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2008年2月 アーカイブ

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3/2チャンピオンカッププレビュー

2008年2月29日(金)

 3月2日(日)のメインは、第29回チャンピオンカップ。今年度の重賞勝ち馬のみが出走できるレースで、クラス別定重量で争われます。なおオープン馬は、今年度の獲得賞金150万円ごとにさらに10キロ加増の条件がつきます。
 昨年4月のばんえい十勝オッズパーク杯馬カネサブラックは、岩見沢記念、北見記念、帯広記念を含めここ10走のオープンで9連対と好調を持続。課題だった高重量への対応も克服するなど成長を感じさせますが、この馬のスピードを生かせるのはやはり軽量で臨めるレース。今回はトップハンデでも800キロで、岩見沢記念以降850~900キロを課せられていた重賞と比べると格段に楽な条件です。ほかのオープン馬(牝馬も含め)とも最大30キロ差ならこなせるはずで、スピードにまかせて押し切るシーンがありそうです。
 同じくトップハンデのナリタボブサップは、北見記念、帯広記念と重賞を連勝中。登坂力を武器に早めの障害クリアから粘り込むのが勝ちパターンです。今回も有力馬の1頭ですが、北見記念、帯広記念ともに馬場水分5%台と軽めの馬場だった点は注目。当日、時計のかかる馬場状態になるようならやや評価を下げる必要があるかもしれません。
 逆に重い馬場になれば台頭してくるのがトモエパワー。馬場水分2.7%の岩見沢記念ではゴール前でミサイルテンリュウカネサブラックを差し切って勝利しています。高重量戦を得意とするだけに、普段のオープン戦より少しでも重量が重くなるここは有利でしょう。しかし他馬が苦しむ重量ではないだけに勝ち切るまではどうか。
 昨夏に旭川記念、北斗賞と重賞を連勝したのがミサイルテンリュウ。岩見沢記念、北見記念、帯広記念では、3、4、7着でしたが着順ほどには負けていません。ただ近走は障害を越えてから粘りを欠く面があり、勝利にはもうひと押しが必要でしょう。
 オープン勢では唯一の牝馬トカチプリティーは、今年1月のヒロインズカップを勝利しています。770キロも恵まれたとはいえず、相手強化もあり苦戦が予想されます。
 条件級馬のなかでは、近6走ですべて5着以内と安定した成績を残しているツジノコウフクに好感が持てます。今回は初の古馬一線級が相手でも、軽ハンデと障害力を生かし押し切る可能性もあるでしょう。
  ペガサスプリティーエリザベスライデンニシキガールプリンセスモモの4歳牝馬勢は、重量的には断然有利に映ります。しかし4歳牝馬は過去5年間で5頭出走し、最高が7着という成績。ここ5年で最大120キロものハンデ差がついた事例はありませんが、勝ち負けを望むのは酷でしょう。

出走表はこちら

【参考レース】

 9/30岩見沢記念(勝ち馬:トモエパワー)
11/25北見記念(勝ち馬:ナリタボブサップ)
 1/ 2帯広記念(勝ち馬:ナリタボブサップ)

※映像はこちら。またこれらを含めた2カ月前までの映像はすべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(3/1~3/3)

 今週、来週と日曜日のメインには重賞が組まれています。今週(3月2日)はチャンピオンカップ。今季の重賞勝ち馬のみが出走権のあるレースで、まさにチャンピオンのなかのチャンピオン決定戦。歴戦のオープン馬と世代の頂点を極めた若駒たちの対決が楽しみです。なお1日(土)と3日(月)は、全11レース制。第1レースの発走時刻は普段より30分繰り下がり11:30となりますのでご注意ください

 3月1日(土)のメイン第10レースは桜月特別(430万円未満)。前開催の同条件戦・キタキツネ特別の再戦模様となりました。
 その前走は、先頭ですんなり障害を越えたメダマが悠々逃げ切り勝ち。障害2番手からユウシテンザンがそのまま2着に粘り、3番手以下は障害で苦戦し大きく離されました。
 メダマはこれで前々走の5歳オープンから連勝と勢いがあります。今回は前走より5キロの加増となりますが、余裕あるレースぶりから不安はなく、3連勝の期待が高まります。
 ユウシテンザンは、昇級後2走連続で2着と安定しており今回も好勝負は必至です。
 怖いのは前々走まで2連勝、昇級戦のキタキツネ特別では4着のキングシャープ。多少離されてもリカバーできる豪快な末脚が武器ですが、さすがに前走は障害で差をつけられすぎました。障害さえ普通にこなせれば、一気に突き抜ける可能性を秘めています。
 勝ち切れないまでも近5走の同条件戦ですべて3着以内に健闘のカネミセンショー、決め手あるタケノホウシュウも争覇圏でしょう。

 3月2日(日)のメイン第11レースは重賞・第29回チャンピオンカップ。(16:30発走予定)。このレースは別掲のチャンピオンカッププレビューをご覧ください。

 この日の第7レースに、3歳A2によるアクアマリン特別が組まれています。
 前開催の、なきうさぎ特別(3歳A2)を圧勝したライデンロックがオープンに昇級し、イレネー記念(3月9日)に出走予定のため、4着以下を20秒近く引き離して2着争いを演じたキタノドリーマーウィナータカラにやはり期待がかかります。
 なきうさぎ特別は競走除外も実績上位のドラゴンスーパーや、前走3歳A3戦で障害2番手から抜け出し楽勝のボンバイエが一角崩しを狙います。

 3月3日(月)のメイン第10レースはひな祭り特別(オープン混合)。オープン勢がやや手薄なメンバーだけに、700万円条件馬にも十分チャンスがありそうです。
 ホクショウダイヤは前開催の丹頂特別(オープン混合)では、着順こそ4着だったとはいえ、障害で大きくバランスを崩し、もはや絶望的ともいえる位置から追い込んで、勝ち馬と6秒4差まで詰めました。障害は決して苦手ではなく、今回は巻き返しなるかに注目でしょう。
 今季、オープン混合や混合700万円未満でも勝利しているバンゼンは、700万円条件への昇級戦とはいえ、まったく格負けしていません。
 オープン勢では、実績上位のサダエリコが有力。丹頂特別2着のシンエイキンカイも障害さえスムーズなら、ここを勝ち切るだけの力は十分です。

レース回顧(2/23~2/25)

2008年2月25日(月)

 23日(土)はオオワシ特別(4歳以上600万円未満)が行われ、バンゼンが勝利。前走の出走取消の影響を微塵も見せずに快勝しました。
 コマタイショウが早めに第2障害に挑みましたが、やや苦戦している間にバンゼンが先頭クリア。これをコマタイショウが追い、フクノカミカゼとミスターハヤサキが3番手で続く展開。コマタイショウが1馬身半ほどの差で必死に追撃したものの、その差はいっこうに縮まらず、結局そのままゴールイン。上位クラスとの混合戦でも上位争いを演じてきたバンゼンが、その実力をいかんなく発揮しました。やや離れた3着にミスターハヤサキ。

 24日(日)はメインレースにとかちえぞまつ特別(4歳以上オープン)が行われました。ここを制したのはホシマツリ。前走は2番人気で6着に大敗しましたが、即座に巻き返しに成功しました。
 障害下へ真っ先にたどり着いたホシマツリが、各馬が揃わないうちに登坂開始。なんとか上がり切ったところで、カネサブラック、ナリタボブサップも抜群の掛かりを見せて天板へ。結局ホシマツリ、カネサブラック、ナリタボブサップ、ミサイルテンリュウの順で、障害を下りていきました。その後は、ギャロップで差を詰めたカネサブラックが一気にホシマツリを飲み込む勢い。しかしホシマツリもしぶとく末脚を伸ばしてこらえると、1馬身ほどの差を保ったまま残り20メートル。完全に脚いろは一緒となり、そのままゴールを迎えました。2頭に食らいついたナリタボブサップが3着を確保しています。

 同日の第10レースに行われたえぞりす特別(3歳オープン)は、ウィナーナナが勝利。デビュー4連勝を飾った好素材が、オープン通用を証明しました。
 各馬とも第2障害で苦戦を強いられ、ヒザを折る馬が続出。ウィナーナナもヒザを折りましたが即座に立て直し、先頭で難関を突破。残り10メートル付近から脚いろが鈍りカイセテンザンの追撃に遭いましたが、これをなんとか振り切って先頭ゴールを果たしました。3番手集団から脚を伸ばしたコトブキタイガーが3着。人気を分けあったオレワスゴイとホクショウジャパンは、3番手集団の一角で障害を越えたものの、それぞれ5、6着に敗れました。

 25日(月)のとかち白鳥特別(4歳以上500万円未満)は、イナノプリンセスが優勝。危なげないレースぶりで、1番人気にこたえました。
 ヒロノドラゴンが先頭で障害を越えたのち、抜群の登坂力を見せたイナノプリンセスが2番手でクリア。残り30メートル標識の遙か手前で一気に先頭を奪うと、あとは差を広げる一方。唯一コーネルが食い下がってきましたが、セーフティーリードを保ってゴールしました。ツジノコウフクが残り5メートルでヒロノドラゴンを捉え、3着で入線。

映像はこちら。またこれらを含め2カ月前までの映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(2/23~2/25)

2008年2月22日(金)

 先週日曜日のメイン・たちばな賞でアンローズが勝利。NARグランプリ2006ではばんえい最優秀馬に選出され、前々走までに31勝(うち重賞10勝)を挙げていた女傑ですが、これが帯広56戦目にして記念すべき初勝利となりました。なお3月23日のばんえい記念が引退レースとなる予定。同レースには、過去2回挑戦して8着が最高着順(もう1回は競走中止)ですが、今回は好勝負の期待が高まります。
 ところで今週の日曜日(24日)14:55ころから競馬場スタンド正面にて、長らくばんえい競馬を沸かせてきた2頭の引退式が行われます。
 エビスオウジャは、昨年8月のばんえいグランプリで10歳、通算218戦目にして重賞初制覇を飾った大器晩成の名馬。もう1頭のタカラボーイはオープン・準オープンで名バイプレイヤーとして活躍しました。なお両馬ともこのあとは、種牡馬として第2の馬生を歩むことになっています。

 2月23日(土)のメイン第10レースはオオワシ特別(600万円未満)です。
 なおこの日と25日(月)は全11レース制。第1レースの発走時刻がふだんより30分繰り下がり11:30となりますのでご注意ください。
 コマタイショウは2開催前(1月27日)の柏林馬事公苑特別(600万円未満)、前開催のきさらぎ特別(混合700万円未満)と連勝中。その2走で今回のメンバーの多くに先着しており、早めの仕掛けからの押し切りに期待できるでしょう。
 柏林馬事公苑特別で僅差2着のミスターハヤサキ、同3着バンゼンや、きさらぎ特別で、ほぼ同時の障害クリアからコマタイショウと大接戦を繰り広げたハヤテショウリキらも有力。末脚切れるキョクシンオーや、スピード魅力のハマナカキングも侮れず、混戦は必至です。

 2月24日(日)のメイン第11レースは、とかちえぞまつ特別(オープン)
 ここはカネサブラックに注目。前開催は自重しましたが、目下オープンで7戦連続連対。抜群の安定感を武器にここも勝ち負けです。
 スーパークリントンは前開催の然別賞は着順こそ4着でしたが、障害で大きく離されたものの、ぐんぐん前との差を詰め勝ち馬と1秒3差まで迫りました。近4走のオープンではすべて5着以内に健闘。確実に末脚を使えるようになったのがこのところの安定した成績につながっており、今回も好勝負必至でしょう。
 自慢の登坂力をフルに発揮し然別賞を押し切ったミサイルテンリュウ、コンマ2秒差の3着だったナリタボブサップも争覇圏。2連勝と勢いに乗るホクトキングが、オープン一線級を相手にどんな戦いをみせるかにも注目です。

 この日の第10レースは3歳A1による、えぞりす特別。前開催の同条件戦・つばき特別のメンバー9頭中7頭が出走を予定しています。
 今回は、その前走で1、2着のオレワスゴイニシキボスを中心とした争いになりそうです。
 実績上位のマルモスペシャル、デビューから10戦して3着を外したのが1回だけの堅実派ウィナーナナも好勝負できそうです。

 2月25日(月)のメイン第10レースは、とかち白鳥特別(500万円未満)
 前走の5歳オープン(2月10日)で、早め障害から2、3着に流れ込んだツジノコウフクヒロノドラゴンに期待します。特にツジノコウフクは、今季500万円条件で7戦して5回の掲示板など好勝負しており有力視できます。
 前開催の同条件戦・北斗七星特別3着で登坂力自慢のコトノカツマ、同レース5着で前々走まで、間に重賞(9着)を挟んで、混合500万円未満、500万円未満をともに勝っているイナノプリンセス、同8着も先行力あるブランドボーイらにも注目。ここ2戦は障害で苦戦し惨敗も能力上位ストロングペガサスの巻き返しの可能性もあります。

馬券おやじは今日も行く(第45回) 古林英一

2008年2月21日(木)

祝!アンローズ

 アンローズがついに帯広で初勝利をあげました。伝え聞くところでは、今年度限りで引退し、近々引退式も予定されているとのこと。引退直前になってやっと帯広で勝ちました。

 アンローズがなぜ帯広で勝てないのか? もしかすると冬場が苦手なのかという説もありました。アンローズは現在までに通算32勝をあげていますが、このうち18勝が夏から秋にかけての岩見沢開催でした。2007年度から帯広で周年開催となったので、これで帯広でも勝てるんじゃないかと思われましたが、あえなく8歳時は未勝利に終わってしまいました。どうも、冬場苦手説よりも、帯広の第2障害が苦手というコース適性説の方が正しかったようです。

 アンローズといえば美形で有名な馬でもありました。馬でも人でもオッサンは美人が好きなので、当然のことながら小生も大好きでありました。小生、岩見沢競馬場に行く機会が多かったせいもあって、アンローズの晴れ姿を何度か目の前で見たのですが、一番の思い出といえば、2002年8月4日のクインカップでしょうか。

 このレース、小生は当時NHK北海道の看板番組「ほくほくテレビ」を担当していた目加田頼子アナウンサーとご一緒したのであります。このとき口取りに彼女も参加しました。アンローズと同様、目加田さんも大柄な美人です。華やかな美人同士で、なかなかいい組み合わせでありました。このときの写真をアップしようかと思ったのですが、もしかするとNHKは肖像権云々とかいいそうなので残念ながら断念します(^^;)

 せっかくなので、ここでアンローズの足跡を記しておくことにいたしましょう。

 生産者は数々の名馬を生み出した帯広の三井宏悦氏で、馬主も三井氏。2001年5月27日旭川競馬場の新馬戦でデビューしますがこのときは4着におわります。デビュー時の体重は882kgですから、小さくはないですが、特に大きかったわけでもないですね。旭川開催は2戦して4着、10着、続く北見開催で5着、3着のあと、7月16日の5戦目で待望の初勝利をあげました。そして岩見沢でおこなわれた白菊賞と星雲賞を勝ちました。その後、旭川、北見、帯広と転戦しますが、年を越えて2月17日のフリージア特別でシンザンタイガーの3着が最高でした。

 2002年度は、上述のクインカップ、オークス、ダービーを勝ち、菊花賞も2着と大活躍し、26戦10勝の素晴らしい成績で、収得賞金は12,122,000円にもなりました。

 古馬の壁に阻まれたということでしょうが、翌2003年度は24戦したものの、4歳限定戦で2勝、3・4歳限定戦で1勝の計3勝をあげるにとどまります。

 5歳になった2004年度は、岩見沢記念でスーパーペガサスを降して優勝、北見記念も勝ち、まさに女王誕生の年となりました。この頃になると、馬体重も1,100kg程度になり、ビッグウエイトカップにも出場しています。翌2005年度にはサダエリコを降し岩見沢記念を連覇し、ばんえい記念にも出走しましたが、残念ながら競走中止となってしまいました。

 7歳となった2006年度はまさに夏の女王の面目躍如といった年となりました。6月25日の復帰初戦を勝利で飾ると、岩見沢では7戦5勝2着1回という圧倒的な強さを見せ、ばんえいグランプリと、岩見沢記念3連覇を達成します。続く北見開催は3戦2勝。トモエパワーを降し北見記念を勝ちます。ばんえい記念にも出走しますが9頭立ての8着と惨敗してしまいました。

 そして8歳となった2007年度からは帯広での周年開催。ばんえい記念後休養にはいり、7月22日の北斗賞で復帰しますが4着。その後12月16日の師走特別でホクトキングの2着となり、帯広では2003年12月のヒロインズカップ以来久々の連対を果たしました。このときは勝馬とのタイム差はわずか1秒3。あわや帯広初勝利かと思わせるレースでした。そして2月17日フクイズミの猛追をかわしついに帯広初勝利を飾ったのでした。

 さて、この帯広初勝利でアンローズはこっそりもうひとつの記録を達成したのであります。それは帯広競馬場ですべての着順(さらに競走中止)を記録したのです。岩見沢では42戦していますが、10着と競走中止がありません。24戦した北見では競走中止はありますが9着と10着がありません。旭川では21戦し、2着、5着、6着、9着、そして競走中止がありません。

 最後にこれまでのアンローズの成績をまとめておきます。岩見沢だけで全収得賞金の半分を稼いでるんですねえ。まさに「夏の女王」です。

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