オグリキャップ記念は、トライアルのスプリング争覇に続いて名古屋のレッドストーンが逃げ切った。
好スタートを切ったレッドストーンは、鞍上の倉地学騎手が気合を入れてハナを主張。これは前走スプリング争覇を制したときから角田輝也調教師が強調していたとおりだ。
2番手争いが激しくなったが、結局はクインオブクインが単独2番手で、ペースが落ち着いたところで先頭のレッドストーンに半馬身から1馬身の直後をぴったり追走。人気2頭がレースを引っ張り、このまま決着するのかと思われたが、3〜4コーナーでクインオブクインの手ごたえが怪しくなった。
直線を向くとレッドストーンが単独先頭。2、3着には兵庫のマイネルサイプレスとトーコーカントが押し上げたものの、レッドストーンを脅かすまでには至らなかった。
レッドストーンは、久々の直接対戦となるクインオブクインと、中央から移籍2戦目のマヤノモーリス以外はほぼ勝負付けの済んでいるメンバーで、やはりここでは力が抜けていた。
近走ダートグレード戦線で善戦してきたことで2番人気となったクインオブクインは結局5着に沈んだが、おそらく勝つためにはレッドストーンを執拗にマークするしかなかったのだろう。勝ちにいっての完敗だった。
しかし、倉地騎手がレース後に「今回はマークされたぶん、少しきついレースになった」と語ったとおり、クインオブクインがぴったり直後を追走したことでレッドストーンにとっても苦しいレースとなった。レコード勝ちした3走前の六甲盃(姫路)でも2着は同じくマイネルサイプレスだったのだが、このときは楽々と4馬身も突き放していたのが、今回は1馬身半まで詰められた。
そして角田輝也調教師は、前々走の名古屋大賞典GIIIで10着に敗れたのに納得がいかなかったのか、それともよほど悔しかったのか、この2戦は、いずれ再び中央の一線級と対戦するであろうことを想定してレースに臨んでいた。
「とりあえずここが最大の目標だったので、まだ先は考えていません。1800〜2000メートルを集中的に使って、そういう距離のスペシャリストを作ろうと思ってやっています」
次回、どのタイミングでダートグレードを使うかはわからないが、名古屋大賞典GIIIのときは違うレッドストーンのレースぶりが見られるに違いない。