読売レディス杯は、JRAエリザベス女王杯のステップ競走代表馬選定レースで、昨年まで名古屋勢が4連勝。ここ6年のうちでも5勝と圧倒的な成績を残している。
今年もその名古屋から2頭が遠征。ほかに笠松も2頭、そして昨年からサラブレッドが導入された福山からもいよいよ重賞に遠征してくる馬が現れた。
そしてやはりといおうか、今年も名古屋勢の実績が上位。特にマイネフォクシーは、正月の新春盃、そして6月のサマーカップと、牡馬を相手に重賞を制している。またマイル争覇では2着、東海桜花賞では3着に敗れているものの、いずれも牡馬一線級と差のない競馬をしているだけに、このメンバーでは不動の本命だろう。
相手も名古屋のマヤノレハーナ。まだB級だが、中央から移籍し4戦3勝、2着1回と底を見せていない魅力がある。
そのほかでは、笠松のニッシングリン。昨年夏のくろゆり賞2着の実績があり、昨年5月以来南関東や園田への遠征競馬を除けば連対を外したのは前々走の3着1回のみ。
地元金沢勢では、前走A2特別をかったカゴヤコスモスに、その2着だったキヌガサアジュディ。それにA1でトップクラスに入って差のない競馬をしているルスナイパラダイスまで。
◎マイネフォクシー
○マヤノレハーナ
▲ニッシングリン
△カゴヤコスモス
△キヌガサアジュディ
△ルスナイパラダイス
馬券は、マイネフォクシーが頭の馬単でいいと思う。しかし人気どおりに決まるとトリガミになる可能性があるので、金額で強弱をつけるか買い目を絞る必要があるかもしれない。
3連単ならマイネフォクシー1着固定の2、3着5頭ボックスで20点買いでどうでしょう。
地元岩手VS南関東で混戦のせきれい賞
芝のせきれい賞といえば3連覇がかかっているサイレントグリーンだ。しかし昨年のせきれい賞以来勝ち星がないうえに、昨年も一昨年も勝っていた前哨戦のかきつばた賞で今年は1番人気に支持されながら3着に敗れてしまった。サイレントグリーンをどうするかが今回の予想のカギとなりそうだ。
そのかきつばた賞では、ヤマヨダイナミックのレースぶりが強烈だった。ダッシュがつかず最後方からの苦しい展開となったが、3〜4コーナーで一気にマクって進出。4コーナーでは大外を回りながらゴール前で鮮やかに抜け出した。その後2走は惨敗だが水沢でのレースでもあり、これは参考外と見てよさそう。今回と同じ舞台で、地元有力馬が同じような顔ぶれなら、この馬を地元の筆頭にしないわけにはいかないだろう。
そして3連覇を狙うサイレントグリーン、かきつばた賞2着だったジェーピーバトルも争覇権だが、遠征馬との力関係が難しい。
大井のウエノマルクンはタイトルこそないものの重賞の常連。昨年、今年と中央の日経賞GIIと福島テレビオープンに挑戦し、掲示盤にこそ載っていないが、勝ち馬との差はそれほどない。このメンバーなら十分勝ちきれる力もありそうだ。
中心はヤマヨダイナミックとウエノマルクン。3番手にやはりコース実績のあるサイレントグリーン。以下は、転入2戦目だが中央準オープンの芝の長距離で実績があるイエローボイス。それから中央の重賞で善戦していた船橋のアンフィトリオン。ジェーピーバトルまで入れたいがさすがにそこまでは印が回らない。
◎ヤマヨダイナミック
○ウエノマルクン
▲サイレントグリーン
△イエローボイス
△アンフィトリオン
人気がそれほど偏りそうもないので、3連単5頭ボックスの60点買いでも当たればプラスになりそうな気がする。
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銀杯はバクシンオーの次席を巡る争い
福山アラブ3歳馬といえば、福山ダービーで2着に3秒1もの差をつけぶっちぎったバクシンオーだが、福山ダービーの勝ち馬はこの銀杯には出走資格がないらしい。そのため7月23日の古馬A3特別(1600メートル)を使ったのだが、ここでも後続を3秒2もちぎった。古馬のこのクラスに入っても楽勝なのだから、力は断然抜けている。
さて、そのバクシンオーの抜けた銀杯だが、出走10頭中、福山ダービーに出走していたのが7頭で、残り3頭はこれが重賞初挑戦。その3頭の中にはこれといった上がり馬もなく、前走広島県馬主会会長賞を勝ったパラディースが目立つ程度で、それでも連下が精一杯の感じ。
それでは、ということで取り上げたいのは福山ダービー4着のラッキーハート。福山ダービーではスタート後にバクシンオーに競りかけていって4着に粘ったレースぶりは価値がある。
同じくバクシンオーに競りかけ、しんがり10着に敗れたフジノコウザンは、その後3連勝と好調。
福山ダービー2着のユタカオーサマは中団からレースを進め、展開が味方した感じだったので、ここは押さえまで。
◎ラッキーハート
○フジノコウザン
▲パラディース
△ユタカオーサマ
◎−○の馬連複を厚く、あとはその2頭から▲△に流す。
北陸・東海・近畿地区のJRA天皇賞・秋ステップ競走代表馬選定レースとして名古屋競馬場で行われる名港盃。
今年6月、デビューから約8カ月で50勝を挙げた山本茜騎手がここは重賞初制覇のチャンス……と思ったが、ウイニングウインドは丸野勝虎騎手に乗替りとなった。4月の東海桜花賞では、逃げて、粘って、粘って、粘って、タイトルはもう少しのところまで来ていたのだが、中央から移籍緒戦のマヤノモーリスに最後の最後で半馬身差されてしまった。ここ2戦も2番人気ながら勝利。特に前々走ではレッドストーンの追撃を許さずの逃げ切りは価値がある。2キロ減量での勝利だが、57キロは東海桜花賞で経験済みで、ここは初重賞制覇のチャンス。
で、山本茜騎手はといえば、こちらもお手馬のマジックスクエアに乗るわけだが、今年名古屋に移籍してきてからは勝ち星がなく、勝ち負けは難しい。
本人にとっては残念な乗替りとなったが、これも一流ジョッキーとなる過程での試練かもしれない。
ウイニングウインドが本命で、相手筆頭は園田フレンドリーカップを制したケイアイダンシングで、もう1頭は中央から戻ってきたタカラアジュディ。
中央の障害オープンから移籍緒戦となるシアトルリーダーは、平地を走っていた時代は1000万下を勝ったが、ダート経験は1戦のみで大敗だったため、ここは疑ってかかる必要がある。押さえはこの馬と、オグリキャップ記念3着のトーコーカントまで。サラのオープンクラスで好勝負をしているアラブのモナクカバキチだが、重賞のこのメンバーでは流れが厳しくなりそうで、ここは見送る。
◎ウイニングウインド
○ケイアイダンシング
▲タカラアジュディ
△シアトルリーダー
△トーコーカント
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荒尾競馬場で行われる3歳馬による荒炎賞は、佐賀から2頭が参戦。
佐賀の牡馬トップクラスが出走してこなかったのがやや残念だが、それでもここは佐賀勢2頭が有力。中心は、ル・プランタン賞を制し、前走は関東オークスGIIに遠征(9着)したブライダルサンデーで間違いないだろう。
相手には、鯱の門特別でブライダルサンデーの3着があるスイングブレーヴ。母が荒尾から大井に移籍し、重賞戦線で活躍したスイングバイということでも注目される。
荒尾勢で一角崩しがあるとすれば、ケイウンヘイロー。九州皐月賞荒尾ダービーで9着に敗れたあとは、3連勝と好調だ。
3連複や3連単の3着ならほかの馬にもチャンスがあるだろうが、1、2着の勝負はこの3頭のように思う。
◎ブライダルサンデー
○スイングブレーヴ
▲ケイウンヘイロー
今年で第50回と歴史を刻んできたMRO金賞だが、近年さまざまに競走条件を変えてきた。99年からは、3歳馬によるJRA菊花賞のステップ競走代表馬選定レースとして定着している。当初は東海・北陸地区の交流だったが、兵庫や福山にサラブレッドが導入されたのにともない、近畿地区、中国地区へと交流の範囲を広げてきた。
JRA朝日杯フューチュリティステークスのステップとなる兼六園ジュニアカップでは笠松所属馬が過去7年で4勝と活躍しているのに対し、このMRO金賞は笠松勢との相性が悪く1勝もしていない。地元金沢勢が4勝と優位に立っている。
ところで、たびたびこの「MRO」とは何だ?というのが話題になるのだが、地元の人たちにとっては何のことはない、北陸放送の愛称らしい。多くの地元新聞では、「MROテレビ」「MROラジオ」と表記されているのだそうだ。
さて、そのMRO金賞だが、今年は笠松、名古屋、兵庫から各2頭と遠征馬が揃い、地元金沢勢は5頭が出走する。
まず地元勢では、マトリックスが実績上位。無敵のセンパツトモ不在のここは、ぜひとも重賞タイトルを獲っておきたいところ。
コーワティアラは、北日本新聞杯は6着だったものの、その後は5戦して4勝。1度の敗戦はマトリックスの2着というもので、成長ぶりが目立つ1頭。
新興勢力では、今年4月にデビューし4戦負けなしのチヨノドラゴンや、前走中央との条件交流では4着に敗れたものの、地元最先着のウエスタンサニーに可能性がある。
遠征勢では、メンバー中唯一の重賞勝ち馬、笠松のオクトパス、兵庫ダービー4着のクラウンボーイ、中央から名古屋に移籍して2連勝のマコトタイセイあたりが有力。
抜けた実績馬がいない代わりに、各地からそこそこの馬が出走してきて比較が難しいが、ここは未知の魅力も含めてマコトタイセイから狙ってみたい。名古屋転入緒戦のアジサイ特別では、東海ダービー3着のホウライカップや、オクトパスと勝ったり負けたりのマウタンを相手に堂々1番人気で勝利を収めている。この相手関係を見れば、重賞で通用しても不思議はない。
マコトタイセイからの流しで、相手は地元期待のマトリックス、笠松のオクトパス、兵庫のクラウンボーイ、地元のコーワティアラ、チヨノドラゴンまで。
人気が読めないので難しいが、もしマコトタイセイが人気を集めるようなら印上位に絞る。
◎マコトタイセイ
○マトリックス
▲オクトパス
△クラウンボーイ
△コーワティアラ
△チヨノドラゴン
今年14回目を迎えるばんえい競馬の重賞・北斗賞は、第1回から第10回まではシーズン最初に行われる古馬の重賞として親しまれていた。しかし03年からは旭川の開催が春だけになったことで、地名のついた旭王冠賞を春の旭川開催で行うしかなくなり、北斗賞は押し出せれる形で夏の岩見沢開催となった。
そして定量戦で行われる古馬の重賞は、ばんえい最大のレース・ばんえい記念と、この北斗賞のみ。北斗賞がシーズン最初の重賞だったころはそれでもよかったが、この時期に行われるのに定量戦はどうなのだろう。力関係もある程度はっきりしてきているし、年度内の獲得賞金もかなり差がついてきている。別定戦にしたほうが馬券的に妙味が出ると思うのだが。
さて、ばんえい競馬といえば王者スーパーペガサスだが、この北斗賞には登録すらなかった。今シーズンは旭川で2戦して2、6着。スーパーペガサスにとっては、もはや目標はばんえい記念5連覇しかなく、無理せず最後の大一番に絞って調整していくのだろう。この北斗賞にしても、02年から04年に3連覇しているだけに、どうしても欲しいタイトルというわけでもない。
登録の段階では、サダエリコ、ミサイルテンリュウ、アンローズの三つ巴だろうと考えていたのだが、残念ながら岩見沢コース得意のアンローズが回避してしまった。それで定量戦となれば、ここは旭王冠賞で1、2着のサダエリコとミサイルテンリュウの一騎打ちで仕方がない。
20キロ差の旭王冠賞ではサダエリコが先着したが、15キロ差に縮まった7月2日のマロニエ賞では、ミサイルテンリュウが勝ち、間にアンローズを挟んでサダエリコは3着だった。
ここは20キロ差に戻ったためサダエリコのほうに分があり、と考えるのが普通かもしれない。しかしミサイルテンリュウにとっては、タイトルは昨シーズンの帯広記念しかなく、とにかく重賞タイトルを積み重ねたいところ。旭王冠賞の雪辱に賭けるミサイルテンリュウのほうを本命にする。
相手はもちろんサダエリコで、この2頭に続くのは、岩見沢で調子を上げてきたヨコハマボーイと、旭王冠賞3着のミサキスーパー。しかし上位2頭の組み合わせを買うと、オッズ的にそれ以外の馬券まで回らないような気がするがどうだろう。
◎ミサイルテンリュウ
○サダエリコ
△ヨコハマボーイ
△ミサキスーパー