姫山菊花賞でワンツーのエイシンニシパとジンギ、中央3勝クラスから転入して名古屋で重賞2勝を挙げたタガノジーニアス、中央オープンからの転入初戦を制したドライヴナイト。4頭の勝負となりそうだが、それに順序をつけるのはなかなかに難しい。
転入後のタガノジーニアスはここまで5戦2勝で、その勝ち星は2つとも名古屋でのもの。摂津盃は勝ったジンギから3馬身半ほどの差で3着。姫山菊花賞はエイシンニシパ、ジンギに完敗の6着だった。とはいえ夏負けの影響があったとのことで、前走東海菊花賞では直線圧巻の伸びを見せてエイシンニシパに4馬身差。状態アップなら2頭をまとめて負かす場面が期待できそう。
ジンギは57キロを背負った摂津盃では2番手で逃げ馬にプレッシャーをかけ、直線抜け出しての完勝。姫山菊花賞はマイタイザンとジョースターライトの先行争いに巻き込まれる形になって息の入らない厳しい流れを、直後で構えていたエイシンニシパに直線でとらえられた。とはいえ3歳10月から1年以上連対を外していないという安定感は抜群だ。
遠征で能力を発揮するエイシンニシパだが、前走東海菊花賞は直線での伸びがいまひとつでタガノジーニアスに4馬身差をつけられた。今年は遠征も含めて重賞のみ8戦2勝、すべて4着以内。2400メートルの六甲盃はこれまで3回出走して結果を残せていないが、2000メートル以下であれば崩れることがない。
ドライヴナイトは中央オープンからの移籍初戦を勝利。今回は一気の相手強化だが、中央での実績から一度園田コースを経験しての上積みはありそう。
休み明けの2戦も結果が出ていないマイタイザンだが、人気を落とすであろう今回、有力馬が牽制し合ったところで単騎の逃げに持ち込めればまだまだ怖い。
◎7タガノジーニアス
○1ジンギ
▲2エイシンニシパ
△8ドライヴナイト
△11マイタイザン
園田金盃の出走表はこちら
昨年は残念ながら中止となって、一昨年の勝ち馬エンパイアペガサスには連覇がかかる。今回のメンバーを見ると、一昨年出走していたのは、そのエンパイアペガサスだけで、がらりとメンバーが変わった。それもそのはず9頭立てで、3歳馬2頭、4歳馬4頭とメンバーがかなり若返った。
エンパイアペガサスは今シーズン途中休養もあってここまで4戦未勝利だが、新興勢力のランガディアというやや高い壁があった。それでもシアンモア記念ではハナ差、みちのく大賞典では2馬身半+ハナ差とそれほど差のない勝負。今回はそのランガディアが不在。秋初戦はジェイケイブラックの2着だったが、叩き2戦目での上積みに加え、抜群の距離適性なら、この馬の独壇場だろう。
ヤマショウブラックもランガディアが3連勝した春の古馬重賞に出走していて、エンパイアペガサスとの後先では1勝2敗。8月以降は南関東に移籍して、今回が岩手復帰初戦。2000メートルまでしか距離経験がないが、血統的には2000メートルを超える距離で力を発揮しそう。
ダービーグランプリを制して3歳チャンピオンとなったのがフレッチャビアンカ。今シーズン岩手で負けたのは一冠目のダイヤモンドカップだけ。ひとつだけ"2"があるのはなんとも惜しい。初めての距離で、初の古馬との対戦でどんなレースを見せるか。
今シーズン着実にクラスを上げ、前走でエンパイアペガサスを負かしたのがジェイケイブラック。重賞は昨年11月のイーハトーブマイル(3着)以来でもあり、押し出される形で△となってしまったが、勝ち負けまで期待してよさそう。
不来方賞でフレッチャビアンカに1馬身差で食い下がったピアノマンも古馬初対戦で上位食い込みまであるかどうか。
◎9エンパイアペガサス
○4ヤマショウブラック
▲1フレッチャビアンカ
△2ジェイケイブラック
△8ピアノマン
北上川大賞典の出走表はこちら
格付では黒ユリ賞を制したエンゼルフクヒメが最上位だが、B3クラスに上がっても1着、2着と好走しているアバシリルビーに期待する。障害も安定して、降りてからもしっかり歩けるだけに、障害を降りての追い比べとなれば負けないだろう。
エンゼルフクヒメはB2クラスでも上位争いの実力。ただ680kgのばんえい菊花賞では障害でかなり苦戦していただけに、今回の670kgで障害をどのタイミングでクリアできるかがカギ。ただ重賞経験は牝馬の中では抜群で、あっさり勝つ場面もありそう。
コウシュハハイジーはここに来て調子を上げてきた。その要因は障害が安定したこと。ただゴール前で行き脚が鈍るので、粘りがきくかどうか。
フォルテシモはB3に昇級しての2戦が苦戦しているが、障害すんなりならチャンスはありそう。
アヴエクトワは、デビュー当初は期待されたが、近走はC1の下のクラスでも苦戦し、ここにきての2連勝でようやく出走枠に入れた。ただ黒ユリ賞でも苦戦が続いた近況で2着に好走しており、重賞となると怖い存在。
黒ユリ賞4着だったニセコヒカルもB4に上がって善戦しているだけに能力的に差はない。
◎9アバシリルビー
○4エンゼルフクヒメ
▲2コウシュハハイジー
△6フォルテシモ
△5アヴエクトワ
△10ニセコヒカル
ばんえいオークスの出走表はこちら
昨年秋に中央2勝クラスから転入したトウショウデュエルが、この1年で力をつけた。5月の利家盃3着、6月の百万石賞2着で、重賞タイトルにはあと一歩で手が届いていないが、ここに来ての2連勝では、昨年の中日杯を制したティモシーブルーをしりぞけた。前走では3コーナーから馬体を併せての一騎打ちとなって、ゴール前で振り切り1馬身半差をつけた。連勝の勢いで重賞初制覇を狙う。
このレース連覇がかかるのが、そのティモシーブルー。今シーズンも金沢スプリングカップを勝って、昨シーズンの勢いが続くかに思われたが、その後は特別戦で1勝を挙げたのみ。とはいえ、他地区から強豪が遠征してきたイヌワシ賞4着も、白山大賞典JpnIII・7着も、地元馬最先着で面目は保った。ここ2戦はトウショウデュエルに連敗したが、展開ひとつで逆転も可能。
今シーズン前半の重賞では入着までだったファストフラッシュだが、夏に休養しての復帰初戦でトウショウデュエルを負かし、その後も連勝して3連勝。5歳でキャリア19戦とそれほど使われていないだけに、さらなる上昇も考えられる。
石川ダービーを制した3歳馬ハクサンアマゾネスは、2走前の古馬A1特別では1番人気に支持されたものの、ファストフラッシュ、トウショウデュエルの後塵を拝して3着。それでも牝馬限定のお松の方賞を制した。あらためて古馬一線級との対戦でどこまでやれるか。
サトノファンタシーは中央オープンから転入。初戦となったJRAとの条件交流は、中央1勝クラスが相手ではさすがに負けなかった。重賞でも互角にやれそうだが、初めての2000メートルがどうか。
◎6トウショウデュエル
○7ティモシーブルー
▲9ファストフラッシュ
△5ハクサンアマゾネス
△12サトノファンタシー
中日杯の出走表はこちら
中央未勝利から移籍して5連勝で道営スプリントを制したジャスパーシャインは、3歳ながら一気にホッカイドウ競馬の短距離チャンピオンに上り詰めた。その道営スプリントは、スタートでダッシュがつかず離れた最後方からの追走となったが、3〜4コーナー中間でようやく集団のうしろにつけると、直線豪快に伸びて並ぶ間もなく差し切った。そのレースぶりからはまだまだ能力の底を見せていないと考えられる。ただ北海道スプリントカップJpnIIIを制したメイショウアイアンがJBCスプリントJpnI遠征で不在だったため、今回、笠松の地で初対決となる。中央ではダート・芝で中距離を経験しているが、北海道移籍後は1200メートルのみを使われてきただけに、コーナーを4つ回る1400メートルへの対応がカギになりそう。ただタイムの速い笠松のダートは合いそう。
中央芝のオープンから名古屋に移籍したメイソンジュニアは、その初戦となった笠松の東海クラウンでは、後方からレースを進めると、3コーナー過ぎで楽な手応えのまま先団に取り付き、直線で突き放した。勝ちタイムの1分27秒2は重賞で勝ち負けするにはややもの足りないが、そのレースぶりから強敵相手ならタイムは詰められるだろう。
エイシンエンジョイは昨年のこのレースでは激しい流れの好位追走で10着に沈んだが、年が明けて同じ笠松1400メートルの白銀争覇を制した。その後も4着以内を外さない堅実な成績で、連軸としての狙いならこの馬かもしれない。
ナリタミニスターは、7月の金沢スプリントカップ、9月の園田チャレンジカップ、そして10月の名古屋・ゴールド争覇と、重賞を3連勝。快進撃の勢いはまだまだ衰えない。
メイショウアイアンは、コーナー4つの1400メートルは昨年の浦和・JBCスプリントJpnI(9着)以来。能力は認めるが、コース適性的にどうだろう。
ウラガーノは、兵庫から移籍初戦の秋桜賞こそ大井のサラーブから差のある2着だったが、新設のベイスプリントを制した。前走ゴールド争覇では4コーナー手前で失速してしまったが、それが実力ではなく、巻き返しのかかる一戦。
◎4ジャスパーシャイン
○10メイソンジュニア
▲3エイシンエンジョイ
△9ナリタミニスター
△5メイショウアイアン
△6ウラガーノ
笠松グランプリの出走表はこちら