2006年以来11年ぶりに復活した重賞。笠松グランプリの指定競走として1400メートルに距離短縮となり、地方全国交流ということでダートグレード入着経験馬も何頭かいる強力なメンバーが顔を揃えた。
中心は、やはりJpnIIIのかきつばた記念を制している兵庫のトウケイタイガー。前走東京盃は7着だったが、勝ち馬からコンマ6秒差と着順ほどは負けていない。JBCスプリントJpnIには登録がなく、ここから笠松グランプリへ、さらに年末、地元の兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIへ向けて、地方同士なら負けられない一戦だ。
カツゲキキトキトもダートグレードでの活躍が期待される1頭だが、こちらもJBCクラシックへの登録はなかった。同じ1400メートルの東海桜花賞ではトウケイタイガーに6馬身ちぎられたことがあり、必ずしも得意の距離ではなさそう。ここは東海菊花賞から名古屋グランプリJpnIIへのひと叩きと考えるべきかもしれない。
チーフアセスメントは、中央1000万条件から障害を経て兵庫に転入。1230メートル戦で2着のあと1400メートルを3連勝中。前走は初めてのA1特別だったが、ダッシュよく飛び出してハナを奪うと、直線ではうしろ振り返る余裕があっての圧勝だった。その勝ちタイムは稍重だったとはいえ、トウケイタイガーの園田チャレンジカップの勝ちタイムを上回るもの。重賞初挑戦でも見せ場以上があるかもしれない。
マサヤは佐賀の1400メートル戦線では地元同士ならほぼ敵なし。南関東でもA2特別を勝っていたという実力なら通用してもおかしくない。
南関東A2勝ちのあるインフォーマー、年齢的にやや陰りが見えるもののサトノタイガーらにも上位にからんでくる可能性はある。
◎11トウケイタイガー
○4カツゲキキトキト
▲7チーフアセスメント
△2マサヤ
△6インフォーマー
△8サトノタイガー
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園田プリンセスカップでは1番人気に支持されたセイヴァーベナだが、1ー3着馬に直後で突かれる厳しい展開で、3コーナーで手ごたえがなくなってしまった。馬場状態の違いはあるが、セイヴァーベナは2走前のアッパートライでは、園田プリンセスカップの勝ちタイムより1秒も速いタイムで勝っていた。地元馬同士の争いとなれば巻き返し可能と見る。
相手筆頭は、北海道から名古屋を経由して転入2戦目となるスーパージェット。門別ではJRA認定ではない未勝利戦を勝ったのみだが、その後のアタックチャレンジは勝ち馬とそれほど差はなく、メンバーや展開次第では勝てるレベルにはあった。園田で一戦しての上積みがあれば好勝負も期待できそう。
フセノランはデビューから1400メートル戦のみ3戦して2勝、2着1回。走破タイムが1分32秒台から1分33秒0と安定しており能力面でも見劣らない。
メイクアラッシュは門別で2歳オープンを制しての転入で、園田では2戦連続で2着。コースに慣れてさらなる上積みがあれば上位を狙えそう。
デビュー戦で大差圧勝だったイチノフリオーソは、経験豊富なこのメンバーに入ってどこまでやれるか。
デビューから3連勝のあとフセノランの3着に敗れたアゼツライトも見限れない。
◎8セイヴァーベナ
○4スーパージェット
▲3フセノラン
△11メイクアラッシュ
△5イチノフリオーソ
△12アゼツライト
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翌週に北海道2歳優駿JpnIIIを控え、距離が違うとはいえ、どちらかというと裏街道的な重賞。
ゆえに重賞入着経験があるのはミスターバッハだけ。イノセントカップでは直線で先に抜け出したヤマノファイトにクビ差まで迫る2着。サンライズカップはヤマノファイトからやや差のある5着だったが、3~4コーナーで外を回らされた上に、初めての1700メートルという距離もあった。今回はほかに重賞入着経験がある馬がいないメンバーで、しかも1200メートルに距離が戻ってということであれば、チャンスが巡ってきたといえそうだ。今年の門別2歳重賞でサウスヴィグラス産駒は、サザンヴィグラス、ストロングハートが2勝ずつ。続くことができるかどうか。
重賞初挑戦も、まだ底を見せていないのがソイカウボーイ。デビューは遅れたが門別では2戦2勝。能検好タイムで話題となった馬にあらためての期待だ。
エイシンエンジョイは、前走ウィナーズチャレンジを勝ってメンバー中唯一の3勝馬。6戦して3着以内を外したのはデビュー戦の4着だけ。サウスヴィグラス産駒らしく短距離でのレースぶりも安定している。
デニストンは、3走前のターフチャレンジではソイカウボーイに1馬身半差の2着。中央挑戦を挟んで前走ウィナーズチャレンジではエイシンエンジョイに2馬身差の2着。逆転まであるかどうか。
前走クロフネ・プレミアムが好タイムで2着だったヨシノファルコンは上昇気配が感じられる。
◎10ミスターバッハ
○6ソイカウボーイ
▲2エイシンエンジョイ
△5デニストン
△7ヨシノファルコン
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サムライドライブはデビューから負けなしの3連勝中。その3戦目は2着馬との着差が1馬身半と、1、2戦目と比べると派手な勝ち方ではなかったものの、内容的にはまったく寄せ付けずの完勝。しかも食い下がったのは2着馬だけで、3着以下はちぎっていた。今回、初めての1600メートル戦となるが、この程度の距離ならまだ問題ないだろう。4連勝の可能性は高いと見る。
ビップレイジングは、デビューした北海道ではJRA認定ではない未勝利戦を勝ったのみだが、笠松に転厩後、秋風ジュニア、ジュニアクラウンと準重賞を連勝。しかも2着以下をまったく問題にせずという内容。門別時代は1700メートルへの距離延長で結果を出していただけに、ここでもさらにという可能性はある。
ハッピーチアフルは、門別でJRA認定競走が終了したあとの新馬戦を勝ったのみで名古屋に移籍。1000メートルの勝ちタイム1分1秒9は、不良馬場とはいえなかなかに優秀で、距離延長がどうかというところ。父ゼンノロブロイ、母父ムトトという血統からは、距離伸びてさらにという可能性はある。
メモリーメディアは、2走前にサムライドライブの2着に敗れたものの、続く前走のセレクトゴールドを快勝。ここまで5戦3勝、2着2回と、まだ底を見せていない。
ディーエスパースンは門別からの転入初戦となったジュニアクラウンでビップレイジングの6着に敗れたが、アタックチャレンジを勝った門別時代の実績からはまだ見限れない。ただ距離面でのカベはあるかもしれない。
◎8サムライドライブ
◯4ビップレイジング
▲5ハッピーチアフル
△3メモリーメディア
△2ディーエスパースン
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西日本各競馬場の生え抜き馬限定の西日本ダービー。第2回は佐賀が舞台となった。地元佐賀勢にとっては、大将格スーパーマックスは南関東へ移籍した経歴があるため出走資格がないのが残念なところ。
ここは高知から遠征のフリビオンが断然。3歳初戦の土佐春花賞こそ3着に負けたものの、以降は高知二冠制覇を含め目下8連勝中。前走では古馬との重賞・珊瑚冠賞も直線力強く抜け出し3馬身差の圧勝だった。初めての輸送と佐賀コースがどうかという心配はあるが、不安はそれだけ。
相手筆頭には、地の利も加味してオヒナサマとした。九州ダービー栄城賞は、スーパーマックスに展開的なロスがあったにしてもコンマ2秒差まで迫って3着。古馬B-4組戦で善戦という実績で、3歳馬同士なら能力上位と考えてよさそう。
3番手には、吉原寛人騎手に乗替っての遠征となった金沢のムーンファースト。グレイトデピュティがハナを主張という可能性もあるが、MRO金賞のように単騎でマイペースの逃げに持ち込めれば粘り込む可能性は十分考えられる。
兵庫ダービーを制したブレイヴコールは△まで。兵庫ダービーは、連戦連勝の無敗馬が回避したうえに、多分に展開に恵まれた面もあった。
ロータスクラウン賞が惨敗だったロイヤルピンクだが、1750メートル戦での連勝もあり、古馬B-4組戦での勝利もあるだけに馬券圏内に食い込んでも驚けない。
東海・金沢の3歳重賞で常に上位争いのグレイトデピュティも連下争いなら可能性はありそう。
◎4フリビオン
○1オヒナサマ
▲9ムーンファースト
△10ブレイヴコール
△5ロイヤルピンク
△7グレイトデピュティ
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