1冠目の北斗盃を制したクラキンコが2冠制覇を狙う。北斗盃が昨年の1700メートルから1200メートルに距離短縮され、クラキンコ自身も1400メートルまでしか勝ち星はない。しかしなんといっても父クラキングオー、母クラシャトルはともに北海優駿の勝ち馬。血統的に距離延長はまったく問題ないはず。2歳時は子供っぽいところがあって持てる力を発揮できないレースが目立ったが、大井から戻っての成長ぶりには目を見張るものがある。
船橋からの遠征で岩手の菅原勲騎手で臨むリュウノボーイにも期待。川崎・クラウンカップ3着、大井・羽田盃9着、船橋・東京湾カップ5着という成績で、東京ダービーではなく北海優駿へ出走してきた。2歳時の活躍馬が移籍によって抜けてしまった北海道なら十分に可能性はある。
4月29日の3歳オープン(1700メートル)を制したハヤテシゲマサは、3歳になっての充実ぶりがうかがえる。
川崎から遠征のワンダートリックは、長期休養明けの2戦で2、1着と軽視できない存在だ。
ベルリオーズは、北斗盃こそ5着だったが、前走1800メートルの3歳オープンは2着。距離延長がプラスとなりそう。
◎クラキンコ
○リュウノボーイ
▲ハヤテシゲマサ
△ワンダートリック
△ベルリオーズ
今シーズン一方的なレースで2連勝のロックハンドスターが断然。新たに転入してきた実績馬や、急激に力をつけた実力馬なども見当たらず、ロックハンドスターにとっては直接の対戦がなくとも、すでに勝負付けが済んでいる相手ばかり。ここも持ったままで楽勝だろう。
相手筆頭は阿久利黒賞2着、七時雨賞2着など、今季4戦すべてが3着以内と安定した成績のダークライ。そのほか、七時雨賞を制したモエレフットライト、同3着のサクラエルセダンなどが2着争い。
ただこれら2番手グループがロックハンドスターに真っ向勝負を挑めば惨敗というケースも考えられるだけに、こうした1頭抜けた存在がいるレースでは、着狙いの伏兵が台頭する場面もあるかもしれない。
◎ロックハンドスター
○ダークライ
▲モエレフットライト
△サクラエルセダン
1800メートルの飛燕賞を制したゴールドセントが中心。その後は古馬B2クラスで善戦しているだけに、3歳馬同士のここなら能力最上位。ル・プランタン賞は4着だったが、水沢から転戦してきた笠松勢が強すぎた。積極的に前でレースをしたモエレダイヤモンド、ミクロンなどが6、7着と馬群に沈む厳しい流れで地元最先着はやはり力がある証拠。
荒尾・九州ジュニアグランプリの覇者フレーザーハクユウが佐賀に戻っての2戦目でどんなレースを見せるか。大井では結果を残せず、佐賀復帰初戦は9着も、古馬B1というゴールドセントよりさらに上のクラスでのもの。同世代同士なら一発あっても不思議はない。
荒尾ダービーを制したメイオウセイは、飛燕賞ではゴールドセントから1秒2差の5着と敗れていただけに、その後どれだけ力をつけているかがカギ。
トライアルの鯱の門特別を制したセブンワンダー、2歳8月以降勝ち星はないものの堅実に上位に食い込んでいるゴールドルミナスあたりが連下争い。
◎ゴールドセント
○フレーザーハクユウ
▲メイオウセイ
△セブンワンダー
△ゴールドルミナス
高知では、かつてサラブレッド2歳馬の重賞として金の鞍賞が行われていたが、今年、3歳元旦の重賞として復活。しかしそこを勝ったフジペガサスは中央に戻り、今回、その金の鞍賞組からは最先着3着のフォーティマッス以下4頭のみ出走という難解なレース。
さらに、福山から2月に転入したマルチトップセダンは重賞2戦の経験があるが、6、5着と、トップクラスとはやや差があった印象。
ここまで目立った活躍馬がいないメンバーなら、新興勢力を狙ってみたい。中心は、ナロウエスケープ。中央未勝利からの転入初戦は8馬身差の圧勝。3着にはさらに大差がついていた。そして前走3歳3組特別でも、楽にハナを奪うと、直後を追走してきたプラウドメアリーを直線で楽に突き放した。1300メートルの勝ちタイム1分24秒5も優秀だ。まだまだ底を見せておらず、この先の楽しみは大きい。
相手には、やはり金の鞍賞最先着のフォーティマックス。前々走は古馬のC1-3組で2着という成績があり、当然のことながらメンバー中では格付け最上位での実績。
3番手には、金の鞍賞4着のモルフェキープイオフ。この馬も前走古馬C2-1組で2着と好走。金の鞍賞のあとは、9戦して一度も3着を外さない堅実な成績。今回も上位争いは確実だろう。
エイダイジャンプは、古馬との対戦こそないものの、3歳1組戦を3連勝中。この馬も大崩れのない成績で、急激に力をつけていれば、一発があるかもしれない。
コスモストラヴィンも中央未勝利からの転入組。高知では5戦4勝、2着1回。先着を許したのは前述のエイダイジャンプのみ。高知では2戦目から手綱をとっていた倉兼育康騎手がモルフェキープオフのほうを選んだため、狙いを下げた。
◎ナロウエスケープ
○フォーティマックス
▲モルフェキープオフ
△エイダイジャンプ
△コスモストラヴィン
残念ながら目標としていたJRA桜花賞への出走がかなわなかった笠松のラブミーチャンだが、この夏は北海道の短距離路線に挑戦するべく、門別競馬場に遠征中だ。その初戦となるのが、このエトワール賞。ダート1200メートルといえば、京都競馬場で2歳のコースレコードをマークしているだけに、おそらくもっとも得意とする舞台。父仔制覇を目指す北海道スプリントカップJpnIIIが目標だけに、ここは負けられない一戦。今回は、ホッカイドウ競馬のリーディング、五十嵐冬樹騎手が鞍上となる。
相手筆頭はアンペア。NARグランプリの2歳最優秀馬ということでは、ラブミーチャンの先輩だ。昨年3歳時以降は川崎に転厩して南関東で走ったが、関東オークスJpnIIでの3着が最高の成績で、勝ち星を挙げることができなかった。今シーズンのホッカイドウ競馬開幕に合わせて角川秀樹厩舎に復帰。仕上がり途上と言われた初戦、JRA500万クラスとの条件交流の1200メートル戦では、さすがに格の違いを見せつけての完勝だった。
この距離ならと期待するのがミスティックダイヤ。昨年10月には道営スプリントを制し、名古屋のJBCスプリントJpnIにも挑戦(11着)した。今シーズン初戦となった1800メートルの赤レンガ記念でも3着と好走しているだけに、得意の距離に戻って存在をアピールしたいところ。
以下はちょっと差があるが、3着候補として挙げるならサンサンヒカリ。昨年の北斗盃(1700メートル)の勝ち馬で、今シーズン初戦となったB1-1組の1200メートル戦を制している。
◎ラブミーチャン
○アンペア
▲ミスティックダイヤ
△サンサンヒカリ