JpnIIIのわりには別定重量の設定がそれほど厳しくなく、芝GII勝ちのクリンチャーが2キロ増の58キロ。とはいえ近6年は、ここが重賞初勝利という馬が勝っており、1〜2キロとはいえ別定重量を積まれた馬は苦戦が続いている。
今年もJRA勢では重賞未勝利馬が3頭いて、その中からアシャカトブを狙ってみる。休み明けだった前走が馬体重14キロ増でも直線先頭という見せ場十分での3着。デビューから一貫してダート中距離を使われており、叩き2戦目の上積みに期待したい。
クリンチャーは鞍上が地元ともいえる川田将雅騎手でもあり人気になりそう。別定2キロ増以外にネガティヴな要素は見当たらず、あとは初めての地方の馬場がどうか。
ハナズレジェンドは評価が難しい。東京大賞典GIは着順こそ7着だが、勝ち馬からコンマ3秒差。とはいえ超スローペースで8着のデルマルーヴルまでがコンマ4秒差と、能力の差ほどは着差がつかなかった。ダート実績がGIII/JpnIII級までのメンバーなら上位争いも期待できそう。
昨年、川田騎手で1番人気に支持され2着だったのがロードゴラッソ。その後名古屋大賞典JpnIIIを制したが、相手なりに勝ちきれないレースが多く、ここも連下まで。
ウインユニファイドは9歳の休み明けだが、前走ジュライSではクリンチャーをクビ差で負かしており、馬券的妙味はありそう。
地方馬では、中央オープンで好走実績のある兵庫のメイプルブラザーが上位に食い込めるかどうか。
◎11アシャカトブ
○1クリンチャー
▲12ハナズレジェンド
△9ロードゴラッソ
△8ウインユニファイド
△3メイプルブラザー
佐賀記念の出走表はこちら
前走マイル争覇を勝って見事復活を果たしたカツゲキキトキトは、もしここを勝てば名古屋競馬場の古馬重賞完全制覇となるらしい(グレード、牝馬限定戦、昨年新設のベイスプリントは除く)。ただここは大井から大挙4頭、さらに兵庫からの遠征馬がいかにも強力だ。
アングライフェンは中央から大井に移籍してここが4戦目。中央時代にには一昨年の名古屋グランプリJpnII、昨年の名古屋大賞典JpnIIIでともに2着と、ダートグレード実績に加えてコース実績も十分。大井移籍後、さすがにダートグレードでは苦戦したが、川崎2100メートルのオープン特別を勝利。その実力ならここでは断然の中心だ。
同じく大井のスギノグローアップは、2400メートルの東京記念や2600メートルの金盃で入着実績があり、金沢・北國王冠遠征は2600メートルという距離を狙ってのもので、見事重賞初制覇となった。今回の1900メートルはやや距離不足かもしれないが、大井1700〜1800メートルでも6勝を挙げているだけに、今回のメンバーなら勝ち負けまで期待できる。
中央オープンから兵庫移籍後3戦目となるのがタガノディグオ。3歳時には兵庫チャンピオンシップJpnIIを制して、ジャパンダートダービーJpnIでもヒガシウィルウィンの3着だったという期待馬だが、中央では2018年の準オープンが最後の勝利。兵庫移籍2戦目となった前走新春賞は、着順こそ4着だが、勝ったエイシンニシパにコンマ3秒差。地方同士の重賞なら活躍が期待できる。
ノーブルサターンは、中央から大井への移籍初戦が昨年11月の東海菊花賞で3着。ただ先着されたのが兵庫の2頭だったということでは、タガノディグオと能力差はない。
冒頭のとおり地元期待のカツゲキキトキトだが、これだけの遠征馬が揃うとさすがに勝ち負けまでは厳しそう。
キーグラウンドは中央3勝クラスから名古屋に移籍してA2特別を2勝。馬券圏内まであるかどうか。
◎9アングライフェン
○5スギノグローアップ
▲2タガノディグオ
△12ノーブルサターン
△1カツゲキキトキト
△7キーグラウンド
梅見月杯の出走表はこちら
昨年は1番人気ながら7着に敗れたミスタカシマ。第2障害でじっくり溜めてひと腰でクリアしたが、前が止まらなかった。今年もトップハンデ800キロだが、昨シーズンと違うのは、岩見沢記念で810キロを曳いて2着という経験があること。2019年11月のクインカップ以来、久々の重賞タイトルに期待がかかる一戦。過去5年でトップハンデの勝利は2回あり、2017年に790キロのトップハンデで6着だったキサラキクは、翌2018年に同じトップハンデ790キロで勝っている。
このレース連覇がかかるのがアフロディーテ。今シーズンは勝ちきれないレースが続いたが、12月以降に2勝をマークし、ここに来て復調気配。レディースカップでは3着のミスタカシマにわずかの差で4着だったが、そのとき10キロ差が、今回は20キロ差になって、負担重量の比較からも有利。
サクラユウシュンは、前走のA1特別で初めての720キロでも3着に好走。今回はそれよりさらに40キロ積まれることになるが、トップハンデと40キロ差なら、展開次第では見せ場をつくれるのではないか。
レディースカップで2着だったサンシルクラポピーは、その後勝ちきれないながら自己条件で好走を続けている。今回もミスタカシマと20キロ差なら好走が期待できる。
昨年3着だったフェアリースズは、今回も同じ780キロなら引き続いての期待。
レディースカップを勝ったシンエイボブは、今回ミスタカシマと同じトップハンデ800キロは楽ではないが、オープンでも好走の実力なら見限れない。
◎4ミスタカシマ
○10アフロディーテ
▲2サクラユウシュン
△5サンシルクラポピー
△7フェアリースズ
△1シンエイボブ
ヒロインズカップの出走表はこちら
新設された3歳牡馬の重賞で、3月のイレネー記念に向けての一戦。
ナナカマド賞、ヤングチャンピオンシップとも2着だったネオキングダムに今度こそ出番と見る。ヤングチャンピオンシップではアルジャンノオーとほとんど並んで先頭で障害を超え、そこからともに止まらず歩いてのゴールはわずかコンマ2秒差。前走は別定重量を背負っていたことに加え、雪の軽馬場で障害のタイミング次第という結果だった。今回、別定の加増が5キロだけなら押し切れる。
タカナミは12月以降に急上昇。前走では3歳A-1まで一気に突破するかに思われたが、ゴール上で止まって3着。今回、土曜日の雪で馬場が軽いままなら、再度のチャンスはありそう。
アルジャンノオーは、ナナカマド賞でまさかの9着に負けて以降は低迷したが、北見産駒特別2着でなんとか出走権を確保したヤングチャンピオンシップで、あらためての強さを見せた。前走は軽い馬場に別定重量増もあって見せ場がなかったが、ここでも勝負になる。
ヤングチャンピオンシップ3着だったカイセキングオー、同4着だったジェイスターも差はない。メンバー中最多タイの6勝を挙げているシュトラールは、前走を勝ったことで別定5キロ増となるのがどうか。
◎4ネオキングダム
○1タカナミ
▲8アルジャンノオー
△3カイセキングオー
△5ジェイスター
△10シュトラール
翔雲賞の出走表はこちら
白銀争覇で先を争って共倒れとなった3頭、ドライヴナイト、エイシンエンジョイ、グリグリグリタロウが揃って遠征してきたのが興味深い。しかも3番4番5番という枠に固まった。
さすがに同じ轍は踏まないだろうと考えて、実績も能力も最上位のエイシンエンジョイに再度期待する。ここ2年で1400メートル以下の重賞6勝は圧倒的だ。しかも820メートルの園田FCスプリントや、1230メートルの兵庫ゴールドカップを勝っていることからも、1300メートルが舞台とあればなおさらだ。
ドライヴナイトは、白銀争覇ではエイシンエンジョイに執拗にからんでいって直線でも粘り、クビ、クビ差のきわどい3着。今回、白銀争覇とは逆にエイシンエンジョイより内枠に入って、果たしてどんな作戦に出るか。エイシンエンジョイに行き切られてしまえば、内に閉じ込められる可能性もあるため、今回も競り合うことになるのかどうか。
サクラレグナムは9月のレース取止めのあと、秋から年明けにかけて3連勝。12歳でもまだまだ元気。とはいえその3連勝は相手が軽かった。◎○の間に割って入れるかどうか。
アイアンブルーは、大高坂賞では向正面10番手からまくって行って見事に差し切った。◎○が白銀争覇のように競り合うことがあれば、大高坂賞と同じように後方からのまくりが決まる場面があるかもしれない。
兵庫移籍2戦目となるベイビータピットは距離短縮がどうかだが、南関東A2特別勝ちの実績なら侮れない。
◎4エイシンエンジョイ
○3ドライヴナイト
▲7サクラレグナム
△6アイアンブルー
△11ベイビータピット
黒潮スプリンターズカップの出走表はこちら