28日の名古屋大賞典GIIIは、なんとも豪華なメンバーが集まった。
地元東海勢は、各地のダートグレードに遠征を続け見せ場をつくるレイナワルツに、トライアルの梅見月杯を制したムーンバレイ。
他地区からは、昨年の白山大賞典GIII2着の金沢・ビッグドンに、大井から移籍し地元重賞3連勝中の兵庫・タガノインディー、そして昨年の兵庫2冠馬チャンストウライ。
なんといっても強力なのは中央勢で、昨年は地方でダートGIを3勝したブルーコンコルドに、ダイオライト記念GIIを圧勝した注目の上がり馬キクノアロー、それに佐賀記念GIIIを勝って健在ぶりをアピールしたサイレントディール。オープン実績のないアルドラゴンだけはちょっと格下の感じだが。
最初に挙げた地方勢は、いずれもメンバー次第ではGIIIなら勝てる実力はありそうな面々だが、残念ながらと言っていいのかどうか、今回ばかりは相手が悪すぎる。
梅見月杯に続いてムーンバレイの手綱をとる吉田稔騎手は、昨年暮れの名古屋グランプリGIIで、それまでダートグレードでは惨敗続きだったレッドストーンを2着に粘らせたり、マルカセンリョウ、ヨシノイチバンボシでかきつばた記念GIIIを連覇して見せるなど、馬の能力を騎手の腕でカバーするような見事な騎乗をこれまでに何度も見せてくれているが、さすがに今回の相手では、多少展開が向いたという程度では互角のレースは難しそう。
別定重量は背負っているものの、やはりブルーコンコルドとキクノアローの争いとなるだろう。
で、どちらを中心にとるかだが、キクノアローのほうを本命にしてみたい。ブルーコンコルドは、昨年10月の南部杯GIからダートの最強メンバーと厳しいレースを続けてきた。目標は少し先のGI、かしわ記念や帝王賞だろうから、59キロを背負うGIIIのここであまり目一杯の仕上げやレースはしないだろう。
この2頭の組合わせを買ったらオッズ的に手は伸ばせず、サイレントディールと、吉田稔騎手のムーンバレイを連下に挙げておく。
チャンストウライは、2歳時に中央の芝に挑戦した経験があるものの、ダート一線級との対戦はこれがはじめて。タガノインディーは兵庫で重賞を連勝しているとはいえ、大井のA2クラスで好走していたころから急激に力をつけているとは思えず、さすがに中央のこのクラスが相手では厳しそうだ。
◎キクノアロー
○ブルーコンコルド
△サイレントディール
△ムーンバレイ
キクノアロー→ブルーコンコルドの馬単と、仮に逆の決着になったときに元返しになるように、その2頭の馬連複を押さえるか……。3連単はちょっと狂えば高配当になるのだろうが、買いにくい。
ばんえい競馬は、いよいよシーズン最後の大一番、ばんえい記念を迎える。
同日に行われる福山のローゼンホーマ記念も、佐賀のはがくれ大賞典も、シーズン終盤に行われる注目の一戦であることには違いない。しかしこのばんえい記念だけは特別だ。賞金も負担重量も、ばんえいでは他の重賞よりも飛びぬけて高い、唯一無二、最高峰のレースとなる。
5連覇を目指していた王者・スーパーペガサスが復帰できないまま引退で不在となった今回は、新王者決定戦となる。
ばんえい記念は、1トン(牝馬は980キロ)という年に一度の酷量を負担するだけに、高重量戦の経験がない馬は、まず勝負になることはない。
既成勢力では、3年連続スーパーペガサスの2着というミサキスーパーの実績が断然。しかし今シーズンは、ばんえいグランプリで2着という結果があるのみで、勝ち星がない。長く一線級での戦いを続けてきて衰えが心配される。
もう1頭の実績馬はシンエイキンカイ。なかなか勝ちきれないタイプだが、高重量戦では確実に上位に食い込み、何よりばんえい記念で2度の3着という経験は強みとなる。
03年のばんえい記念で2着の実績があるヒカルセンプーだが、近走はオープンクラスでは苦戦を続けていて、さすがに今回はきびしいだろう。
新興勢力の筆頭格は、正月の帯広記念をトップハンデで制したトモエパワー。ばんえい記念は初挑戦だが、一気に突き抜ける可能性は秘めている。
昨年の帯広記念の勝ち馬ミサイルテンリュウは、雨か雪で馬場が軽くなれば台頭しそうだ。
それ以外の馬たちはいかにも経験・実績不足で、ここまでに挙げた5頭のうち、ヒカルセンプー以外、4頭の勝負となるだろう。
新興勢力の2頭、どちらを中心にしようかと思ったが、どうやら天気予報によると当日は雨のようで、ミサイルテンリュウを本命にする。ただ、この4頭ならどれが勝っても不思議はない。
◎ミサイルテンリュウ
○トモエパワー
▲シンエイキンカイ
△ミサキスーパー
アラブもだいぶ層が薄くなり、今回のローゼンホーマ記念は全国交流として行われる。金沢、笠松、名古屋、高知から各1頭ずつが遠征してきた。
条件クラスも何頭かいて、力関係がはっきりしている感じだ。
バクシンオーのいないここは、ユノフォーティーンが不動の中心でいいだろう。
相手には金沢のグリーンジャンボ。近走はサラブレッドとの戦いで、ケンゴウザンやチヨノドラゴンなどトップクラスと互角のレースをしているだけに、あっさり勝ってしまう可能性もある。
福山アラブの2番手はヤスキノショウキ。そして福山時代に重賞実績もあり、現在名古屋ではサラA級でレースをしているモナクカバキチまで。
◎ユノフォーティーン
○グリーンジャンボ
▲ヤスキノショウキ
△モナクカバキチ
はがくれ大賞典は7頭立てと、やや寂しいメンバー構成となった。
ここは佐賀記念GIII5着のタイキシリウスか、3連勝でオープンまで制し、これが重賞初挑戦となるシルクメイジャーか、というレースとなりそう。
ここは経験豊富なタイキシリウスを上にとる。どちらかが崩れたときに食い込む可能性がありそうなのは、ザオリンポスマン。
◎タイキシリウス
○シルクメイジャー
△ザオリンポスマン
高知競馬場へ。
もちろん新人王争覇戦と黒船賞の取材なのだが、レースについては赤見さんのブログにお任せする。
が、ひとつだけ。存廃論議の渦中にあった岩手からは2人のジョッキーが招待されていたのだが、そのうちのひとり、山本聡哉(としや)くんが勝ったのはよかった。会心のガッツポーズが出た。
さて、通常ならヤキソバなのだが、今回は趣向を変えて焼きうどんにしてみた。
高知競馬場では、名物のひとつに鯨カツがあったのだが、それを扱っていた「串勝」さんが、おやじさんが病気とかで完全閉店してしまった。
じつは、その「串勝」のヤキソバが、ぼくの中では地方競馬でベスト3に入ろうかという絶品のヤキソバだったのだが、これが食べられなくなったのは残念至極。豚の脂カスのようなものと、なんといってもとなりで煮込まれているおでんのダシが隠し味としてイイ味を出していたのだった。
というわけで、「串勝」のヤキソバが食べられないのならむしろ別のものにしたほうがいいだろうと思い、代用というわけでもないが焼きうどんにしたというわけ。
で、今回は「はっとり」の焼きうどん350円也(スタンド下でなく、スタンド裏から離れた店舗のほう)。
まず焼きうどんといって、出されるまでにワクワクするのが、しょうゆ味なのかソース味なのかということ。
まったく別の仕事で全国を回っていたころの経験なのだが、焼きうどんは、関東など東日本はまずほとんどがしょうゆ味なのだが、名古屋あたりを境にソース味が多くなるのだ。名古屋圏はお店によってしょうゆとソースがだいたい半々。関西圏になると、むしろソース味のほうが多くなる感じ。あくまでもぼくの経験だけど。
果たして出てきたのは、しょうゆ味だった。
まず目に飛び込んできたのは、写真を見てもわかるとおり、長ネギの青い部分が大きいまま入っているということ。そのほかの具は、モヤシを中心に、豚肉、キャベツ、ニンジン。そしてたっぷりの鰹節と青ノリに、紅ショウガ。食べてみるとけっこうコクがあるのは、揚げ玉(天カス)が入っているからだろうか。
これで350円は、なかなか満足のボリューム感。
「串勝」のヤキソバのように、ハッとするような驚きはないものの、オススメの一品です。
そしておまけ。
「あ〜ん、記事がなかなかアップできな〜い」と苦悩しながらひたすらパソコンのキーボードを叩く赤見千尋の図。
21日は、高知競馬、年に一度のお祭り、新人王争覇戦と黒船賞GIII。おまけに条件交流のはりまや盃もある。
第7レースには「リバーセキトバ号特別」というレースもあり、現在は土佐黒潮牧場で余生を送っているリバーセキトバも、この日は高知競馬場にお目見えするらしい。
リバーセキトバは、言うまでもなく、第1回黒船賞の勝ち馬。ぼくはあのとき競馬場にいて、ごくまっとうな人気どおりの馬券を買っていたのだが、パドックで鞍上の北野真弘くん(現在は兵庫に所属)の気合を見て、予想とはまったく関係ないリバーセキトバの単勝を500円買い足したのだった。
だからあのときのことは今でもかなり鮮明に覚えている。
黒船賞は今年第10回だから、あれからもう9年もたったのかとも思う。
当時はまだダート路線の層がそれほど厚くなく、メンバーを見ると、なるほど地方馬でも勝てるかもしれないメンバーだなという感じはする。
その後黒船賞は、フェブラリーSからの間隔がちょうどいいからなのか、GIIIのわりにはチャンピオン級の馬が集まるようになり、地方勢にはなかなか勝ち目のないレースになってしまった。
ノボジャック(2回)、サウスヴィグラス、マイネルセレクト、ブルーコンコルドと、過去の勝ち馬のうち4頭(5回)がGI勝ち馬となっているというレベルの高さだ。
あれから高知競馬はレース全体の賞金がだいぶ下がってきているので、近年では残念ながらますます勝つのが難しくなっている。
地方競馬の中には、近年までアラブ中心だった福山などは別にしても、実はダートグレードをまだ勝っていない地区があるのだが、高知はあのとき勝っておいてよかったと、つくづく思う。
そして今年のメンバーにもなんとGI馬がいる。ノボトゥルーだ。
もう11歳で、さすがに無理だろう。
ここは昨年末の兵庫ゴールドトロフィーGIIIのレースぶりが印象的だったリミットレスビッド。といいたいところだが、今回あたりは人気も落ちるだろうから馬券的にはメイショウバトラーを中心にしてみたい。近走は思い通りのレースができずに結果を出せていないが、ブルーコンコルドに差されたものの、JBCマイルのレースぶりはかなりの可能性を感じさせた。
地方勢で可能性がありそうなのは、兵庫ゴールドトロフィーでそれほど差のない4着に食い込んだベストタイザン。
先行して砂をかぶらずにマイペースでレースができたときだけ好走するロッキーアピールが外枠に入ったので、この馬もおもしろいかもしれない。05年のこのレースで3着、昨年2着、とくれば今年は……なんて甘くはないだろうが。
キングスゾーンは浦和記念2着のときのような勢いが感じられないので見送る。
◎メイショウバトラー
○リミットレスビッド
▲ニホンピロサート
△ノボトゥルー
△ベストタイザン
×ロッキーアピール
福山のサラ系キングカップだが、この世代は有力馬のほとんどが牝馬で、それらは当然のことながら日曜日のサラ系クイーンカップのほうに出走してしまった。
普通に考えれば、そのサラ系クイーンカップを勝ったモモカプリンセスの4着があるサクラハートの実績が上位。
ほかでは、わりと上のほうのクラスで走っているシルクニューヒット、シークラッカー、キングスターリーあたりでどうだろう。
◎サクラハート
○シルクニューヒット
▲シークラッカー
△キングスターリー
福山にもサラブレッドの重賞がだいぶ増えてきた。
18日(日)に行われるのは、3歳牝馬によるサラ系第1回クイーンカップ。21日にはサラ系第1回キングカップがあり、アラブによるクイーンカップ、キングカップもすでに行われた。
ちょっとややこしいが、同じレース名で「サラ系」とつけたのは、近い将来にはアラブの重賞がなくなっていくので、必然的にサラ系のほうがただのクイーンカップとキングカップに移行するのだろう。
この世代は昨年2歳時にサニーエクスプレスが他馬を寄せつけない一方的なレースでデビューから連戦連勝だったが、姫路に遠征した姫路プリンセスカップで初の敗戦を喫すると(2着)、それでショックを受けてしまったのか、その後はまったく勝てなくなってしまった。今は古馬C2に格付けされているが、残念ながらここ2戦は1250メートルのレースで勝ち馬から2秒以上離れた惨敗続き。
ここは、そのサニーエクスプレスのあとに台頭したスターゴールドや、サンアルカローラ、シバマリンなどをことごとく負かしてきているモモカプリンセスが軸で間違いないだろう。3走前にはシバマリンにクビ差で敗れ、不覚をとったが、その後は今回と同じ1600メートルの3歳1組のレースを2連勝。古馬C級に編入されているサニーエクスプレスとスターゴールドにも勝負づけは済んでいる。
スターゴールドやサニーエクスプレスも馬券に絡む可能性もなくはないが、対抗勢力はやはりシバマリンとサンアルカローラ。
当然モモカプリンセスからの流しだが、オッズ次第では△の2頭は切ってしまうかも。
◎モモカプリンセス
○シバマリン
▲サンアルカローラ
△スターゴールド
△サニーエクスプレス