日本競輪選手養成所から史上初の早期卒業者に選ばれた寺崎浩平選手(福井117期)。同期より約半年早く迎えたデビュー戦では、すべて1着の完全優勝。そこから最速記録を次々に更新。今、最も注目を集めているルーキーにデビューからここまでの話、そして、次のGII共同通信社杯競輪への意気込みを伺いました。
星野:まずは、8月に行われたオールスター競輪お疲れ様でした。初めてのGI開催はいかがでしたか?
寺崎:1次予選に関しては、打鐘から仕掛けてラインでも決まりましたし自分らしいレースが出来たと思うんですが、準決勝戦は悔いが残るレースになりました。
星野:いつもなら後方に下げてから一気に先頭まで仕掛けるところを、一旦中団に入りましたね。
寺崎:仕掛けたときに中団が空いていて、そこに新田さん(新田祐大選手・福島90期)がいたので、新田さんの強さはナショナルチームでも良く知っていますし、その動きを封じ込めれば自分が動きやすくなるんじゃないかと、新田さんの強さを意識してしまいました。結果、慣れないことをしてダメだったんですけど、それも経験だと思っています。
星野:周りの先輩からは何かありましたか?
寺崎:そうですね。どう走れば良かったのか先輩に聞いて、レースは毎回振り返っています。色々とアドバイスもいただきましたが自分のダメな気持ちが出たんだと思います。2度同じ失敗をしないようにと言われるので、そこはいつも修正して走っています。
星野:そして、オールスターの最終日はいつも前受けからなんですが、スタートは後方からの攻めになりました。作戦面などいかがでしたか?
寺崎:基本的には前受けのスタイルで組み立てているんですが、敢えて後ろから組み立ててみようと後ろを取りました。今後に繋げる走りをしてみたかったんです。だけど、流し方が分かっていなかったですね。
星野:挑戦していくのも大切ですし、まだデビューして一年経っていませんし、今はたくさん経験を積んでというところだと思いますが、近いところの目標は何ですか?
寺崎:まずはグレードレースの決勝戦に勝ち上がりたいです。そこで持ち味を生かしたレースをしたいですね。大きな目標としたら、やはりGIのタイトルが獲りたいです。
星野:持ち味というと、ご自分ではどう考えていますか?
寺崎:GIIサマーナイトとGIオールスター、それに地元の福井記念も走らせていただいて、活躍している選手は戦術面も上手いですし、経験不足を感じています。ただ、トップスピードに関しては超一流の選手と当たっても通用するなということは分かったので、やはりスピードですね。全体的にレースのスピードも早くなってきているので、持ち味生かしたカマシで戦って、後はいかに自分の展開に持ち込むかだと思っています。
星野:デビューしてから、戦法も変わってると思うんですがその辺りはいかがですか?
寺崎:そうですね。デビューしてからは、何としてでも早くS級に上がろうと思っていたのもあり、捲りを多用していました。そして、S級になってからは近畿地区の自力選手としての走り方や、自分のスタイル、地位を築いていかないといけないなと思うようになり、変わってきましたね。それに、S級では捲り一本では通用しません。何でも出来たらと思っているので、今は戦法には拘っていません。どんな展開になっても勝てるように、もっと脚力をつけていきたいです。
星野:今、トレーニングはどんな感じでされているんですか?
寺崎:今はナショナルチーム「B」で練習しているんですが、本当に練習環境が良いんです。トップの選手たちと練習出来るのも刺激になっています。僕の目標は同県の脇本さんなんですが、先行日本一ですし、スピードに関しても日本でトップクラス。そんな先輩の近くで練習出来るのは贅沢な環境だと思っています。そして、そこに追い付きたいですし、連携するときは僕が前で走らせていただけるようにと思っています。
星野:実際に、サマーナイトフェスティバルの時に初めて連携されましたね。
寺崎:まさか、一緒に走れると思ってもいなかったので、デビュー戦より緊張しました。
星野:さて、日本競輪選手養成所から早期卒業者としても史上初となりますし、そこから、18連勝・無敗でのS級昇級は史上2人目。S級初優勝はデビューから79日目で(従来の記録は144日)大幅に最速記録更新、GII出場も史上最速の177日、その大会では2日目のレースで史上最速のビッグレース初勝利(デビューから178日・従来の記録は269日)、常に記録の更新をされていますが、その辺りはご自身でいかがですか?
寺崎:自分ではそんなに意識はしてなかったんですが、周りから言われるとプレッシャーも感じます。でもその注目に応えたい気持ちも強くて、後押しになっているかもしれません。デビューした時はS級に特別昇班することが目標だったので、そこからS級では強い選手も多いですし、揉まれてすぐに結果はでないだろうと思っていたんです。運が良ければ地元の福井記念に出られるかな、くらいで。まさか、FI戦の優勝回数上位でサマーナイトフェスティバルという大きな大会に出られるとは想像もしていませんでした。でも、選ばれたときは凄く嬉しかったです。
星野:初めての大きな大会、サマーナイトフェスティバルの雰囲気はどうでしたか?
寺崎:史上最速での出場というプレッシャーもありましたし、前検日から、検車場の雰囲気もピリッとしていて、超一流の選手ばかりで緊張しました。でも、その経験があったのでオールスターではそんなに緊張せず、またあの素晴らしいメンバーで戦えることが楽しみなくらいでした。
星野:となると、次は共同通信社杯競輪が待ってますね。
寺崎:333バンクはS級では小田原以来になるのでそこが心配ですが、いつも250バンクで練習しているので、応用出来るかなと思います。豪華なメンバーで戦わせていただけることも楽しみですし、次は決勝戦までいけるようにがんばりたいです。
星野:今は多忙だと思いますが、お休みの日はどう過ごされているんですか?
寺崎:そうですね。基本的にインドア派なので部屋にいるって感じです。趣味が自転車なので、ずっと自転車の事を考えていますね。
星野:もし、どこかに旅行して下さい!と言われたらどこに行きますか?
寺崎:以前、ロードで岐阜県の飛騨に行ったことがあるんですが、次は車で岐阜まで行って、飛騨でサイクリングとかしてみたいですね。
星野:やっぱり、自転車ですか(笑)天職ですね。
寺崎:そうですね。仕事が趣味みたいな(笑)
星野:では、最後にオッズパークの会員の皆様にメッセージをお願いします。
寺崎:いつもオッズをみると自分から売れていたり、注目していただいてるんだなと数字からも感じています。その高い注目度にしっかり応えられる選手になれるよう、これからもがんばっていきますので、応援よろしくお願いします。
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※インタビュー / 星野めぐみ(ほしのめぐみ)
大阪府出身。タレント、アナウンサー、競輪キャスターとして活躍中。
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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社