グランダム・ジャパン2歳シーズンも、これが終われば最終戦の東京2歳優駿牝馬を残すのみ。すでにポイントを獲得している、トチノスカーレット、ニイカップクイーン、ルードらが上位争いなら、2歳女王争いはさらに混沌としてきそうだ。
北海道からの遠征馬4頭を含め、出走12頭のうち北海道デビュー馬がじつに9頭。実績どおりに走ればトチノスカーレットだろう。イノセントカップ2着があり、エーデルワイス賞JpnIIIでは勝ったハニーパイからコンマ5秒差の5着。ハニーパイといえば、例年以上にレベルの高かった兵庫ジュニアグランプリJpnIIで3着に食い込んだ実力。前走笠松・プリンセス特別は案外だったが、巻き返しに期待したい。
ブリリアントロビンは、道営から転入初戦の前走を1番人気にこたえて完勝。リリーカップやエーデルワイス賞JpnIIIは着外だったが道営で2歳オープン勝ちがあるだけに、ここでも勝負になる。
ルードは、オーナーがトウホクビジンなどと同じで遠征が多く、すでに4競馬場で重賞に出走。勝ちきるまではいかないが2、7、3、4着と善戦。相手関係的にも今回はそれほど厳しくなったという感じはなく、上位争いの可能性は高い。
知床賞でワタリルーブルをとらえての勝利となったミネサランサジャ。そのワタリルーブルはビギナーズカップを逃げ切って重賞を勝った実績。前走フューチャーステップで6馬身差圧勝のコウギョウデジタル。近走いまひとつもデビュー戦で衝撃のスピードを見せていたニイカップクイーンらも馬券圏内を狙える。
◎トチノスカーレット
◯ブリリアントロビン
▲ルード
△ミネサランサジャ
△ワタリルーブル
△コウギョウデジタル
△ニイカップクイーン
中央のダート路線の層がますます厚くなってきている。古馬や3歳戦はもちろんだが、特に近年は2歳ダートのレベルアップが目覚ましい。今年はエーデルワイス賞JpnIIIこそ道営のハニーパイが制したが、北海道2歳優駿JpnIIIはJRA勢のワンツー。以前なら経験の差で道営勢が互角以上の戦いをしていたが、近年はJRA勢がかなり優位に立ってきているように思う。ここにもダートですでに2勝を挙げている馬が3頭出走と強力だ。
中でもケイアイレオーネを狙う。芝では3戦未勝利で、ダートを走ったらあっさり2連勝。前走は東京の長い直線で中団からの差し。内外離れての叩き合いを制した実力は確かだ。
アースゼウスは、ヤマボウシ賞でアップトゥデイトの3着に負けたあと、前走の1200メートル戦を逃げ切り勝ち。最後は2着馬に迫られたが、道中は後続の脚色を測りながら余裕を持っての逃げだった。今回もマイペースの逃げに持ち込めるかどうか。地方馬に逃げ馬が何頭かいるだけに、無理に競りかけられるたときにどうか。
ヤマボウシ賞を差し切ったアップトゥデイトは、ダートでは2戦2勝とまだ底を見せていない。主戦の佐藤哲三騎手の負傷は残念だが、手綱がまわってきた下原理騎手にとっては大きなチャンスだ。
ハニーパイは、エーデルワイス賞JpnIIIの勝利を含め、重賞で2勝、2着1回。しかしそれはいずれも牝馬が相手。今回は牡馬が相手になるうえ、初めての長距離輸送と、越えなければいけないハードルがたくさんある。
同じく北海道から遠征のヨウメイモンは、ここまで9戦。そのうち1200メートルでは7戦オール連対なのに対し、1700メートルは2戦していずれも馬券圏外。1400メートルという距離がどちらに転ぶか。
兵庫若駒賞を単勝元返しで制したエーシンクリアーは、地元のこの世代では抜けた存在。カイロスは福山でデビューから7戦7勝。これまで福山からは地元では無敵でも遠征に出てがっかりという馬が何頭かいたが、「この馬は違う」というのが地元の評価。ともに今回は一気の相手強化だけに、どこまで食い下がれるか。
◎ケイアイレオーネ
◯アースゼウス
▲アップトゥデイト
△ハニーパイ
△ヨウメイモン
△エーシンクリアー
△カイロス
地方全国交流として復活してから過去2回のダービーグランプリは、2010年はロックハンドスターが3冠を達成し、その後に桐花賞も制覇。昨年はカミノヌヴォーが2冠に加えて桐花賞制覇と、地元岩手所属馬が強さを見せている。今年は地元のアスペクトに、北海道のニシノファイター、金沢のアルドラ、名古屋のマイネルセグメントと、各地のダービー馬が揃い、ダービーグランプリの名にふさわしいメンバーとなった。
中心は、前走不来方賞を楽勝した地元のロッソコルサ。3走前には芝の桂樹杯で大接戦の3着、2走前にも青藍賞でカミノヌヴォーにアタマ差2着と、古馬の一線級とも互角に渡り合える実力の持ち主だ。
どちらを本命にするか迷ったもう1頭が、名古屋のブライトシンプー。岐阜金賞はスタートで出遅れながらも最後はサカジロスイセイとの叩き合いを制した。この馬も古馬のオープンクラスと互角の勝負。ロッソコルサもブライトシンプーも春のダービーは2着で、秋になって力をつけてきた。
北海道の2冠馬ニシノファイターは、古馬との重賞では苦戦したが、前走のオープン特別では人気のハタノゼフィロス、ステイヤーズカップ2着のサムライジャパンをしりぞけての勝利。道営シーズン終了後にどれだけ余力を残しているか。
マイネルセグメントは、東海ダービー以来勝ち星がないが、もともとムラ駆けのタイプ。東海ダービーも駿蹄賞7着から狙っての勝利。ここ一発の仕上げで臨んでくれば、東海ダービーの再現もあるかもしれない。
大井のショコラヴェリーヌは、3歳になっての勝ち星は古馬B2特別での1勝のみだが、戸塚記念ではアスカリーブルから0秒8差の7着。アスカリーブルといえば関東オークスJpnIIを制すなど、牝馬ながら今年の地方の3歳を代表する1頭。それに4馬身ほどの差なら十分可能性はある。
不来方賞2着のユウキタカラオーは、中央未勝利から転入して5戦連続連対。まだまだ未知の部分はある。
岩手ダービーダイヤモンドカップまで圧倒的な強さを見せていたアスペクトだが、その後は大敗続きで不来方賞も8着。マイペースの逃げに持ち込んで粘る場面はないだろうか。
◎ロッソコルサ
◯ブライトシンプー
▲ニシノファイター
△マイネルセグメント
△ショコラヴェリーヌ
△ユウキタカラオー
△アスペクト
未勝利だがヤーマンミルフィーを狙ってみたい。道営では2着3回と勝ちきれなかったが、転入初戦の1500メートル戦を逃げて2着。差されたのは牡馬で、4馬身差をつけての3着が園田プリンセスカップに遠征したハイパーエンジェルなら、一気に牝馬のトップに立つ可能性はある。
ハイパーエンジェルは、園田プリンセスカップ(5着)後の前々走で、JRA認定上級戦を勝利。転入組との力関係は未知数な部分もあるが、金沢デビュー組の牝馬では最上位。
ガッツオブトップは、牝馬同士のパンジー賞を制したあと、2歳1組戦2着、JRA認定上級戦3着は、ともに牝馬最先着。ここにきて力をつけてきた。
ノコリモノは、道営では下級戦で1勝を挙げ、転入初戦を勝利。道営では1000メートル戦しか使われていないが、前走のレース内容からも、血統的にも、距離延長は歓迎。
フィアドーネは、デビューから8戦してすべて4着以内と堅実な成績。
マツノファインは2勝を挙げているが惨敗もあり、勝つときと負けるときの差が大きい。展開がハマればというタイプ。
◎ヤーマンミルフィー
◯ハイパーエンジェル
▲ガッツオブトップ
△ノコリモノ
△フィアドーネ
△マツノファイン
絆カップでは9着に沈んでしまったカミノヌヴォーの巻き返しに期待したい。その絆カップは、離れた最後方を進んだトウホクビジンが直線で豪快に差し切り、2着トーホクキング、3着シルクダイドウも中団よりうしろを追走と、典型的なハイペースの前崩れ。カミノヌヴォーは好位を進んで3コーナーから前をとらえにいったが、直線の坂のあたりで完全に脚をなくしてしまった。展開での惨敗といっていいだろう。水沢では桐花賞と青藍賞を制しており、あとは1400メートルの距離をこなせれば。
みちのく大賞典以来勝利から遠ざかっているトーホクキングだが、青藍賞3着、絆カップ2着と、地元同士の重賞では常に上位争い。この馬も1400メートルは久々だが、今シーズン2戦目に新緑賞を勝っているだけに、むしろ距離適性ならこちらかもしれない。
中央オープン実績のあるダイワマックワンは、岩鷲賞4着を含め岩手転入後のダートでは5戦してすべて4着以内に好走。上記2頭には実績面で劣るが、連下争いなら。
3歳時に岩手ダービーダイヤモンドカップで2着などがあるトキワノマツカゼは、大井から再転入初戦の前走A級一組特別で3着。上積みがあればここでも。
ライトマッスルは、格上挑戦となったOROターフスプリントを勝利。水沢1400メートルは今季2戦2勝。相手強化のこのメンバーに入ってどうか。
スーパーワシントンは、岩鷲賞、OROターフスプリントともに3着。重賞でも短距離なら上位を争える。
◎カミノヌヴォー
◯トーホクキング
▲ダイワマックワン
△トキワノマツカゼ
△ライトマッスル
△スーパーワシントン