6月に行われた東北優駿は、グレートアラカー、エムワンピーコ、パンプキンズの3頭に人気が集まり、やまびこ賞ではグレートアラカーに7馬身差をつけられ2着に敗れていたパンプキンズがやや離れての3番人気だったが、スタートから楽にハナをとって逃げると、1番人気グレートアラカーを寄せ付けず2馬身差をつけての完勝。離れて3着が牝馬のエムワンピーコという結果だった。その後グレートアラカーは船橋に移籍、エムワンピーコは翌週のビューチフルドリーマーカップに出走するようで、世代3強のうち出走してきたのはパンプキンズだけ。他地区からの転入馬もいるが、いきなり重賞で勝ち負けという感じの馬もおらず、やはりパンプキンズが断然の中心となる。
相手筆頭はリュウノボサノバ。東北優駿は11着惨敗だったが、前半掛かって早々と失速してしまったため参考外。前走盛岡コースだが1600メートル1分40秒を切る好タイムでの勝利は評価できる。
人気を落とすなら狙ってみたいのが牝馬のエバーフレイム。前走ひまわり賞はエムワンピーコに1秒5もの差をつけられての3着だったが、中央から転入初戦となった水沢1300メートル戦は、3歳の下級クラスだったとはいえ2着に8馬身差は圧巻だった。今回、1600メートルでは有利な最内枠に入り、すんなり好位につければあっと言わせる場面はありそう。
中央未勝利から転入して5戦4勝のヒノキブタイ、前走盛岡の3歳A級で強い勝ち方を見せたヤマトタケルは、ともに重賞初挑戦だけに未知数だが、上位争いにからんでくる可能性はある。
◎9パンプキンズ
○3リュウノボサノバ
▲1エバーフレイム
△7ヒノキブタイ
△6ヤマトタケル
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中央未勝利から転入後11連勝というヒダルマがいよいよ重賞初挑戦。前走、A1(A2との混合)初挑戦でどうかと思われたが、なんと転入後最大となる2着に9馬身差をつける圧勝となった。とはいえ真の一線級とは今回が初対戦。しかも園田ではこれまで1400メートルしか経験がなく、初めての1700メートル戦ということでもちょっとハードルが高い。
メイショウオオゼキは中央1000万条件から転入して特別戦を4連勝。重賞でも期待されたが勝ちきれず。2度の六甲盃で先着されたのはタガノゴールドとタガノヴェリテだけ。今回はタガノヴェリテが出走してきたが、他地区で揉まれた経験を加味してこちらを上位にとった。
このレース連覇がかかるのが、そのタガノヴェリテ。今回、◎とともにトップハンデ57キロだが、昨年も56.5キロでトップハンデ57キロのエイシンニシパを半馬身差でしりぞけていただけに斤量は苦にならないだろう。
ここに来て勢いを感じさせるのがマコトタリスマン。6月の六甲盃は3着メイショウオオゼキに半馬身差の4着だったが、続く前走A1A2の特別戦では大差の圧勝。1870メートルの勝ちタイム1分58秒1は破格のタイム。園田金盃、兵庫大賞典が10年前から1870メートルになったのだが、両レースの勝ちタイムの最速はともに1分59秒台。重賞で勝ち負けできるレベルにあることは間違いなさそう。
さすがにこれだけのメンバーが揃うと、ヒダルマは押し出されて△評価まで。
昨年の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIで3着に好走したキクノステラだが、距離延長がどうか。昨年のこのレース3着だったエイシンミコノスにも上位食い込みの可能性はある。
◎2メイショウオオゼキ
○9タガノヴェリテ
▲11マコトタリスマン
△4ヒダルマ
△12キクノステラ
△10エイシンミコノス
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栄冠賞では3着だったコーラルツッキーだが、続く前走1000メートル戦が圧巻だった。好スタートも4番手まで位置取りを下げ、直線を向いたあたりではそのままかと思われたが、残り100メートル手前あたりからエンジンがかかって前の3頭を並ぶまもなく抜き去った。デビュー戦に続いて、これで1000メートル戦では2戦2勝。将来性を感じさせるレースぶりだった。
テーオーブルベリーの前走ウィナーズチャレンジは、楽に先手をとると直線を向いてもまだ楽な手応え。ゴール前で牡馬2頭に交わされたものの、流れや展開次第ではと思わせる3着だった。大差で圧勝したデビュー戦と同じ1000メートル戦で、牝馬同士なら期待は持てる。
栄冠賞で5着だったミリミリは、3着のコーラルツッキーから2馬身ほどの差。巻き返しのかかる一戦。
マナモクプニ、アクアリーブルは、前走1000メートル戦がコーラルツッキーの2着と3着。アクアリーブルは、母が関東オークスJpnIIや黒潮盃などを制したアスカリーブルということで血統的な期待も大きい。
ミホスローロリスは、前走の2歳オープンで4着だったが、勝ちタイムが1分13秒1という速いタイムでの決着。そこを経験しての上積みがあれば上位食い込みも。
◎7コーラルツッキー
○3テーオーブルベリー
▲2ミリミリ
△9マナモクプニ
△5アクアリーブル
△11ミホスローロリス
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アンデスクイーンは昨年、準オープン格付で格上挑戦となった京都のJBCレディスクラシックで5着に好走。その1〜3着馬は今回出走しておらず、4着がクイーンマンボ。そのクイーンマンボが今回57kgなのに対し、アンデスクイーンの55kgは有利。ここ3戦、牡馬相手のオープン特別での好走も評価できる。5歳での重賞初制覇に期待だ。
プリンシアコメータは気が向かないときは見せ場もなくということもあるが、自分の流れに持ち込めたときには強い。前々走エンプレス杯の完勝もそうだが、前走牡馬相手のブリリアントSでは直線で先頭に立ち、ゴール前でアングライフェンにとらえられたものの半馬身差で食い下がった。ゆったり流れる2000mか、それ以上の距離で強いレースを見せる。
クイーンマンボは衝撃の圧勝を見せた一昨年3歳時のレディスプレリュードを最後に勝ち星から遠ざかり、しかも時を追うごとに着順が下降してきている。ただ今年の平安ステークスGIIIでは、着順こそ8着だが、GI/JpnI級の牡馬を相手にコンマ9秒差なら悪くない。牝馬同士ならもっとやれていい。
関東オークス以来となるラインカリーナは、初めての古馬相手にどこまでやれるか。3歳で55キロは楽ではないが、成長度次第。
ビスカリアは、昨年京都のJBCレディスクラシックJpnIでは、クイーンマンボ、アンデスクイーンに続く6着。TCK女王盃JpnIIIを圧勝しているが、今回は2歳時以来久しぶりに芝を使っての休み明けでどこまで状態を戻しているか。
◎11アンデスクイーン
○6プリンシアコメータ
▲3クイーンマンボ
△2ラインカリーナ
△9ビスカリア
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ハヤブサマカオーは佐賀・サマーチャンピオンJpnIIIにも登録があったが、長距離輸送や相手関係を考慮してかこちらを狙ってきた。一昨年2歳時には兵庫ジュニアグランプリJpnIIまで3連勝。しかしここまでのところ勝ち星はそれが最後。昨年はオープンのエニフステークスで2着と好走したが、年末から今年にかけては二桁着順続きで、大井に移籍してきた。その初戦こそ差のある5着だったが、前走1200メートルの武蔵野オープンは、昨年の優駿スプリントの覇者クルセイズスピリツに1馬身ほどの差で3着に好走。輸送と笠松コースがどうかだが、能力上位と見る。
人気の中心はカツゲキキトキトだろうか。2歳秋からほとんど休みなく使われてきて、休みらしい休みは一昨年4歳時、夏の4カ月ほどだけ。昨年5歳年末の名古屋グランプリJpnII(5着)が48戦目と数多く使われてきた。今年は脚部不安のため順調には使えず、ここがようやく4戦目。とはいえ成績を落としているわけではなく、ダートグレードを別とすれば、地元東海地区では一昨年のくろゆり賞での2着を最後に負けていない。南関東から強敵が遠征してきたここは正念場だ。
充実ぶりが目立つのがストーミーワンダー。春には出走取消が2戦続いたが、今年負けたのは高知に遠征した黒潮スプリンターズカップ(5着)と超短距離の金沢・日本海スプリント(4着)だけ。◎○を相手にどこまでやれるか、ここは試金石となりそう。
前走、中央との条件交流を勝った兵庫のペリステライト、今年春には重賞でも好走していたデジタルフラッシュらが3着に食い込める余地があるかどうか。
◎4ハヤブサマカオー
○8カツゲキキトキト
▲2ストーミーワンダー
△3ペリステライト
△7デジタルフラッシュ
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