白山大賞典は、斤量差を含めてもニホンピロアワーズの圧勝だったが、ナムラダイキチが見せ場をつくった。向正面で早めに仕掛け、逃げていたエーシンモアオバーに一旦は離されながらも直線でもう一度交わした。負けたとはいえ価値ある2着だったのではないだろうか。どこかメンバーの軽いダートグレードに出走できるような機会があれば、タイトル奪取も夢ではない。そいうわけで、ナムラダイキチにとってはジャングルスマイル不在のここでは負けるわけにはいかない一戦だ。
相手は難しいが、筆頭はマーベラスキング。今シーズンはスプリングカップでの3着があり、しかしその後はなかなか勝ち星に恵まれず、前走のA2特別が今シーズンの初勝利。とはいえA1特別でも常に2着3着争いを続けてきた。ナムラダイキチは別格だが、それ以外のメンバーとなら互角以上の力はある。
ナムラダイキチ以外のメンバーで、実績最上位はタートルベイ。2010年には北國王冠から中日杯を連勝している。今シーズンも遠征したオグリキャップ記念2着に百万石賞も3着。前走白山大賞典での10着はともかく、前々走のにわか祭特別で5着に負けているのが気になるところ。ナムラダイキチに対してよほど無理なレースをしない限り、2着争いはマーベラスキングかタートルベイだろう。
そのほかではあまり強く推せる要素のある馬がいないが、かつては重賞上位の常連だったゴールデンミションを連下の押さえに。
◎ナムラダイキチ
○マーベラスキング
▲タートルベイ
△ゴールデンミション
第2回の絆カップ。この日のレースには、『一完歩ずつ被災地の明るい未来へ』『全国の騎手の想いを胸に突き進む』『震災に負けない 風化はさせない』などなど、震災復興に関連したタイトルがつけられている。こうして競馬を通じて、いつまでも大震災のことをわすれないようにするのは、とてもいいことだと思う。
カミノヌヴォーはまだ4歳と若く、岩手の未来を背負って立つ存在でもある。昨年3歳時は不来方賞、ダービーグランプリと岩手2冠を制し、年末には桐花賞で古馬も含めての頂点に。昨年度の岩手年度代表馬にも選出された。今シーズンはなかなか勝てないレースが続いたが、青藍賞で復活の勝利。今回、他地区からの遠征馬もいるが、負けられない一戦だ。
下級条件から叩き上げのシャイニーハリアーは、トウケイニセイ記念3着に、シアンモア記念でも3着。A級一組を連勝中で、安定感を増してきた。
シルクダイドウは船橋からの遠征馬。重賞は今回が初めてだが、3走前にA3特別を制しており、ここでも通用するレベル。
みちのく大賞典で重賞初制覇となったトーホッキングだが、カミノヌヴォーとは逆にこのところ勝ち切れないレースが続いている。巻き返しのかかる一戦。
ついに通算100戦を超えたトウホクビジンだが、8月に姫路チャレンジカップで久々の勝ち星を挙げているように、地方同士ならまだまだ侮れない。
中央から転入後A級二組から一組で4戦連続連対のアクロスザボードが重賞初挑戦で連下絡みまであるかどうか。
◎カミノヌヴォー
◯シャイニーハリアー
▲シルクダイドウ
△トーホクキング
△トウホクビジン
△アクロスザボード
ここは牝馬でもエーデルワイス賞を使わず、牡馬との対戦となるここを狙ってきたカイカヨソウを狙ってみたい。おそらく距離適性を考慮してのことだろう。デビューから3戦全勝という成績もあるが、前走フローラルCでは2番手追走から、逃げたハニーパイを余裕で差し切ったレースぶりは圧巻だった。そのハニーパイは、その後にエーデルワイス賞を勝利。今年も道営の2歳馬のレベルは高い。
サンライズCでクビ差の1、2着だったジェネラルグラント、アウトジェネラルも素質は高い。ジェネラルグラントは、JRA札幌の芝でも2着好走があり、門別のダートでは3戦3勝。アウトジェネラルも門別では4戦2勝、2着2回と、この世代のトップレベルの争いでまだ底を見せているわけではない。
JRA勢はいずれもキャリアが浅く比較が難しいが、デビュー戦の勝ち方からファイブタブレッドに素質の高さを感じる。
ストーミングスターは、サンライズCではジェネラルグラント、アウトジェネラルからやや離されての3着だったが、重賞のイノセントC勝ちを含めデビューから5戦していずれも3着以内と常に上位争い。ただ2つの勝ち星がいずれも1200メートルなのが気になるところ。
クラグオーは、ご存知道営三冠を達成したクラキンコの3つ下の全弟。クラキンコが3歳になってから活躍したため、楽しみは3歳以降かもしれない。ただすでに1700メートル戦で4勝を挙げている実力は、距離適性の面でもあなどれない。
◎カイカヨソウ
◯ジェネラルグラント
▲アウトジェネラル
△ファイブタブレット
△ストーミングスター
△クラグオー
グランダム・ジャパン古馬シーズンでは最後に逆転されて惜しくも優勝を逃したロッソトウショウだが、JBCレディスクラシックではなく、より可能性のあるここを狙ってきた。姫路のサマークイーン賞では、エーシンクールディの出遅れに助けられての勝利という見方をされたが、続く秋桜賞では真っ向勝負での勝利。これで評価を高めた。レディスプレリュードはさすがに中央勢相手ではハードルが高かったが、地方同士の勝負に戻れば本命を張れる。
相手は、兵庫サマークイーン賞でロッソトウショウの2着だったエーシンアガペー。その後、園田金曜ナイター初日の摂津盃では、ハンデ差はあったものの人気のホクセツサンデーに2馬身半という決定的な差をつけての勝利。前走定量戦となった姫山菊花賞ではホクセツサンデーに及ばなかったものの、牡馬の一線級相手にこのレースぶりなら、以前よりも確実に力をつけている。ロッソトウショウに対しては逆転の可能性もおおいにある。
エーシンリジルは中央オープンから転入して1400メートルのA1特別で1、2着。今回は中央時代を含めても初距離の1700メートルが課題となる。
昨年、グランダム・ジャパン3歳シーズン女王となったマンボビーンだが、近走はやや不振。本来の力が戻ればこのメンバーでも相手になるのだが。
昨年のこのレースを1番人気で制したキュティガビーは、その後は福山牝馬特別で7着に負けた以外はA1特別でも常に上位争いの実力。
リジョウクラウンはようやく前走でA2特別を勝ったが、後方からまくり一発という脚質だけに、展開次第ではの面が常にある。
◎ロッソトウショウ
◯エーシンアガペー
▲エーシンリジル
△マンボビーン
△キューティガビー
△リジョウクラウン
この世代の2強、ブラックボスとニシキエーカンが別定20キロ増で、ほかは増量なしという対戦で、その20キロを克服できるかどうかが焦点となる。1冠目のばんえい大賞典は別定20キロ増のブラックボスが勝ち、30キロ増のニシキエーカンが最後に止まって4着という結果。そして前哨戦の秋桜賞は、2頭ともに30キロ増でまったくレースをせず。
で、今回の20キロ増なら両馬ともに当然勝負になるが、ここはそれよりも、ばんえい大賞典3着のあと5連勝中と勢いのあるニシキウンカイを狙う手だろう。
相手には当然ブラックボスとニシキエーカン。おそらくこの3頭の勝負になると思う。
以下は一角崩しを狙う伏兵勢になるが、まずは、秋桜賞2着を含め6戦連続で3着以内を確保しているテンカムソウ。今シーズン当初のとかち皐月賞、とかちダービーをともに3着で、そこから徐々に力をつけてきたエビスダイチ。前走久々の勝利で復調気配のアサヒリュウセイ。2連勝とここにきて好調のニシキトモエ。
◎ニシキウンカイ
○ブラックボス
▲ニシキエーカン
△テンカムソウ
△エビスダイチ
△アサヒリュウセイ
△ニシキトモエ