黒潮菊花賞が終わった後に3歳馬の重賞を新設とは、どういう意図があるんだろうか。その黒潮菊花賞の1~3着馬、ヒロカミヒメ、ケイズイーグル、ドンスキマーが揃って出走してきた。今回もこの3頭の争いだろう。
黒潮菊花賞では、ヒロカミヒメとケイズイーグルが3コーナー過ぎから延々叩き合ってアタマ差でヒロカミヒメが勝利。最後の一冠を制した。三冠の期待がかかったドンスキマーは、向正面で2頭の直後につけたものの、3コーナーから徐々に差を広げられ、なんとか3着は確保したものの、前2頭からは3秒以上の大差をつけられた。
その後ヒロカミヒメは、黒潮マイルチャンピオンシップで古馬の一線級を相手にそれほど差のない4着と好走するなど、実力上位と見る。古馬B級で勝ち星があるというのもメンバーで唯一だ。
ドンスキマーの巻き返しにも期待する。黒潮菊花賞は、中団よりうしろからの追走となって、向正面から早めに仕掛け、前をとらえに行ったところで脚を使ってしまった。好位につけていけば2頭と差はないはず。
ケイズイーグルは、黒潮菊花賞2着のあとの前走は自己条件のC3-5組の一般戦で楽勝。引き続き好調のようだ。
そのほか、三冠で2、3、5着と常に上位争いをしているマンボフィーリング、中央から転入して3連勝中のドリームポルカ、高知優駿4着のハナニナレあたりが、上位3頭の一角崩しがあるかどうか。
◎ヒロカミヒメ
◯ドンスキマー
▲ケイズイーグル
△マンボフィーリング
△ドリームポルカ
△ハナニナレ
ホッカイドウ競馬で2歳戦がはじまったのがついこの間のような気もしないでもないが、あっという間のクライマックス、道営記念。今シーズン中に中央や南関東から転入してきて重賞を賑わしている馬や、生え抜きの重賞常連など、まさにシーズンの最後を飾るにふさわしいメンバーが集まった。
ショウリダバンザイの連覇に期待する。今シーズンの門別開幕以降は5戦して3着を外したのは中央馬相手のレディスプレリュードのみ。前々走、水沢に遠征したビューチフル・ドリーマーカップはサクラサクラサクラの2着に敗れたものの、そのサクラサクラサクラは、JBCレディスクラシックで逃げてあわやの3着だった。勝ち星はノースクイーンカップのみだが、道営のオープンクラスは全体で確実に底上げされていて、ショウリダバンザイ自身も昨年よりパワーアップしている。
南関東から転入して3連勝のリアライズノユメが人気を集めそうだ。前走瑞穂賞も早めに先頭を奪って危なげのない勝ち方。道営古馬のベストメンバーが集まった今回も同じようなレースができるかどうか。
シャアはステイヤーズカップを制し、前走瑞穂賞は1番人気に支持されながらもリアライズノユメに完敗の5着。巻き返しを狙う。
クラキンコは、連戦連勝だった3歳時にもこの道営記念で5着に敗れ、まさ昨年の成績を見ても、どうも秋は今ひとつのようだ。
サムライジャパンは、昨年のステイヤーズカップを制し、今年も直線追い込んでシャアの2着。距離は長ければ長いほどいいタイプ。2000メートルも守備範囲で、直線一気がハマる展開になれば一発もある。
モエレビクトリーは、中央の芝でオープンまで出世し、転入後4着のあと2連勝中。この距離も向いている。
ステイヤーズカップ4着、瑞穂賞2着のエイシンナナツボシもそれほど力の差はない。
◎ショウリダバンザイ
◯リアライズノユメ
▲シャア
△クラキンコ
△サムライジャパン
△モエレビクトリー
△エイシンナナツボシ
南関東~九州という広範囲の交流となり、高知から2頭、金沢、兵庫、佐賀から各1頭の遠征があり、メンバー的にかなり充実した。
地元金沢の北國王冠でのナムラダイキチとの対戦を避け、こちらを選択したジャングルスマイルを狙ってみたい。以前は輸送に課題があったようだが、4月には距離的にそれほど遠くない笠松のオグリキャップで強い勝ち方を見せた。前走地元のA1特別を楽勝して臨む、その4月以来の遠征競馬。今回は先行タイプの同型馬が何頭かいるため、ハナを奪ってなんとかマイペースに持ち込みたいところ。
相手はマルヨフェニックス。今年はまだ勝ち星がないとはいえ、園田や金沢に遠征して堅実に4着以内を確保。前々走、金沢のイヌワシ賞では、ナムラダイキチにこそ8馬身離されたが、ジャングルスマイルには先着しての2着。とはいえそのときのジャングルスマイルは、ナムラダイキチを負かしにいっての直線失速なだけに、今回はジャングルスマイルを上にとった。
ダイナミックグロウは、中央オープンの実績から兵庫に転入して、勝ち星はA1特別だけだが、重賞も3戦していずれもそれほど差のない4着以内。今回は遠征競馬でもあり、その実績からはまだ挑戦者の立場。
兵庫から笠松に移籍したエーシンブランは、初戦の前走名古屋戦でオープン特別2着と好走。ただ、まだこの一線級に入ると連下争いまでか。
ミヤジメーテルは、7月の名港盃でマルヨフェニックスを3着に負かした実績。
ミルリュユッテは、以前はオープン・重賞クラスではやや苦戦が目立ったが、ここ2戦でA1勝ちに東海クラウン2着と充実してきた。
10歳のキングスゾーンは、このメンバーに入ってどうだろう。馬券圏内までは厳しいように思う。
◎ジャングルスマイル
◯マルヨフェニックス
▲ダイナミックグロウ
△エーシンブラン
△ミヤジメーテル
△ミルリュユッテ
ここにきての充実ぶりが目立つアアモンドマツカゼを狙う。トライアルの紅バラ賞は、勝ったアグリコトブキと同じ660キロで、それ以外の馬より10キロ重かったにもかかわらずアグリコトブキの2着と好走。今回はアグリコトブキが唯一690キロのトップハンデだけに、この馬にとっては有利。加えて、8月後半から4連勝のあとも、常に上位争いで充実ぶりがうかがえる。
2番手にはブラックパール。銀河賞はアグリコトブキに続く3着で、やはりそのときよりも対アグリコトブキということでは負担重量が有利になっている。前走9着だが着順ほどは負けていないので度外視してもいい。
紅バラ賞を勝って、今回トップハンデの690キロを背負うアグリコトブキは、当然実績は上位で、他馬よりプラス10~20キロなら克服する可能性はある。
ここ6戦で5勝を挙げているマリンチャンスも力をつけてきた。ただその間の唯一の大敗が紅バラ賞だけに気になるところ。
紅バラ賞3着で、前走も自己条件を制したドリームテンリュウ、2連勝中のアローティファニーにもチャンスはありそう。
◎アアモンドマツカゼ
○ブラックパール
▲アグリコトブキ
△マリンチャンス
△ドリームテンリュウ
△アローティファニー
ダイワシークレットが大井から転入後3連勝。JRA、その後の大井でも、一貫して短距離を使われてきたため、この2250メートルという距離が心配だが、転入初戦の1800メートル戦で7馬身差圧勝というレースを見せているだけに、距離さえこなせば能力は最上位だろう。
重賞通算12勝目を狙うのがクラマテング。特に長距離での強さは圧倒的だ。ここ2戦は差をつけられての敗戦だけにどうだろう。ただ落ち込みが長く続くタイプの馬ではないのであっさりという場面も十分考えられる。福山菊花賞には3連覇がかかっている。
シルクプレストは今年の金杯で2着のほか、常にA1特別で上位争い。マイルを中心に使われ、福山転入後は1800メートルまでしか使われていないため、距離克服が課題となる。
サマースピードは、重賞初挑戦となった福山桜花賞を勝利。しかしその後はしばらく勝てず、ようやく勝ったのは前走のA2特別。ただこの距離は向いていそうだ。
ウーシエンダーは、昨年3歳時に福山チャンピオンシップ3着、鞆の浦賞2着があるが、4歳になってからは徐々にクラスを上げ、前走でA2特別勝ち。このメンバーに入ってどこまでやれるか。
マルサンライナーは、今回が古馬になっての重賞初挑戦。一時的に移籍していた南関東から4月に戻ってからは下級条件でも苦戦していたが、ようやくここ3戦でA1特別で上位争いができるようになってきた。
◎ダイワシークレット
○クラマテング
▲シルクプレスト
△サマースピード
△ウーシエンダー
△マルサンライナー