昨年の1、2着馬が今年も有力となりそうだ。デュナメスは、昨年のこのレースが重賞初挑戦で、単勝4番人気にしか過ぎなかったが2着を確保。それ以降も連対をはずしておらず、2010年4月から29戦連続連対を継続中。今年は堂々の本命で重賞初制覇がかかる。
連覇を目指すのがメイホウホップ。地元のオープンクラスでは常に上位争いだが、とはいえ今年は1勝を挙げたのみ。近走のレースぶりではデュナメスに対してやや見劣りする。
ほかに近走重賞で結果を残している馬がいないというメンバーなら、前走A2特別を勝って6戦連続連対中と、まだ底を見せていないマイハマドリームが上記2頭に対してどこまで迫れるか。
タニノウィンザーは、頼本盛行調教師とともに荒尾から移籍してきた。2000メートル以上で力を発揮し、一昨年2着、昨年3着と好走。ただ今年は当時ほどの勢いがない。
オープンクラスではちょっと厳しい感じのミライカントリーだが、前々走でメイホウホップの3着があったように、連下争いになら加われるかもしれない。
◎デュナメス
◯メイホウホップ
▲マイハマドリーム
△タニノウィンザー
△ミライカントリー
兵庫デビュー馬によって争われる重賞は、今年も少頭数の8頭立て。
20日の笠松・プリンセス特別を制したカツゲキドラマの3つ上の全兄、ハイパーフォルテには、同じ週の兄弟重賞制覇に期待がかかる。2400メートルの六甲盃は2年連続で惨敗だが、2000メートル以下の中距離では常に上位を確保する安定した成績。今回のメンバーならチャンスは大きい。
マンボビーンは、昨年は4着だったが今回は相手関係が楽になった感じ。秋桜賞、兵庫クイーンカップでは、中央準オープンの実績があるロッソトウショウとそれほど差のない結果。その力があれば、ここでも十分通用する。
摂津盃3着のニシノイーグルも当然上位争いの力はある。
リジョウクラウンは、古馬に編入されてからの勝ち星はA2特別まで。ただ展開がハマッタときの一気のマクリは脅威だ。
3歳牝馬のメイレディはどうだろう。摂津盃9着に姫山菊花賞11着。古馬一線級との対戦では分が悪いが、ただ今回のメンバーであれば上位争いにからんでくる可能性はある。
◎ハイパーフォルテ
◯マンボビーン
▲ニシノイーグル
△リジョウクラウン
△メイレディ
ラブミーチャンが、一昨年のこのレース以来、2年ぶりの凱旋となる。その一昨年はスタートで落馬寸前の躓きで最後方からというまさかの展開。向正面から前を追いかけたものの、前をとらえきれないばかりか、最後は一杯になって4着に敗れた。思えば地元笠松ではこれまで4戦したのみで、これが唯一の敗戦。名古屋を含めても、地方同士のレースではこのときしか負けていない。今回はJBCスプリントから中16日で臨む一戦。東京盃を制して期待されたそのJBCは、スタートで後手を踏んだ。チョウサンペガサスが大きく出遅れたのが目立ったが、ほかにもラブミーチャンだけでなく、セイクリムズン、ナイキマドリードなども躓いたのか、すべったのか、苦しいレースを強いられた。それでも2番手にとりついたラブミーチャンだが、さすがに一線級が相手で1400メートルでは直線で一杯になり9着に沈んだ。しかし地方馬同士なら負けられない一戦。内枠に入ったこともあり、久々にハナを切るラブミーチャンが見られるかもしれない。
相手筆頭は、昨年のこのレースでエーシンクールディの2着だったフィオーレハーバー。それ以来、地元でも勝ち切れないレースが続き、5月のA1戦ではスタートで躓いて落馬。5カ月ぶりの復帰戦となった前走のA1特別では、中央芝のオープン実績があるエーシンリジルを子供扱いという内容でしりぞけての勝利。ここに向けてという意味では、この馬がいちばん順調かもしれない。
エーシンサンダーは、5月の尾張名古屋杯で2着に敗れて連勝は途切れたが、その後に再び5連勝。特に前走東海クラウンは、ミルリュユッテに3/4馬身差とはいえ、最後には追うのをやめていただけに、着差以上の楽勝だった。ここに来てさらに充実したと見る。
実績ではラブミーチャンの2番手はエーシンクールディ。レディスプレリュードは地方馬で唯一掲示板を確保する4着で、JBCレディスクラシックも6着とはいえ、勝ったミラクルレジェンドから0秒9差。グランダム・ジャパン古馬シーズンでは連覇となったが、ぶっちぎりでの優勝だった昨年とは違い、今年は接戦をようやく制しての優勝だった。昨年ほどの勢いが感じられないため今回は狙いを下げた。
南関東から3頭が遠征してきたが、その中ではヤサカファイン。一昨年の東京盃ではサマーウインドを追い詰めての2着、昨年の北海道スプリントカップでも2着があるが、勝ち星からは2年以上遠ざかっている。とはいえ、前々走のアフター5スター賞では復調気配も見えた。1400メートルはこの馬にはちょっと長い感じもするので今回がダメでも近いうちにいいレースを見せてくれるはず。
◎ラブミーチャン
◯フィオーレハーバー
▲エーシンサンダー
△エーシンクールディ
△ヤサカファイン
2歳のうちは地元を中心に使われる馬がほとんどだが、ここには北海道から3頭、高知から2頭と、フルゲートの半数が遠征馬となった。ホッカイドウ競馬はちょうど今シーズンの開催が終了したタイミングであり、また高知の2頭は北海道からの移籍馬で、地元ではまだ2歳馬が少なく、古馬に編入されて出走するしかないため、戦いの場を求めての遠征ということだろう。
18日の水沢・南部駒賞では北海道からの遠征馬が上位3着までを独占したように、この時期の2歳馬は、やはり経験豊富な北海道勢が圧倒的に強い。が、ここは地元のカツゲキドラマに期待したい。前々走の園田プリンセスカップでは、出遅れた上に行きっぷりが悪く、どうなることかと思ったが、直線だけで地元の期待馬を4馬身突き放した。前走川崎のローレル賞は4着だったが、ほとんど最後方から直線だけで追い上げた。持てる能力を発揮できるようになればさらに上を目指せる。
北海道から遠征のトチノスカーレットはイノセントカップ2着があり、その後ハイセイコー記念で3番人気に支持されるアウターバンクスや、南部駒賞1番人気で2着のミータローに先着。またエーデルワイス賞JpnIIIでも5着とはいえ勝ったハニーパイから0秒5差だった。とはいえ、2度出走した1700メートル戦では勝ち馬から離されて負けているだけに、距離適性に不安はある。
同じく北海道のニイカップクイーンは、重賞では成績を残せていないものの、前々走のウィナーズチャレンジでは、この世代の牝馬でもトップクラスの1頭、ヨウメイモンから0秒7差は評価できる。1200メートルまでしか経験がないので、こちらも距離がどうか。
ゴールドウィング賞を制して5戦4勝、2着1回としたウォータープライドだが、今回は格段にメンバーが揃ったため、あらためて胸を借りる一戦になる。
重賞入着級のルード、秋風ジュニアでカツゲキドラマの2着があるハイアンドノーブルらもこのメンバーに入って上位争いにからめるかどうか。
◎カツゲキドラマ
◯トチノスカーレット
▲ニイカップクイーン
△ウォータープライド
△ルード
△ハイアンドノーブル
15日で今シーズンの開催が終了したホッカイドウ競馬から、さらなる活躍の場を求めて4頭が遠征してきた。さすがに開催が終わっているだけあって、それぞれ主戦ジョッキーも一緒だ。
強い相手との経験が豊富なミータローを狙う。中央の芝では結果を残せなかったが、イノセントカップ4着、鎌倉記念3着は、ともに勝ち馬からそれほど差がない。田中淳司調教師、服部茂史騎手には15日の道営記念を制した勢いもある。
岩手のこの世代はしばらく混戦だったが、若駒賞を圧勝して一歩抜けだした感があるのがロックハンドパワー。レース後に、「南部駒賞から全日本2歳優駿を目指したい」と菅原勲調教師が話していただけに、道営勢が相手とはいえ、負けられない一戦。
門別で2戦2勝のスーパートレンディも怖い存在。フレッシュチャレンジの1200メートルから、2戦目は1700メートルに距離を伸ばして強い勝ち方を見せた。門別と同じ右回りの水沢1600メートルなら力を発揮できるだろう。
デビュー3戦目から4連勝で注目されたオグリタイムだが、サンライズカップ6着、平和賞11着と重賞のカベに当った。距離も原因なのかどうか。ここはもう一戦様子を見たい。
ヴェルシュナイダーは重賞で2戦連続2着。道営勢が加わったメンバーで、上位食い込みまで狙えるかどうか。
◎ミータロー
◯ロックハンドパワー
▲スーパートレンディ
△オグリタイム
△ヴェルシュナイダー