NAR『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『アタック!地方競馬』『地方競馬中継』解説。1964年生まれ。
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コウテイは、今シーズン勝ち星はまだないものの、昨シーズンも初戦のA1混合特別を制したあと、2勝目が帯広記念で、しかもそれが8歳での重賞初制覇だった。その後にはばんえい記念で3着と高重量戦への適性を示した。今シーズン崩れたのは、790kgと軽量の重賞・旭川記念だけ。賞金を稼いでいないだけに、昨年の北見記念2着のときと同様、別定増量なしの850kg。シーズン終盤に向けて、どんどん基礎重量が重くなってくるこれからがコウテイの季節だ。
5歳で古馬重賞を2勝し、6歳になってさらに充実ぶりを見せているのがクリスタルコルド。今シーズン重賞は旭川記念を制したのみだが、岩見沢記念3着は評価できる内容。昨年の北見記念は5着で、今年も同じ860kgでの出走だが、歳を重ねて経験を積んだぶん、昨年以上の結果を期待したい。
キングフェスタは、ばんえいグランプリでメムロボブサップの2着のあと、岩見沢記念を含め3連勝と絶好調。ただ高重量の経験は、その岩見沢記念の830kgが最高。今回、別定20kg増の870kgとなってどうか。ただ当日は雨予報が出ていて、馬場が軽くなれば有利になる。高重量戦での障害には不安があり、あっさり勝つか、着外か、という結果のような気がする。
インビクタは過去3年連続で出走しているが、競走中止、4着、6着と、やはりシーズン後半の高重量戦は難しい。メムロボブサップ不在で高重量戦に不安のあるメンバーも少なくないだけに、軽馬場を味方にどこまでやれるか。
5歳のタカラキングダムは、ここまで古馬重量では4着が最高という成績。来シーズン以降につながる経験になればという一戦。
◎3コウテイ
◯5クリスタルコルド
▲2キングフェスタ
△1インビクタ
△4タカラキングダム
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出走12頭のうち半数の6頭が北海道からの遠征(ほかに川崎1頭)。グランダム・ジャパン2歳シーズンの第2戦として10月12日に行われた金沢シンデレラカップは、例年北海道からの遠征が複数頭あるが、今年はゼロ(転入馬はいた)。オータムセールと時期が重なって馬運車が手配できなかったのが原因だったようだ。その金沢に遠征できなかったぶんが、今回の盛岡に回ってきたと思われる。
その北海道勢の能力比較が難しいが、トリップスに期待する。5月のフレッシュチャレンジを勝ったのみだが、2戦目のウィナーズチャレンジ4着の勝ち馬スペシャルチャンスはその後ネクストスター門別を制した。重賞リリーカップは勝ったリュウノフライトが5馬身差の圧勝で強すぎた。JRA芝のすずらん賞は度外視として、前走2馬身差で2着だったウィナーズチャレンジの勝ち馬シーテープは3勝馬。そうした強敵相手の経験が生かされるはず。距離延長が課題となるが、ハナをとってマイペースに持ち込み逃げ切りを狙う。
トリスティは、JRA札幌芝のクローバー賞で3着に好走。当日雨予報でもあり湿った盛岡の高速ダートで、そのスピードが活かせれば。
地元の期待はセイクリスティーナ。芝の若鮎賞、ジュニアグランプリを連勝し、さらに水沢の若駒賞では、前3頭の競り合いから直線だけで突き放して6馬身差圧勝。ここまで唯一の敗戦が、デビュー戦の盛岡ダートコースだったが、果たして。
川崎のサラサチャレンジは、園田プリンセスカップでは3コーナーで先頭に立ってそのまま押し切るかに思えたが、ゴール前外から伸びたココキュンキュンに差し切られて2着。続く金沢シンデレラカップはスタートで外から被されて位置がとれず、4コーナーでも外を回されるなどロスの多い競馬で4着。真価を問われる一戦だ。
そのほかも北海道勢で、フェアリーライズ、ゴールデンリング、ウィルラウスらはいずれも距離延長で能力発揮ならチャンスはありそう。
◎12トリップス
◯4トリスティ
▲6セイクリスティーナ
△8サラサチャレンジ
△9フェアリーライズ
△1ゴールデンリング
△11ウィルラウス
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7頭立ての少頭数だが、船橋、兵庫、高知からの遠征があり、地元実績馬と合わせて興味深いメンバーが揃った。
ミスズグランドオーは、大井A2以下特別での勝利という実績で高知への移籍。初戦の準重賞を勝ち、3番人気に期待された建依別賞はスタートで躓いて落馬。園田に遠征した1400メートルの園田チャレンジカップは、同じく高知から遠征したロレンツォに半馬身差で2着に敗れたが、高知からの遠征馬が3着以外の掲示板を独占。いまの高知のレベルの高さを示す結果だった。ここは重賞初制覇のチャンスだ。
地元の期待はハクサンパイオニア。1500メートルでは勝ち切れないレースもあったが、今年4月下旬から1400メートルに専念するようになって7戦6勝。日本海スプリントでは4着に負けたが、その前後のレースの勝ちタイムを見ても、能力を発揮していなかったことは確か。実際、続く百万石スプリントでは、日本海スプリントの勝ち馬プレシオーソに4馬身差をつけて楽勝。続く金沢鼓門賞も完勝。金沢1400メートルの舞台では底を見せていない。
船橋のジャックオレンジは1年半ほど勝ち星から遠ざかっているが、ここ2戦は船橋1200メートルのA2B1特別でそれほど差のない2着、3着と好走。ミスズグランドオーの大井時代の実績との比較でも見劣らない。
ヴァトレニは中央から兵庫に移籍しての2戦は惨敗だったが、3戦目となった1400メートルの特別戦を快勝。その勝ちタイム1分30秒7は、ミスズグランドオーの園田チャレンジカップの走破タイムより2秒以上遅いが、馬場状態の差もあり、地方馬同士の重賞なら通用する可能性はある。連下として押さえておきたい。
オヌシナニモノは金沢で900~1500メートルの重賞を5勝。ただ休養明けだった前走のレースぶりがいまひとつで、叩き2戦目での復調があるかどうか。
◎4ミスズグランドオー
◯3ハクサンパイオニア
▲5ジャックオレンジ
△7ヴァトレニ
△2オヌシナニモノ
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マリーンカップJpnIIIからJBCレディスクラシックJpnIを目指していたコパノエミリアだが、マリーンカップJpnIIIで5着だったことでJBCではなくこちらに回ってきたようだ。5着とはいえ、3カ月半の休み明けで、2・3着のJRA馬からは1秒以内の差。園田コースではのじぎく賞を8馬身差で圧勝しており、引き続き鞍上は吉村智洋騎手。2100メートルの関東オークスJpnIIで2着という実績なら、1870メートルの距離はむしろプラスといえる。古馬初対戦でも牝馬同士なら勝負になる。
アキュートガールは、一昨年正月に新春賞を制して以降、勝ち星から遠ざかっていたが、昨年9月にそれ以来の勝利をマークし、今年春には復調気配。5月の1870メートルの特別戦ではラッキードリーム(3着)に先着しての2着があった。前走六甲盃はさすがに相手が強く、4カ月半ぶりの実戦でも復活を期待したい。
ラヴィアンは一昨年3歳5月のデビューから連戦連勝に近い成績でクラスを上げ、重賞初挑戦だったコウノトリ賞を4馬身差で完勝。その後はやや足踏みが続いているが、牝馬同士の重賞では高知に遠征したレジーナディンヴェルノ賞を除けばそれほど大きく負けることはなく、引き続き上位を狙える。
マダムホークは1400メートルのB級特別で堅実にクラスを上げ、前走初めてのA級馬との対戦で、しかも久々の園田1700メートルでも3着と好走した。距離をこなせば上位争いの能力はある。
マジークは順調にB1までクラスを上げてきたが、デビュー以来ほぼ1400メートルのみを使われてきた。昨年6月に一度だけ1700メートルを経験(6着)しているが、今回は初めての1870メートルがどうか。
◎4コパノエミリア
◯5アキュートガール
▲8ラヴィアン
△11マダムホーク
△7マジーク
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グスタールは昨年秋に浦和から転入し、ほぼ連戦連勝に近い成績でB級から着実にクラスを上げてきた。重賞初挑戦となったくろゆり賞は6着までコンマ2秒差という上位接戦の3着に入り、前走でA1特別初挑戦で勝利。まだ底を見せていない。今回のメンバーで古馬重賞を勝っているのが、牝馬限定の撫子争覇を制したエイシンジョルトだけなら、重賞初制覇のチャンスだ。
2番手がそのエイシンジョルト。兵庫B1から転入して、撫子争覇を含め笠松1400メートルで目下3連勝。ここ2戦、良馬場で1分27秒という勝ちタイムは、東海勢同士の重賞なら牡馬相手でも勝ち負になるレベル。
2歳時にラブミーチャン記念を制したエバーシンスは、3歳重賞では入着まで。東海優駿3着、岐阜金賞2着は、ともに勝ち馬からやや離されていた。古馬相手では牝馬限定の秋桜賞で3着があり、前走8着だったゴールド争覇よりはメンバーが軽くなっただけに、上位を狙える。
2走前のA1特別でグスタールにクビ差2着と迫ったのがアルサーフィ。前走は逃げてエイシンジョルトの4着だったが、2走前、3走前のレースぶりと比較すると能力を発揮しているとはいえず、能力的に印上位とも差はない。
チュウワスプリングは、撫子争覇では11番人気という評価ながらエイシンジョルトに2馬身半差2着。中央2勝クラスから今年春に転入し、笠松では8戦して掲示板を外していないという堅実な成績だけに、ここでも上位を狙える。
ヴェッツラーはトリトン争覇5着以来、4カ月ぶりの復帰戦。そこで先着された4頭は、いずれも重賞で勝ち負けか上位の常連というメンバーだけに、相手が軽くなったここなら能力的に見劣らない。
◎7グスタール
◯4エイシンジョルト
▲1エバーシンス
△2アルサーフィ
△3チュウワスプリング
△10ヴェッツラー
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