
グランダムジャパン・3歳シーズンの第4戦。
ここまでは笠松勢が遠征競馬で圧倒的な強さを見せ、第2戦の留守杯日高賞(水沢)、第3戦のル・プランタン賞(佐賀)では、エレーヌ、コロニアルペガサス、プティフルリールが3着までを独占。今回は、コロニアルペガサスこそ兵庫チャンピオンシップJpnII(6着)からの連闘はなかったが、エレーヌ、プティルフリールはル・プランタン賞から中1週でここに臨んできた。そのほか、名古屋からマースキッスが遠征してきた。
中心は、ここ園田でリベンジを狙うエレーヌ。1月21日の園田クイーンセレクションでは、直線単独で抜け出してほとんど勝ったかと思ったところ、ジョッキーのムチに驚いたのか、直線で横っ飛びとなり騎手が落馬してしまった。ホッカイドウから笠松に移籍後、その落馬を除けば、地方ではなんと6戦全勝。まだまだ底は見せていない。
エレーヌとともにグランダムジャパンを戦っているプティフルリールだが、留守杯日高賞での着差は約6馬身半の3着、ル・プランタン賞ではさらに差が広がって約8馬身半。さすがに今回はその間に入ってくる馬はいるだろう。その筆頭は、地元兵庫のアートオブビーン。2歳時には園田プリンセスカップでの勝利があり、中央への遠征やダートグレードを除けば4戦3勝。このシリーズを勝ちまくる笠松勢を相手に、地元の意地を見せたいところ。
ホクセツロマンは、中央遠征を除けば年明け後2、2、1、3着と好調。その中には福山・若草賞での2着もあるが、勝ったコロニアルペガサスから7馬身も離されているだけに、あまり強気にはなれない。
馬体重が減り続け、前走は343キロにまで落ちてしまったプティフルリールは、さすがに△まで。馬体重は戻るのかどうか。
不気味なのは名古屋のマースキッス。中央未勝利から移籍して3着のあと4連勝。そして臨んだ駿蹄賞は残念ながら11着だったが、牝馬同士のここなら一発あってもおかしくない。
アーモンドケーキも中央遠征を除けば、4戦2勝、2着1回。前々走のB級3歳特別では2番手から差し切って3馬身差の完勝。連下争いになら十分食い込んできそうだ。
◎エレーヌ
○アートオブビーン
▲ホクセツロマン
△プティフルリール
△マースキッス
△アーモンドケーキ
いよいよ、福永洋一記念。
プロモーションのCMまで制作された。レースとしては、メンバーも含めて普通の高知の重賞だが、いまや伝説ともなった福永洋一さん本人がいらっしゃるということで、どんなファンが高知競馬場に集まるのだろう。
中心は、やはりフサイチバルドル。休養明け後、二十四万石賞を含め2連勝中。昨年の黒船賞JpnIIIで3着だったことを考えても、地元勢同士では断然の存在だ。鞍上は、今年全国リーディングを突っ走る赤岡修次騎手。5月8日現在で、赤岡騎手117勝、戸崎圭太騎手115勝と、もう2月か3月くらいから激しいリーディング争いを続けている。一瞬、戸崎騎手がトップに立ったこともあったが、赤岡騎手は依然としてトップを譲らない。この日曜、月曜の開催で、また赤岡騎手が突き放すに違いない。高知競馬で全国リーディングを張る現役トップジョッキーが、高知から出た伝説の名手の目の前で、どんな騎乗を見せてくれるのか、楽しみではある。
相手には、中央1000万条件から転入初戦のA-2戦を勝ったホーマンクラフト。後方2番手追走から徐々に位置取りを上げ、直線を向いて並んで先頭に立ったラストチャンピオンを最後に振り切った手ごたえにはまだ余裕があった。今回、さらに一枚上手のメンバーを相手にどんなレースを見せてくれるか。
近走A1特別で上位争いのグッドヘラクレス、アイアムドラマあたりも連下争い。
◎フサイチバルドル
○ホーマンクラフト
▲グッドヘラクレス
△アイアムドラマ
留守杯日高賞での笠松勢4頭による上位独占にはちょっと驚いたが、ここも笠松、名古屋の2頭が強力だ。それゆえ8頭立てという少頭数となったのだろうか。
マルヨフェニックスは、本来であればダートグレード路線を狙える器。4走前、1番人気に推された川崎・報知オールスターカップでの惨敗は意外な結果だったが、3走前の東海クラウン、前走の東海桜花賞は、まるで調教かというような楽勝だった。それでも前々走の名古屋大賞典JpnIIIでは、ラヴェリータから2秒も離されての4着だっただけに、やはり地方全国交流で確実に勝ちに来たということだろうか。今回は負けられない一戦。
キングスゾーンは、ダートグレードのレベルではきびしくなったが、地方同士の交流なら互角以上の勝負。実際に、昨年10月の名古屋・トルマリンオープン以降8戦して、連対を外したのはJpnIIIの黒船賞のみ。特に、前走船橋での房の国オープン勝利は見事だった。8歳でもまだまだ元気。距離は違うが昨年はこの水沢でみちのく大賞典も制している。ただ、マルヨフェニックスに真っ向勝負に行ったときに崩れる場面があるかもしれない。
地元の期待はゴールドマイン。暮れの桐花賞では、3歳チャンピオン(現4歳)のマヨノエンゼルに完勝。続くトウケイニセイ記念は3キロ差もあって逆転されたが、シーズンが明けて最初の特別・赤松杯は順当に制した。地元の大将格として、東海の2頭に迫れるかどうか。
オープンクラスの経験はないが、冬休み明け2連勝中のマルブツワイルドがどこまで力をつけているか。
かつての岩手古馬チャンピオン、テンショウボスは、さすがに1年9カ月ぶりでは様子見だろうが、このメンバーなら3着はあるかもしれないので一応印はつけておく。
◎マルヨフェニックス
○キングスゾーン
▲ゴールドマイン
△マルブルワイルド
△テンショウボス
9歳になったが、地元兵庫勢同士ならアルドラゴンの力がまだまだ抜けている。前走黒船賞JpnIIIは地方最先着の4着。1月の白銀争覇(笠松)こそ叩き合いの末、ベストタイザンに半馬身及ばなかったが、それ以前に兵庫所属馬に先着されたレースは、昨年のこのレースでチャンストウライ、ベストタイザンに続く3着まで遡らなければならない。さらにその前は、08年帝王賞JpnIで9着だったときに、チャンストウライが6着。さらにさらにそれ以前は・・・ない。つまり、アルドラゴンに先着したことのある兵庫勢は、チャンストウライとベストタイザンの2頭のみということになる。両馬ともに不在の今回は、相手探しの一戦。
その筆頭は、こちらも8歳になったハスフェル。昨年12月の園田金盃では、赤木高太郎騎手の好騎乗で豪快に差し切りを決め、前走六甲盃はアルドラゴンに半馬身差まで迫る2着。末脚を生かせる展開になれば、逆転まであるかもしれない。
古馬重賞で常に善戦のキヨミラクル、バンバンバンクは今回も連下争いまで。
B級からA2で3連勝中と勢いのあるオキナワニキセキヲは、今回は岩田康誠騎手が鞍上だけに、一発があるかもしれない。
◎アルドラゴン
○ハスフェル
▲キヨミラクル
△バンバンバンク
△オキナワニキセキヲ
「赤レンガ」は国の重要文化財に指定されている北海道庁旧本庁舎の愛称。札幌市内にある旧跡だけに、これまでは時期をずらすなどしてちょっと無理をしても札幌競馬場で行われてきたレースだが、さすがに通年門別開催では門別競馬場でやるしかない。門別競馬場で行われるのは、00年、07年に続いてこれで3度目。
転入初戦の馬や、昨シーズン以来となる馬ばかりで力関係の比較が難しいが、やはりコパノカチドキが中心。昨シーズンは、ステイヤーズカップ、瑞穂賞、道営記念と3連勝で大ブレイク。遠征した名古屋グランプリJpnIIは大差の5着だったが、それでも地方馬最先着だった。今年もホッカイドウ競馬の古馬戦線では中心的存在となるだろう。
昨年の星雲賞の勝ち馬ゴッドセンドは、道営記念では10着だったが、その後高知に移籍して高知県知事賞を制した。高知ではオープンクラスで7戦して3着を外したのは1度だけという安定した成績。冬の間も順調に使われてきたのはプラス材料。
ミスティックダイヤは道営スプリントを制すなど短距離路線で活躍してきたが、10番人気で臨んだ道営記念で3着と好走。確かに勝ち星は1200メートル以下に集中しているが、長い距離でも勝ち星がないとはいえ、それほど悪い成績ではない。ゆったり流れる展開なら、好位を追走して粘り込みたい。
中央から移籍して1年5カ月ぶりの実戦となるピースデザインは、中央時代は準オープンでの好走歴もあり、仕上がっていればこのメンバーなら上位争いも。
フジノダイヒットは、昨シーズン終盤は取消、除外と順調に使えなかったが、瑞穂賞では人気薄ながらコパノカチドキからコンマ4秒差の3着と惜しいレースをしていた。
スタンドアチャンスは、重賞初挑戦となった道営記念で4着。中団~後方から追い込みが決まる展開になればチャンスが生まれそう。
◎コパノカチドキ
○ゴッドセンド
▲ミスティックダイヤ
△ピースデザイン
△フジノダイヒット
△スタンドアチャンス