ダートグレードの全日本サラブレッドカップから衣更えして第3回を迎える笠松グランプリ。
東海地方の重賞はメンバーが分散しやすく一線級のメンバーが集まりにくい、と何度か書いたことがあるが、今回のこのレースはタイミングがよかったのかどうか、勝っても不思議はない馬が何頭もいる楽しみなレースとなった。ダートグレード以外で東海地区の重賞がこういう顔触れになるのは、最近ではめずらしいのではないだろうか。
今年これが7戦目で、ようやく順調に使えるようになったミツアキタービンがこのレース連覇達成で復活……といきたいところだが、前走オッズパークグランプリでは果敢に先行するも最後粘りきれず、テンショウボスに差され1 1/4馬身差の2着。レコード決着だけに相手が悪かったともいえるし、これで状態が上向いてくるかもしれない。とはいえ自信をもって本命とするにはちょっと心もとないという気もする。
ならばここはウイニングウインド中心で。JBCクラシックJpnIの8着は参考外で、そこまで地方重賞を3連勝。特に姫山菊花賞では、帝王賞JpnI4着のチャンストウライを敵地で完封したのは価値がある。
JBCスプリントJpnIは12着も、くろゆり賞でウイニングウインドの2着のあとオープンを連勝しているマサアンビション、オータムカップ勝ちのティアマット、スプリントを制したマルヨスポット、先行して一発のあるムーンバレイらも差はない。昨年2着で前々走金沢・オータムスプリントカップを制したケンゴウザンもここは得意の距離。ただ、全盛時の力はないようで、さすがにそこまで印が回らない。
◎ウイニングウインド
○ミツアキタービン
▲マサアンビション
△ティアマット
△マルヨスポット
△ムーンバレイ
ウイニングウインドとミツアキタービンの馬連複か馬連単の表裏を厚く、あとはオッズを見て流す。それと、上記2頭を1、2着に入れて、ケンゴウザンまで入れた残り5頭を3着として3連単もちょっとだけ。
先週に引き続いて今週も重賞が4つ。
まずは、ばんえい古馬一線級による高重量戦、北見記念。
11月に入ってから帯広競馬場の馬場がだいぶ軽くなってきたようで、23日(金)のレースを見ていてもかなりのスピード決着だった。
馬場が軽くなればミサイルテンリュウの出番。岩見沢記念では先頭で障害を越えたが、トモエパワーに差し切られ、最後はゴール線上で止まり、カネサブラックにも交わされてしまった。しかし今の馬場なら早め先頭で一気に押し切る。
対抗にはフクイズミ。この馬は障害次第で、岩見沢記念でも障害で苦戦し5着に敗れたが、障害さえまともに越えれば、軽い馬場で一気に差し切る場面も。
カネサブラック、ナリタボブサップもスピード馬場は歓迎。
岩見沢記念を勝ったトモエパワーだが、その岩見沢記念ではミサイルテンリュウやカネサブラックより10キロ軽かったのが、今回は同重量となったこと、それに馬場が軽くなるのはこの馬にとってはマイナスなので、今回は見送る。
◎ミサイルテンリュウ
○フクイズミ
▲カネサブラック
△ナリタボブサップ
△アンローズ
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岩手では、15年ぶりに水沢で行われる北上川大賞典。
ここは名実ともに岩手の頂点に立ち、前走オッズパークグランプリで笠松のミツアキタービンを斥けたテンショウボスで断然。この距離は初めてだが、1400や1600あたりより2000メートルのほうが安定していることからも、問題なくこなすだろう。
逆転する可能性があるとすればエアウィード。一昨年このレースを制し、昨年も2着。今シーズンは未勝利だが、血統的にもここで力を発揮するはず。
ボスアミーゴはダートのこの距離ではやや割引。着実にクラスを上げてきて、これが重賞初挑戦となるサンシャインヘイロがどこまで。
◎テンショウボス
○エアウィード
△ボスアミーゴ
△サンシャインヘイロ
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福山では、今年からサラブレッドのレースに衣更えした福山菊花賞。距離はこれまでと同じく2250メートルの長丁場。
ここは兵庫から転入後3連勝でA1特別まで突破したナムラベンケイから。
既成勢力の代表ファニーカイザーが相手で、兵庫在籍時から4連勝中のコスモハードリカーもまだ底を見せていない。
前走福山で初の敗戦を喫したサージェナイト、順調にクラスを上げてきたイブキカンハダらも連下なら。
◎ナムラベンケイ
○ファニーカイザー
▲コスモハードリカー
△サージェナイト
△イブキカンハダ
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九州ジュニアチャンピオンは、まだインフルエンザの影響が長引いているのかどうか、佐賀所属馬だけでの争いとなった。
前走シリウス賞でフサイチサガントスに土をつけ、デビューから3連勝としたキリンジで断然。
ほとんどがキリンジとは勝負付けが済んでるメンバーで、フォーマルハウト賞でそのキリンジに1馬身半差2着のスターオブジャンプが相手筆頭。中央や南関東への遠征を除けば、ここまで先着を許したのはフサイチサガントスとキリンジのみで、逆転の可能性があるとすればこの馬だけ。
一角崩しがあってもキングサンディまでだろう。
◎キリンジ
○スターオブジャンプ
△キングサンディ
2歳のこの時期の重賞は、急に成長する馬がいたり、ここまで素晴らしいパフォーマンスを見せながら期待ほどの成長は見せない馬がいたりで、予想はなかなかに難しい。さらに園田の小回りコースとなると、地方初遠征となる中央勢にとっては能力を発揮できない馬がいたりということもある。
この兵庫ジュニアグランプリを毎年見ているとそんなことを思う。つまり、近走のパフォーマンスを単純に比較しただけではなかなか馬券を当てるのは難しい。
今年の出走メンバーは地方勢も充実していて、無敗馬が3頭もいる。全日本2歳優駿JpnIや、来年のダート3歳戦線を占う上でも楽しみなレースとなった。
まず中央勢同士の比較だが、ディアヤマトが最上位と見る。中央のダートのみ3戦しているタカラストーンとはプラタナス賞で対戦し、3馬身差をつける完勝。北海道2歳優駿JpnIIIは1番人気に推されながら3着だったが、前の2頭とはそれほど差のない競馬で、4コーナーでは離されたものの、ゴール前では再び差を詰めた。レベルの高い道営勢とのレースでこの内容なら、ここを勝ってもおかしくない。
中央2番手はタカラストーン。デビューからダートのみ3戦して2勝、2着1回。先着を許したのは前述のディアヤマトのみ。半兄のトロピカルライトは昨年のこのレースの勝ち馬で、兄弟制覇の期待がかかる。
対照的にビーチアイドルはここまで芝のみ3戦。ファンタジーステークスJpnIII(京都)で4着と好走し、勝ち馬から0.5秒差、芝1400メートル1分21秒6という好タイム。初のダートと園田の小回りコースで、そのスピードが生かせるかどうかは未知数。母のビーチフラッグは旭川・グランシャリオカップGIII、名古屋・かきつばた記念GIIIでともに2着と地方のダートグレードで好走実績がある。
メッサーシュミットは芝のみ5戦、九州産限定のひまわり賞を勝ったのみという実績ではやや力不足だろう。
地方勢では、地元のアルアルアル、笠松のチュエイリュイ、福山のウルトラエナジーがここまで無敗。
未知の魅力も含めて笠松のチェイリュイを最上位とする。前走重賞のジュニアクラウンでは一方的な内容で8馬身差の圧勝だった。このブログでもたびたび触れているように、カルラネイチャー産駒というこで、応援の意味もこめて、この馬を本命にする。
地元兵庫勢では、やはりアルアルアルが上位で間違いなさそうだ。2連勝中のダンディニイガタとは未対戦だが、1400メートルの持ち時計を見てもアルアルアルのほうが上。地の利を生かせば上位食い込みの可能性もある。
福山のウルトラエナジーは全5戦、逃げ切り勝ち。底を見せていないという魅力はあるものの、福山のレベルを考えると強くは推せない。
◎チェイリュイ
○ディアヤマト
▲タカラストーン
△アルアルアル
△ビーチアイドル
△ウルトラエナジー
18日は、久しぶりにオッズパーク関連競馬場の重賞が4つも重なった。と思ったら、その次の日曜日も4つ。そのあとは一段落するものの、大晦日にはなんと重賞5つという試練が待っている。
地方競馬は今週から来週にかけ、年末年始の大一番に向けての重要なレースが続くことになる。
さて、まずは水沢の南部駒賞。
かつては東北地区の2歳チャンピオン決定戦として行われ、00〜02年には上山所属馬の3連覇もあった。その後全国交流となり、04、05年には北海道所属馬が連覇。地元岩手勢はここ7年で2回しか勝っていないというレースだが、昨年は旭川のエーデルワイス賞GIIIを制したパラダイスフラワーが凱旋勝利を飾った。
今年、地元勢ではジェベルロバーツが断然。盛岡芝のジュニアグランプリを含め目下4連勝中で、芝・ダートを問わない活躍を見せている。
これに続くのがテンショウベスト。デビュー勝ちのあとは4戦連続2着で、そのうちの3度はジェベルロバーツに先着されてのもの。
他地区からの遠征は北海道からの2頭のみで、重賞タイトルこそないものの、前走エーデルワイス賞JpnIIIで4着だったライトオブマリアが有力。
地元のジェベルロバーツか、北海道のライトオブマリアかという対戦だが、ここは強い相手に揉まれてきたライトオブマリアを軸にする。鞍上、山口竜一騎手も魅力だ。リーディング争いこそ今シーズンは五十嵐冬樹騎手に離されたものの、エーデルワイス賞、北海道2歳優駿と、2歳馬の両グレードレースを制すなど、ますます充実している。
連下には、テンショウベストと、そのテンショウベストを若駒賞で斥けたコンバットキック、北海道のもう1頭カーリヒルズまで。それ以外の馬たちはちょっと差がありそうな感じだ。
◎ライトオブマリア
○ジェベルロバーツ
▲テンショウベスト
△コンバットキック
△カーリヒルズ
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金沢では古馬4大重賞のひとつ、北國王冠が行われる。2600メートルの長丁場だ。
百万石賞と白山大賞典を制し、JBCクラシックJpnIに遠征(10着)したビッグドン不在で、馬券的には妙味のありそうな一戦。
ここは百万石賞、白山大賞典で、ともにビッグドンに真向勝負を挑んで2着だったマヤノオスカーの出番。ただちょっと気にかかるのが、そのときの鞍上だった吉原寛人騎手から、今回は中川雅之騎手に乗り替っていること。もちろん中川騎手もトップジョッキーゆえに鞍上弱化ということはないが、05年10月以来2度目の騎乗なのに加え、戦術が変わるなどして同じようなレースができるかどうか。
相手には、重賞勝ちこそないもののトップクラスで成績の安定しているサムソンリンリン。
長距離戦で要注意なのはテンリットル。金沢転入以降、A2やA1の特別では苦戦が目立つものの、交流の白山大賞典を除けば、古馬4大レースではここまで7戦して2勝、2着3回、3着1回で、馬券圏外になったのは1回のみと安定した成績を残している。
名古屋在籍時は今ひとつの成績も、転入初戦でマヤノオスカーやケンゴウザンを負かしたナムラコロンブスも不気味な存在。
ベットボトムダラーも格下だが、大崩れはなく、展開と調子次第では連にからむ可能性も十分。
◎マヤノオスカー
○サムソンリンリン
▲テンリットル
△ナムラコロンブス
△ベットボトムダラー
福山でも今シーズンからレース体系の中心がサラブレッドに移行したようで、これまではアラブの重賞だった福山菊花賞が、まったく条件は同じまま紅葉賞とレース名を変えて行われる。
ここは重賞実績のあるヤスキノショウキ、フジノコウザン、ユノフォーティーン3頭の争いだろう。
連軸という意味での中心はユノフォーティーン。6月のタマツバキ記念はゴール前で勢いをなくして惜しい3着。その後は休養し、叩き2戦目となるここは万全の態勢で臨んでくると見る。
フジノコウザンは取りこぼしも多いが、タマツバキ記念、そしてサラブレッドとの混合戦となった金杯を制しているように、ここ一番で力を発揮するタイプ。ただ不安なのは、1800メートルまでしか距離経験がないこと。
昨年の福山菊花賞を制しているヤスキノショウキもこの距離なら能力上位。
この3頭は甲乙つけがたいところで、一角崩しがあるとすれば、前走A1特別で上記3頭をまとめて負かしているクロマルジョージ、長距離重賞で善戦しているアトムビクトリーあたりか。
◎ユノフォーティーン
○フジノコウザン
▲ヤスキノショウキ
△クロマルジョージ
△アトムビクトリー
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昨年の九州大賞典は、期間限定騎乗の内田利雄騎手がヤマノブリザードで制したが、今年もその内田騎手がタイキヘリオスで出走し、今シーズン佐賀での最終騎乗となる。
中心はザオリンポスマン。重賞勝ちは1400メートルの吉野ヶ里記念のみだが、6月以降のここ8戦で連対を外したのはサマーチャンピオンJpnIIIのみ。前走の2000メートル戦でも早めの仕掛けから4コーナーで先頭に立つという安定したレースぶりで、折り合いにも心配なく初の2500メートルも問題ないだろう。
目下7連勝中で着実にクラスを上げてきた4歳馬ワンパクメロも、ここで一気に突き抜ける可能性もある。
3月のはがくれ大賞典を制したシルクメイジャーは、休み明け2戦目で変り身に期待。
オーディンズアイはこれが重賞初挑戦となるが、中央から転入以来12戦6勝で3着以内を外したのは1度だけ。タイキヘリオスは、内田利雄騎手の当地で最後の騎乗に期待する。
◎ザオリンポスマン
○ワンパクメロ
▲シルクメイジャー
△オーディンズアイ
△タイキヘリオス