スティールアクターは重賞初挑戦だった新春ペガサスカップこそ3着に敗れたが、続くスプリングカップでは3コーナー過ぎで先頭に立つと後続を寄せつけず完勝。笠松のジュニアグローリーでも同じように3コーナー過ぎで抜け出すと、直線半ばからは流すような感じで2着ワラシベチョウジャを4馬身引き離して圧勝。東海のこの世代は上位拮抗の混戦で推移してきたが、この連勝でスティールアクターが頭ひとつ抜け出した存在かに思われた。しかしネクストスター中日本は出走取消となって、駿蹄賞では1番人気に支持されたものの、早めの展開が厳しかったか、人気を分けたミトノウォリアーともども直線でばったり止まってしまった。そこから中5日で笠松・新緑賞にエントリーしたものの競走除外。その間隔で使おうとしたからには、駿蹄賞ではまったく能力を発揮していなかったのだろう。今回は万全の状態であればという条件付きにはなるが、スプリングカップ、ジュニアグローリーを連勝したときのレースぶりを評価する。
フークピグマリオンは、新春ペガサスカップ、スプリングカップでは、直線よく伸びたものの先に抜け出した馬をとらえきれずというレースだったが、ネクストスター中日本、駿蹄賞では3コーナーあたりで早めに前を射程に入れて差し切った。脚質的にペースや展開に左右される面はありそうだが、3コーナーからのまくりは強烈。駿蹄賞からさらに距離延長の2100メートルの舞台は、長く脚を使えるこの馬には味方となりそう。
ニジイロハーピーは、ネクストスター中日本ではフークピグマリオンの6着だったが、その後、東海クイーンカップ、のじぎく賞と牝馬重賞を連勝。1月には兵庫クイーンセレクションを勝っていて、重賞3勝とした。グランダム・ジャパン3歳シーズンのポイントではトップ(タイ)に立っていて、その最終戦となる6月12日の関東オークスJpnIIに出走すれば優勝も狙えるが、2週前のここを使ってきたからにはそれなりに期待はあるのだろう。
ミトノウォリアーは、前述のとおり期待された駿蹄賞で4着だったが、そこから中5日で出走した笠松・新緑賞ではワラシベチョウジャに3馬身差つけて完勝。この世代でトップを争う1頭であることは間違いないが、押し出される形で△まで。
駿蹄賞3着だったキャッシュブリッツ、名古屋所属ながら笠松で3連勝と力をつけたチェイスザウィンドらも上位を狙えそう。
◎3スティールアクター
◯6フークピグマリオン
▲10ニジイロハーピー
△12ミトノウォリアー
△2キャッシュブリッツ
△5チェイスザウィンド
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無敵の快進撃を続けるユメノホノオだが、スタートに不安があるのはご存知のとおり。それでマイル戦なら、1番枠に入ってスタートダッシュが抜群に速いデシジョンに期待してみる。2走前、1900メートルの二十四万石賞でもマイペースで逃げ、4コーナーではユメノホノオ、ガルボマンボと3頭横一線となっての争いという瞬間もあったが、さすがに直線では抵抗できず、それでも3着に粘った。前走のマイル戦は楽なメンバーだっとはいえスタートダッシュを決めて後続を寄せ付けず逃げ切って圧勝。マイル戦となれば、勝てずとも2強に対して二十四万石賞よりも際どい場面があるのではないか。あくまでも連軸という意味での本命。
ユメノホノオ、ガルボマンボの2強は、高知県知事賞、二十四万石賞で一騎打ちとなり、ともにユメノホノオが振り切った。が、今回果たしてマイル戦となってどうか。スタートに課題があるユメノホノオに対して、前々でレースができるガルボマンボに逆転のチャンスもあるのではないか。
ララメダイユドールは中央3勝クラスから転入して昨年11月の黒潮マイルチャンピオンシップまで6連勝の快進撃。高知県知事賞はさすがに距離が長く2強に屈したが、前走勝利で復調なら食い込んで来る場面はありそう。
モダスオペランディは、ここ2戦が一息の結果だが、高知ではマイルが最適距離。実力発揮ならそれほど能力差はない。
◎1デシジョン
◯6ガルボマンボ
▲5ユメノホノオ
△4ララメダイユドール
△9モダスオペランディ
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新たなダート三冠に挑んだウルトラノホシは、あと一歩のところで羽田盃JpnIの優先出走権に手が届かず。とはいえ羽田盃JpnIはフルゲートにならなかったばかりか8頭立ての少頭数ゆえ「出る」といえば出られたと思われる。しかしながら地元の三冠に矛先を変え、危なげなく一冠目の佐賀皐月賞を奪取した。中団追走からペースが上がった向正面では前が壁になったものの、鞍上の石川倭騎手は慌てず騒がず。3コーナーで馬群がばらけるのを待って余裕で抜け出した。距離延長でのマイナス面はなく、二冠の可能性はかなり高い。
相手は佐賀皐月賞の2~4着馬だろうが、絞るのは難しい。トレベルオールは後方追走から3コーナーでもまだ8番手。そこから一気にまくってウルトラノホシを上回る上り3Fのタイムで差を詰め3着。展開には左右されそうだが、距離伸びてプラスはこの馬だろう。
2着は10番人気だったデッドフレイ。向正面で早めに内から積極的に仕掛けていって、最後まで行き脚衰えず2着を確保した。佐賀デビューでこれまで4着以内を外しておらず、あくまでも結果論ではあるが、その成績を見ると、佐賀皐月賞はなぜそれほど人気がなかったのだろうと思える。距離をこなせるのは間違いなく、今回も展開ひとつで上位争い。
佐賀皐月賞では2番手から向正面で一旦は先頭という、勝負にいって4着だったのがトゥールリー。ただ血統的にさらなる距離延長はちょっと不安。
カシノルーカスは佐賀皐月賞では3番手を追走して勝負どころで後退したように、距離に不安がある。ただ前走1300メートル戦とはいえ古馬B級での2着は評価でき、スローに流れれば粘り込む場面はあるかもしれない。
佐賀皐月賞では差のある5着だったケンタッキーグレイだが、門別時代も1700メートルのウィナーズチャレンジで2着があったように、この距離で見直す余地はある。
◎5ウルトラノホシ
◯3トレベルオール
▲8デッドフレイ
△4トゥールリー
△12カシノルーカス
△6ケンタッキーグレイ
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昨年の1~4着馬が揃って出走してきたが、昨年は2番人気で4着だったスズカゴウケツに期待したい。昨シーズン序盤はあすなろ賞を挟んでシアンモア記念、みちのく大賞典ともに2着と好走したが、勝ち星は10月に盛岡1600メートルの特別戦での1勝のみ。とはいえ、冬期に川崎に移籍してオープンとA2以下の特別で3着、3着と好走。岩手に戻っての赤松杯、シアンモア記念は今ひとつの結果だったが、距離延長、盛岡1800メートルの舞台で巻き返す。
このレース連覇がかかるのがグローリーグローリ。昨年秋以降は結果が出ず、冬休み明けの2戦も差のある結果だったが、3戦目となった前走桜花特別では直線外に持ち出してあっさり抜け出し復調を感じさせた。9歳だが盛岡コースに替ってさらに能力を発揮する。
同じく9歳のゴールドギアは昨年2着。桜花特別は差のある4着だったが、盛岡コースに替っての前走皐月特別では直線での追い比べで2着に好走。距離延長でさらなる期待も。
昨シーズン終盤、北上川大賞典、桐花賞ともに2着と好走を見せたのがフレイムウィングス。休み明けの赤松杯、シアンモア記念はいまひとつの結果だったが、叩き3戦目と距離延長で変わり身があるかどうか。
昨年3着だったのがゼットセントラル。冬休み明けすでに4戦使われ結果が出ていないが、能力的にそれほど差はなさそう。
◎1スズカゴウケツ
◯5グローリーグローリ
▲3ゴールドギア
△7フレイムウィングス
△2ゼットセントラル
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タイガーインディは、ここ3戦の走りを見ると覚醒した感じがある。前走、今年から1400メートルに距離短縮された兵庫大賞典では、抜群の手応えで4コーナーで前をとらえると、直線での伸びは1頭だけ際立っていた。勝ちタイムの1分28秒7(稍重)は、昨年の兵庫ゴールドトロフィーJpnIII(稍重)のサンライズホークの勝ちタイムよりコンマ1秒速いもの。黒船賞JpnIIIの3着は決してフロックではなかった。ちなみに兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIでは9着に敗れたが、前半内に包まれて動くに動けなかったため度外視としていい。ただ今回もそのときと同じ2番枠だけに、内枠をどう捌くかは課題となりそう。
オメガレインボーも中央オープンの実績馬。中央では1600/1700メートルでの勝ち星もあるが、一昨年秋以降は1400メートル以下を使われてきており、プロキオンステークスGIII・3着など、近年能力を発揮しているのは1400メートルの舞台。移籍初戦で浦和1400メートルの小回りコースもこなしており、右回りも中央で実績があり、ここも能力を発揮できる舞台と見る。
高知のヘルシャフトは地元重賞連勝のあと、黒船賞JpnIIIで2着。底を見せておらず評価を落とす理由がない。あえて不安点を挙げれば、兵庫所属時に遠征した笠松の白銀争覇が4着で、高知所属となってから初めての遠征となることくらい。
スペシャルエックスは、昨年3歳の早い時期から短距離路線の古馬一線級と戦ってきた。2歳時に兵庫ジュニアグランプリJpnIIで2着、昨年は兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIで3着など、ダートグレードでの好走もあるが、勝ち星が1200メートル以下に限られるのが気になるといえば気になる。
元中央オープンで南関東でも重賞実績もあるデュードヴァンは、1600〜1800メートルを中心に使われてきており、コーナー4つの1400メートルが今回始めてなのがどうか。
名古屋のセイルオンセイラーは、前走飛山濃水杯を1分25秒3という好タイムで逃げ切った。タイム的には十分勝負になる。
◎2タイガーインディ
◯5オメガレインボー
▲8ヘルシャフト
△1スペシャルエックス
△7デュードヴァン
△9セイルオンセイラー
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