
かつてであれば2歳馬がこの秋のまだ早い時期から移籍もせずに長距離遠征することなどはほとんど考えられなかったが、グランダム・ジャパンのボーナスを狙ってか、この園田プリンセス賞にも4年前から毎年のように北海道から遠征してくるようになった。
とはいうものの、長距離輸送をともなって誰でもが遠征してくるというわけでなく、過去4年で北海道から遠征してきた計10頭は、角川秀樹厩舎が7頭、田中淳司厩舎が3頭と、近年ホッカイドウ競馬のリーディングを争っている両厩舎だけ。そんな中でもこの4年で地元の吉行龍穂厩舎のトーコー軍団(昨年のナンネッタも馬主は同じ)が2勝と強さを見せている。そのほか、田中淳司厩舎が2勝で、角川秀樹厩舎は2着1回、3着2回。さらに無視できないのは笠松勢で、この4年で2着2回、3着1回。北海道からの遠征がなかった5年前は笠松所属馬が1着3着だった。
今年は笠松からの遠征こそないが、北海道からは田中、角川勢が各2頭ずつ、さらに大井から1頭が参戦してきた。
地元馬に3戦3勝という馬もいるが、やはりホッカイドウ競馬の2歳馬の経験値は高く、2歳オープンで掲示板内の好走を見せているバモスの能力が高そうだ。
さらに未勝利からアタックチャレンジを連勝しているサラヒメも好調。ただこの馬は1200メートル以下のコーナーを2つ回る競馬しか経験がなく、さらに連勝したのが1000メートル戦ということでは、1400メートルへの距離延長が気になるところ。
重賞ではやや力が足りないエグジビッツだが、3走前の2歳オープンでは、その後にJRA札幌のすずらん賞を制したリュウノユキナの4着という成績がある。
大井から遠征のアクアレジーナは、デビュー2戦目の前走は3番手追走から直線で抜け出す強い競馬を見せた。
フレッシュチャレンジを勝ったのみのシンキングタイムだが、中央の芝に挑戦した経験での上積みがあればあっと言わせる場面もあるかもしれない。
地元3連勝中のセイヴァーベナは、それら実績馬の間に割って入れるかどうか。
遠征勢の評価を高くしたが、北海道の4頭にはいずれも地元兵庫所属騎手が騎乗しており、地元騎手の活躍にも期待したいところ。
◎5バモス
◯2サラヒメ
▲3エグジビッツ
△10アクアレジーナ
△6シンキングタイム
△1セイヴァーベナ
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フルールカップこそ4着だったストロングハートだが、リリーカップでは2番手から直線で先頭に立つと、グラヴィオーラには迫られたものの、迫ってくればそのぶんだけまた伸びるという着差以上に強い勝ち方。3着馬には5馬身差がついた。おなじみグランド牧場の生産・馬主で、ラブミーチャンのいとこにあたる血統。父はサウスヴィグラスだが、そのレースぶりから距離延長にも対応できそうだ。
中央の芝で好走を見せたのがミスマンマミーア。コスモス賞2着に続いて出走した札幌2歳ステークスでは、着順こそ7着だが勝ち馬からはコンマ3秒差と、芝への適性を見せた。とはいえダートでは勝ちきれないレースが続いて初勝利は5戦目のアタックチャレンジ。もしそこを勝っていなければタイミング的に中央挑戦は叶わなかったところ。あらためて門別のダートで試金石となりそうだ。
リコーデリンジャーはフレッシュチャレンジを勝ったのみだが、フルールカップが5着に、リリーカップが3着。距離延長や展開などきっかけひとつで逆転もありそう。
未勝利からアタックチャレンジを連勝して好調のビジネスライク、アタックチャレンジを勝ったあとのウイナーズチャレンジが濃霧のため取止めとなり、今回は仕切り直しとなるナツミプレジール、前走アタックチャレンジ勝ちのリンノストーンらは上積みがあれば上位進出も。
◎7ストロングハート
○9ミスマンマミーア
▲10リコーデリンジャー
△13ビジネスライク
△8ナツミプレジール
△11リンノストーン
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重賞実績のあるカイロス、フリビオン、カッサイと3頭の争いとなりそうだが、その中で中心はカッサイとした。昨年末の高知県知事賞(4着)以外、高知では1600メートルまでしか経験がないが、マイル戦では普通に好走していて、流れが落ち着く1900メートルなら対応可能と見る。何より6月の園田FCスプリントでハナ差の惜しい2着以降好調が続いている。
3歳のフリビオンが古馬重賞初挑戦で、さてどうだろう。高知優駿を圧勝しているように、印上位3頭で距離不安がないのはこの馬だけ。しかも目下7連勝中と好調続き。古馬との対戦では6月にB-2の一般戦を楽勝しているが、さて重賞クラスのメンバーに入ってどうか。高知優駿まで主戦をつとめた中西達也調教師の管理馬となっての初出走ということでも興味深い。
カイロスは、同じ1900メートルの二十四万石賞で2着があったが、勝ったセトノプロミスから5馬身も離されていた。距離が疑問と見て3番手評価とした。
重賞で上位争いまでという実績のワイルドコットン、クレスタランが3強に割って入れるかどうか。
◎5カッサイ
◯4フリビオン
▲2カイロス
△9ワイルドコットン
△6クレスタラン
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古馬重賞常連組ではニュータカラコマには登録がなく、センゴクエース、ハクタイホウらが回避しての7頭立て。今回のメンバーでは3強ともいえる、コウシュハウンカイ、オレノココロ、フジダイビクトリーと3頭の3連複はいくらつくのだろう。2〜3倍程度だろうか。
そこで出番は、以前から主張しているとおりにサクラリュウ。北斗賞では古馬重賞実績馬のオールスターが5頭揃って6着、ばんえいグランプリではセンゴクエースが凡走したところでひとつ着順を上げて5着。重賞線戦では、重賞タイトルがある実績馬らの次の着順をきっちり確保している。今回有力馬は3頭に減って、どれか1頭でも凡走があれば馬券圏内に食い込める状況にはなった。2着にでも入れば馬券的にそこそこの配当が期待できそう。
この時期に調子を上げてくるのがフジダイビクトリー。昨シーズンはJRAジョッキーDAY記念がシーズン初勝利で、そこから岩見沢記念と連勝。今シーズンはJRAジョッキーDAY記念こそ3着だったが、続くマロニエ賞でシーズン初勝利を挙げて臨む一戦。基礎重量が重くなってくるここからがフジダイビクトリーの出番だ。
オレノココロは引き続き障害次第、コウシュハウンカイはトップハンデ840キロだが、重量を背負っても崩れない安定感があり、勝つのは○▲△の可能性が高い。
◎5サクラリュウ
○4フジダイビクトリー
▲3オレノココロ
△6コウシュハウンカイ
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2008年から2014年までの7年間では北海道からの遠征馬が6勝と圧倒的な強さを見せていたが、ここ2年は地元岩手所属馬が勝利。それでも2015年は2着、昨年は2、3着に北海道からの遠征馬が入っており、引き続き予想の際に北海道からの遠征馬は上位に考える必要がある。
モリノラスボスは門別で4戦2勝、2着2回。アタックチャレンジを勝って臨む予定だったウィナーズチャレンジは濃霧のため取止めになったのはなんとも痛恨だったことだろう。父エスポワールシチーという血統で初めての芝がどうかだが、能力は高そう。桑原義光調教師は今シーズン限りでの引退を表明されていて、9月3日のJRA札幌ではすずらん賞をリュウノユキナで制したが、ここでも引退を前にメモリアルの勝利となるかどうか。
地元勢では、重賞の若鮎賞で初勝利を挙げたベストロード。2着に負けた2走前の芝1600メートル戦が重馬場でかなりタイムがかかり、若鮎賞は一転、良馬場で好タイムでの勝利。台風が近づいていてどんな馬場になるかだが、道悪ならやや評価を下げたほうがいいのかもしれない。
北海道から移籍初戦となるのがマコトハインケル。デビュー戦のフレッシュチャレンジでは、その後に栄冠賞とブリーダーズゴールドジュニアカップを制したサザンヴィグラスと対戦(3着)しており、強い馬に揉まれた経験は生きてきそうだ。
若鮎賞2着のコウギョウカナリア、水沢のデビュー戦でベストロードに6馬身差をつけ圧勝しているリュウノムーンらも有力となりそう。
◎4モリノラスボス
◯2ベストロード
▲1マコトハインケル
△3コウギョウカナリア
△6リュウノムーン
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