定量戦とはいえ、近走好調という馬が少なく、力比較が難しい。オープン格付けのテンマデトドケの調子がイマイチとあれば、360万円未満クラスの馬が有利で、なかでもミスタートカチを推したい。4歳シーズン1冠目の柏林賞は8着、2冠目の銀河賞も重量的に厳しかったこともあって惨敗だが、その後の4歳同士の特別、山鳩賞では2着、イルミネーションカップで3着と調子を上げてきた。このときも決して楽な重量ではなく、先着されたのは、いずれも負担重量が軽い馬。定量戦なら十分主役を張れる。
トレジャーハンターは、負担重量を課せられながらも柏林賞4着、銀河賞3着と善戦してきた馬。ミスタートカチ同様に、定量戦となるのは有利だ。
メンバー中、唯一勢いがあるのがホクショウバトル。銀河賞を8番人気で制し、それ以来3カ月ぶりとなった軽量スピード戦、地吹雪賞を快勝。ただし、そこから中4日で負担重量がいきなり270キロも増量されるのは心配。
ダイリンビューティは10月にオープン2組混合の特別を勝っていて、実績的には上位だが、ここ3戦がいずれも20秒以上の差をつけられての敗戦だけに巻き返しがあるかどうか。
リキエイは、重量にも恵まれて銀河賞で2着し、近走も勝ち切れないレースが続いているとはいえ、勝ち馬からはそれほど離されず堅実な成績を残している。
格付けでは唯一オープンなのがテンマデトドケ。今シーズンは負担重量に苦しめられているとはいえ、それ以上に調子が上がらず、定量戦でどこまで巻き返せるか。
タケノビジンは、今シーズン21戦して3着を外したのは3回だけ。格下だが上位食い込みを狙う。
◎ミスタートカチ
◯トレジャーハンター
▲ホクショウバトル
△ダイリンビューティ
△リキエイ
△テンマデトドケ
△タケノビジン
近走低調なメンバーが多い中で、前走B級チャンピオンを4馬身差で圧勝したトーセンロマネを狙う。中央1勝で笠松に転入後5戦3勝。レースぶりからはA級2組なら十分に通用しそうな器だ。
既存勢力での筆頭はパラダイスラビーダ。秋以降にA級2組で3勝し、A級1組でも3着という実績は今回のメンバーなら実力は最上位。
ロードグリンは、A級1組では苦戦しているが、A級2組なら掲示板を確保する力はある。ただA級2組を連勝した4月ごろの勢いがないだけに、上記2頭に迫れるかどうか。
マイネルリチャードは名古屋に転入して40戦して勝ち星なし。2着、3着はあるが、勝ち馬からやや離されているという実績では、今回も連下争いに食い込めるかどうか。
◎トーセンロマネ
○パラダイスラビーダ
▲ロードグリン
△マイネルリチャード
クラマテングの連覇濃厚だ。昨年の2000メートルを超える重賞では、ヒシウォーシイがレコード駆けの西日本グランプリこそ惨敗だったが、福山桜花賞、福山菊花賞ともに完勝だった。地元同士でこの距離なら負けられない。
相手は混戦だが、道営から転入3戦目となるカゼノコウテイに期待。2010年には瑞穂賞を制し、昨年も瑞穂賞、道営記念ともに4着と好走。転入初戦のA3特別を勝ち、前走1600メートル戦は3着だったが、距離延長で巻き返したい。
ヒルノラディアンは、昨年春に福山転入後、西日本グランプリの6着以外はすべて4着以内という堅実な成績。福山菊花賞は4着だったが、実力的にはそれほど差はない。
ストロングジョイスは中央500万下から転入して7戦すべて3着以内。福山菊花賞では勝ったクラマテングから3/4+半馬身差の3着という善戦だっただけに、ここでも上位争いは可能。
ナリタチャレンジも中央500万下から転入して4戦2勝。負けたのが1600メートル戦で、2勝が1800メートル戦だけに、距離延長はプラスかもしれない。
昨年3歳時に重賞4勝のフレアリングマリーだが、前々走のA1A2特別ではストロングジョイスから1秒差の7着と差をつけられた。逆転不可能ではないが、上位勢にはどこまで迫れるかというところ。
◎クラマテング
○カゼノコウテイ
▲ヒルノラディアン
△ストロングジョイス
△ナリタチャレンジ
△フレアリングマリー
ハンデ戦だがトップハンデ馬の力がそれ以上に抜けている感じだ。ホクセツサンデーは昨年の3歳シーズン終盤に古馬重賞2連勝を含め4連勝中。2歳から3歳春シーズンはオオエライジンに歯が立たなかったが、秋の充実ぶりは目を見張るものがあり、オオエライジンにもだいぶ近づいているのではないか。再戦が楽しみだ。
ダイナミックグロウは、08年の4歳時にJRAダートオープン勝ちの実績。兵庫に転入してA1特別勝ちのあと、前走園田金盃ではホクセツサンデーに1馬身半及ばずの2着。そのときはホクセツサンデーのほうが1キロ軽く、今回はともにトップハンデ58キロなだけに、逆転の可能性も。
キヨミラクルは楠賞2着、園田金盃4着だが、今回は上記2頭と2.5キロ差の55.5キロはかなり有利。その斤量差を生かせば、このレース連覇の可能性は大いにある。
エーシンブランは、JRA所属として昨年の兵庫チャンピオンシップJpnIIでホクセツサンデーを6馬身ちぎって圧勝。転入初戦のA1特別では、オオエライジン、ドクターラオウに続く3着。その2頭は兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIに出走して中央馬相手に3、5着とともに善戦。上積みがあればあっさりという可能性もある。
オオエライジンこそ不在だが、この4頭によるレベルの高い争いになりそうだ。
◎ホクセツサンデー
○ダイナミックグロウ
▲キヨミラクル
△エーシンブラン