ばんえい競馬情報局とは?

ばんえい競馬の最新情報を提供します。重賞を中心に予想や回顧のほか、ばんえい競馬に関するコラムなどもご覧いただけます。
カレンダー
リンク
おすすめコンテンツ

« 2006年6月 | メイン | 2006年8月 »

2006年7月 アーカイブ

<<前へ 1234

やっぱり馬が好き(第21回)  旋丸 巴

谷さんと辻本さん

 「な、何~~?! 谷厩舎~~?!」
 と、あられもない声を張り上げた相手は、辻本由美さん。ご存知、ばんえい競馬女性騎手第1号である。

   *   *   *

060707  ご案内の通り、騎手を引退した辻本さんは、十勝に牧場を構え、生産者として毎年、ばんえい競馬に駿馬を送っている。彼女と少しばかり面識があるのをいいことに、先日、何となく電話をしたら……。

 「牧場は母親に任せて、厩務員になったんだ」と言われて、仰天した。

 だって、5月に辻本牧場に遊びに行ったばかり。そして、そこで、生まれたての仔馬の世話や、種付けに忙しく立ち働く辻本さんの姿を見たばかり、なのである。それが、あれから僅か2カ月で厩務員に転身とは……?

 何か、よほど思うところがあったのだろう、と思って、辻本さんに尋ねたら、
 「うーん、思うところ……って別にないんだけどね。思うままに生きてる私だから」
 あはははは、と笑い飛ばされてしまった。ううむ、やっぱり辻本さんのパワーは凄い。

 因みに、辻本さんという人は、女性らしい気遣いの人であると同時に、「竹を割ったような」という言葉がそのまま服を着ているような、清潔無垢、豪放磊落な男性性も持ち合わせた、誠に気持ちの良い人なのである。

   *   *   *

 話は、厩務員に戻ったことを知らされて驚愕する場面に戻って……。しかし、そんなことで驚いている私に、更にもう一発、驚きのパンチが待っていた!

「で、勤務先はお父さんの厩舎?」と重ねて問うた私に、辻本さんの曰く

「いや、谷さんの厩舎」

 ここにおいて、私は冒頭の如く、あられもない声を張り上げるのである。

 いや、しかし、冷静に考えれば、谷さんと辻本さんは親友同士。だから、谷厩舎に辻本さんが勤めて何の不思議もない。不思議がないどころか、騎手経験も生産者経験もある辻本さんが厩務員としてサポートしてくれれば、谷さんも「鬼に金棒」。心強い助っ人に違いない。

 ちょっと驚かされたけど、これは素晴しい取り合わせだわ、と急に嬉しくなって、「じゃあ、頑張ってね」とエールを送って、電話を切った。

   *   *   *

 巨大産業に成長してしまったJRAとは違い、ばんえい競馬のシステムは、どこか家庭的で温かい。谷さんが辻本さんを厩務員に迎え入れて共に働く、なんてことが迅速に実現できるのも、小さな地方競馬ならではの話である。

 辻本さんが担当する馬はフナノカチ、セイウンステージ、タケノダッシュの3頭。この3頭が活躍すれば、「女性調教師・女性厩務員コンビの馬」として注目を浴びることは必至で……。

 もっとも、芯の強さ、行動力の凄さ、馬への愛着……何をとっても、そこいらの男性なんぞ問題にしないほどパワフルな、谷さんと辻本さん。だから、「女だから」なんてチャラチャラ祭り挙げてようとしても、決して軽佻浮薄なお神輿には乗らないだろうけど、ね。

レース回顧(7/1~7/3)

2006年7月 3日(月)

 1日(土)に行われたジュライ特別(3歳以上650万円未満)は、3番人気のエビスオウジャが優勝。近走は勝ちきれないレースが続いていましたが、そのモヤモヤを吹き飛ばす快勝で、今季4勝目を挙げました。第2障害は予想どおりナリタボブサップが先頭でクリア。2番手で続いたエビスオウジャは一気に脚を伸ばし、残り30メートルで先頭へ。その後もしっかり脚を伸ばして先頭でゴールしました。ナリタボブサップは終いに甘くなるも2着を確保。障害で手間取った各馬の中からハマナカキングが抜け出して3着。1番人気のミスターセンプーは、障害で詰まった上にヒザを折り、5着に敗れました。
 2日(日)のメインレース、マロニエ賞(3歳以上オープン)は、2番人気のミサイルテンリュウが優勝しました。今季はこれで5戦4勝。唯一の敗戦は旭王冠賞2着と、オープン戦線の中心として活躍しています。レースは早め先頭の代名詞ニシキダイジンが、先頭で第2障害をクリア。しかし、障害を下りてまもなくミサイルテンリュウがこれを交わし、必勝パターンへ。それを追うようにアンローズも内から2番手に進出。両馬とも終いの脚いろは決してよくなかったですが、結局はこの2頭が逃げ切って決着。障害6番手から豪快に伸びてきたサダエリコは、追撃及ばず3着に敗れました。
 3日(月)はエルム特別(3歳以上800万円未満)が行われ、2番人気のカネサブラックが優勝しました。第2障害下には他馬に遅れて到達しましたが、一呼吸おいただけで挑むと、切れのある見事な登坂力で一発クリア。遅れて、断然人気のフクイズミも障害を越え、人気2頭の一騎打ちの様相を呈しました。末脚に絶対の自信を持つフクイズミですが、カネサブラックの脚もまったく衰えず、その差はいっこうに縮まりません。ゴール前でわずかに差が詰まりましたが、そこまで。カネサブラックがシャープな障害、終いの脚という総合力で、フクイズミの追撃を交わしました。3着には4番人気のホクショウファイトが入線しています。

映像はこちら

<<前へ 1234
Copyright (C) OddsPark Banei Management Corp. All Rights Reserved.