幅広い世代の馬が出走するため負担重量の差が大きく、人気どおりには決まりにくいレース。過去5年でも固い決着のだったのは昨年だけだが、それもそのはず、昨年はハンデ差が上下30キロしかなく、トップハンデで1番人気のカネサブラックが勝ったため。それ以前の4年は、上下60~110キロもの差があった。
今年はカネサブラックの810キロからワタシハキレイズキの730キロまで80キロ差。実績では今季重賞4勝のカネサブラックと同3勝のフクイズミだが、その実績どおりには決まらないと見る。
ここはやや無理な狙いかなと思いつつも、人気薄で銀河賞を制したアカダケキングを狙ってみたい。古馬オープンでの実績はないものの、08年の勝ち馬ツジノコウフクも当時同じ5歳で古馬オープン実績はなかった。このとき接戦の2着が60キロ差のカネサブラック。今回、アカダケキングはカネサブラックと50キロ差。この違いがあれば格の違いは埋められると見る。同じ5歳世代のトップホース、ライデンロックとの比較でも30キロ差はかなり有利。銀河賞でライデンロックを負かしたときも30キロ差だった。760キロという重量も天馬賞で経験していて、着順こそ8着だがそれほど大きな差をつけられたわけではない。
相手にはやはりカネサブラック。帯広記念でのフクイズミとの40キロ差はさすがに厳しく3着に敗れたものの、今シーズンの安定感は抜群だ。今回、フクイズミとは20キロ差、エンジュオウカンとは30キロ差で、少なくともこのベテラン2頭には負けないだろう。カネサブラックが負けるとすれば軽量馬の大駆け。
3番手には勢いのある5歳馬ライデンロック。3走前の睦月特別で25キロ差のカネサブラックに負けているため、今回の20キロ差は正直厳しい。ただそのとき4着とはいえ2秒4の差しかないので、展開次第では逆転も不可能ではない。
フクイズミは馬場が乾いて時計がかかるようになればプラスだが、今シーズンの重賞3勝はいずれもカネサブラックと30キロ以上の差があった。20キロ差の今回は、カネサブラックとの比較でも厳しい。700キロ台の若馬にハイペースでスイスイと行かれそうな展開もこの馬には決して有利ではない。
近走好調のエンジュオウカンは、今シーズンばんえいの年間勝利数記録を更新し続けている鈴木恵介騎手の勢いで上位に食い込めるかどうか。
馬券的には、アカダケキングからなら総流しでもいいかもしれない。
◎アカダケキング
○カネサブラック
▲ライデンロック
△フクイズミ
△エンジュオウカン
荒尾の固定開催となってからは、地元荒尾勢に勝利はなく、地方勢は佐賀と兵庫の1勝ずつがあるのみ。やはり中央勢が強い。しかしここ4年は単勝1番人気馬が一度も連対しておらず、実績どおりに決まらない難解な重賞となっている。
比較的レベルの高い相手に揉まれてきたコウユーヒーロが中心。京都ダート1800メートルの未勝利戦で5馬身差の圧勝があり、続いて出走した北海道2歳優駿JpnIIIは最下位に敗れたものの、ダートグレードでレベルの高い相手と対戦した経験は生きるはず。前走500万下も6着とはいえ大きくは負けていない。今回のメンバーに入れば、堂々主役を張れる。
相手筆頭には、未勝利だがクリノキンバリー。ダートに路線変更してからは5戦して2着1回、3着2回とそこそこの競馬を見せている。初距離が不安だが、ペースもそれほど早くならないだろうから、先行しての粘り込みに期待したい。
カシノピストンは、JRA小倉芝1200メートルの九州産馬限定戦、ひまわり賞で接戦の2着。その後に京都ダート1400メートルの未勝利勝ちがあり、このメンバーに入れば能力上位と見てよさそう。
ミヤマキリシマ特別を6馬身差で圧勝したミゲールは中央未勝利で、中央だけの成績を見ればここまでに挙げた3頭より実績は劣っている。ただ実際に荒尾の馬場で強さを見せたので、地方の馬場が合っているという可能性はある。
地方勢では、門松賞を制したレッドエンゼルが筆頭格だが、前走ノカイドウ特別でクビ差先着されたカシノグローブの実績が乏しく、このメンバーにはいってどこまでやれるか。
初勝利が笠松の条件交流だったキリシマウイングも地方の馬場で力を発揮するタイプなのかもしれない。
◎コウユーヒーロー
○クリノキンバリー
▲カシノピストン
△ミゲール
△レッドエンゼル
△キリシマウイング
08年の兵庫牝馬特別時代を含め、このレース3連覇のかかるキーポケットの実力が断然。昨年11月の兵庫クイーンカップ(6着)まで、出走してきた重賞は牝馬限定戦のみ。ところが今年正月の新春賞で初めて牡馬との重賞に挑戦すると、カラテチョップとの接戦を見事にハナ差で制した。そのカラテチョップはといえば、その後先日の佐賀記念JpnIIIに遠征し、中央3頭の争いから2馬身半差で地方最先着の4着。その実力比較からも、キーポケットはこのメンバーに入れば断然。
今回は兵庫勢が断然優勢。ホールドマイラヴは08年から09年にかけて連戦連勝でオープンまで出世すると、昨年は5つの重賞に出走して園田チャレンジカップを制し、そのほかもダートグレードの兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIを除けばいずれも掲示板確保と善戦。キーポケットに次ぐ実力の持ち主だ。
バージンサファイヤは、昨年3歳牝馬同士ののじぎく賞を制し、続く兵庫サマークイーン賞では同斤量のキーポケットにハナ差の2着。近走はA1A2で苦戦しているが、重賞で勝ち負けする力があることは証明済み。
地元勢では堅実な成績でクラスを上げ、クイーンカップを制したビービーバイラがどこまで兵庫勢に迫れるか。
名古屋のクロスウォーターも牡馬オープンクラスと善戦しているだけに、上位に食い込む可能性は十分。
◎キーポケット
○ホールドマイラヴ
▲バージンサファイヤ
△ビービーバイラ
△クロスウォーター
花吹雪賞、日峯特別それぞれの1~4着馬がそろって出走してきた。ただ、ゴールドルミナスとモエレダイヤモンドが両レースに出走して4着以内に入っているため、実際には6頭だが。
両レースは、ともに離れた最後方を追走していた馬の強烈な追い込みが決まった。その2頭が一緒に走って同じようなレースができるとも思えず、ここは好位で折り合って早めに抜け出せるモエレダイヤモンドをもう一度狙ってみたい。いずれのレースでも1番人気に支持され4、3着と期待を裏切ったが、人気を落としそうな今回、雪辱に期待したいところ。
ダイヤアストライアは中央から転入して2戦2勝と、まだ底を見せていない。相当に力抜けている可能性もあり、この馬が三たびあっさりという場面があっても不思議はない。
花吹雪賞でダイヤアストライアと同じような脚色で直線一気に伸びてきたゴールドセントにも再びの期待がかかる。
日峯特別2着のメイオウセイはこれまで掲示板を外したのが1度だけと堅実な走りが魅力。
日峯特別を勝ったウインクルムはどうだろう。成績を見てもムラがあるように、展開に左右される面があるのかもしれない。
どちらのレースにも出ていない馬ではケイエムサンクス。九州ジュニアグランプリ2着があり、年明け後はいまひとつのレースぶりが続いているが、古馬C1に編入されてのレース。一発があってもおかしくはないが、着外に敗れている2戦がともに1750メートルだっただけに、距離的な不安はある。
◎モエレダイヤモンド
○ダイヤアストライア
▲ゴールドセント
△メイオウセイ
△ウインクルム
△ケイエムサンクス
年明けの重賞・若駒賞2、3着のムツミクリーク、ビクトリーヒマワリの2頭が実績的に抜けている。12月のヤングチャンピオンではビクトリーヒマワリが2着でムツミクリークが4着と、若駒賞と逆の決着だっただけに、この2頭の間にはそれほど力の差はなさそう。ここは前走3歳1組戦で離された4着のムツミクリークよりも、メンバー中唯一古馬にもまれたビクトリーヒマワリを上位にとる。
2頭に食い込む可能性があるのは、ローズカドリーユかワイエスオジョー。
ローズカドリーユはデビュー2戦目に勝利を挙げたのみだが、ここ6戦は2歳2組戦で2着と3着が3回ずつ。勝ちきれないが堅実に走っている。1600メートルでも結果を残しているだけにここでも十分に上位を狙えそうだ。
ワイエスオジョーは、ヤングチャンピオン5着に若駒賞6着と、上位2頭との直接対決でやや分が悪い。ただそのほかに3歳1組で善戦している馬がいないだけに、上位2頭のどちらかが崩れれば、食い込む余地はあるだろう。
◎ビクトリーヒマワリ
○ムツミクリーク
▲ローズカドリーユ
△ワイエスオジョー