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ばんえいジョッキーファイル(4) 細川弘則

2008年6月 5日(木)

第4回 癒し系1000勝ジョッキー 細川弘則

 今回は、5月3日第11レース、ナンエイヤマトで通算1000勝を達成した細川弘則騎手です。

--- まずは1000勝おめでとうございます。

 ありがとうございます。今後の目標かい? キリないけど、1つでも2つでも記録を伸ばして、事故のないように。

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--- 騎手になられたきっかけはなんでしょうか。

 俺の住んでた北見には、ばん馬やってる人が結構いたのさ。騎手の佐伯(元騎手・義則)さんや久田さん(現調教師)、馬主さんも家のそばにちょくちょくいたりして。日曜日は馬好きな親について歩いてたら、ばん馬の世界が良く見えて飛び込んだんだ。

--- 高校には行かれたんですよね。

 勉強大好きだったから(笑)。IT企業に乗ろうと思って電気科行ったんだけど、ばん馬が気になって成績は下がる一方(笑)。
 親は(騎手になることに)反対だったね。なぜか理由は聞いたことないけど。

--- 勝負服は黄色ですね。久田騎手に憧れていたとお聞きしましたが。

 実はね、最初は好きな緑で作ったんだけど、久田さんに大却下されてね。
 相撲のまわしと同じで、同じ厩舎(晴披〔はれまき〕孝治厩舎)は同じ色じゃないとダメなんだって言われて。
 久田先生? かっこよかったよ。当時(笑)。

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--- ナイター開催になりましたが、いかがですか。

 個人差あるだろうけどね、オレは楽だよ。朝3時に起きて、仕事が終わって8時頃。普段だったら1時間位しか休めないんだ。だけどナイターは3時まで、1回ゆっくり休めるしょ。

--- 思い出の馬はいますか?

 思い出の馬はやっぱり……1番最初に乗った馬(キタノオーカン)と、一番最初に勝った馬(コマツホマレ)と、一番最初に重賞とった馬(ヒカルセンプー・01年旭川記念)かな。

--- お父様が馬主さん(細川貞夫氏)ですが、お父様の馬で思い出に残る馬はいますか?

 ホワイトキャップ(01年北斗賞ほか)かな。なかなか山登らんでな。

--- お父様の馬は名前に「ミント」がついていますよね。

 今は使ってないけどね。北見はハッカの町だったしょ。何か地元をアピールできる名前をつけれないかと思って、自分の親の馬はミントをつけた名前を使ったの。地元アピールできるし雰囲気もいいし、ゴロもあうかなと。

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--- 好きなタイプの馬はいますか?

 好きなタイプの馬? スーパーペガサス。

--- 昨年のガイドブックにも、思い出の馬はスーパーペガサスと書かれていましたね。騎乗したことはありませんがなぜでしょう。

 ソツがないというか、どこからでも挽回できるというか、自分でどんどん逃げれるというか……自由自在。すべてを兼ね備えた馬なんじゃないか。
 乗りたかったんだけど乗してくれなかったもんな……1回チャンスあったんだよ。藤野さんがケガして……乗るのやめれば乗れたんだけど、乗ったもんな。

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「乗ってるだけでよかった」という藤野騎手を指差して……

--- 趣味はありますか? 中継でスキーが上手だと紹介されていましたが。

 いやぁ、なんもだ。スポーツはなんでもできるよ。ただ一つ、できないのがあるのさ。
 水泳。息つぎができない。今でも息子と一緒に練習してるんだけど、なかなかうまくできない。
 趣味はいっぱいあるよ。釣りも好きだし、ゴルフもやるし。
 釣りは広尾、大津(豊頃町)を攻めてるつもりなんだけどね、魚にとっては脅威でないらしい。魚安心してるもん。

--- 昨年のガイドブックに「好きな食べ物 ボルビック」と書かれていたのが不思議でした。

 うん、水好きなんだよね。こだわってんだわ。あれがおいしくて。
 お茶とか飲むより水飲む方が多いんだよね。吸収いいし、ジュース飲んだら甘ったらしいの残るしょ。
 減量は無理かかっていないけど、騎手たるものは、ってなるべく1日3回食べないようにはしているよ。夜おにぎり1個以上食べたら、次の日1キロ以上太る。

--- 今リッキーハウス(スタンド入り口近くのショップ)で売られている谷調教師が描かれた絵のTシャツは、細川騎手の企画だと聞きましたが。

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 谷さんにね、オレの部屋のドアに絵を描いてもらったんだ。そのプレハブが今年春に建て直しするって噂があったから、これは何かの形で保存しなきゃいけないな、って谷さんに言ってTシャツ作ったの。いくらか売り上げに協力できればって置いてもらったけど……売れないね(笑)。

--- ところで、細川騎手は初めて会っても、昔からの知り合いのような気がするのですが。親しみやすいのでファンが多いのではないでしょうか?

 そうかい? 飲み屋の女の人はまた来てほしいからそんなことばっかり言うけどな。
 おばさんに好かれるんだよ、オレ。まいるな(照)。

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--- 今のばんえいについて、考えていることはありますか?

 ドバイ開催! ドバイでいこう。ドバイでがっちりって書いといて。
 本当はもっともっとしなきゃいけないんだけど、なかなか思ったことできないしな。
 いろいろ立ち上げて組織作って、ばんえいを応援してくれている人にさ、とても感謝してますって書いといて。
 『1000勝は、競馬が続いたお陰で達成できたことなので、皆様の競馬を支えていただいた気持ちに心から感謝とお礼を申し上げます。これからも応援よろしくお願いします』って。

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 細川騎手は冗談ばかり言って笑わせてくれました。でも、質問をはぐらかされたかも…?
 騎手控え室でのインタビューだったので、周りの騎手にも細川騎手のいいところを聞いてみました。若手の船山騎手に聞いたところ、「馬へのあたりがやわらかいですね。馬に負担をかけない。」とのこと。
 細川騎手は、澄んだ瞳で人の目をまっすぐ見て話すので、すっと人の心に入り込んでくるような気がします。
 これが多くの方に好かれる理由なのだと思います。

取材・文・写真/斎藤友香

今週の見どころ(6/6〜6/8)

 6月1日の開催を終えての騎手リーディングは、1着25回は同数も、2着数の差で藤本匠騎手が1位、松田道明騎手が2位。そして16勝を挙げ3位と健闘しているのが西謙一騎手です。昨年はNARグランプリ2007優秀新人騎手賞にも輝いたばんえい期待の星。10月に通算50勝を達成し減量特典がなくなったあとも、ベテランたちに混じって奮闘しています。その騎乗ぶりには注目です。

 6月6日(金)のメイン第11レースは薫風特別(300万円未満)
 注目したいのは、前走(5月24日)の300万円未満を制したカネタマル。昨季、一昨季は、おもにオープン、準オープンで出走し第2障害で大きく遅れるレースの連続。前走の勝利が実に約1年8カ月ぶりとなりました。このクラスに降級した今季は、初戦こそ障害で体勢を崩して7着、2戦目は9着だったとはいえ障害をひと腰でクリア。そして迎えた前走は、先行策から障害をふた腰で越え後続を突き放しました。後方におかれることが多いだけに、重量増で流れが落ち着く特別戦は有利。障害に不安がなくなった今なら引き続き好走の期待が高まります。
 これに、前開催のカフェ・ド・ペルシュロン特別(300万円未満)では1番人気を裏切って5着のコブラダイオー、同レース2着で連続連対を3に伸ばしたイッスンボウシや、このクラスで安定したレースを続けているユウシテンザンらが続きます。
 ホッカイヒカルミサキスペシャルの4歳馬2頭は、前走柏林賞で1、3着に好走。しかしともにこのクラスでは実績がなく、今回は様子を見たいところです。

 6月7日(土)のメイン第11レースは水無月特別(500万円未満)。2開催前の緑風特別、前開催のシャクナゲ特別(ともに500万円未満)の再戦模様となりました。
 その2レースで3、1着ともっとも安定しているのがコマタイショウ。障害しだいのところはありますが、きっちり伸びてくる末脚は驚異です。
 緑風特別を制したキョクシンオーは、シャクナゲ特別は6着。しかし最後方から一気に差を詰めて見せ場はつくりました。追い込み馬ゆえ展開に左右される面はありますが、ここも好走して不思議ありません。
 バンゼンは、緑風特別は障害でバランスを崩し10着も、シャクナゲ特別ではきっちり巻き返して2着を確保。ここでは決め手上位の存在でしょう。
 この3頭を中心視しますが、実績上位のアローコマンダー、先行力あるヒロノドラゴン、開幕からこの条件(混合戦含む)を2連勝していたトカチタカラ、今回が昇級初戦のハマナカキングらも侮れず混戦は必至です。

 6月8日(日)のメイン第11レースはグリーンパーク特別(オープン)
 ここは開幕週の重賞・ばんえい十勝オッズパーク杯で、同重量でマッチレースを演じたカネサブラックナリタボブサップによる再度の一騎打ちとなりそうです。
 ゴール前でわずかに抜けて優勝したカネサブラックは、それ以来の出走。レース間隔は空きましたが、出てくるからには万全な態勢のはず。ここも早め障害クリアからの押し切りに期待できます。
 コンマ3秒差で惜しくも2着だったナリタボブサップは、その後2戦して2連対と好調を持続しています。今回は、カネサブラックが5キロのハンデを負うことから逆転のシーンも十分でしょう。
 障害巧者のミサイルテンリュウや、前開催のつつじ特別(オープン)で1、2着のタケタカラニシキフクイズミらが一角崩しを狙います。

 

6/1柏林賞回顧

2008年6月 2日(月)

ホッカイヒカル重賞初挑戦・初制覇! 

 1日(日)は昨年新設された重賞・柏林賞(4歳オープン)が行われ、最低人気のホッカイヒカルが重賞初挑戦で初タイトルを獲得。阿部武臣騎手は02年銀河賞(キタノコクホー)以来、久々の重賞制覇となりました。

 道中は各馬とも2、3度脚を止める平均的な流れ。プリンセスモモ、エビスオニワカあたりがペースを掌握するも、ほぼ一団のまま第2障害を迎えました。
 ほぼ並ぶかたちで、最初に障害に挑んだのはプリンセスモモとエビスオニワカ。特にプリンセスモモの掛かりがよく、天板まで登り切りました。ところが、外から一気に障害を駆け上がったのがホッカイヒカル。内からはアローファイターもクリアし、この2頭が並んで障害を下っていきました。一歩遅れてプリンセスモモ、差なくミサキスペシャル、1番人気のコーネルフジは7番手でクリアしました。
 先行するのはアローファイター、プリンセスモモ、ホッカイヒカルの3頭。ミサキスペシャルも脚を伸ばし、大混戦の様相を呈してきました。しかし、残り20メートルを切ってグッと伸びたのがホッカイヒカル。敢然と抜け出して他馬を置き去りにすると、2馬身ほどの差をつけてゴールしました。徐々に脚を伸ばしたプリンセスモモが2着で、これを追いかけるかたちで伸びたミサキスペシャルが3着。コーネルフジは中団のまま7着に敗れました。

 これが重賞初挑戦とは思えない、堂々としたレースぶりでタイトルを奪取したホッカイヒカル。これまで目立った成績としては、今年3月のクリスタル特別で、ミサキスペシャル、コーネルフジに次ぐ3着がある程度でした。しかし昨冬に3連勝が2回あるなど、着実に地力をつけているのは確か。現4歳世代のトップクラスに名を連ねたホッカイヒカルの今後が、非常に楽しみです。

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阿部武臣騎手「障害さえうまくまとめれば、降りてからもきっちり歩ける馬。いつもはテンに置かれるけど、馬場も良かったし置かれなかったので楽でした」

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