岩手所属ながら北海道の二冠を制したベンテンコゾウが、残念ながら脚部不安のため回避。中央や南関東から転入して初戦か2戦目という馬がじつに7頭もいるという、春とはガラリと変わったメンバーで能力比較が難しいが、岩手ダービーダイヤモンドカップを含め、目下重賞3連勝中のキングジャガーに期待したい。3カ月ぶりの復帰戦となった前走イーハトーブマイルは、キングジャガーを含め58キロを背負わされた馬が3頭。他の2頭が4着以下に沈むなかで、3〜4コーナーでは単独先頭で楽な手ごたえのまま他馬を従え、最後はユイノムテキに3/4馬身差まで迫られたものの、余裕を持ってのゴールだった。地元生え抜きとして負けられないところ。
相手候補には、中央からの移籍組でコスモメイプル、ワイルドソング。
コスモメイプルはデビューからずっと芝を使われていたが、7月の函館開催からダートを使われるようになり、8月5日の新潟ダート1800メートル戦で惜しくもクビ差2着があった。
一方のワイルドソングはデビュー以来ダートの中距離を使われ、2着3着が1回ずつ。転入初戦の盛岡ダート1600メートル、B2戦は2着に4馬身差をつける快勝だった。
イーハトーブマイルでキングジャガーの2着に迫ったユイノムテキ、ここまで重賞3勝で岩手ダービーダイヤモンドカップ4着のダンストンレガーメ、芝の重賞を2勝しているブラックロードらが連下候補。
◎8キングジャガー
○9コスモメイプル
▲11ワイルドソング
△5ユイノムテキ
△1ダンストンレガーメ
△4ブラックロード
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北海道から遠征のサクラゴスペルは、一昨年のスプリンターズSで2着があって、今年北海道に移籍。門別ではダートの1200メートルも制しており、芝に戻ればあらためての期待がかかる。
前哨戦ハーベストカップでのコウセンの走りは圧巻だった。スタートからスピードの違いでハナに立つと、後続を寄せ付けないまま逃げ切り圧勝。現在の盛岡競馬場がオープンした1996年以来、21年ぶりに芝1000メートルのコースレコードを更新した。ここでもその圧巻の走りをみせるかどうか。
浦和から遠征のジョーオリオンは、中央の準オープンでやや頭打ちとなって一昨年春に浦和に転厩。なかなか勝ち星には結びつかなかったものの、今年7月、A2以下の準重賞を8番人気で制した。南関東でも苦戦が続いているが、久しぶりの芝に戻って能力発揮となるかどうか。
ウインミラージュは、前走ハーベストカップがコウセンの2着。走破タイムの58秒6は、例年ならこのレースで勝ち負けできるタイム。ただ今回はコウセンに加えて他地区からの遠征馬もあり、強いメンバーが揃った。
今年、大井から北海道に移籍したエイシンヒートは、ダート短距離のオープンでまずまず好走しており、あとは初めての芝をこなせるかどうか。
ラベンダーメモリーは中央500万からの転入初戦。中央では芝のみを走り、3歳以降は1600メートル以上を使われていただけに、一気の距離短縮に加えて、クラス的なことを考えると連下争いまでか。
岩手のB級ではあるものの、ウインミラージュと好勝負をしているスティルプリンスも芝なら侮れない存在。
◎8サクラゴスペル
○4コウセン
▲2ジョーオリオン
△3ウインミラージュ
△9エイシンヒート
△7ラベンダーメモリー
△11スティルプリンス
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グランダム・ジャパン2歳シーズンの初戦、園田プリンセスカップでは北海道から4頭が遠征し上位3着までを独占する結果となったが、2歳シーズン第3戦のここにもその勝ち馬を含め4頭が遠征してきた。
中でも距離経験も豊富なビジネスライクを狙う。前走フローラルカップは5着だが、勝ったミスマンマミーアはJRA札幌芝のコスモス賞で2着という実績、2着のストロングハートはその後エーデルワイス賞JpnIIIを見事に制して見せた。そうしたレベルの高いメンバーと戦ってきただけに能力は高いと見る。そして鞍上が吉原寛人騎手とくれば馬券の中心としても信頼できる。
相手には、園田プリンセスカップを制したサラヒメ。さらに▲にも園田プリンセスカップで3着だったエグジビッツ。もはやホッカイドウ競馬だけでなく、全国の2歳戦で角川秀樹厩舎VS田中淳司厩舎という様相だ。
地元のシオジスターが△の筆頭。3走前、2走前と凡走が続いたが、金沢プリンセスカップで見事復活した。
さらに北海道のヒロ、大井のアクアレジーナが連下争いにからめるかどうか。
◎6ビジネスライク
○1サラヒメ
▲9エグジビッツ
△5シオジスター
△7ヒロ
△8アクアレジーナ
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二冠馬フリビオンが1週間後に佐賀で行われる西日本ダービー遠征のため不在となって争われる高知の三冠目。
中央未勝利や他地区からの転入馬が何頭かいてカギを握りそうだが、ここは中央未勝利のあと門別で2連勝、そして転入初戦を圧勝したモズオトコマエを狙ってみたい。その転入初戦となった古馬C3戦は、伸び上がるようなスタートで後方からとなり、外に持ち出して位置を取りに行くというロスの多い競馬。それでも直線余裕をもっての勝利だった。その勝ちタイム1分30秒8は、たとえば二冠でともに2着だったバーントシェンナの1400メートルの持ちタイムとの比較でも遜色のないもの。それが道中ロスの多い競馬で楽に出したタイムであれば、まだまだ秘めた能力はありそう。
二冠ともフリビオンの2着だったバーントシェンナは、3歳になってからは5戦してオール連対。ただ初距離となった高知優駿でフリビオンに1秒差をつけられた。距離延長で不安ありか、それともただフリビオンが強すぎただけなのか、ここが試金石となりそう。
中央未勝利から転入し、1300メートル戦を好タイムで2連勝のカレンラヴニールも可能性を感じさせる1頭。中央では2000メートル前後を使われていただけに、距離延長でさらにということは考えられる。
タッチスプリントは、2歳時の金の鞍賞でフリビオンの2着以来の地元戦。ダートグレードなどで揉まれて力をつけている可能性もあるが、前走ロータスクラウン賞4着のレースぶりからは、ちょっと使いすぎではないかという疑問もあっての△。
3歳戦で目下3連勝中のブラウンヘルシャー、古馬C3で2勝を挙げているセブンハーバーらにも可能性がありそう。
◎7モズオトコマエ
○9バーントシェンナ
▲5カレンラヴニール
△4タッチスプリント
△8ブラウンヘルシャー
△10セブンハーバー
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すでにここまでにある程度賞金を稼いで別定10キロ増となっているのが、ジェイコマンダー、ミスタカシマ、オレワチャンピオンの3頭。ところがそれら実績馬と過去4走でほとんど差のないレースをしながら別定増量がないのがハマノダイマオー。勝ちきれないレースが続いて1着賞金が加算されないがゆえのこと。実績馬の中で増量のないこの馬が中心。
オレワチャンピオンも、もちろん世代のトップを争う1頭。前走馬体重が1トンを超えている馬が2頭いるうちの1頭で、これまでより負担重量が大幅アップとなる今回は、その馬格が有利になると見ての対抗評価。
ここまで2歳馬でもっとも賞金を稼いでいるのが牝馬のミスタカシマ。2歳で最初に行われるナナカマド賞は牝馬が苦戦していて、牝馬の勝ち馬となるとちょうど20年前、1997年のキリツレディまで遡らなければならない。過去5年を見ても連対した牝馬はなく、2012年にコウシュハクィーン、2014年にワタシハサクランボが3着に入っただけ。今回もアタマまでは厳しいと見る。
青雲賞で1番人気に支持されながら9着だったジェイコマンダーだが、10番枠もあってか第2障害で完全に座り込んでしまった。続く前走ではきっちり立て直した。しかし今回は逆に1番枠に入ったことで△まで。
青雲賞を5番人気で制したカネサダイマオーは、実績馬たちとの10キロ差を生かせるかどうか。
◎6ハマノダイマオー
○9オレワチャンピオン
▲5ミスタカシマ
△1ジェイコマンダー
△4カネサダイマオー
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