今年6月にS級への特別昇級を果たし、その勢いのまま参加した地元の久留米記念(GIII)でも先行で活躍し、全国にその名を知らしめたデビュー2年目の後藤大輝選手(福岡・121期)。
若者らしくSNSも積極的に活用している後藤選手の今後の目標やSNSの反応に対する思いなど、様々なお話を伺いました。
ナッツ:まずは、今年6月のS級特進おめでとうございます。
後藤:ありがとうございます。
ナッツ:特進前、今年前半戦ではA級で6回の優勝を飾りましたが、振り返ってみていかがでしょうか。
後藤:自分としては、ちょっと波がある前期だったなっていうのがあります。
優勝は6回できたんですけど、いざ優勝しないといけない時に負けてしまったりとか、レースの組み立てが自分の中で失敗してしまったりとか...。S級が決まってる上で、色々勉強しながらやっていきますっていう時に、それが全然レースで出せずに終わったりしていたので、自分の中では、あまり納得いっていない前期になりました。
ナッツ:着順だけ見ると、本当にもう優勝が何度もという感じですが、ご自身の中ではどのあたりにそれを感じたのでしょうか。
後藤:来期S級が決まっていたことで、S級ではこういう走りをしないといけないっていうのが頭にあって、自分のレースが全然できずに終わってしまっていたという部分で、レースに一番影響が出てしまったのかなって思いますね。
ナッツ:特進決める前の5月の佐世保の時には、準決勝で敗れるということもあったのですが、やはりあのあたりも、ご自身の中では納得できなかったんでしょうか。
後藤:そうですね。やっぱり緩めたら来るなっていうのは、あの時に1番わかりましたし、すごく勉強になりました。
ナッツ:ただ、そこからその反省を活かして9連勝し、小倉で特進決めました。特進を決めた時のお気持ちはいかがでしたか。
後藤:熊本の谷口さん(谷口力也選手・熊本119期)と同県の鶴先輩(鶴良生選手・福岡111期)と決勝で連携できたっていうのもすごく大きかったですね。それまでは特進のチャンスが2回あったんですが、両方とも不利な展開で流れが悪い状況だったので、今回はラインが出来てようやく自分の力が発揮できるような状況でした。
自分のスタイルである先行で特進ができたので、すごく自信になった開催でしたね。
ナッツ:やはり、ああいう大事な時って、どうしても構えてしまうようなイメージがあるのですが、そこをしっかりと仕掛けてっていうのはお見事ですね。
後藤:他の同期のレースを見ていると、構えていたらミスするところしか見ていなかったので、ダメでもいいやという気持ちで、もう早め早めに仕掛けた結果が特進という形に繋がってそれはよかったのかなと思います。
ナッツ:その特進がかかったタイミングで、月末に地元記念があるっていうのは分かっていたと思うんですが、そのあたりの意識っていうのはいかがだったんでしょうか。
後藤:いや~そんなに。笑
まあ、出れたらいいなっていうぐらいだったんですけど、いざ出場が決まった時は、追加の電話の時からちょっと緊張してましたね。
ナッツ:やっぱりその緊張というのはワクワクドキドキっていうような。
後藤:まあ、そうですね。ただ、固まるような不安になるような緊張じゃなく大丈夫かなっていう、再確認の緊張というか、自信はある中での良い緊張でしたね。
ナッツ:その緊張状態の中行われた地元の記念で大活躍をされました。
初日いきなり1レースで白星をあげましたが、そのあたりのご自身の心境はいかがでしたか。
後藤:初日坂本健太郎さん(坂本健太郎選手・福岡86期)とか藤田さん(藤田剣次選手・福岡85期)と並べるとは思っていなくてびっくりしました。
ただ、1レース1番車なのかなっていう、ちょっと自分なりの予感は少しだけありました。そして9車がちょっと不安な部分がすごくあった中で、しっかり突っ張って、流れを見ながら仕掛けていけたのは自分の中で自信になりましたね。
ナッツ:その9車の対応という部分は、何か練習の時から考えてされていたんですか。
後藤:9人でもがくっていうのが練習でもできないんで、 やっぱりもうレース動画を見るっていうのをひたすら繰り返してて、そのレース動画を見ても、実際やってみないとわかんないじゃないですか。
ただその中でもできる限りのことをして、初日を走って自信になって、そこから、2走目3走目とどんどん自信がついたのかなと。
ナッツ:師匠の桑原亮選手(福岡・91期)からは、9車を走るにあたって、アドバイスはありましたか。
後藤:自分自身がダッシュ型より地脚型で、「長い距離を踏めるというところが活かせるから9車が合っているんじゃないか」というのは師匠からアドバイスをもらっていて、実際それが良かったのかなと思います。
ナッツ:そしてやはり個人的にもあの準決勝がすごく印象に残っているんですが、脇本選手(脇本雄太選手・福井94期)などを相手に本当にゴール前まで粘って粘ってという感じで素晴らしい先行だったのですが、いざ戦ってみていかがでしたか。
後藤:いや、もう楽しみでしかなくて、逆に緊張とかは捨てていて。戦えるだけで楽しみですし、どこまで行けるのかなっていう。
ゴールまで自分が先頭で行ければいい、っていうワクワクした感じで挑めたんで、それがやっぱ良かったのかなと思います。
ナッツ:ある意味、無欲という感じですね。
後藤:そうですね、もうなんか、どこまで行けるのかな~みたいな。
強い選手なので、思いっきり来られるんですけど、それをどこまで粘れることができるのかっていうのを自分の中で思いながらずっと先行していて、実際に4コーナーぐらいまではそれがやれていたので、ちょっと夢を見ました。笑
ナッツ:いや~本当に、ファンの中でも後藤選手すごいなっていうのが話題になっていましたし、地元でのファンの声援っていうのもやはりあったと思うのですが、そのあたりどうでしたか。
後藤:すごかったですね。ちっちゃい頃から今までは見る側だったんで。
それが今走る側になって、ファンの前で走るっていうのもすごく嬉しいことだし、お客さんの声援がすごかったんで、やっぱりそれが力になりましたね。
ナッツ:地元記念を走った後の周りの選手の反応はいかがでしたか。
後藤:「脇本選手相手に、落ち着きすぎてるな~」という感じで先輩方に言われたり、「いい勝負した」とか褒めてもらったので、その辺りがすごく、今後に繋がる自信になったのかなと思います。
ナッツ:ある程度S級でもやれるなっていう手応えを感じた開催だったわけですね。
後藤:やっぱり基本が9車なので、9車でそういう走りができるっていうのは、今後、自分の走りができるのかなっていう、自信になりましたね。
ナッツ:やっぱり7車と9車の違いとして、9車は流れが早いと思いますが、後藤選手からすると、9車は走りやすさがあったんですか。
後藤:はい。周りの人達からも、走る前から多分9車が合ってるんじゃないかって言われてて、自分の中ではすごく不安だったんですけど、実際には全然走りにくいことはなかったので、どんどん走れれば更にいい走りができるのかなっていうのがわかった開催でした。
ナッツ:そしてその後はS級で向日町と高松を走られました。向日町は全てバックを奪う競争だったのですが、次の高松では先行がなかなかできないというか、苦しんでるような感じがしましたが、あの辺りはどうですか。
後藤:やっぱり逃がしてもらえないような展開になると、自分でもちょっときついなという開催でしたね。予選は、自力選手相手でもしっかり1周半逃げて予選を勝ち上がれてたのですが、準決勝ってなると、相手が全員敵に見えるっていう、本当に目線が全員合うような感じの展開だったんで、駆けにくい展開からの踏み出しで、お客さんには申し訳ない気持ちでしたね。
ナッツ:それは相手の自力選手だけでなく、番手選手や3番手にいるような選手も自分を見ているような、ということですか。
後藤:そうですね。ちょっと踏み出した瞬間に、全員でそんな感じで見てこられると、ちょっときつい状況だなというのを感じました。でも、それを経験することで、またさらに自分の課題も見えたんで、しっかりそれを補って、しっかり躊躇せずに自信を持って仕掛けられるように練習はしていきたいなと思います。
ナッツ:ちなみにA級とS級で、トレーニングなどを変えた部分はありますか。
後藤:やっぱりS級は展開が早いっていうのがあるので、スピードをつけるような練習をちょっと増やしたりしてます。
ナッツ:スピードをつける練習っていうのは、どういう練習になるのですか。
後藤:バイク系だったり、分割してスピードを出しながらっていう練習だったりとか。そういうスピードに特化した練習を最近はちょっと入れてますね。
すぐにスピードはつくようなものではなく時間はかかるんですけど、徐々に、という感じで、それで結果が出ればいいかなと思っています。
ナッツ:そしてデビューして1年が経ちましたが、その辺りは振り返っていかがですか。
後藤:やっぱりあっという間っていうのもありますし、最後に特進してS級に上がれたっていうのもありますし、S級に上がってから新しい目標もできて、更にまた1年後に自分が特別競輪に出れるようにという目標もできたので、しっかりそれに向けて、今一生懸命頑張ろうかなと思います。
ナッツ:では次なる目標は、特別競輪というところで。
後藤:そうですね。まだまだ記念にも慣れていないんですけど、記念でしっかり決勝に乗ったりとか、FIでは優勝したりとか、結果を残していきながら、最終的には特別競輪に出たいなってのは思いますね。
ナッツ:もう普段から後藤選手は、目標はしっかりと定めてらっしゃるんですか。
後藤:はい。それを持ってやっていかないと、自分が全然ダメになっちゃうタイプなんで。
ナッツ:なるほど。目標がないと少しだらけてしまうというか。
後藤:そうですね。目標がないとやっぱりきついなって思います。
1年を通してずっとオフシーズンがない職業ですし、自分まだ特別とかに出れるところじゃないんで、記念で決勝に行くなど身近な目標をしっかり立てて、練習に臨んでいます。
ナッツ:すごいですね、22歳でそこまでしっかりと。そんな22歳のプライベートな部分も少し聞きたいのですが、S級に上がって自分にご褒美を買ったりしましたか。
後藤:最近はネックレスを買いました。笑
ナッツ:お、ネックレス。それは、元々お好きなんですか?
後藤:はい。なにかアクセサリーを1つ買いたいなっていうのがあったんです。
でも時計はあんまり好きじゃないしバンドとかも嫌だなと思って、ネックレスを見ていたら、ヴィトンのもので欲しいものがあったので。
ナッツ:それを買うことで自分への労いというか。
後藤:そうですね。自分に身につけられるものがいいな、と思って、それを見てまた頑張れます。
ナッツ:普段お休みは作っているんですか。
後藤:はい、自分のケアに時間を充てることが多いんですけど、たまにお出かけして買い物に行ったりとかはしてます。
結構福岡にはお洒落なカフェ屋さんとかあるので、そこで寛いだりしてます。
ナッツ:おお、カフェも好きなんですね。
後藤:あ、そうですね。お店のコーヒーが結構好きなんです。自分で作るっていうまではないんですけど。
ナッツ:選手の方はコーヒーを自分で持ち込んで、というのはよく聞きますがそのあたりもいずれは。
後藤:そうですね。結構頂いたりしていますし、いずれは自分で、と思って色々話は聞いたりしています。笑
ナッツ:そして後藤選手と言えば、TwitterやインスタグラムなどのSNSも利用されていますが、ファンの声がダイレクトに届いたりという部分はどう感じていますか。
後藤:ああいう風に触れ合えるっていうのがSNSのいいところかなって思うし、それを励みに頑張れるので、やっぱりSNSはいいなって思いますね。
ナッツ:中には厳しい意見もありそうですが。
後藤:やっぱりありますけど、自分でも申し訳ないなっていう気持ちの時に大体そういうふうに来るので、そういう時は、その人のためにも次頑張ろうっていう気持ちはありますね。
ナッツ:すごいですね。そこでそういう風に思えるっていうのが。言われることもある程度、自分でも納得いっているということですね。
後藤:自分が逆だったら多分言いたいと思いますし、やっぱりそういう気持ちはよく分かります。自分は見てもらっている側なので、見てくれているんだったらさらに頑張ろうかなっていう、気持ちの励みになりますね。
ナッツ:選手によっては結構ヤジに近いようなものをやっぱ受ける人もいると思いますが。
後藤:発走機の時に言われたりしたりしてる人もいますが、なんか競輪はああいうのもいいなって思うし、実際にSNSをやってると、実際に自分も自分自身でレースに対してダメだった時に、自分でも思うようなことを書かれるので、そういうのは反省しながら、こういうことがダメだったんだなとか自分に思いながら、そうやってまた頑張ろうかなっていう。 そしてその人がまた次、喜んでくれたら嬉しいですね。
ナッツ:ほんとにもう、大人びた回答というか、パーフェクトな回答ですね。笑
でも実際、本当にそういう風に思ってらっしゃるっていうことですもんね。
後藤:そうですね、ガソリンみたいな感じです。
いい時はめちゃくちゃ褒めてくれるし、悪い時はめちゃくちゃ怒られたりとかありますが、その怒られることで、またその人が喜んでくれるようにって、練習に力が入るんで、なんかすごくいい職業だなっていうのは思いますね。
ナッツ:確かに普通の職業だったら、なかなかそこまで言われることもないですもんね。
後藤:そうですね。やっぱりサラリーマンとかだったら全然そういうのもないじゃないですか。
だからそういうのが、こういう競輪の世界や公営競技の世界はあると思うので、それをどう思うかは人それぞれなんですけど、自分はそういう感じでずっとやっていってますね、やっぱり。
ナッツ:もう、それはやっぱり後藤選手がうまく付き合ってっていうところで考え方が素敵ですね。
後藤:何もないと寂しいんです。笑
何か反応があってくれた方が自分としては嬉しい。 いいにしても悪いにしてもですね、見てくれてるんだっていうのがすごく次に繋がると思ったりしてるので、励みになります。
ナッツ:じゃあ今後も、後藤選手の色々な走りに対して、色々な方から声が届くってのは、もうどんどんっていう感じですか。笑
後藤:はい、沢山言ってほしいなと思います。
ナッツ:そして8月には後藤選手にとって2度目のGIIIである松戸記念が控えています。松戸は初めてですがイメージはいかがですか。
後藤:A級の時もあまり333mバンクを走ってないので、S級になって初めての333mバンクで、特に9車っていうのは展開が早いですし、すぐにそこに対応できるかな、と思う部分はありますね。
ナッツ:やはりそこは先ほどお話もあったスピードの部分もありますし、仕掛けどころを逃すと、巻き返しが厳しいようなイメージはありますもんね。
後藤:やっぱり333mバンクはそういうところが特徴なんで、もう前々にっていう感じで、みんなの動きが、どんどん早くなっていくと思うんで、そこをワンテンポでも自分も遅れずに、しっかり仕掛けられたらいいなっていう気持ちがありますね。
ナッツ:そして現時点ではSSの選手も参加予定ですが、その辺りは地元記念の時と比べてどうですか。
後藤:まずはSSの選手と走れるようにということも、2次予選に上がるということも目標ですし、仮にダメでもしっかりと何かしらの収穫ができる開催にしたいなっていうのはあります。
まずは内容で頑張って、無駄な走りはしないのはもちろんですけど、まずは勝つような走りをして、 そこから結果に繋がればなっていうのは思いますね。
ナッツ:後藤選手にとって今後の目標はどこに置いてますでしょうか。
後藤:まずはFIや記念でしっかりと結果を早く残せるようにして、同期でも上位の方に入って活躍できるようにしたいなっていうのはありますね。
ナッツ:そしてその先にやっぱり特別競輪を見据えてというような感じですね。
後藤:はい、そうですね。やっぱり特別で活躍できるような選手になりたいですね。
脇本選手や新山選手(新山響平選手・青森107期)などの先行選手を今見て勉強してるので、ああいう舞台で先行して活躍できる選手になりたいなっていうのは、あります。
そしてどんどん、そうやって名前と顔を覚えてもらえるように自分も頑張っていきたいなっていうのはありますね。
ナッツ:今後も期待しています。では最後に、オッズパークをご覧のファンの皆様に一言メッセージをお願いします。
後藤:これからもしっかりと、スタイルは変わることなく一生懸命頑張るので、応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / ナッツ山本(なっつやまもと)
公営競技の実況に憧れ、一年発起し脱サラ。今年別府競輪と飯塚オートレースの実況でデビューを果たすことになった期待の新星。
まだデビューから間もないが、競輪中継の司会も経験し徐々に活躍の場を広げつつある。星の観測と手品が趣味。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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