ウルトラカイザーのスピードはやはり一級品。前々走、初めての古馬オープンとの対戦となった天山特別では、マンオブパーサーを相手に逃げ切って3馬身差の完勝。前走、オッズパークグランプリは、さすがにラブミーチャンには完敗の3着だったが、直後で終始つつかれる厳しい展開だっただけに、むしろよく3着に粘った。地元最先着で、このときも4着のマンオブパーサーに3馬身差をつけた。将来への期待は大きい。
相手筆頭はメイホウホップ。前走オッズパークグランプリは5着だが、決して得意とは言えない距離。岩手時代は北上川大賞典、佐賀に転入してからは九州大賞典と、2500メートルの重賞を勝っているだけに、距離延長はプラス。転入後、オッズパークグランプリ以外は連対を外していない。
デュナメスは、前々走の九州大賞典2着を含め、昨年の4月10日以降は連対を外さない快進撃でオープンまで出世。まだまだ上を望めそうな勢いだ。
ヘイアンレジェンドは、今年1月の九州オールカマー以降勝ち星がないが、中島記念は09年に4番人気で制し、昨年も4番人気で2着。甘く見ると一発があるかもしれない。
JRAから転入し3戦目の前走で勝利を挙げたディアトウシロウ、大井B級から転入してこれが3戦目となるロマあたりも連下争いにはからんでくるかもしれない。
◎ウルトラカイザー
○メイホウホップ
▲デュナメス
△ヘイアンレジェンド
△ディアトウシロウ
△ロマ
荒尾競馬もとうとうこの日で最後を迎える。ピンポイント予報を見ると、土日に時々雪の予報が出ているのだが、なんとか金曜日まではもってほしいところ。
注目は、やはりタニノウィンザーがこのレース4連覇で有終の美を飾れるかどうかだろう。とはいえ今年は、ともに3連覇のかかった大阿蘇大賞典、九州記念でいずれも2着。しかもここにきてテイエムゲンキボとの対戦では分が悪い。ならばここはテイエムゲンキボ......ではなく、スターペスレイコの一発逆転を狙ってみたい。
スターペスレイコは中央未勝利で一度荒尾に転入して2着のあと7連勝。中央に戻ったが、やはり勝ち星を挙げられず再び荒尾に。そして今度はA級特別まで一気に9連勝。前走RKK特別は、テイエムゲンキボ、タニノウィンザーの前に3着に敗れたが、しかし4コーナーからは三つ巴の勝負となり、最後は離されたが逆転できない差ではない。今回は杉村一樹騎手へ乗替るだけに、陣営の意気込みもあるのだろう。まだ5歳と若い。あくまでも想像だが、これで引退ということはないだろう。であれば、最後に荒尾で重賞を勝った馬として、どこかの競馬場で走り続けてほしい。という願いも込めての本命。
実力的には、やはり今回もテイエムゲンキボ、タニノウィンザーとの3頭の争いとなるのだろう。先行するテイエムゲンキボ、スターペスレイコに対して、タニノウィンザーがどこで仕掛けるのかが見どころだ。
どれかが崩れた時の3着候補として、南関東から転入して夏にA級特別を2連勝しているシゲルアソサン、前走A1特別を勝ったケージーアメリカンを挙げておきたい。
当日、荒尾競馬場には開門前から行く予定だ。最後の荒尾競馬を楽しみたいと思う。それにしても残念に思うのは、競馬場がなくなってしまうと、その街に訪れる機会が失われてしまうことだ。
◎スターペスレイコ
◯テイエムゲンキボ
▲タニノウィンザー
△シゲルアソサン
△ケージーアメリカン
12月13日初回放送のグリーンチャンネル『地方競馬最前線』では、登録段階での予想として、◎キングトップガン、◯ワンダーアキュート、▲ゴルトブリッツとしていたのだが、いずれも回避となってしまった。
それで狙ってみたいのがエーシンモアオバー。ゆったり流れる長距離戦でマイペースに持ち込み逃げ切りを狙う。今回は地元名古屋の岡部誠騎手。東海地区では2位に100勝以上の差をつけてリーティングトップを独走。その手綱に期待したい。
相手にはニホンピロアワーズ。1番人気に支持された白山大賞典JpnIIIは直線でシビルウォーに交わされたものの2着は確保。ジャパンカップダートGIではデビュー以来初めて3着を外す9着に敗れたが、一線級が抜けたこのメンバーなら勝ち負けになる力はある。
キクノアポロは、重賞初挑戦となった今年初戦の川崎記念JpnIでは離された5着だったが、その後は準オープン、オープンと連勝。確実に力をつけた。とはいえ、今回は7カ月半ぶりの実戦。上位争いに食い込めるかどうかは、当日のデキ次第。
ボレアスは、前走浦和記念JpnIIでは直線で先頭に立って見せ場をつくったものの、ゴール寸前で2頭に交わされて惜しくも3着。3歳馬同士のレパードステークスGIIIこそ強い勝ち方だったが、東京競馬場で行われたマイルチャンピオンシップ南部杯JpnIでは11着に敗れているように、古馬の一線級が相手ではちょっと厳しいように思う。
マイネルアワグラスは3年以上勝ち星から遠ざかっているばかりか、今年は5戦してブリリアントステークスの3着以外はすべて掲示板外。とはいえダートの長距離戦は得意とする舞台。地方のダートグレードでは、人気薄の中央馬が好走して穴をあけることがしばしばあるので押さえてはおきたい。
地方勢にとっては、ここ3年連続で中央勢に3着まで独占されている厳しいレース。今回も、中央のオープンクラスに立ち向かえるような馬は残念ながら見当たらない。
◎エーシンモアオバー
◯ニホンピロアワーズ
▲キクノアポロ
△ボレアス
△マイネルアワグラス
久松城賞は、福山・高知の交流重賞として新設された重賞で、久松城とは福山城の別称。来年3月に福山競馬場で行われる大高坂(おおたかさ)賞は戦国時代以前の高知城の別名で、互いに交換レースとなっている。
南関東A級から転入して2連勝のタンゴノセックの力が抜けている。前走のA-1特別ではやや出負けしてやや離れた5番手を追走も、3~4コーナーで一気にまくって前をとらえると、直線突き放して完勝。まさに格の違いを見せつける勝ち方だった。
相手になりそうなのはマルハチゲティ。7月にはトレノ賞、8月には福山の金杯を制し、高知ではいまだに掲示板を外したことのない安定した成績。9月の珊瑚冠賞、11月の黒潮マイルチャンピオンシップではともに5着に敗れたが、巻き返しを期待したいところ。
3番手にも高知勢でアプローチアゲン。4月の二十四万石賞以来勝ち星がないが、ダートグレードへの遠征が多いためこれは仕方がない。高知に戻れば重賞を含めても常に上位争いをしているだけに、ここでもチャンスはある。
福山勢ではオープンクラスで4戦連続連対のコロネットが断然。高知のオープン馬に対してどこまで食い下がれるか。
重賞実績のあるイーグルビスティーや、近走A級の下位やB-1で圧勝しているゴールデンコンパスも警戒しておきたい存在だ。
◎タンゴノセック
◯マルハチゲティ
▲アプローチアゲン
△コロネット
△イーグルビスティー
△ゴールデンコンパス
兼六園ジュニアカップ、プリンセスカップでともに2着のアルドラが全日本2歳優駿JpnI挑戦で不在なら、ジュウワンブライトが断然。ジュウワンブライトは、デビューしてしばらくは勝ちきれないレースが続いたが、10月のストック特別から3連勝中。前々走のプリンセスカップでは、1番人気のアルドラを1馬身差でしりぞけた。さらに前走、JRA認定未勝利戦も4馬身差で圧勝しているだけに、ここも無事に通過して来シーズンに備えたいところ。
牝馬とは勝負付けが済んでいるジュウワンブライトを負かす可能性があれば、2連勝中のマツノリバイバルだろう。兼六園ジュニアカップは最下位に敗れたが、前々走の2歳特別ではアルドラに3馬身差をつけて勝利。前走の2歳2組戦も好タイムで勝利。アルドラを物差しにした比較では、ジュウワンブライトに対して十分に勝負になる。
3番手はやや離れるが、プリンセスカップ4着で、前走でアルドラに僅差2着のドリームパワーや、マツノリバイバルに1馬身差2着があるミサワゲーリーに、3連複・3連単で連下に食い込んでくる可能性がありそう。
◎ジュウワンブライト
○マツノリバイバル
▲ドリームパワー
△ミサワゲーリー