ニシキエースが牝馬3冠を達成するのか、それともばんえい菊花賞で重賞初制覇を果たしたカネヅルが勢いでここも突破するのか、いずれにしてもこの2頭の勝負だろう。
ここまでの2冠を制したのがニシキエースで、カネヅルが3、2着ときての菊花賞制覇だから、この2頭の実力が抜けていると言わざるをえない。定量戦でもあり、順当に堅い決着となりそうだ。
ばんえいプリンセス賞は、先頭で障害を抜けたニシキエースが楽勝。特別の秋桜賞はニシキエースより15キロも軽いカネヅルが当然のように勝った。ばんえい菊花賞は、ニシキエースにとっては障害でヒザを着いてすぐに立て直せなかったのがすべてで6着と惨敗。カネヅルは、前を行っていたホクショウジャパンが止まったとはいえ、最後までよく伸びた。
勢いで本命はカネヅル……にしようと一旦は思ったのだが、血統を見て思い直した。3冠馬ウンカイの仔で牝馬の3冠を、ということでニシキエースに賭けてみることにした。
オッズ的にはあまり手を伸ばせないだろうが、可能性として3番手以下を挙げておく。
ウィナーナナは格付け的にも上位2頭(300万下)に続く200万下のクラスで勝利を挙げているだけに、不動の3番手。黒ユリ賞2着、ばんえい菊花賞ではニシキエースに先着の5着など、重賞でもそこそこの成績を残している。
キクノリアルは重賞初挑戦だが、近走安定した走りを見せている。大外10番枠でサウスポーの大口騎手に乗替ったのも不気味。
120万下を1、2着で200万下のクラスに入ってきたキタノメイゲツにも勢いがある。
◎ニシキエース
○カネヅル
▲ウィナーナナ
△キクノリアル
△キタノメイゲツ
2600メートルの北國王冠で3歳ながら圧倒的な強さを見せたのがノーブルシーズ。1番人気のマヤノオスカーに3コーナーで直後に迫られながら、そこから楽々と突き放して圧勝。ここも楽に通過して5冠達成と見る。
マヤノオスカー不在の2着争いは混戦。6月の百万石賞3着で、前走休養明けのA2特別を勝ったケージーダンシングが相手筆頭。
ホーマンブラヴォーは、遠征した東海菊花賞は着順こそ8着だが、勝ち馬から1秒2差なら着順ほどは負けていない印象。12月2日A1特別での取消し明けとなるのがどうか。
2000メートルを越えるレースならテンリットルも外せないところ。北國王冠でもノーブルシーズを負かしにいったマヤノオスカーがバテたところに直線突っ込んで2着を確保した。ただ今回は、その北國王冠のときのように展開がハマるかどうか。
中央からの転入緒戦のA1特別を勝ったシンシンマーキーだが、中央時代1000万クラスで頭打ちの実力で、このメンバーに入ってどこまで。
◎ノーブルシーズ
○ケージーダンシング
▲ホーマンブラヴォー
△テンリットル
△シンシンマーキー
激走の反動という心配があるものの、JBCスプリントJpnIで3着と健闘したアルドラゴンが断然。当初は白山大賞典JpnIIIを使ってJBCクラシックJpnIを予定していたようだが、9月18日の1400メートル戦でベストタイザンを7馬身ちぎったことで、かなり迷った末に、スプリントのほうを選んだとのことらしい。JBCで3着ならグッドチョイスだったと言うべきだろう。ダートグレード初勝利は1900メートルの名古屋大賞典JpnIIIで、兵庫に移籍後も2400メートルの六甲盃と兵庫大賞典を制しているだけに、距離的な心配はない。ここを勝てば、兵庫の古馬長距離重賞完全制覇となる。このメンバーなら堅い中心。
相手筆頭はオキナワノドリーム。前走、東海菊花賞では2番手追走から直線でも粘り、勝ったムーンバレイから0秒2差の4着は評価できる。3走前のコウノトリ賞ではバンバンバンクに6馬身ほどの差をつけられたが、遠征競馬で結果を残しているだけに、力をつけていると見る。東海菊花賞で手綱をとった笠松の佐藤友則騎手を今回わざわざ呼び寄せたのも興味深い。
東海菊花賞6着のアグネスミステリーは、その前走、姫山菊花賞まで兵庫の重賞で4戦連続2着。重賞タイトルがすぐそこまで来ているようで、なかなかに遠い感じだが、兵庫の重賞はいずれも4着以内と堅実。相手関係にかかわらず善戦するタイプのようだ。
前走楠賞の勝ちっぷりから人気になりそうなバンバンバンクだが、このメンバーに入って前走のような大マクリが決まるだろうか。距離経験が2000メートルのジャパンダートダービーJpnI(9着)しかないのも気になるところ。
10戦連続連対中で、重賞初挑戦となるシンボリシューマンには未知の魅力。
昨年のこのレース3着のタマモアーチストまでチャンスはありそうだが、さすがに9頭立てではそこまで印がまわらない。
◎アルドラゴン
○オキナワノドリーム
▲アグネスミステリー
△バンバンバンク
△シンボリシューマン