ばんえい競馬情報局とは?

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2007年5月 アーカイブ

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レース回顧(5/26~5/28)

2007年5月29日(火)

 26日(土)に行われたのはシャクナゲ特別(3歳以上500万円未満)。馬場水分7.7パーセントの高速決戦を制したのは、3番人気のコマタイショウでした。
 第2障害は差なく5頭がクリアする大激戦。その後は決め手勝負となりましたが、コマタイショウがギャロップで先頭に躍り出ると、しぶとく食い下がるハマナカキングを退けて先頭ゴール。今季3戦連続連対となり、好調ぶりをアピールしました。2着ハマナカキングで、3着にはハヤテショウリキが入線。1番人気バンゼンは4着に敗れました。

 27日(日)のメインレースとして行われたレーシングカップ(3歳以上オープン)は、古豪エビスオウジャが快勝。前走のオープン混合別定に続く勝利を挙げ、そのスピードに衰えがないことを示しました。
 馬場水分は、前日ほどではないにしろ、5.6パーセントと高め。ニシキダイジンが予想どおり早めのレースを展開して、先頭で障害をクリア。しかしエビスオウジャ、トカチプリティー、カネサブラックといった実績馬が続きし、なかでもエビスオウジャが次元の違う末脚を発揮。一気に他馬を置き去りにすると、楽な手ごたえのままゴールラインを越えました。混戦の2着争いは、障害5番手から追い込んだホシマツリに軍配。以下カネサブラック、トカチプリティーと入線しました。

 この日の第10レースに行われた尾崎紀世彦特別記念(3歳以上混合別定700万円未満)は、19日のアカシヤ特別と21日のつつじ特別出走馬による勝抜2度使い戦。ここも高速決戦となりましたが、ギャンブラークインが障害先頭クリアから押し切り、今シーズンの初勝利を挙げました。

 28日(月)はサクラ草特別(3歳以上430万円未満)が行われ、1番人気のキョクシンオが優勝。今季旧800万クラスから降級し、5戦4勝2着1回と格の違いを見せつけています。
 ストロングペガサスが早めに仕掛けるなか、ひと呼吸おいたキョクシンオーは第2障害をひと腰、先頭でクリア。余裕の脚取りで後続との差を広げると、ゆうゆうとひとり旅を演じて楽勝しました。障害2番手からきっちり歩ききったタケトップクインが2着で、これを激しく追い立てたチヨノキングが、届かず3着。

 映像はこちら。またこれらを含めた4月以降の映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

今週の見どころ(5/26~5/28)

2007年5月25日(金)

 旋丸巴さん、古林英一教授がコラムにも書かれているとおり、ばんえい競馬を支え北海道の馬文化を発信する「とかち馬文化を支える会」の設立総会が、5月17日帯広で行われました。
 この「とかち馬文化を支える会」では、帯広競馬場を拠点として情報提供、物品販売、馬とのふれあいイベントなどを行うほか、将来的には帯広での馬学セミナーの開催など学術面での活動も視野に入れています。
 現在同会では会員(年会費3000円)を募っており、競馬開催日に申込みを受けつけています。なお遠方で競馬場に足を運べないという方は電話での申し込みも可能です。
 お申し込み・お問い合わせは、電話0155-34-0825(競馬開催日の9時40分から17時まで)まで。
 ばんえい競馬はもちろん、日本の競馬界全体のことまで考えた初となるこの試みをぜひ応援しましょう。

 5月26日(土)のメイン第11レースはシャクナゲ特別(500万円未満)です。
 好調馬の揃った一戦となりましたが、ここは、ハヤテショウリキコマタイショウの2頭に注目です。
 5月4日のスーパージョッキー賞では、先頭で第2障害を越えたコマタイショウが、障害を3、4番手でクリアしたハヤテショウリキの追い上げを封じて優勝。逆に5月12日の新緑特別では、第2障害を先頭でクリアしたハヤテショウリキが障害2番手から追走のコマタイショウを抑えて優勝と、開幕から同じレースを戦い1、2着を分け合った両馬。実力的にはほぼ互角で、三たびこの2頭のワンツーになる可能性も十分にあります。
 そのほかでは、前走牝馬のオープンで後続をちぎる強い勝ち方をしたイナノプリンセス。昨季はオープン格付けだったライジングサン、昇級初戦のカゲシュウホー、堅実な走りを見せるバンゼンなどが出走します。

 5月27日(日)のメイン第11レースはレーシングカップ(オープン)です。
 カネサブラックは、今季2戦して重賞・ばんえい十勝オッズパーク杯1着、前走大雪賞も勝ち馬と僅差の2着と好調です。メンバー構成もここ2戦とそれほど変わらず、また軽い負担重量を得意とする同馬にとって前走から5キロ減の720キロ、他馬とハンデ差なしでレースに臨める今回も引き続き期待して良さそうです。
 やはり怖いのはトモエパワー、ばんえい十勝オッズパーク杯ではカネサブラックに敗れ2着でしたが、その後ひと開催空けてこのレースに臨んできました。休養明け2戦目の上がり目も見込めそうです。
 勢いならホシマツリ。昨季最終戦からの連勝を3に伸ばし、今回は700万未満からの昇級戦となりますが、いきなり好勝負に期待が持てます。
 また、大雪賞でカネサブラックを破ったタケタカラニシキ、前走2着と巻き返した紅一点のトカチプリティーなども侮れません。

 5月28日(月)のメイン第11レースはサクラ草特別(430万円未満)です。
 ワカテンザンは、今季初戦の500万未満戦を障害2番手から差し切って優勝、自己条件に戻った前走はカゲシュウホー、ライジングサンに惜しくも敗れ3着でしたが、この2頭が500万未満へと昇級したため、このクラスでは実力的に格上なのは間違いのないところ。今回も好勝負が期待されます。
 キョクシンオーも今季4戦3勝、2着1回と好調ですが、昨季は旧800万未満で優勝を飾ったほどの実力のある馬。ここは単なる通過点かもしれません。
 ほかでは、開幕戦で1着のあとの2戦は惨敗ですが巻き返したいチヨノキング、前走牝馬のオープン戦でイナノプリンセスの3着に健闘したタケトップクイン、また人気薄での好走が目立つストロングペガサスなどにも注目したいところです。

馬券おやじは今日も行く(第33回) 古林英一

2007年5月24日(木)

地方競馬新時代の夜明けへ

 先週の当コラムで旋丸姐さんが述べておられたように、NPO法人「とかち馬文化を支える会」(以下、「支える会」と略称)の設立総会が開催された。

 小生、この「支える会」の設立はわが国の近代競馬百数十年の歴史のなかで歴史を画する大きな出来事であると思っている。

 小生は法学者でもなければ政治学者でもないので、小生の法解釈は素人解釈であることを予め断っておく。もっとも、わが国は憲法すら解釈次第でどうにでもなるというお国柄なので、小生の競馬法解釈なんぞはかわいいものである。

 競馬法には競馬の目的は記載されていない。地方競馬の場合、「都道府県は、その行なう競馬の収益をもつて、畜産の振興、社会福祉の増進、医療の普及、教育文化の発展、スポーツの振興及び災害の復旧のための施策を行なうのに必要な経費の財源に充てるよう努めるものとする」(競馬法第23条の3)とあるだけである。

 つまり、儲かったらその儲けは上記の目的に使えということが規定されているだけである。自治体が儲けるために競馬を行うとはどこにも書いていないのである。このあたりは、競艇、競輪、オートレースとは異なっている。競輪・競艇・オートでは地方財政への寄与が目的として謳われている。

 そこで、小生の提案する解釈改憲ならぬ解釈改競馬法である。ひとことでいえば、競馬そのものの目的は市民自らが決めようという提案である。儲けが出ようと出まいと、市民が競馬という営みを市民自らの目的のために利用すればよいのである。いいかえれば、学校、図書館、美術館、公園などと同様に、競馬・競馬場を地域社会の公共資本として位置づけようということである。

 「支える会」の定款第3条は「この法人は、…(中略)…馬資源を活用したまちづくり・経済活動の活性化に寄与することを目的とする」と謳っている。これはまさに地方競馬の新たな位置づけを、市民の側から宣言するものと小生はみている。

 競馬は市民の娯楽である。お上になけなしのお金を上納するためにワシらは遊んどるわけじゃない。競馬を市民自らの営為とし、競馬・馬・人・競馬場を地域の共有資源として活用することが、これからの地方競馬存続の方向ではないだろうか。逆にいえば、市民がそうした意識を持ちうる競馬・競馬場づくりができなければ、地方競馬の明日はないと小生は思う。

 そう考えると、この支える会の定款は、わが国競馬史における、いわばフランス革命における人権宣言、アメリカ独立の独立宣言、日本国憲法、はたまた明治維新の五箇条の御誓文(これはちょっと違うかも…)のごとき、新たな時代の夜明けを高らかに宣言した革命的歴史的文書である(いうことが大げさだとわれながら思うが、ここらが小生の「学者」たるところなんである)。

レース回顧(5/19~5/21)

2007年5月22日(火)

 19日(土)のアカシヤ特別(3歳以上混合700万円未満)は、スーパーロイヤルとタカラボーイが出走を取り消し8頭立て。サダエリコやスターエンジェルなど、そうそうたるメンバーが集結しましたが、今季初戦のミサイルテンリュウが貫禄を見せて優勝しました。
 持ち前の登坂力で第2障害を先頭で越えると、好調ヤマノミントも直後から追ってくる展開。しかしミサイルテンリュウは、軽馬場も味方につけてスイスイ逃走。そのまま先頭でゴールを果たしました。2着争いが混戦で、ホクトキング、ギャンブラークインの2頭がヤマノミントを交わし、わずかにホクトキングが前に出たところがゴール。以下、ギャンブラークイン、ヤマノミントと入線。

 20日(日)のメインレースはライラック賞(4歳オープン)。ダービー馬ナカゼンスピードが取り消して、9頭立てで行われました。ここを制したのは、1番人気のテンカ。昨季終盤から好調を維持しており、4歳世代の中心として大きくアピールしました。
 第2障害はメジロショウリキが先頭クリアを果たす展開。しかし、じっくりタメたテンカがひと腰、2番手でクリアすると、一気にメジロショウリキとの差を詰めてあっさり先頭を奪取。そこからは独壇場となり、楽な手ごたえのままゴールしました。2着は障害7番手から追い込んだホクショウダイヤ、堅実に歩いたコーネルが3着を確保しています。

 21日(月)はつつじ特別(3歳以上混合600万円未満)が行われ、唯一700万クラスから出走したグレートサンデーが、単勝最低人気を下馬評を覆して優勝しました。
 イケダガッツが第2障害を先頭で越える展開で、グレートサンデーは差のない6、7番手から。各馬が横一線の大混戦となりましたが、砂煙の向こうでグレートサンデーがジワジワと脚を伸ばし、残り10メートル付近で先頭へ。必死で追いすがるトカチタカラを振り切り、先頭でゴールを果たしました。早めのレースを展開したトカチタカラが2着。グレートサンデーとほぼ同時に障害を下りたアローコマンダーが3着に入線しました。

映像はこちら。またこれらを含めた4月以降の映像は、すべてオッズパークにてご覧いただけます。

やっぱり馬が好き(第34回)  旋丸 巴

2007年5月18日(金)

「とかち馬文化を支える会」発足!

 今日(17日)は、いよいよ、なのである。何が「いよいよ」かと言えば、「とかち馬文化を支える会」が、いよいよ発足。今日が、その設立総会の日なのである。

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 同会は元々、存廃に揺れた昨年末、存続運動に奔走した人々が、その力を今後の「ばんえい繁栄」に繋げよう、と発案された会。なのだけれど、しかし、「どうせ、応援するなら、ばんえい競馬に限定せず、広く馬文化全体を応援しちゃおうじゃないか」という、素晴しく太っ腹な発想から生まれた会で、設立メンバーとして顧問に矢野吉彦さん、理事に古林先生と不肖・私、それに、今のところ肩書きは特に持たれていないけど影に日なたに御尽力いただいている斎藤編集長、と当情報局のメンバーも深く関わっている同会なのである。

 さて、そんな「支える会」が、本日、その第一歩を踏み出すのだけれど、この会、前述の如く、「馬文化ぜ~んぶを応援しちゃおう」という会だけど、また、帯広競馬場を「馬文化の基地にしちゃおう」という実に壮大な野望を持った会でもある。

 具体的には、競馬場でウエスタンショーやポニー乗馬、馬車運行などを行って、観客に、ばん馬も含めた馬全体を体感してもらおうという次第。私の主宰する日本純血アラブ馬協会も、正装したアラブ馬でのアラビアンホース・パレードを予定しているから、お楽しみに。

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ウエスタンショー

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馬車運行

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正装したアラブ馬

 勿論、「支える会」の事業には、他にも、ばんえい競馬応援のためのグッズ販売や、ばんえい競馬に、より親しんでもらうための他の様々な事項がひしめいているのだけれど、しかし、ここで是非にも読者各位に申し上げたいのは、これ、全て「善意の人々」の集まりである、ということ。前述イベントも乗馬関係者が手弁当で駆けつけて実施するのだし、グッズ販売も、ばんえい競馬を核とした馬文化に還元するのが目的。

 「ばんえい競馬を助ける前に、我が家の経済を何とかしてよ。でないと……」と我が伴侶は、執筆を放棄して走り回る私に、叱責、懇願、脅迫、種々の方法で迫るけれど、乗りかかった船。毒を食らわば皿まで、と同会の設立、運営に関わる所存。

 なので、願わくば、読者各位全員が、この会に参加して、ばんえい競馬を、そして、それを育んだ「とかちの馬文化」を応援していただきたいのである。

 おっと、書き忘れていたけど、同会、名称の頭に「とかちの」と冠しているけれど、決して、会員や活動を「十勝」に地域限定している訳ではない。世界で唯一ばんえい競馬を持っている十勝が、この際、全国に親しんでもらえれば良いな、という意味で「とかち」を冠しただけで、全国からメンバーを募って、全国の馬好きの皆さんと歩んで行く会。

 会費は年間、たったの3000円。世界にたったひとつの「ばんえい競馬」を応援するために、そして、帯広競馬場が全国の皆さんに喜んでもらえる一大「馬パラダイス」となるために、皆さんの御参加を、是非是非是非!

「とかち馬文化を支える会」会員は、ばんえい競馬開催時に随時受付け。事務局(帯広競馬場内)TEL 0155-34-0825(内線27)まで

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