
オケマルはデビューから6連勝、重賞4連勝で菊水賞を勝利。デビュー3戦目のネクストスター園田までは2着馬とのタイム差が1秒以内で、しかも接戦もあった。しかし2歳年末の園田ジュニアカップ以降の3戦では2着に1秒以上の差。数字が示すだけでなく、見た目のレースぶりでも一戦ごとに力をつけているのは明らか。菊水賞でもほとんど追われることなく2着ベラジオドリームに8馬身差、3着馬にはさらに5馬身差がついた。22日には高知でジュゲムーンが危なげなく二冠を制したが、オケマルにとってもここはまだ通過点といえそう。
相手筆頭はキミノハート。2歳時には兵庫ジュベナイルカップで2着があったが、その後の重賞では着外続き。しかし4月22日には3歳A一特別を5馬身差で逃げ切り圧勝。その1700メートルの勝ちタイム1分54秒1は、菊水賞なら2着に入っているタイム。続いて西日本クラシックも逃げ切った。ここに来て確実に力をつけた。
ベラジオドリームは2歳時門別の重賞で2着2回。兵庫移籍後、特別戦では3連勝も、兵庫若駒賞、菊水賞ではオケマルの高い壁に跳ね返された。笠松に遠征したぎふ清流カップでも逃げて直線まで先頭だったが、名古屋のケイズレーヴに直線とらえられて3/4馬身差で2着。重賞では常に何か強敵がいて、これまで2着4回、3着1回と惜しいところでタイトルに手が届いていない。今回はさらなる距離延長が課題となりそう。
エイシンハリアーは、佐賀に遠征したネクストスター西日本では、前述した高知・ジュゲムーンに2馬身差2着。兵庫チャンピオンシップJpnIIでは地元馬最先着の6着。距離経験は1500メートルまでで、この馬も一気の距離延長に対応できるかどうか。
ジーニアスレノンは、兵庫若駒賞、菊水賞でオケマル相手に2着、3着だが、ともに2秒以上の大差。ここでも連下争いなら可能。
ラピドフィオーレは、2歳時のネクストスター園田ではオケマルに半馬身差2着と、これまで実戦でオケマルにもっとも迫った馬。一時期落ち込んだが、兵庫ユースカップではエイシンハリアーにクビ差まで迫り、ぎふ清流カップでも2着ベラジオドリームに次ぐ3着と、ここに来て復調なのか、成長がうかがえる。
◎6オケマル
◯1キミノハート
▲5ベラジオドリーム
△8エイシンハリアー
△12ジーニアスレノン
△9ラピドフィオーレ
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高知移籍後、南関東遠征のダートグレードで2戦連続5着と好走したジュゲムーンは、その後3連勝。高知での初戦は古馬C2戦だったが、3馬身差をつけて負かした相手は中央オープン実績のあるピンシャン。そして佐賀に遠征したネクストスター西日本では断然人気にこたえて完勝。黒潮皐月賞は3番手から4コーナー手前で先頭に立つとほとんど追われることのないまま楽勝だった。今回1900メートルの舞台も、全日本2歳優駿JpnIで1600メートル、ブルーバードカップJpnIIIで1800メートルを経験していれば問題ないだろう。
相手は、前走1800メートルの山桃特別で半馬身差の接戦を演じたヤマノアシオト、ユラリユラメイテ。1400メートルの黒潮皐月賞はそれぞれ5着、3着だったが、ともに1600メートル以上で好成績を残しているだけに、今回の距離延長は条件好転。1月には1900メートルの中央との条件交流、竜頭盃で2着もあるヤマノアシオトを上にとった。
その竜頭盃で直線追い比べとなってヤマノアシオトを競り落としたのがリューノス。ここ3戦は差のある敗戦が続いているが、長く脚を使った竜頭盃と同じ1900メートルの舞台で巻き返しを期待したい。
金の鞍賞を制し、黒潮皐月賞で2着だったリケアマキアートは一気の距離延長でどうか。
山桃特別で3着だったオリーブブランチは、そのとき3キロあった減量が今回なくなるのは条件的にかなり厳しくなる。
ミラクルドリームは距離延長は不安材料となるが、デビューした門別時代も含めてここまで16戦して3着以内を外したのは3回だけ。1600メートルの仙台屋桜特別で2着ユラリユラメイテに1馬身差3着、オリーブブランチに先着という実績なら連下争いの可能性はある。
◎12ジュゲムーン
◯2ヤマノアシオト
▲3ユラリユラメイテ
△7リューノス
△8リケアマキアート
△1オリーブブランチ
△9ミラクルドリーム
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実績最上位はポマイカイ。これまで3着以内を外したのは2歳時の若鮎賞と、圧倒的に強い北海道勢が上位独占したネクストスター北日本だけ。そして1400メートル戦で連対を外したのはそのネクストスター北日本だけ。ならばポマイカイを中心としたいところだが、今回は別定2キロ増の58キロはいかにも厳しい。
そこで期待は牝馬のピカンチフラワー。冬季の南関東移籍から戻ってあやめ賞を勝ち、前走イーハトーブマイルでは、早め先頭のユウユウコラソンに真っ向勝負を挑んで2着に食い下がった。距離1400メートルに戻って能力を発揮する。
あやめ賞でピカンチフラワーにアタマ差2着だったのがステイクラッシー。イーハトーブマイルでも2着ピカンチフラワーに次ぐ3着だった。2頭の間にそれほど能力差はなく、ポマイカイより4キロ軽い54キロでの出走なら勝負になる。
前述のとおり58キロを背負うポマイカイは、この牝馬2頭に次ぐ3番手評価。
リュウノドラゴンは、イーハトーブマイルでは7着だったが、続く前走の3歳条件戦で8馬身差の圧勝。水沢1400メートル(良)の勝ちタイム1分29秒0は、シーズン再開の3月以降ではメンバー中最速のタイム。力をつけた可能性はある。
リュウノナポレオンは、2走前の盛岡1400メートル戦で、のちに東北優駿で2着に好走するサンロックンロールにクビ差2着、3着馬には9馬身差をつけた。ここまで2勝は水沢1400メートルでのものだけに侮れない。
◎3ピカンチフラワー
◯10ステイクラッシー
▲6ポマイカイ
△5リュウノドラゴン
△2リュウノナポレオン
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中央2勝クラスから転入して8戦7勝のスマートセプターは、820メートルは未経験も1230メートルでは6戦全勝。一方、ゴールドボンドは園田820メートル、姫路800メートルで11戦8勝。果たして、短距離で快進撃を続ける2頭のどちらか。スマートセプターは、重賞では兵庫ウインターカップで7着に負けているが1400メートル戦だけに参考外としてよさそう。一方のゴールドボンドは今回が重賞初挑戦。いずれ甲乙つけがたいが、7勝のうち5戦で2着に1秒以上の圧倒的な差をつけているスマートセプターを軸にとる。2番枠で先行争いが激しくなると内に包まれるリスクがあるゴールドボンドに対して、外枠のスマートセプターのほうがそうした心配もない。
昨年のこのレース3着だったルクスランページも、昨年春に中央から再転入後、1230メートル以下のみに特化して使われ、12戦して3着以内を外したのが1回だけと短距離で安定して上位の好走を続けている。
トリニティノットもここ2年ほど短距離に特化して使われているが、園田820メートルの持ちタイム50秒0では連下争いまで。
リケアサブルも820メートルのここ2戦を連勝しているが、ともに50秒台では勝ち負けまではやや物足りない。
◎10スマートセプター
◯2ゴールドボンド
▲5ルクスランページ
△7トリニティノット
△9リケアサブル
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このレース連覇を狙うアエノブライアンは、昨年春に大井B1から転入、連対を外すことなく、佐賀王冠賞のほかにも九州大賞典を勝利。中島記念は2着だったが、勝ったのがシルトプレでは相手が悪かった。2月の多良岳特別で佐賀では初めて連対を外す4着だったが、休養を挟んで立て直してくることに期待。
その多良岳特別勝利から4戦3勝、佐賀スプリングカップで重賞初制覇となったのがビキニボーイ。3月の九州クラウンは4着だったが、その時先着された馬で今回出走しているのは、3着のテイエムフォンテだけというメンバー。調子を上げて臨む一戦だ。
佐賀スプリングカップでビキニボーイと3コーナー過ぎから一騎打ちの末2着だったコスモファルネーゼまで、3頭の勝負とみる。
今年岩手から転入したマナホクは、ここまで10戦して1勝ながら、すべて掲示板内。佐賀スプリングカップでは3着だったが、2着コスモファルネーゼから8馬身離された。テイエムフォンテも昨年中央から転入し、掲示板を外したのはサマーチャンピオンJpnIIIだけ。佐賀スプリングカップではマナホクにハナ差4着。ともに、ビキニボーイやコスモファルネーゼとの差を詰められるかどうか。
◎6アエノブライアン
◯5ビキニボーイ
▲10コスモファルネーゼ
△2マナホク
△4テイエムフォンテ
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