昨年までは3歳馬による1400メートルの重賞として行われていたが、今回から古馬による1200メートルのレースとなり、1着馬にはクラスターカップJpnIIIへの優先出走権が与えられる。
ただし今年は、本番のクラスターカップは初めて水沢1400メートルで行われる。
どの馬も一長一短があり、難解な一戦。岩手では1200メートルのレースはそれほど多くはなく、近走不振でも、この距離になって好走という馬がいてもおかしくない。
中心はヤマニンエグザルト。前走、同じ盛岡1200メートルの早池峰賞では、中団から早めに好位に上がり、勝ったテンショウボスからは4馬身離されたものの、混戦の2着争いからは1馬身抜けた。04年秋に中央から岩手に移籍し、その後は1400メートル以下のレースでは大崩れがなく、きわめて安定した成績を残している。
相手には名古屋のケイアイダンシング。この馬も距離は短いほうがよさそうで、中央から名古屋に移籍してから1200メートルの経験はないものの、前走、園田1230メートルの園田フレンドリーカップでは3着、昨年はそのレースを制している。昨年秋、船橋の京成盃スカイライナースプリント(1000メートル)で差のない4着、暮れの兵庫ゴールドトロフィーGIIIは着順こそ6着だが、これもそれほど離されているわけではない。全国レベルのレース経験が豊富なだけに、この馬が突き抜けてもおかしくない。
そのほかでは、これも距離が短いほうがいいタイキシェンロン。3年前ではあるが、クラスターカップGIIIで勝ったシャドウスケイプから0秒3差の5着と差のない競馬をしていた。早池峰賞では2番人気にまで推された(6着)ダンディキングや、同3着のカシマハヤトなども連下なら十分可能性はありそうだ。
◎ヤマニンエグザルト
○ケイアイダンシング
▲タイキシェンロン
△ダンディキング
△カシマハヤト
先週末からスタートしたばんえいナイトレースは、入場人員、売上ともに好調だったようだ。最初はものめずらしさもあってのことだろうが、この数字を維持していければ、ばんえいの将来はだいぶ明るいように思う。
入場人員はともかく、土日の中央競馬が終ってからネット投票が急激に伸びたとのことなので、アピール次第ではまだまだ売上は伸びる可能性もありそうだ。
旭川記念は、昨シーズンのばんえい記念を制し、新王者となったトモエパワーから。前走、前々走は見せ場がなかったが、シーズン初戦のばんえい十勝オッズパーク杯は、ゴール前追い込んで2着。今回、基本重量が760キロと増量されるのは、この馬にとってはかなりのプラス材料。
相手は迷ったが、今シーズン初出走のフクイズミ。昨シーズンも始動は6月で、その初戦を快勝している。およそ10秒差をつけて2着に退けた相手はトモエパワーだった。今回も休み明けに不安なしと見る。が、馬体重は一応チェックしておきたい。あまり減っているようなら狙いを下げる。
タケタカラニシキもここ2戦は惨敗だが、ばんえい十勝オッズパーク杯は早めに障害をクリアして3着。ゴール直前で止まってトモエパワーに差されたが、あわや2着もあったかという場面。今回もその再現を期待する。
ミサイルテンリュウは、今季これが3戦目。前走シルバーカップは5着に敗れたものの、ここを目標にして仕上げていれば、あっさり勝ってもおかしくない。
ばんえい十勝オッズパーク杯を制したカネサブラックは、プラス10キロのトップハンデがいかにも厳しい。
◎トモエパワー
○フクイズミ
▲タケタカラニシキ
△ミサイルテンリュウ
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高知3歳3冠の第2弾、高知優駿。
2冠奪取を目指すスパイナルコードをはじめ、11頭中7頭が1冠目の黒潮皐月賞出走馬。
スパイナルコードは、黒潮皐月賞では1番人気にこたえ3馬身差の楽勝。佐賀に遠征した九州ダービー栄城賞では7着に敗れたが、その疲れなどがなければ今回も中心となるだろう。
黒潮皐月賞不出走組では、プラネットワールドが近2走で連勝、パレスムテキが4戦連続連対というのが目につく。いずれも5月19日の3歳1組戦では、黒潮皐月賞2着のマルタカスティーヴにちぎられていたが、前走6月2日のレースでは逆転した。このあたりが2着争いのカギとなりそうだ。
スパイナルコードの頭は揺るがないとして、相手はプラネットワールド。前走逃げ切り6馬身差の圧勝は見事で、上昇度次第で逆転もとは思うが、持ちタイムを見た限りでは逆転は難しそうな感じ。
以下は、マルタカスティーヴ、パレスムテキ、ラストカリズマ。
スパイナルコードに遠征の反動がありそうと考えるなら、色気を出してプラネットワールドからも流すと配当的には楽しめるかもしれない。
◎スパイナルコード
○プラネットワールド
△マルタカスティーヴ
△パレスムテキ
△ラストカリズマ
ちょっと時間がたってしまったが、6月10日に行われたタマツバキ記念アラブ大賞典を観戦してきた。
アラブの全国交流レースはこれが最後になるとのことだが、そのために行くと決めたわけではない。福山には年に1度行けるか行けないかという状態で、たまたまこの日に行こうと決めていたというだけだ。それでも「最後」と言われるレースを見られたのはラッキーだった。
ちなみにこの日の第5レースでは、福山としては史上初となるJRA認定競走が行われた。残念ながらそれには間に合わず、レースを見ることはできなかったのだが。
アラブ最後の全国交流と、初のJRA認定を同日にしたのは、「アラブはこれでおしまい、これからは福山もサラブレッドです」というのを主催者がアピールしたかったのかもしれない。
で、最後のタマツバキ記念は、重賞10勝の実績馬ユノフォーティーンが先行したが、最後は若い4歳馬同士の叩き合い。ここにきて調子を上げてきたフジノコウザンが、昨年の福山ダービー馬バクシンオーをアタマ差で退けた。
高齢馬が勝って「これで終わりか」的な雰囲気になるよりも、若い馬同士の決着で「アラブもまだまだやれるんじゃないか」と惜しまれるような感じは、むしろよかったように思う。
ちなみに鞍上の池田敏樹騎手はこれが重賞初制覇とのこと。
福山では、これまでアラブのレースとして行われてきた「福山ダービー」が今年からサラブレッドのレースとなり、アラブのダービーは「福山アラブダービー」として行われた。
今シーズン、アラブ2歳馬の入厩予定が11頭しかいないことから、「福山アラブダービー」は今年限りになるだろうとのこと。
出走申込頭数では、今シーズンの第1回開催ではアラブ193頭、サラブレッド188頭だったものが、この第4回開催ではアラブ175頭に対し、サラブレッド204頭と完全に逆転した。アラブからサラブレッドへの転換はかなりのスピードで進んでいるようだ。
来シーズンの福山のアラブは、古馬の重賞がいくつか行われる程度で、それが組まれるのも来シーズンかその次のシーズンまでだろう。その後はすべてのアラブがサラブレッドに編入されることになる。
さて、遠征というからにはヤキソバを紹介しなければいけないのだが、今回はなぜかラーメン。その後にヤキソバも食べようと思っていたのだが、結局タイミングを失ってしまった。
福山のヤキソバは、地方競馬では川崎、高知と並んでベスト3……いや、高知は「串勝」さんが閉店してしまったのでベスト2か、といえるほどおいしい。次回いつ食べられるかわからないと思うと残念だったのだが、年齢的にラーメンとヤキソバでは明らかにカロリーオーバーなので、健康を考えればこれでよかったのかもしれない。
というわけで福山競馬場内にある「尾道ラーメン」の玉子入り、500円也。
ちなみに玉子が入らないノーマルのラーメンは450円。
見てのとおり、かなり濃い醤油のスープが印象的。チャーシューはかなり柔らかく煮込まれているので、盛りつけられた時点ですでにくずれかけている。
麺がちょっと粉っぽいかなと思うのを差し引いても、競馬場で食べられるラーメンとしては秀逸。お世辞ではなく、普通に街のラーメン屋さんとしてもやっていけるレベル。
ヤキソバとともに、福山競馬場遠征の際は避けて通れない一品。
吉野ヶ里記念(7/22佐賀)、サマーチャンピオンJpnIII(8/14佐賀)へと続く、九州古馬短距離3冠の第1弾。
この時期に行われるようになった過去5年のうち昨年は佐賀勢の出走がなく、それ以外の4回はすべて佐賀勢の勝利。それも、02年は佐賀勢2頭が遠征してワンツー、03、04年は唯一の遠征馬が勝利、05年は2頭が出走して1、6着と、佐賀勢が圧倒的に強い。
今年は佐賀勢は3頭が遠征する。したがって今年も佐賀勢が優勢か……というと、今年はそう簡単にいきそうもない。
サンライズビートとフジノヘイローの存在だ。
サンライズビートは昨年夏に中央から荒尾に転入し、地元では6戦5勝。前走のA級特別では、2着に9馬身差をつける圧勝。前々走は名古屋のかきつばた記念JpnIIIに挑戦し、8着に敗れたものの、勝ち馬からの差は1.5秒とそれほど離されてはいない。荒尾ではまだ底を見せておらず、例年の荒尾のレベルには収まらない可能性は十分ある。
フジノヘイローも転入後は8戦5勝2着3回と底は割れていない。
佐賀勢の筆頭は、昨秋JRAから転入し、2戦目となった前走A1特別でオリンポスマン以下を退けたアサクササイレン。
さて、サンライズビートとアサクササイレン、どちらを上にとるかだが、中央では準オープンを走っていたこと、それからかきつばた記念で差のない競馬をしていることなどから、サンライズビートを本命にする。
相手はアサクササイレンだが、中島記念4着のギオンスピードも差はない。あとはフジノヘイローと、佐賀のナリタチャンピオン。
今年は荒尾勢が一矢報いるチャンスだろう。
◎サンライズビート
○アサクササイレン
▲ギオンスピード
△フジノヘイロー
△ナリタチャンピオン
ばんえい十勝は、いよいよナイトレースがスタートする。
ナイトレースとして最初に行われる重賞は、3歳牝馬による黒ユリ賞。昨シーズンまでは、明け3歳、つまり2歳シーズン終盤の牝馬重賞として行われていた。今年からこれを3歳牝馬の重賞とすることで、その後に続くばんえいプリンセス賞、ばんえいオークスで牝馬にも3冠路線ができた。
ここは昨シーズンの黒ユリ賞を制したニシキガールがメンバー中唯一の250万クラスと格上で、630キロを負担。150万クラスのプリンセスモモが620キロで、それ以外の8頭は100万クラスで600キロを曳く。
ニシキガールは前々走、5月19日の3歳牝馬オープン戦で、今回と同じく他馬より30キロ重い重量で惨敗しているだけに、今回もこの重量差では厳しい戦いを強いられる。馬券へ絡むのはむずかしそうだ。
この時期の牝馬は、むしろ格より調子を重視したい。その3歳牝馬オープン戦での上位4頭のうち、前走勝って勢いに乗るエリザベスライデンを中心にする。
もう1頭、その3歳牝馬オープン戦の勝ち馬で、続く100万未満の勝入戦でもエリザベスライデンを破っているペガサスプリティーが相手。
この2頭の組合せを厚く、あとは620キロは厳しいが、前走牡馬とのとかちダービーで3着と好走したプリンセスモモ、3歳牝馬オープンでエリザベスライデンに先着しているミスダイヤ、アグリタカラも。
◎エリザベスライデン
○ペガサスプリティー
▲プリンセスモモ
△ミスダイヤ
△アグリタカラ
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岩手では伝統の一條記念みちのく大賞典が行われる。10歳になった大井のコアレスハンターが連覇を狙って遠征してきた。
今回は5月20日のあすなろ賞の再戦。5着のオウシュウクラウンを除き、8着のエアウィードまで7頭が同じ顔触れ。やはりそのレースの上位馬を重視すべきだろう。
中心は、そのあすなろ賞2着のテンショウボス。前走1200メートルの早池峰賞からの挑戦はちょっと不安だが、年明け地元では5戦3勝、2着1回と安定した成績を残している。
相手には、そのあすなろ賞を制したサイレントエクセル。
10歳になったコアレスハンターも見限るわけにはいかない。今年2月の大井・金盃では、ボンネビルレコードに半馬身差まで迫っての2着と結果を残しているだけに、昨年の状態と比較しても衰えというものはあまり感じない。
そのほか、あすなろ賞3着のタイキコジャック、同4着のゲイリーエクシードまで押さえる。
◎テンショウボス
○サンレントエクセル
▲コアレスハンター
△タイキコジャック
△ゲイリーエクシード
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金沢でも伝統の大一番、百万石賞。
ここはビッグドンで断然。1年前に中央から転入して以来、地元では3着を一度も外していないという安定感が光る。
中心はビッグドンで間違いないのだが、A2やA3からの挑戦が何頭もいて、力の比較が難しい。ここはやはり格を重視して、常にA1クラスで善戦しているマヤノオスカーが相手。
3走前にA1のダイヤモンド特別を勝ち、前走のダイヤモンド特別でも勝ったビッグドンからクビ+ハナの3着と好走しているコスモスサンダーも差はない。
ビッグドンからこの2頭へ厚く。あとはA2特別を2連勝中のシャインカイザー、近走やや不振だが長距離で力を発揮するテンリットルまで押さえておきたい。
◎ビッグドン
○マヤノオスカー
▲コスモスサンダー
△シャインカイザー
△テンリットル