ばんえい十勝では、北斗賞が行われる。1トンで争われるばんえい記念以外では、唯一の古馬定量重賞となる。
ここは、シーズン最初のばんえい十勝オッズパーク杯以来勝ち星から遠ざかっているカネサブラックが巻き返す。ばんえい十勝オッズパーク杯でいきなり賞金を稼いだため、その後はつねにトップハンデで苦戦。それでも旭川記念以外では3着を外していないことろは力上位の証拠。
前走、旭川記念を逃げ切ったミサイルテンリュウも可能性は十分。土曜日から日曜日にかけては雨の予報で、馬場が軽くなるのはこの馬にとっては有利な条件。
牝馬のフクイズミも差はない。旭川記念ではミサイルテンリュウを追い詰められなかっただけに、第2障害で仕掛けるタイミングが勝負の分かれ目となりそうだ。
この3頭ならどれが勝っても不思議はない。
昨年のばんえい記念を制し新王者となったトモエパワーだが、ばんえい十勝オッズパーク杯2着のあとはいいところがないものの、定量戦のここは押さえておく必要がありそう。
◎カネサブラック
○ミサイルテンリュウ
▲フクイズミ
△トモエパワー
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オパールカップは、南関東から3頭、笠松から2頭の遠征があり、しかも芝のレースでもあり難解な一戦。
まず地元馬では、2歳時にジュニアグランプリを制して以降、中央も含めて芝のレースを中心に使われているボスアミーゴが中心的存在。これに、2歳時に芝で認定勝ちがあり、岩手ダービーダイヤモンドカップ2着のマツリダワルツ、ガーベラ賞でボスアミーゴの2着のあと、芝のはまなす賞を勝ったサイレントステージが続く。
南関東勢では、唯一重賞戦線を経験し、東京湾カップ3着のイチモンジが実績上位。父はトーホウエンペラー。鞍上が小林俊彦騎手なのは心強い。
笠松勢では、3月のスプリングカップを制した後、中央の芝500万下で差のないレースをしているキャプテンハートに可能性がありそうだ。
さて、これらの力関係が難しいが、地元のボスアミーゴを中心にしたい。中央のニュージーランドトロフィーは13着だが、勝ち馬から0.8秒差と、着順ほどは負けていない。前走も古馬1000万条件で0.5秒差の5着なら他地区も含めて実績は断然。
◎ボスアミーゴ
○キャプテンハート
▲イチモンジ
△マツリダワルツ
△サイレントステージ
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吉野ヶ里記念は、サマーチャンピオンJpnIIIに向けての一戦。荒尾からは、九州王冠を制したサンライズビート、名古屋から転入後これが4戦目となるガッツホーラーが挑戦してきた。
地元勢の筆頭は、前哨戦の黒髪山特別を制したザオリンポスマン。重賞は、これまで2着1回、3着3回と勝ち切れないものの、ここで初タイトルといきたいところ。
荒尾のサンライズビートは、中央から転入して以降、地元では7戦6勝。前走九州王冠では、佐賀から遠征の3頭をまとめて負かした。このとき4着だった佐賀のアサクササイレンは、ザオリンポスマンを負かしたことがあるだけにチャンスは十分。
ただ、ここは地元の利と、持ち時計からザオリンポスマンが上位と見る。
黒髪山特別2着のスターオブジェンヌは、今回が南関東からの転入2戦目で、まだ底は割れていない。昨年の浦和桜花賞2着、古馬に入ってB級で上位争いなら、ここでも勝ち負けになるだろう。
黒髪山特別3着のタイキヘリオスは、その前走、多良岳特別でザオリンポスマンのレコード勝ちにクビ差2着。ただ1400メートルは少し短いかもしれない。
◎ザオリンポスマン
○サンライズビート
▲スターオブジェンヌ
△タイキヘリオス
今年の東海地区の3歳戦戦は抜けた馬がなくて混戦、というのは、このブログで重賞のたびに何度か書いたような気がする。
がしかし。ここにきて、ようやく期待できそうな馬が現れた。
7月6日のオッズパーク・ファンセレクション・イン笠松を圧勝したマルヨスーパーラブだ。スタート後は5〜6番手を追走したが、3コーナー手前では、ほとんど持ったまま楽な手ごたえで一気に先頭。4コーナーでは勢い余ったか、逸走ぎみに外に飛んで行ってヒヤッとさせられたが、直線を向いて態勢を立て直すと、後続を楽々と7馬身もちぎった。
このときの予想では、そこまで3連勝とはいえ3歳3組という格付けで、しかも重賞初挑戦だったために対抗に落としてしまったが、あまりの圧勝ぶりに驚かされた。
今回も、ほかに重賞を勝っているのが若草賞のシンメイジョアーだけなら、マルヨスーパーラブが不動の本命となる。
笠松に移籍してからの5戦はいずれも1400メートル戦で、今回は200メートル延長となる。父はスプリンターズSを制したマイネルラヴだが、母の父がナリタブライアンなら距離的な心配はないだろう。実際に中央での最後のレースとなった中山ダート1800メートル戦では、勝ち馬から0.4秒差の5着と好走している。
相手筆頭は、先にも挙げたシンメイジョアー。地元東海地区に限れば、5月4日の駿蹄賞まで連対パーフェクト。東海ダービーでは3着に敗れたが、それでも勝ったマルヨフェニックスから1馬身半+1馬身半しか離されていない。
3番手評価が、オッズパーク・ファンセレクション2着とはいえ7馬身ちぎられたオーナーズレオンなので、マルヨスーパーラブを逆転できる可能性があるとすれば、シンメイジョアーしかいないだろう。
それ以外では、前走東海ダービーは11着も、新緑賞2着のほか3歳1組戦では常に勝ち負けのレースをしているリックフィオーレ、前走古馬のB級を勝っているケイウンフレンドあたり。ただ、馬連複や馬連単で狙う場合は、オッズ的には上位3頭に絞らざるをえないだろう。
◎マルヨスーパーラブ
○シンメイジョアー
▲オーナーズレオン
△リックフィオーレ
△ケイウンフレンド
マーキュリーカップは、ダートグレードの中でも特に中央勢が圧倒しているレース。ここ5年は3着までを完全に独占されている。地方勢は、水沢で行われていた時代にメイセイオペラが勝ったのみだ。
盛岡に替った00年は2着に新潟のエビスヤマト、3着に高知のミストフェリーズが入ったが、1番人気のスマートボーイが暴走ぎみに逃げたことで超ハイペースとなり、勝ったオースミジェットですらゴール前は歩いているような感じだった。エビスヤマト、ミストフェリーズは縦長の展開の最後方、ほとんどレースとは関係ないようなところを追走したのが幸いし、直線だけで追い込んできた。
展開が味方したその年を例外とするなら、盛岡コースで行われるようになってからは、地方勢ではあのトーホウエンペラーが01年に3着したのみということになる。
しかし中央勢が強いとはいえ、人気、実績どおりの決着となることはほとんどなく、ひねって考える必要がある。過去に1、2番人気での決着は、メイセイオペラが勝ったときのみしかない。
昨年、近走まったくの不振だったクーリンガーは6番人気での勝利だった。今年で言えば、クーリンガーもそうだが、GI勝ちのあるストロングブラッドあたりも安易に見限るわけにはいかない。
中心は、おそらく1番人気になるのだろうが、今年に入って平安ステークス、東海ステークスでともに3着と堅実に走っているシャーベットトーン。
中央勢では、前走初の準オープンで惨敗だったメイショウアズーロ以外は馬券にからめておきたいところ。
地方勢では、前走みちのく大賞典を勝ったテンショウボス、同3着のサイレントエクセルに可能性がありそうだが、メイセイオペラやトーホウエンペラー級でないと馬券にからめないことからも、かなり厳しい戦いを強いられそうだ。
中央勢の人気薄を入れた3連単ボックスで、百倍〜数百倍程度の配当になればラッキーというあたりを狙ってみようかと。
◎シャーベットトーン
○クーリンガー
▲エイシンロンバード
△ストロングブラッド
△テンショウボス
盛岡名物、芝2400メートルの重賞。00年から02年までは芝1600メートルで行われていたが、03年から現在の2400メートルとなった。
それ以降の過去4年では、04年と05年にサイレントグリーンが連覇。昨年は2着に敗れたが、芝のスペシャリストであることは間違いない。3歳時には不来方賞2着という成績はあるものの、重賞タイトルはこのせきれい賞のみ。それどころか、04年4月の水沢・エクセレントA1A2がダートでの最後の勝利で、それ以降は芝コースでしか勝っていない。特に盛岡芝2400メートルに限ると、7戦5勝、2着3着各1回というほぼ完璧な成績。仮に岩手に芝コースがなければ、この馬は今どこでどうしているだろうかと思ってしまう。
前々走、芝1700メートルのあじさい賞は見せ場なく5着に敗れたが、前走、芝2400メートルのかきつばた賞では、中団追走から徐々に位置どりを上げ、直線を向いて先頭に立つと、後続を楽々と6馬身突き放しての圧勝。この距離への適性の高さを示した。
そもそも1800メートル以下の芝では勝ち星がないだけに、前々走あじさい賞での敗戦もあまり気にする必要はないだろう。盛岡芝2400メートルが舞台なら、サイレントグリーンが軸で間違いない。
相手になりそうなのは、やはり、あじさい賞、かきつばた賞を使ってきた組。この2戦で着順が入れ替わっていて比較が難しいが、相手筆頭にはあじさい賞を勝っているタイキリオンを指名する。前走かきつばた賞では1番人気に推されながら4着に敗れているが、これは3コーナーからサイレントグリーンを必死に追いかけて直線バテたもの。距離的な不安はあるものの、展開次第では逆転もあるかもしれない。
以下は、あじさい賞、かきつばた賞の好走組で、ナイキアヘッドとマルタカキラリー。
そして南関東から4頭が遠征してきた。いずれもB級あたりで頭打ちの感じで、唯一コスモダークがA2、A3あたりで走ってはいるものの、昨年6月にB1特別を勝って以来、勝利から遠ざかっていて、これも実力的にはB級と考えるべきだろう。昨年のこのレースにも南関東から4頭の挑戦があり、1頭を除いてはオープンクラスで走っていたものが、このせきれい賞では最高着順が4着だった。それだけに、南関東勢にとっては今年はさらに苦戦を強いられそうだ。近走好調で、芝に適性がありそうなトネノキングを押さえておく程度でいいだろう。
◎サイレントグリーン
○タイキリオン
▲ナイキアヘッド
△マルタカキラリー
△トネノキング
オッズパークWebと笠松競馬場でのファン投票によって出走馬が決められる「オッズパーク・ファンセレクション・イン笠松」が、今年も7月6日に行われる。
残念ながらファン投票の上位3頭、キャプテンハート、ワイティタッチ、トミノダンディらは回避。重賞勝ち馬は2歳時のジュニアクラウンを制したトミノハマチャンのみだが、それだけに拮抗したメンバーで馬券的には妙味がある。
中心として取り上げるのはオーナーズレオン。2歳時から重賞戦線の常連として活躍。タイトルこそないものの、もっとも勝利に近づいたのが3月の若草賞の2着だが、勝ったシンメイジョアーからは8馬身も離された。しかし、メンバー中現時点で古馬に格付けされているのはこの馬だけ。近3走はC級で1、2、1着と健闘。4月の新緑賞では、今回のファン投票2位のワイティタッチから0秒6差の4着と、それほど差のない競馬をしていた。今回のメンバーでは確実に能力上位だろう。
未知の魅力ではマルヨスーパーラブ。中央未勝利で今年春に笠松に転入。初戦こそ2着だったものの、その後はいずれも危なげないレースぶりで3連勝。トップクラスと対戦の経験はないが、今回のメンバーならあっさりがあっても不思議はない。
メンバー中唯一の重賞勝ち馬トミノハマチャンは、ここ2戦、1番人気を裏切る連続3着。ただ対戦している相手を見れば、やはり今回はメンバーが楽になっている感じで、9カ月ぶりにタイトル奪取の可能性はある。
もう1頭押さえるなら、1月に3歳1組選抜を勝っているトミノジェイジェイ。
3歳のこの時期だけに、急激に力をつけている馬がいる可能性もあり、近走の成績だけで判断するのは危険かもしれない。実績にこだわらず、当日の気配などで穴を狙うというのもアリかも。
◎オーナーズレオン
○マルヨスーパーラブ
▲トミノハマチャン
△トミノジェイジェイ