シーズン2023春の大一番ウィナーズカップを制した広島の松浦悠士選手(広島98期)。
今シーズンここまでの戦い方や、6月の高松宮記念杯競輪に向けて、スイーツ断ちをした松浦選手の新たな嗜好品など様々なお話を伺いました。
大津:だいぶ時が経ちましたが、改めまして3月のウィナーズカップ優勝おめでとうございます。
松浦:ありがとうございます。
大津:シリーズ全体を振り返っていかがでしたか。
松浦:四日間を通してある程度納得のいくレースが出来たと思っています。
大津:今年は苦しい戦いも続きましたが、この優勝で何か変化はありましたか。
松浦:前半戦の感覚は正直ヤバいなってのはあったのですが、3月の松山記念を走ったときに戦える手応えが掴めてきて、それが今回はレースでしっかりと出てくれたので良かったです。
大津:松山記念では具体的にどういった手応えを掴まれたのですか。
松浦:準決勝戦ですね。ホームで仕掛けた時の加速とか、併された後も3着争いが出来たことなどは良かったと思っていて、結果敗けたのですが自分らしい走りが出来たなぁと。追加参戦だったのですが良いきっかけになったと思いました。
大津:では、ウィナーズカップの決勝戦も良い状態で迎えられたということでしょうか。
松浦:状態はかなり良かったです。リラックスしてのぞめました。
大津:近畿勢の並びが古性選手(古性優作選手・大阪100期)-脇本選手(脇本雄太選手・福井94期)になりました。
松浦:あるかなぁとは思ってました。
ウィナーズカップの時は脇本さんの表情があまり良くなくて、メンタル的にきついんだろうなという感じもありましたから。
それ以前から近畿の前後の並びに関しては今後変わる可能性があるってのは本人たちから聞いていたので、「あっ、もうきたか。」っていう感じでしたね。
大津:松浦さんは脇本さんと親しくされていますが、ウィナーズカップの時は会話はされたのですか。
松浦:今回はちょっと状態が良くないのか、表情が曇っていることもあったので喋りかけたら悪いかなと思い、僕から話しかけることはなかったですね。
大津:決勝戦では北日本勢もいる中で福田選手(福田知也選手・神奈川88期)が松浦さんの後ろを選択されました。
松浦:福田さんとは普段から話もする仲で、単騎だと思っていたので付いてくれるとなった時は嬉しい気持ちもありましたし、「本当にいつもの走りで良いから。」って凄く気を遣ってくださって、
初めて連携する人って緊張するんですけど過度に緊張することなく自分の力がしっかり発揮出来たかなと思います。
大津:そこから状態も上向いてって感じですか。
松浦:まぁ、めちゃくちゃ上積みがあったわけではないのですが、武雄記念の準決勝戦では踏み込んだ感触がかなり良くて、「今日めちゃくちゃ良い感じ。」って思ったところでコケちゃったんで・・・。
ウィナーズカップが良い思い出で、今はそれがないって感じですね。落車をすると身体も変わっちゃいますし、自転車のセッティングに関しても悩んだりしています。
大津:落車さえなければ日本選手権競輪の結果も違っていましたか。
松浦:たらればで言えば結果は違ってきたと思います。
やっぱり100パーセントではのぞめてないのでハンデを背負った状態でどこまでやれるかっていうところだったんですけど、まぁそれも競輪だと思いますし、その中で結果を出す選手はだしてきてますから言い訳には出来ないと思っています。
大津:今までのお話を聞いていると落車なく万全の状態で日本選手権競輪に出てほしかったです。
松浦:そうですね、自転車に乗る部分の影響はそこまでなかったのですが、私生活でストレスを感じると寝れなかったり、目覚めが悪かったり、そういう部分では調整が難しかったです。
大津:競輪界はこれから後半戦を迎えますが、そこに向けてはいかがでしょうか。
松浦:だいぶ脚の感じも良くなってきてて、高松宮記念杯競輪は楽しみな仕上がりになるかなという手応えは感じています。
大津:岸和田競輪場のイメージはありますか。
松浦:梅雨の時期なので雨がよく降るなってのはありますね。バンクの印象っていうよりも雨が降らなかったら良いなぁっていうか、そんなイメージですかね。
大津:東西対決というのはいかがですか。
松浦:四国勢と戦わなきゃいけないってのは難しい開催だなと思います。
普段連携してるので自分の考え方や作戦を分かってるわけじゃないですか。それが読まれているんじゃないか、読まれているのであれば裏をかかなければいけない、とか
そういうのを考えすぎちゃったりもするので。裏のかきあいじゃないですけど。
大津:最初の3日間はガールズケイリンが後半に行われるので、普段よりも早めの時間帯に走る可能性も出てきます。
松浦:そこに関しては特には気にならないです。自分が走るレースに合わせて、しっかり準備をしていくので。
1レースじゃなかったら良いなぁっていう感じです。
大津:6日間を戦い抜く上で大切にされていることは何でしょう。
松浦:とにかくストレスを溜めないことです。抜くところをしっかり抜かないと6日間ずっと気持ちを入れっぱなしっていうのはもたないです。
休みの日はしっかりリラックスするように心掛けています。
大津:リラックス方法を教えていただけますか。
松浦:最近はコーヒーを持っていってます。あと、先日のダービーでは脇本さんとポケモンで対戦したりしてました。
大津:コーヒーも脇本さんの影響なんでしょうか。
松浦:脇本さんも影響も多少はありますけど、一番はスイーツを食べなくなったので口が寂しいなぁって思って、嗜好品という意味でいえばコーヒーしかないなと。
今は結構頻繁に飲んでますね。
大津:それを競輪場に持っていって挽いたりしてるんですか。
松浦:カフェインレスで美味しいお店を見つけまして、挽いてもらってから持っていってます。
同じ味ばかりだと飽きちゃうので、2種類をブレンドしてみたりだとか、ダービーの時は色々と配合を考えながらやっていました。
大津:めちゃくちゃ楽しそうですね(笑)
松浦:4日目くらいにようやく良い配合が出来ました。
前半はあまり良い味が出せなくてちょっと失敗してたんですが、4日目に見つけた配分なのか淹れ方なのか分かりませんが、それでけっこう味が変わりましてその時のコーヒーは気を遣わない「美味しいです!」が聞けました。
それまでの3日間は周りの少し気を遣って「まぁ、美味しいですよ。」みたいな感じだったので(笑)
大津:今は広島競輪場が使えない中で、どんな練習をされているんですか。
松浦:今は街道でもがきをメインにやってます。けっこう良い練習が出来てるなって感覚はあります。
大津:防府競輪場に練習に行かれることもあると聞きました。
松浦:落車してからは行ってないんですが、武雄の前とかは何回か行ってました。
大津:清水さん達と練習するんですか。
松浦:そうですね、はい。
大津:ダービーでは清水選手(清水裕友選手・山口105期)の活躍も光りました。
松浦:いやぁ、獲ったと思ったんですけどね。なんか凄い悔しかったです、自分も。
決勝の舞台に僕がいない悔しさもありましたし、僕がいればとかも思っちゃいますし、優勝してほしかったなっていうのもありますし、なんか本当に凄く悔しかったです。
3コーナーくらいから新山君(新山響平選手・青森107期)を併してたんで、これ獲ったなっていうのもありましたし、あそこまでいったら優勝してほしかったですね。
最後、裕友が交わされたところは正直声が出なかったですね。
大津:松浦さんと清水さんの連携を心待ちにしているファンの方も多いと思います。
松浦:ダービーの決勝で連携したかったなっていう思いは凄くありますし、自分が負けて悔しいのも1日経つと、目の前のレースに集中しなきゃいけないので、あまり負けたことを引きずらないようにしているのですが、決勝戦のレースのことを思い出すと、改めて悔しいなって凄い思いました。
大津:その悔しさを高松宮記念杯競輪でぶつけたいですね。
松浦:そうです。
大津:最後にオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願い致します。
松浦:いつも沢山応援していただいてありがとうございます。今年は良かったり悪かったりと波のある前半戦だったのですが後半戦は安定して自分らしい走りが出来るように良いレースを見せたいので、これからも応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社
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