この開催では翌16日にS1重賞の九州大賞典(2500m)が組まれ、この五ケ瀬川賞は1800mのS2重賞。残念九州大賞典という位置づけではあるのだが、10頭の登録で実際に出走してきたのは5頭と寂しい頭数になった。
中心はなんといってもシンゲツ。昨年秋に高知から転入し、2着以内を外すことなく着実にクラスを上げてきた。3走前の池田湖賞で初めて連対を外す5着があったが、その後は中距離のA級特別で1、2着。一線級は九州大賞典にまわってという5頭立てならチャンスは大きい。
そのほか4頭にはさまざまに不安要素があって、消去法という感じでの対抗が、中央から転入初戦のメイショウインロウ。未勝利のあと園田で2勝を挙げ中央に戻ったが、やはりダートはあまり得意ではないだろうというここまでの戦歴。とはいえ昨年あたりでも中央の準オープンで勝ち馬からたびたび1秒差以内では走っており、その能力の高さならそれなりのレースができるのではないか。
ミスタージャック、ランドオウジは活躍の中心が1400メートルで、どちらかといえばミスタージャックのほうがこの1800メートルでも対応できそう。
◎2シンゲツ
◯5メイショウインロウ
△3ミスタージャック
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カツゲキキトキトが抜けたというメンバーなら、秋の鞍で2着だった兵庫のエイシンニシパが断然だ。金沢のMRO金賞を圧勝したのを含め、4月以降に重賞5戦に出走して3着以内を外したのはJpnIIの兵庫チャンピオンシップだけ、それも地方馬最先着だった。笠松コースは初めてだが、金沢、名古屋への遠征でも結果を残しているだけに、この馬が堅い中心。
相手筆頭には休養明け2戦目となるハイジャを狙ってみたい。年明けのゴールドジュニアを1番人気で制し、スプリングカップは相手がカツゲキキトキトではさすがに3着まで。その後半年以上の休養があって、秋初戦は古馬A3に格付けされ、しかも中央馬が相手。それでは7着惨敗でもしかたない。同世代同士なら能力上位と見る。
中央から転入初戦のアドルナメンテが不気味な存在。中央では未勝利を脱出できなかったが、2着3回、3着4回と運がなかった。ダートは1戦して大敗なので、笠松のダートでどうかという不安はあるが、能力的にはいきなり勝ち負けがあっても驚けない。
キタノアドラーブルは重賞タイトルにこそ手が届いていないが、2〜4着が計6回。その中にはカツゲキキトキトとの対戦もあり、そうでなければ重賞のひとつやふたつは勝っていたかもしれないという実力。ただ夏の大井で2戦大敗した反動が気になるところ。
セブンサムライは3歳1組で常に上位を争い、前走が古馬B級で勝利なら、久々の重賞でも互角以上にやれる可能性はある。
クイーンカップを制したヘイハチハピネスは、他地区からの遠征馬もいる牡馬相手のこのメンバーでどこまでやれるか。
◎5エイシンニシパ
◯6ハイジャ
▲8アドルナメンテ
△4キタノアドラーブル
△10セブンサムライ
△7ヘイハチハピネス
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今年正月の新春賞で上位3着までを占めたのが、1着アクロマティック、2着エーシンクリアー、3着サウスウインド。その後、いずれも崩れることがあまりなく、勝ったり負けたりで甲乙つけがたい力関係。その中でも若い5歳で、北海道への一時移籍で力をつけたサウスウインドに期待する。今回も鞍上には高知から赤岡修次騎手が呼ばれた。赤岡騎手はこれまでサウスウインドに重賞で3回騎乗して2勝、2着1回と相性もいい。
アクロマティックとエーシンクリアーは、新春賞以降重賞で5度の直接対決があって、アクロマティック3勝にエーシンクリアーが2勝。前走金沢のイヌワシ賞ではエーシンクリアーが強い勝ち方を見せたが、地元園田での安定したレースぶりからアクロマティックを上にとる。
南関東から重賞2勝のオウマタイムが遠征してきた。昨年羽田盃で惜しい2着のあとはもうひと息という成績。9カ月ぶりの復帰戦が遠征競馬で実力発揮となるかどうか。
今年4月デビューですでに40勝を挙げているという新人の加藤聡一騎手で、名古屋からの遠征がヴェリイブライト。名港盃ではアクロマティック、エーシンクリアーからやや差をつけられての3着。今回はアウェーとなる園田でその差を詰められるかどうか。
3年前のこのレースの勝ち馬で、12歳になったダイナミックグロウだが、今年も3走前のA1特別では早め先頭から押し切って勝利を挙げている。マイペースで逃がすと油断できない存在だ。
◎1サウスウインド
◯12アクロマティック
▲2エーシンクリアー
△7オウマタイム
△6ヴェリイブライト
△4ダイナミックグロウ
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地元勢には連戦連勝という馬がなく、おまけにここまで行われた2歳牝馬の重賞3戦はいずれも勝ち馬が異なるという混戦ムード。一方の中央勢もダート経験馬は1頭だけと、なかなかに能力比較が難しいメンバー。
そんななかで本命はピンクドッグウッド。デビュー勝ちのあとのウィナーズチャレンジでは、その後に栄冠賞やイノセントカップを制するバンドオンザランを負かしていた。その後1000メートルのフルールカップを制したものの、前走リリーカップでは1番人気に支持されながらあまり見せ場もないまま4着。負けるときはあっさりだが、ここ一発の勝負強さに賭けてみる。
中央勢では唯一の2勝馬がリエノテソーロ。すずらん賞での直線3頭の競り合いから抜け出したという勝ち方は強かった。能力上位であることは間違いなく、問題はその能力がダートで存分に発揮できるかどうかということだけ。
ハタノオヌールは、フルールカップでは逃げて直線で失速したが、リリーカップでは一転控える競馬で直線抜け出し、シェアハッピーとの競り合いを制した。その一戦できっかけを掴んで能力発揮という場面もありそう。それにしてもピンクドッグウッドもこの馬も同じサウスヴィグラス産駒。昨年、エーデルワイス賞JpnIIIから北海道2歳優駿JpnIIIと連勝したタイニーダンサーも父はサウスヴィグラスだった。その勢いはまだまだ続きそう。
そしてリリーカップではハタノオヌールと叩き合いとなって、惜しくもアタマ差2着だったのがシェアハッピー。能力的に差はなく、展開次第でチャンスは十分。
中央勢のダート経験馬はアイルキャッチユー。デビュー戦を11番人気で勝ったという経験だけで、このメンバーに入ってどこまでやれるか。父アイルハヴアナザーには期待したいが、いきなりこのメンバーで頭までは想像しにくい。
リリーカップは差のある6着だったもののフローラルカップを制したオーブスプリング、やはりサウスヴィグラス産駒のアップトゥユーらも2歳のこの時期だけに上積みがあれば上位を争う力はありそう。
◎12ピンクドッグウッド
◯14リエノテソーロ
▲8ハタノオヌール
△5シェアハッピー
△11アイルキャッチユー
△15オーブスプリング
△1アップトゥユー
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早いものでホッカイドウ競馬の今シーズンの開催も、今週の瑞穂賞、エーデルワイス賞JpnIIIが終わると、残すところ2開催。ついこの前2歳の新馬戦が始まったと思ったら......というのは大げさだが、6カ月半の開催はあっという間だ。
というわけで道営記念の前哨戦となる瑞穂賞。他地区に転出もせずに期待にこたえて見事に成長を遂げたオヤコダカが、赤レンガ記念から連勝で道営記念まで勝ち続けるのかどうか、注目の一戦でもある。1800メートル戦は、昨年の瑞穂賞が2着で、今年初戦のコスモバルク記念も2着。内回りが得意と言われるが、それも「強いて言えば」という話であって、外回りが不得手というわけではないだろう。今回と同じ57キロでは、星雲賞、旭岳賞を楽勝しており、今回外回りになったぶん、他馬に付け入るスキがあるかどうかという程度。中心は揺るぎない。
相手筆頭は、今年の3歳二冠馬スティールキング。大井に遠征した黒潮盃は中団からの追走となって流れに乗れないままという感じで5着。前走、初めての古馬との対戦となったA1A2特別を快勝。55キロという斤量なら勝負になるのではないか。
不気味なのはバラブシュカ。中央1勝から今季途中に転入し、その後は1800メートル戦のみを使われて5連勝。持ちタイムは1分53秒4(不良)。そのタイムでのパフォーマンスならいきなりでも通用する可能性はある。
昨年の道営記念の覇者グランプリブラッドは、今シーズンここまで惜しいところで勝ちきれず。今回は別定58キロを背負って、道営記念につながればというところ。
ジュエルクイーンは牡馬と対戦する古馬の重賞には初挑戦。同じ距離のノースクイーンカップ2着の内容からは通用する可能性は十分。
◎7オヤコダカ
◯3スティールキング
▲5バラブシュカ
△8グランプリブラッド
△9ジュエルクイーン
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