で粘るカネショウエリートをラスト150mで先頭。あとはほとんど追うところなく、余裕でゴールに入る。
「地元のレースであれば、負けられない一戦ですからね。遠征馬の実力が把握しづらかったが、3コーナーの脚色で見切った。本当はゆっくり仕掛けていくつもりだったが、反応がいい馬だから思ったより早め先頭に立ってしまった。今回、掛かるところがまったくなく、1600m前後がベストかも。1200mだと追っ付けで行くので、そうすれば前回(JRA福島・白河特別)のように末が甘くなるから、そのあたりのJRAを使えばいつかチャンスがあると思う」(菅原勲騎手)
次走の選択肢は多く、不来方賞、古馬の芝、JRAなどどれでも大丈夫なのでジックリ考えたいと鈴木七郎調教師。
2着 サイレントステージ
ハイベットタイム落馬の影響を受けてやや出遅れ気味のスタート。それでも中団まで盛り返して常にボスアミーゴより前の競馬に心がけたが、4コーナーでボスアミーゴにアッと言う間に交わされる。それでも直線で盛り返して内で粘っていたカネショウエリートをゴール寸前で捕らえて2着を確保した。
「落馬の不利があったので、よけいテンに行けなかったが、道中の位置取りは悪くなかった。どう乗ってもボスアミーゴには敵わないが、それでもキッチリまとめたから納得」(板垣騎手)
3着 カネショウエリート
終始3番手の外を追走して直線入り口で先頭。そこから渋太く粘ったが、最後の最後で3着に敗れた。今回も前で競馬をしたかったが、陣営には何とも痛い大外14番枠。それでスタートで脚を使わなければならず、そのロスは少なからず影響したが、高松騎手がうまく3番手につける。仮にだが、枠順が8枠より内だったら2着はあったかもと思わせる粘りを披露した。改めて芝適性の高さを証明した。
7月15日 第29回せきれい賞(3歳以上オープン 地方競馬全国交流 盛岡芝2400m)
1着 サイレントグリーン
かきつばた賞とは全く違った展開となってマルタカキラリーが逃げ、2番手にタイキリオン、そしてサイレントグリーンは3番手インの経済コースをキープする。
3、4コーナーを回っても隊列はあまり変わらずマルタカキラリーがそのまま逃げ切るかに見えたが、ラスト100mでインから外に持ち出したサイレントグリーンが鋭く反応。一瞬でマルタカキラリーを交わし、あとは後続をグイグイ突き放して同レース2年ぶり3度目の優勝を果たした。
「1周目スタンド前でちょっと掛かったとき、外に出すかなとも思いましたが、ペースがペースなので無理に行かない方がいいと我慢させました。結果、それが良かったようで最後で凄い脚を使えたのかもしれません。前回(かきつばた賞)より今回の方が強い勝ち方でしたね」と板垣騎手。
2着 コスモダーク
終始、サイレントグリーンの後ろにつける形で進み、直線で外に持ち出すとスッといい感じで伸びて内で粘るマルタカキラリーをゴール前で交わして2着確保した。
近走成績、そして芝は中央未勝利時代に2度使って5、6着。決して適性がある足跡ではなかったが、河津調教師「芝が合うタイプと踏んで遠征させた」の読みがズバリ的中した。
3着 マルタカキラリー
戦前はどの馬が逃げるか予測がつきづらかったが、「追って切れるタイプではないのでリードを作りたかった」(菅原勲騎手)が果敢に逃げる。道中は平均ペースで快調に逃げ、直線でも渋太く粘ったが、最後の最後で一杯となった。馬体の張りも転入後、最高の状態だったし、レース運びも非の打ち所がなかったが、これで負けたのなら仕方なし。
5着 タイキリオン
「この2400mだと道中で貯めても伸びる訳ではないから、前につけて粘る戦法しかなかった」(村松騎手)の言葉どおり2番手の積極策に出る。直線入り口でも手応えが悪くなかったように見えたが、ラスト300mでガクンと減速。やはり守備範囲は1700mまでかも。
7月16日 第11回マーキュリーカップ(Jpn? 3歳以上オープン 盛岡ダート2000m)
1着 シャーベットトーン
「元々、先行力がある馬だから積極的に行こうと思ったら、誰も来なかったので楽に先手を取れた」(吉田豊騎手)。1周目スタンド前で早くも主導権を握り、1コーナーで一度ハロン13秒1に落としたほかは後続を引き付けて12秒台のラップを正確に刻む。直線に入ってもスピードは衰えるどころか、さらに加速。後続をどんどん突き放して2着に9馬身差の大差。ここ数戦は僅差負けを繰り返し、惜しいところで勝ちを逃がしていたが、そのうっ憤を一気に晴らすかのような圧勝劇となった。
「スタートが決まったし、道中もリラックスして走れたので走ることができたので楽だった。1頭だとソラを使うし、初めてのコースで物見をしないように最後まで気を抜かないで追った。ここ2戦で悔しい思いをしていたので、手頃なメンバーとなった今回は是非、勝ちたかった。これからの馬だと思うので、どんどん活躍してほしい」と吉田豊騎手。
「次走以降は未定。ひとまず山元トレセンでリフレッシュさせ、秋に備えたい。今回、賞金を加算できたことによって選択肢が広くなった。これからも楽しみ」と奥平雅士調教師。
2着 クーリンガー
当初、和田竜二騎手が騎乗する予定だったが、小倉競馬の代替開催によって急きょ、武士沢騎手に騎乗変更となった。「自分が行くか、シャーベットトーンを目標にするか迷ったが、向こうが行く気だったので2番手に控えた。ただ道中ずっとエイシンロンバードに被せられて楽な競馬ではなかった」(武士沢騎手)。
終始、エイシンロンバードにつつかれる形となって3、4コーナーでもたつき、直線入り口で一旦、エイシンロンバードに交わされてしまったが、内から再び差し返して2着を死守した。これで盛岡は1勝2着2回3着1回と、相性の良さを改めてアピールした。
3着 エイシンロンバード
こちらも武豊騎手から内田利雄騎手へ乗り替わり。もまれ弱い面があると聞いた内田利雄騎手がスッと3番手外につける。あとは道中ずっとクーリンガーの外につける展開で進め、直線で一旦2番手に進出したが、最後で差し返されて3着に敗れた。
「直線で寄ってしまい(実際はササってしまった)、クーリンガーの闘争心を引き出してしまった」と内田利雄騎手。
4着 テンショウボス
3番手インの経済コースにポジションを取り、道中も置かれずにレースを運ぶ。直線も内を狙って上位食い込みを狙ったが、JRA勢とは最後のひと伸びが違った。最高の状態、小林騎手も最高のパフォーマンスを披露したが、これは力の差だから仕方なし。
8着 サイレントエクセル
前回・みちのく大賞典は入れ込みが激しく競馬にならなかったが、今回は汗をかくことなく非常に落ち着いていた。道中は5、6番手の外を進み、向正面まで手応えは悪くなかったが、3コーナーあたりから板垣騎手の手が動く。4コーナーでは前の馬からどんどん離されて8着。これが全国区との力差かもしれない。
7月7日 第8回ミルキーウェイカップ(3歳オープン ダート1800m)
(写真・佐藤到)
1着 マツノメガミ
外から好ダッシュを決め、同型オーナーズスキャンが後方に控えたこともあってスンナリ先手を取る。2コーナーからスッとペースを落とし、これで息を抜けたのが最後で二の脚を使えた最大の要因。そして3コーナーで徐々にピッチを上げ、4コーナーでは後続に3馬身ほどのセーフティリード。これも板垣騎手の絶妙の判断で、ネバーオブライトが差を詰めようとしたが、マツノメガミはさらに突き放してゴール。2連勝を飾るとともに初タイトルを手に入れた。
「スタートで競られなかったので、楽に逃げることができた。4コーナーで後ろを離したのは追って伸びるタイプではないから。あのぐらい離さないと…と思って早めにスパートをかけた。まじめで気のいい馬なのでとても乗りやすい」と板垣騎手。
2着 ネバーオブライト
マツノメガミの3馬身ほど後ろを追走。ゆったりとしたペースだったため、ここ2戦のように追っ付けどおしではなく終始2番手をキープし、直線勝負に持ち込もうとしたが、マツノメガミの方の脚色が上回り、4馬身差をつけられてしまった。
それでもひとまず2着にまとめたのが収穫で、タイプ的に忙しい競馬より今回のような中距離以上が合う印象を受けた。
3着 ハルサンヒコ
ネバーオブライトからまた3馬身離れた中団インを追走し、3コーナーからジワジワ差を詰めようとしたが、伸び案外に終わる。
ダイヤモンドカップ1、2着馬が不在。そしてボスアミーゴも福島遠征で絶好のチャンスかに見えたが、同厩マツノメガミの逃げ切りにしてやられる。いわゆるどんな相手でも上位争いを演じる一方で、メンバーに恵まれても勝ち切れないタイプで、どこかでひと皮むけないと表舞台での白星は難しいかもしれない。
7月8日 第7回ふみづき賞(B1級以下 ダート3000m)
(写真・佐藤到)
1着 ベリーメリーホーク
現在、日本ダートでは最長の3000mが話題を呼んだが、ツジジオットがレースを非常におもしろくした。そのツジジオットは大逃げを打ったと思ったら、600m以降はガクンとペースダウン。緩急自在の戦法を取ったが、ベリーメリーホークはそれに惑わされず終始5番手でジックリ待機する。徐々にペースが上がり始めたラスト800mから仕掛け、4コーナーではツジジオット、ウエストサンオペラを射程圏内に入れる。
ラスト200mあたりでウエストサンオペラと併走状態になったが、馬体を併せると渋太いのを知り尽くしていた菅原勲騎手は、ベリーメリーホークを意識的に離して大外コースを選んで交わし、盛岡ダート3000mのレコードホルダー(基準がないため、あくまでも参考だが)となった。
「忙しい競馬より今回のような長い距離が合うし、道中はまったく掛かるところがなく、直線までいかに脚を貯めていられるかだけを考えて乗った。長丁場はいかに騎手が我慢させるかがカギなので、折り合いがつくこの馬にはベスト」と菅原勲騎手。
その言葉どおり、菅原勲騎手は見事な騎乗ぶりを披露した。
2着 ウエストサンオペラ
1周目スタンド前でヒメツバキが掛かり気味となって2番手まで進出したが、こちらは終始2、3番手インをキープ。ツジジオットが4コーナー過ぎに一杯となって押し出される格好で早め先頭に立ったが、それでベリーメリーホークの格好の標的になった格好。それでもゴールまで内で粘ったが、競り合いを避けられたのが痛かった。
3着 ヤマニンリボールト
ベリーメリーホークと同様、道中は掛かることなく4番手をキープ。4コーナーで徐々に先陣に接近したが、そこで脚色が一杯となった。
4着 ツジジオット
先にも記したが、3000mレースを盛り上げた最大の功労馬。いつもどおり好スタートから1周目3コーナーでは後続を10馬身ほど離す大逃げを打ったが、その後はガクンとペースを落とし、後ろを団子状態にする。向正面では5、6馬身と馬群がグッと詰めるほどのスローに落とし、まさに関本浩司マジック。そして4コーナーまで主導権を握ったが、さすがに直線を向くと苦しくなって失速したものの、3000mの長丁場でずっと緊張感を保ってレースを運んだ功績は大だった。