2年連続でオッズパーク杯ガールズグランプリに出場し、先日で200勝を達成した尾方真生選手(福岡118期)。近況の振り返りや、ビッグレースに対する気持ちを伺いました。
山口みのり:まずは高知での200勝達成おめでとうございました。
尾方真生選手:ありがとうございました。
山口:意識はしていましたか?
尾方:今年の目標の一つでしたが、走っている時は意識していなくて、お客さんに言われて気づきました。
山口:そうだったんですね。200勝達成を振り返っていかがですか?
尾方:先輩たちには「もう200勝なんだ、早いね!」と言われるのですが、自分では自力を出せたレースもあるんですが、大きいレースではなかなか勝てないのでしっかり練習をしないといけないなと感じます。
山口:ではビッグレースの話もお伺いします。苦戦している、という具体的な部分はどんなところだと感じますか?
尾方:デビューしたばかりの時はすんなり逃げさせてもらえていたので結果も出ていたんですが、最近は逃げようと思ってもなかなか逃げさせてもらえません。仕掛けても「前まで出られないかもしれない」と怖くなってしまい、出しきれないレースが、特にビッグレースで多いです。
山口:ガールズケイリンフェスティバル(函館)ではそんなレースも多かったですね。戦法を変えていくというのは意識しますか?
尾方:私は逃げた方が勝てることが多いとわかっているんですが、そうじゃない時にも勝てるようにしていきたいです。普段のレースから捲りをしていこうと今年は意識しています。
山口:決まり手が、捲りや差しも増えてきてますね。意識しているんですね。
尾方:そうですね。
山口:練習方法も変わってきていますか?
尾方:今年の4月からウェイトトレーニングを始めました。それまでは全くやっていなかったんですが、まだ実感はありませんが徐々にあらわれてくるのかなと思います。
山口:どなたかのすすめだったんですか?
尾方:師匠(藤田剣次選手・福岡85期)のお姉さんにマッサージをしていただいているんですが、その方に「ウェイトをしてみたら?」とすすめてもらいました。師匠も、今はされていないんですが、一時期ウェイトをしていて、「力が入りやすいから良いよ」と聞いていたんです。それでやってみようかなと4月から始めました。
山口:新しい練習メニューを取り入れようと思ったのも、きっかけがあったんですか?
尾方:予選は勝てて決勝まですすめても、決勝で勝てない時期が多かったからです。先輩たちの上りタイムもすごいので、そんな皆さんに勝つためには違うことをやった方が良いのかなと思いました。
山口:近くに強い選手もいらっしゃいますもんね。
尾方:久留米はトップ選手が多いですし、今は人数もかなり増えています。一緒に練習してすごいタイムもみんなが出しているので、もっと頑張らないといけないなと思います。
山口:久留米へ出稽古に行く選手も多いと伺います。
尾方:そうですね。最近は本当にたくさんの方が来られています。藤田さんの指導を求めて来られる方も多いと聞きます。
山口:出稽古に来る選手もいることで、練習のモチベーションも変わりますか?
尾方:はい。いつものメンバーではなく県外から来た選手たちと一緒だと、更に頑張ろうという気になりますね。
山口:ここまで賞金ランキングは4位(2023年9月中旬)ですが、この位置はどう見てますか?
尾方:毎年ギリギリでグランプリに出場できているんですが、今年は余裕を持って決めたいと思っていました。でも現状だとまだギリギリなので、まず松戸の『オールガールズクラシック(GI)』をしっかり頑張れるようにしたいです。
山口:今年の賞金ランキングは接戦ですね。
尾方:そうですね。一走一走が勝負ですし、GIは勝負だと思います。まだ私自身、優勝ができるかの自信はないですが、まずは決勝に乗れるようにしたいです。
山口:オールガールズクラシック(GI)はティアラカップ(特選)からのスタートですから有利ですね。
尾方:そうですね。ギリギリ7番手でティアラカップから走れることになりました。
山口:ティアラカップの選考は、期間内の賞金上位者です。狙っていましたか?
尾方:いえ、全然気にしていませんでした。記者さんに「松戸はティアラカップからですね」と言われて、「ティアラカップって何ですか?」と答えてしまいました(笑)
山口:そうですか(笑)
尾方:それで「特選からスタートですよ」と言われて初めて有利なんだと思いました。ラッキーです。
山口:準決勝へいけるのは有利ですもんね。
尾方:はい。勝ち上がりを見たら、「予選からは1、2着と3着は4名が準決勝へ」とあったので、良かったなと思います。
山口:半年間の頑張りの成果ですもんね。
尾方:はい!良かったです。
山口:尾方選手、松戸は1回しか走ってないですけど覚えていますか?
尾方:うーん、追加で1回走って、(児玉)碧衣さんが優勝したのは覚えているんですが、あんまり感覚は覚えていないです。
山口:33バンクもあんまり走っていないですよね?直近だと2月の前橋(完全優勝)くらい。
尾方:そうですね。もがき出す距離がいつもの400バンクよりは早いと思うので、それは意識したいです。
山口:ティアラカップのメンバーは既に出ていますが、印象はいかがですか?
尾方:すごい強い先輩ばかりなので、しっかり自力を出していきたいと思います。
山口:ティアラカップのメンバーでは今年は児玉碧衣選手(福岡108期)と久米詩選手(静岡116期)がビッグレースを優勝しています。久米選手は今年一気にランキング上位にきましたが、意識はされますか?
尾方:函館のガールズケイリンフェスティバルの時に、自分は全くダメでしたが、詩ちゃんは優勝しました。その後、詩ちゃんに「自信持って走ったら大丈夫だよ」と励ましてもらえました。実は、前からお互いに励まし合っている仲なんです。 今年は詩ちゃんの調子が良く大きいレースも優勝しています。自分もビッグレースを勝てる選手になりたいので、詩ちゃんだけ特別に意識はしないですが、他の先輩たちと同じように、誰にも負けたくない気持ちはあります。
山口:児玉選手については、身近な存在だと思いますが、いかがですか?
尾方:碧衣さんは、今はまだ手が届かないところにいます。それはパールカップ(GI)を優勝した時にも思いました。最近は碧衣さんに「私のこのレースどうでしたか?」と質問して、自分に取り入れられる事は少しでも取り入れようと教えてもらっています。すごく良い姉弟子だし、いつかは追いつきたいと思う選手です。
山口:ではこの後GIが2つありますが、そこへ向けてはいかがでしょう?
尾方:そんなに意識はせずに、自分のレースをやっていきたいです。
山口:ガールズグランプリに向けてはいかがですか?
尾方:自分のレースをしていって、グランプリが決まったら良いですね。3年連続、グランプリを走りたい気持ちはあります。
山口:デビュー翌年からガールズグランプリを走っていますが、今年はGIも新設され一気に様相が変わったと思います。1年の流れも変化したと思いますが、いかがですか?
尾方:GIが3つできて、そこを優勝できたらグランプリ出場です。いつも私は11月の競輪祭トライアルレースの賞金で決めていたんですが、毎年ハラハラして走っていました。それは嫌なので、『競輪祭女子王座決定戦(GI)』に入るまでには、グランプリ出場を決めていたいですね。
山口:そうなると、GI優勝、もしくは賞金ランキング5位以内くらいになるんでしょうか。賞金争いも変わってくるんですね。
尾方:そう思います。
山口:より、オールガールズクラシック(GI)のティアラカップから、というのは有利ですね。
尾方:大きいですね!
山口:では今年のパールカップ(GI)の感想を伺いたいです。
尾方:普段のビッグレースと、私はそこまで雰囲気の違いは感じなかったです。
山口:そうですか。松戸はオールガールズですから、雰囲気は違うかもしれませんね。
尾方:そうですね。去年の平塚での10周年アニバーサリーレースにも走らせてもらったんですが、そっちの方が雰囲気は普段とは全然違いました。
山口:男子がいない開催というのはいかがでしたか?
尾方:宿舎や控室も同期と一緒でした。普段の開催よりも先輩たちともたくさん話せて、私はすごく楽しかったです。
山口:それは良かったです。松戸はGIですからまた違うと思いますが、できるだけレース以外はリラックスできたらいいですね。
尾方:そうですね。
山口:では後半に向けて、どんなことを意識して走りたいですか?
尾方:最近は着を狙う小さいレースになってきているので、もう一回、先行を含めて思い切ったレースをできたら良いなと思います。
山口:ありがとうございます。それでは最後にオッズパーク会員の皆様へ、『オールガールズクラシック(GI)』への意気込みをお願いします。
尾方:特選のティアラカップスタートなので、普段より思い切ったレースができるようにしたいです。これからも自力を出したレースをできるように頑張っていくので応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。
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※写真提供:公益財団法人 JKA
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