全国でもめずらしいクラス別定重賞で、この時期と年末の年に2度行われている。今年で第6回となり、過去5年では57キロのA級馬が勝ったのは2回。下級条件を連勝中の馬も斤量差を生かして勝負になりやすいレース。
今年もそうした下級条件連勝馬が何頭かいて、その中からヒシルートを狙ってみたい。休養明けの今年正月以降は9戦7勝、2着1回、4着1回。前走は直線一気の差し切りで7馬身差、3走前にも5馬身差の圧勝があり、もはやB級にいるような馬ではないだろう。ちなみに母のヒシカポーテは2〜3歳時に大井で活躍。92年の東京2歳(旧3歳)優駿牝馬で1番人気(3着)に推された素質馬。3歳時には準重賞の桃花賞と雲取賞を連勝。羽田盃にも出走(8着)した。
ニシノプトゥリは中央未勝利から昨年9月に転入。その初戦こそ4着だったものの、以降は15戦12勝、2着2回、3着1回。特に前走はB1特別で逃げ切り9馬身差の圧勝。この馬も上のクラスでも活躍できる実力馬だ。
ハードインパルスも、目下B級で3連勝中と快進撃を続けている。
A級では、昨年3歳時に重賞を2勝、正月の新春盃を制したノゾミカイザーにチャンスがありそうだ。
◎ヒシルート
○ニシノプトゥリ
▲ハードインパルス
△ノゾミカイザー
かつて秋に行われていた赤レンガ記念だが、2001年からはシーズン開幕直後の4月末からゴールデンウイークにかけての開催となっている。
ご存知の方も多いと思うが、「赤レンガ」とは北海道庁旧本庁舎の愛称。国の重要文化財にも指定されている。
赤レンガ記念は、できるだけそのお膝元の札幌で、というわけで、札幌競馬場が春開催となってからは、この時期に行われるようになったようだ。
開幕初日の重賞、北斗盃の予想も難しかったが、JRAからの移籍組が3頭に、あとのほとんどが道営記念以来の久々というメンバーではここも難解きわまりない。
ここは10歳だが、昨年ホッカイドウ競馬の古馬頂点に上りかけたカオリノーブルを中心にしてみたい。ステイヤーズカップ、星雲賞連勝のあと、ブリーダーズゴールドカップJpnIIでは3着のヤマトマリオンにクビ差まで迫り地方最先着の4着。今回、8カ月ぶりの実戦でどこまで仕上がっているかだろう。
昨年後半の上昇度では、道営記念を鮮やかに差し切ったコンテも上位。
一昨年破竹の勢いで勝ちまくったギルガメッシュだが、昨年はとうとう1勝もできず。立て直して調子を戻しているかどうか。
道営記念で差のない4、5着に入ったトウショウヘリオス、アドミラルサンダーあたりにもチャンスはありそう。
JRAからの転入馬は長期休養明けだったり、1000万条件で頭打ちだったりでちょと狙いにくい。
◎カオリノーブル
○コンテ
▲ギルガメッシュ
△トウショウヘリオス
△アドミラルサンダー
スーニの実績が断然だ。特に前走の伏竜ステークスは圧巻だった。3歳のこの時期で59キロを背負い、ゴール前一気に差を詰めてハナ、ハナの接戦を制した。兵庫ジュニアグランプリで園田コースは経験済みで、伏竜ステークスで1800メートルもこなしたとなれば死角はなさそうだ。
相手にはゴールデンチケット。ここまで唯一の勝ち星となっている船橋での条件交流戦は、一方的な逃げ切りで2着に5馬身差をつけた。続く毎日杯は木村健騎手で勝ち馬に半馬身差の2着と好走。スーニを負かすのは容易ではなさそうだが、ダート戦は1戦1勝で、どこまでやれるのか楽しみなところ。兵庫のダートグレードで8勝を挙げている武豊騎手で臨む。
シルクダンディーは、その毎日杯こそ12着に敗れたが、ダートでは3戦して2勝、2着1回と底を見せていない。
底を見せていないといえば、ケイアイテンジンも同様。ここ2戦の芝重賞では結果を残せなかったが、新馬線、500万下と、デビューからダートで2連勝だ。
地元兵庫勢では、菊水賞を制したカラテチョップが筆頭。ただ、中央との対戦はこれが初めてで、地元同士でも断然という存在ではないので、あまり強気にはなれない。
◎スーニ
○ゴールデンチケット
▲シルクダンディー
△カラテチョップ
△ケイアイテンジン
他地区に遠征することが多く、なかなか地元での直接対決が実現しなかったアルドラゴン、ベストタイザン、チャンストウライの3頭が、2400メートルのこの舞台で揃い踏みとなった。実績的にもこの3頭の勝負だろう。
中心はアルドラゴン。昨年は、園田で行われている古馬2400メートルの重賞、六甲盃、兵庫大賞典、園田金盃を完全制覇。今年、3月の六甲盃は、黒船賞遠征を控えていたため不在だったが、この兵庫大賞典には連覇がかかる。昨年の年明けに兵庫に移籍して以降、地元園田ではダートグレードを除けば負け知らずだ。
2番手にベストタイザン。ベストは1400メートルだが、07年暮れの園田金盃を制しているように距離の融通はきく。昨年のJBC以降、東海地区に遠征しての重賞4勝を含め、ダートグレード以外ではこちらも負けていない。
チャンストウライは、昨年2月の佐賀記念以降勝ち星から遠ざかっているのが気になるところ。とはいえ、その間に使われているのは中央芝の重賞とダートグレードのみ。地方馬同士なら経験の違いで押し切る可能性もある。
スナークキャプテンは重賞初挑戦だが、まだ底を見せていないだけに、実績の3強に食い込むとすればこの馬だろう。
◎アルドラゴン
○ベストタイザン
▲チャンストウライ
△スナークキャプテン
年明け後の東海地区3歳戦線は、複数の重賞を制す馬がなく、抜けた馬がない上位拮抗の混戦。ただ、牝馬が強いというのは例年どおりの傾向で、ここもやはり牝馬を上位にとりたい。
中でもシルバーウインドの安定感が抜群。ここまで12戦して3着を外したのは昨年10月のデビュー2戦目のみ。前々走、前走と、すでに古馬A3特別で好走しているだけに、3歳馬同士のここでは能力上位。
正月の新春ペガサスカップで、そのシルバーウインドに土をつけたのがダイナマイトボディ。2歳時、デビューから3戦連続2着で臨んだゴールドウィング賞で初勝利が重賞制覇となった。その後年明けの新春ペガサスカップまで連対を外さない快進撃。東海地区の3歳戦線はこの馬が中心かと思わせたが、その後は勝ち星から遠ざかってしまった。とはいえ負けたのは、園田への遠征、中央への遠征、古馬A3特別で、新緑賞で2着に負けたとはいえ、東海地区の同世代同士では連対が続いている。
ゴールドジュニアを制したブラックポイントはここまで2勝のみで、勝ちきれないレースが多い。勝つには先行してマイペースに持ち込めればという展開の助けが必要のようだ。
8番人気で新緑賞を制したカキツバタロイヤルはここが試金石となりそう。1600メートルまでしか経験がないだけに、距離適性も問われる。
3歳になって安定した結果を残せるようになってきたアカイイトが、重賞タイトルのある4頭に割って入れるかどうか。
◎シルバーウインド
○ダイナマイトボディ
▲ブラックポイント
△カキツバタロイヤル
△アカイイト