中央1勝から転入したドラゴンウォリアーは笠松初戦をを圧勝。スタートではダッシュがつかず後方からとなり、向正面でも追い通しでどうなることかと思ったら、3コーナー過ぎで一気に先頭に立つと、直線では後続との差をあっという間に広げて2着に8馬身差。力の違いを見せた。良馬場1400メートルの勝ちタイム1分27秒6というのも好タイム。笠松2戦目でさらなる上積みも期待できそう。
相手には同馬主、同厩舎のダルマワンサ。ゴールドジュニア2着、新緑賞2着と、あと一歩のところで重賞は勝てていないが、ここはあらためてのチャンスといえそう。
兵庫のコスモピオニールは、ゴールドジュニアではダルマワンサにクビ差の3着。その後も勝ち星はないが、前走ゴール前で勝ち馬に迫っての2着は見どころがあった。
トーセンレビューは、3歳の一般戦を3連勝中。前走、直線でも軽く気合をつけられただけで5馬身差圧勝。良馬場で勝ちタイム1分28秒1なら、このメンバーでもチャンスはありそう。
クロワは、前走強敵相手の駿蹄賞は5着だったが、そのとき先着された4頭がすべて不在となったここなら上位争いも可能。
◎11ドラゴンウォリアー
○7ダルマワンサ
▲6コスモピオニール
△2トーセンレビュー
△12クロワ
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タガノゴールドは変則日程となった前々回(3月)、前回(6月)の六甲盃を連覇。その後の成績もほぼ完璧で、地元兵庫(園田・姫路)で他馬に先着を許したのは姫山菊花賞での笠松・ストーミーワンダーだけ。前走兵庫大賞典ではなかなか外に出させてもらえない状況から、直線だけの勝負で2着に3馬身差をつける完勝。六甲盃3連覇は濃厚といえそうだ。
マイフォルテは、タガノゴールドが連覇した六甲盃ではともに8着。ところが今年になって覚醒したか、笠松に遠征したオグリキャップ記念で重賞初制覇を果たして4連勝。あらためてタガノゴールドに挑む一戦。
エイシンニシパは、タガノゴールド不在の新春賞を制したが、タガノゴールド相手には昨年末の園田金盃から2、2、3着とあと少しのところで勝てない。今回も逆転まではどうだろう。
南関東から遠征のアッキーは、前走B1B2特別勝ちだが、A級やオープンの特別で2着、3着好走がたびたびという実力は侮れない。
ここ2戦がマイフォルテ相手に3、2着のマコトタリスマン、オグリキャップ記念3着だったマコトネネキリマルらも上位を狙う。
◎2タガノゴールド
○6マイフォルテ
▲11エイシンニシパ
△1アッキー
△10マコトタリスマン
△9マコトネネキリマル
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ハクサンアマゾネスはデビューから3連勝。重賞初挑戦となった前走ノトキリシマ賞は、経験豊富な馬たちを相手に3コーナーでひとまくり。直線を向いてムチを入れられたものの、今後を考えてのことだろう。直線半ばからは流すような感じでのゴールで、今後さらにという可能性を感じさせた。
コードジェニックは中央1勝からの転入初戦を勝利。スタートで大きく出遅れるも、ラチ沿いから徐々に進出。直線では馬群を割るように抜け出し、2歳時に重賞を連勝していたハイタッチガールをアタマ差でしりぞけた。まだ底を見せていない◎○の2頭が本線。
▲以下に北日本新聞杯の1〜3着馬だが、直線大外から豪快に差し切ったフジヤマブシを上位にとった。ストロングフーヴスは楽な手応えのまま直線を向いたが、追われてからの伸びが案外。さらなる距離延長には不安がある。
◎9ハクサンアマゾネス
○2コードジェニック
▲6フジヤマブシ
△7ストロングフーヴス
△5キングワールド
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ここまで地元佐賀では10戦全勝のミスカゴシマだが、ひやりとする場面は何度かあった。飛燕賞ではワンビリーブにクビ差まで迫られ、佐賀皐月賞ではトップレベルに同じくクビ差まで迫られた。両レースとも、キタカラキタムスメが早めにミスカゴシマにからんで行って、ゴール前で迫ったワンビリーブ、トップレベルは、ともにレース中盤では中団よりうしろにいて、直線で一気に追い込んできた。今回のメンバーでもミスカゴシマの能力はおそらく頭ひとつかそれ以上抜けていて、真っ向勝負で負かせる馬はいないと思う。ただ今回はキタカラキタムスメが不在となったが、それに代わるどれかが執拗にからんでいって、脚を溜めていた馬に差される可能性がないとはいえない。
佐賀皐月賞ではエアーポケットを本命にしたが、残念ながら3着だった。前の争いに向正面あたりから挑んでいったぶん、末が甘くなった。2走前、B-1組の軽暖賞で古馬を軽く一蹴したレースぶりなら、あらためてミスカゴシマを負かせる可能性はあると見る。
能力を測りかねるのがリバイブ。2歳時は北海道から転入してカペラ賞まで3連勝。3歳初戦となったのが、佐賀皐月賞と同日の古馬B-2特別で8着。ただそこを叩かれ、2歳時の能力から上積みがあれば上位争いの可能性はある。
佐賀皐月賞でミスカゴシマをとらえるかという勢いで迫ったのがトップレベル。前半控えての直線勝負がうまくハマった。今回もそううまくいくかどうか。
中央未勝利から転入して3連勝で鯱の門特選を制したのがアイノウィステリア。その鯱の門特選は、佐賀皐月賞で10着だったスターオブグリーンをようやく3/4馬身差でしりぞけたという内容。しかし能力の高さを感じさせたのは2走前の1400メートル戦。さらなる距離延長の2000メートルで、その力を発揮できるかどうか。
◎10ミスカゴシマ
○3エアーポケット
▲6リバイブ
△7トップレベル
△4アイノウィステリア
九州ダービー栄城賞の出走表はこちら
今年も今週の佐賀・九州ダービー栄城賞からダービーシリーズが始まる。ダービーシリーズのレース名で、その土地にちなんだ何かの名称がレース名になっているのは、この栄城賞だけ。ほかはいずれも「地名」+「ダービー」もしくは「優駿」というレース名になっている。
栄城(えいじょう)賞は以前から佐賀の"ダービー"という位置づけで、今年で第62回を迎える伝統のレース。2000年までは単に『栄城賞』だったが、2001年からは九州競馬として連携し、一冠目が荒尾競馬場(2011年限りで廃止)の『九州皐月賞荒尾ダービー』、二冠目が佐賀の『九州ダービー栄城賞』となって以来、この名称になった。
『栄城』とは、佐賀城の別称。栄城賞のステップ競走となっている鯱の門特選の『鯱の門』は本丸の表門で、国の重要文化財となっている。
ちなみに佐賀西高校・野球部のユニフォームの胸にも大きく『EIJO』と書かれている。佐賀西高の前身が佐賀藩校・弘道館で、現在も佐賀城敷地内にあるとのこと。ホームページのバナーには『栄城 佐賀県立佐賀西高等学校』とある。
話を栄城賞に戻して、2009年の勝ち馬は牝馬のギオンゴールド。その額には扇型の流星があり、中島英峰アナウンサーが『栄の国の扇の舞姫』と実況したのが印象的だった。
地方競馬には、このようにその地域に根ざしたレース名も少なくなく、またそれがいかにも地方競馬らしい。
逆に最近ではカタカナのレース名も増えてきて、スプリングカップ、クイーン賞やクイーンカップ、ジュニアカップやジュニアグランプリなどは、たしかにそのレースの特徴を表していてわかりやすいが、どこの競馬場にもありそうな、いわば無味乾燥な印象でもある。
せっかくの機会なので、あくまでも個人的な印象として、地方競馬らしい重賞のレース名について紹介してみたい。最初が佐賀の栄城賞となったので、南から順に......。
高知を象徴するのは、今年で第43回となる建依別(たけよりわけ)賞だろう。
建依別は、古事記の神話に出てくる土佐の古い呼び名で、土佐を支配していた神でもあるらしい。
高校野球の強豪として知られる高知商業高校の校歌に「建依別の ますら男は」という歌詞が出てくるので、ちょっと古い高校野球ファンなら耳にしたことがあるのではないだろうか。
高知ではもうひとつ、大高坂(おおたかさ)賞。高知競馬が福山競馬と連携した2011年度、福山競馬場の重賞として新設されたのが大高坂賞で、高知競馬の重賞として新設されたのが久松城賞。
高知城が築かれた場所が大高坂山で、久松城は福山城の別称。まさに高知と福山の交換(交歓)レースとして行われていた。ところが2013年3月限りで福山競馬は廃止。大高坂賞は2014年1月の第3回から、もともとの地名の由来である高知競馬で行われるようになって現在に至り、一方の久松城賞はわずか2回だけで廃止となってしまった。
園田・姫路の重賞には、摂津、播磨、六甲など、よく知られる地名が多いが、印象的なのは『白鷺賞』だろう。説明するまでもないかもしれないが、その真っ白な容姿から姫路城は白鷺城とも呼ばれている。
白鷺賞で興味深いのは、姫路競馬場でしか行われていないこと。かつてのホッカイドウ競馬や、岩手競馬もそうだが、ひとつの主催者に複数の競馬場がある場合、開催日程によって重賞の開催場が変わることもめずらしくない。
もうひとつ姫路城にちなむ姫山菊花賞は、姫路競馬場が休止となったあとも引き続き園田競馬場で行われてきたが、白鷺賞は姫路競馬場の休止とともに、2005年3月の第48回を最後に行われなくなった。しかし今年1月の姫路競馬場再開に合わせ、14年の空白を経て、第49回として白鷺賞が復活した。
さらに兵庫で触れておきたいのが『菊水賞』。兵庫県神戸市兵庫区菊水町という住所があるが、『菊水』は、南北朝時代以前に播磨や摂津で活躍した(暴れまくった?)楠木正成の家紋・旗印でもある。そもそも菊水町の地名自体が楠木正成から来ているのかもしれない。このあたり、詳しい方がいたら教えていただきたい。(つづく)