圧倒的な強さで4連勝中のララメダイユドールが不在となると、今回のメンバーはそれぞれ一長一短があって、中心馬不在の大混戦。
3カ月半の休み明けがどうかだが、エイシンピストンは下級条件から着実にクラスを上げ、高知では重賞初挑戦となった1900メートルの二十四万石賞で3着。圧倒的に強かったララメダイユドールは前述のとおり不在となって、2着グランデラムジーにはクビ差の3着。グランデラムジーが3〜4コーナーで内をうまく立ち回って位置取りを上げたのに対して、エイシンピストンは大外を回ってくるロスがあった。直線での伸びはエイシンピストンが圧倒的で、能力的にはこちらが上と見る。ただ後方から直線勝負という脚質だけに、展開に左右される面はありそう。
アメージングランは中央2勝クラスから転入後、ほぼ連戦連勝という成績でクラスを上げ、前走建依別賞で重賞初制覇。高知ではここまで11戦8勝で、まず崩れることはないが、マイルを超える距離は中央での2歳未勝利戦で一度経験があるだけ。順調度ならこの馬が中心だが、距離に疑問があり対抗評価とした。
グランデラムジーは、前述のとおり今回と同じ1900メートルの二十四万石賞で2着。そのときは9番人気という気楽な立場もあったし、何より赤岡修次騎手の好騎乗が大きかった。
ゴールデンブレイヴは、1300メートルのトレノ賞では向正面からのロングスパートで、直線前2頭に迫っての3着。中央や南関東では中距離を中心に使われており、そのレースぶりからも距離延長で能力を発揮しそう。
二十四万石賞でエイシンピストンに次ぐ、4着だったグランシュマン、5着だったヤークトボマーらも距離経験は十分で、この距離なら変わり身はありそう。
昨年末の高知県知事賞を7番人気で制したグリードパルフェは、休み明けの3戦、結果が出ていないが、状態が戻れば上位食い込みも。
◎10エイシンピストン
○9アメージングラン
▲4グランデラムジー
△7ゴールデンブレイヴ
△6グランシュマン
△2ヤークトボマー
△12グリードパルフェ
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注目は圧倒的な強さでデビューから4連勝のショウガタップリだが、すでに勝負付が済んでいる相手よりも、新興勢力との能力比較でどうか。
ショウガタップリを負かすとすれば、デビュー戦を大差で圧勝したダイヤモンドラインと見る。そのデビュー戦は、3コーナー過ぎまで一騎打ちになった2着馬を、直線ではまったく追わずに振り切って大差をつけた。良馬場1400メートル1分31秒1という勝ちタイムは、ショウガタップリの持ちタイムより1秒以上遅いが、それなりの相手と走ればまだまだタイムは詰められる。
ショウガタップリは、ここ2戦では2着馬との着差がそれほどないが、前走などはほとんど追われず、後続の脚色を測りながらの楽勝で、着差以上の強さだった。
カレイジャスは中央1戦未勝利から転入して2連勝。初戦は直線完全に遊びながら走って2着に3秒1の大差をつける圧勝。前走は馬体を併せて直線を向いた相手を楽に振り切った。
いずれも金沢では無敗で、底を見せていない3頭の勝負と見る。
北海道から転入初戦のケイパブルは、近2走とも最下位に負けているものの、1000メートルのアタックチャレンジが5馬身差の圧勝。その能力を発揮できれば上記3頭にもヒケをとらない。穴として狙ってみるのもおもしろそう。
◎4ダイヤモンドライン
○7ショウガタップリ
▲6カレイジャス
△10ケイパブル
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今シーズンの古馬重賞は、ここまでアオノブラックとメムロボブサップが2勝ずつ。ばんえい十勝オッズパーク杯、北斗賞、旭川記念で1、2着を分け合い、アオノブラックが不在となったばんえいグランプリはメムロボブサップがきっちり勝った。この状況は、オレノココロとコウシュハウンカイの現役時ときわめて似ている。前半の古馬重賞では2頭で1、2着を分け合い、その賞金で後半は重量を課せられるようになると、ほかの馬にも食い込む余地が出てくる。
アオノブラックは今年は夏を休んで、復帰戦となった前走マロニエ賞が障害3番手から差のない3着とまずまずの競馬。別定20kg増の840kgならこの馬が中心。
後半に向けて基礎重量が重くなってくればメジロゴーリキの出番。前走重量が軽い特別戦の大敗は度外視でき、全馬800kgでの争いだったばんえいグランプリで、勝ったメムロボブサップと差のない2着なら、ここでも勝ち負けが狙える。
メムロボブサップはここまでの最高賞金であるばんえいグランプリを制した上に2着を外さないという成績で賞金を稼いだため、今回は別定30kg増の850kg。さすがにこの重量では頭までは厳しそう。
ミノルシャープはばんえいグランプリで3着に好走し、前走の勝利で完全復調といえそう。今回増量なしの820kgで、ばんえいグランプリからさらに調子を上げたとあれば、このメンバーでも上位食い込みは十分考えられる。
ばんえいグランプリ4着だったコマサンブラックは、今年2月に帯広記念で890kgを経験しており、ここでも上位に食い込むことができれば、今後の古馬重賞戦線で楽しみな存在になる。
◎6アオノブラック
○9メジロゴーリキ
▲7メムロボブサップ
△1ミノルシャープ
△8コマサンブラック
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岩手牝馬三冠の最終戦。
二冠目のひまわり賞は、浦和から転入初戦だったトーセンキャロルが、2着のマルルットゥに10馬身差をつけての圧勝。中団からレースを進めると、4コーナー手前で抜群の手応のまま先行勢をとらえにかかり、うしろから追ってきたマルルットゥも気にしながらという、山本聡哉騎手の落ち着いた騎乗も見事だった。今回、これといった新興勢力もなく、そのレースぶりなら200メートルの距離延長も問題ないだろう。
アップテンペストは名古屋から再転入初戦だったひまわり賞では、逃げたカクテルライトをぴたりと追走したものの、直線一杯になって、なんとか5着。そのときは1000メートル通過が1分1秒4というかなりのハイペース。その次走やまびこ賞では、同じく逃げたカクテルライトの2番手追走という展開でも、同じ盛岡1800メートルの良馬場で1000メートル通過が1分3秒9と落ち着いたペース。直線でカクテルライトをとらえると、後続を振り切っての勝ちタイムが、ひまわり賞のトーセンキャロルとまったく同じ1分55秒3。展開やペース次第では逆転の可能性もありそう。
マルルットゥのひまわり賞は、勝ったトーセンキャロルよりもさらにうしろから脚を溜めるレースをして2着に好走。4月のあやめ賞も先行勢総崩れという展開で、マルルットゥは後方からロングスパートで直線前を飲み込んでの勝利だった。距離にかかわらず後半に脚を使えるような展開で能力を発揮するが、展開に左右されるタイプだけに狙い所が難しい。
カラフルフレスコは浦和から転入し、盛岡で5戦して2着3回。一気の距離延長と重賞初挑戦での相手強化に対応できるかどうか。
ダイヤモンドカップ、イーハトーブマイルでともに5着のグラフィアスレディは、牝馬同士となればもう少し上も狙えそう。
ひまわり賞で9着だったシャローナだが、笠松から転入初戦だった盛岡1600メートル戦でグラフィアスレディに半馬身先着しての勝利。笠松時代は1900メートル戦で3着があり、距離には対応できそう。
◎9トーセンキャロル
○5アップテンペスト
▲11マルルットゥ
△6カラフルフレスコ
△7グラフィアスレディ
△1シャローナ
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旧・競馬場で行われた過去2回は1400メートルで行われていたが、新・競馬場に移転しての重賞では唯一、ワンターン920メートルで争われる。
エッシャーは3年前の5歳時ではあるが、川崎スパーキングスプリント(900メートル)で勝ち馬とコンマ1秒差の4着。その後、浦和1400メートルの重賞プラチナカップでも4着に好走した経験がある。今年4月に高知から転入し、初めて920メートル戦に出走した前走フルダッシュオープンでは2番手から直線抜け出し、2着に2馬身半差をつける完勝。その勝ちタイム54秒4は、今年4月にオープンした新・名古屋競馬場の920メートルでここまでの最速タイム(まだレコードとしては記録されない)。能力を発揮した舞台で8歳での重賞初制覇に期待する。
高知から転入初戦となるサトノグリッターは、昨年の園田FCスプリント(820メートル)には高知C1格付けから挑戦して10着。とはいえ4着ブレイクフリーと0秒7、7着エッシャーとも0秒4差。その後高知で一気にクラスを上げ、今年春にはA-1特別でも上位争いをしていた。エッシャーの今年3月までの高知での格付けがB級までだったことを考えると、能力的には逆転している可能性はある。
人気になりそうなのは、兵庫から転入初戦のブレイクフリー。園田FCスプリントで昨年4着、今年3着という実績は最上位。南関東時代にも川崎900メートル戦でたびたび好走があり、園田820メートルでも5戦2勝、2・3着各1回。昨年の園田FCスプリントではエッシャー、サトノグリッターに先着しているが、その後の成績比較から3番手とした。
金沢・日本海スプリント(900メートル)を制したナムラムツゴロー、前走フルダッシュオープンで逃げてエッシャーの2着だったスノールナらも上位に食い込んできそう。
◎11エッシャー
○8サトノグリッター
▲5ブレイクフリー
△1ナムラムツゴロー
△4スノールナ
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