強豪選手が揃う福岡久留米をホームバンクとする内村舞織選手(福岡112期)。6月15日に行われた協賛試合『プロ野球セ・パ交流戦 福岡ソフトバンクホークスvs横浜DeNAベイスターズ』でのイベントに参加した感想と、近況や今後の意気込みをお伺いしました。
山口:イベントに参加されていかがでしたか?
内村:とっても楽しかったです!(児玉)碧衣さんの始球式は私たち他の選手はスタンドで見ていたんですが、直前の碧衣さんは「レースより緊張する」と何度も言っていました(笑)。
山口:私も後日談を拝見してかなり緊張していた様子が伝わってきました。
内村:そうなんですよ。投げる練習は全くしていなかったみたいで「もっと練習した方が良かったかな」と後悔の言葉があったんですが、当日は練習する時間があまりなかったのでその状態で投げていました。
山口:皆さんも登場する他のイベントもたくさんあったんですよね。
内村:試合後に、ソフトバンクが勝ったのでグラウンドでパレードがあったんです。ガールズ選手が呼ばれて真ん中へ行かせてもらって、風船を投げるのが楽しかったです。
試合も勝ったし最高でした!試合の途中も、みどりのマキバオーくんと一緒にグラウンドで盛り上げました。その時は時間があまりなかったのもあって、猛ダッシュをして結構必死でしたね(笑)。本当に1日楽しかったです。
山口:お客様とも間近で触れ合えたんですよね。
内村:ガールズケイリンをPRするブースがあったので、そこではお客さんから「あんた競輪選手なの?!」と話しかけてもらったり、交流できたりしました。マキバオーもいたので、子供たちもたくさんブースに来てくれて一緒に写真を撮って、「お姉ちゃんたち凄いね」と盛り上がる場面もありました。
山口:女性のお客さんにもPRできましたか?
内村:そうですね。女性の方は、女子の競輪選手がいるのを知らない方がほとんどだったので「本当に競輪選手なの?」と驚かれる方も多かったです。私たちも普段レースを走る時の恰好とは違い、小柄な選手もいたし、髪の長い人はおろしていて、お化粧もしていたのでそうは見えなかったみたいです。男性の方は脚の筋肉を見て「やっぱり凄いね」と言ってくれました。
山口:ソフトバンクの選手ともお話する機会はありましたか?
内村:ドームに到着した時に、ソフトバンクの練習風景を見せていただきました。その時に内川聖一選手が「競輪選手なの?」と話しかけてくれて、ガールズ選手みんなのテンションが上がりました(笑)。試合が終わった後も一緒に写真を撮っていただいたりして、嬉しかったですね。
山口:いつもいる競輪場と違い、他の競技を見に来られた方へのPRだったと思いますがいかがでした?
内村:来ていただいた方には、ガールズケイリンを認知してもらったと思うので、後はご来場にどうつなげていくか、そこから次はレースを買っていただけるようにするまで続けていきたいですよね。
山口:「レース見に行くよ!」という方はいらっしゃいましたか?
内村:いました!ちょうどイベントの後の斡旋が小倉だったんです。なので「次、小倉でレース走ります」と言ったら見に行くよと言っていただけました。同じ福岡なので気軽に来ていただきたいですね。
山口:そうですよね。続いて近況のお話も伺います。別府でのガールズケイリンフェスティバル(サマーナイトフェスティバル)はいかがでしたか?
内村:展開も脚も、全く戦えていなかったです。ただその場にいただけでした。気持ちの面でもかなり落ちてしまって、最近まで「どうせ私なんて負けるんだからビッグレースには出たくない」とまで思ってしまっていました。でも師匠や他の選手に相談をすると「大きいレースで走ることによってたくさんのことを吸収して自分の成長に繋げ、更に大きいレースで走ればもっと強くなるよ」とアドバイスをいただきました。
今も競輪祭の選考期間なんですが、私は落車の怪我で休んでいた期間があるのでまだ出走本数が足りず、出られるかわからない状態にいるんです。「出られるか出られないかわからないんなら出たくないです」と師匠に言ったときに「それは違う」とハッキリ言われました。
今はしっかりと気持ちを切り替えて、出られるように頑張っています。
山口:他の選手から感じるものも多かったですか?
内村:はい。いつも近くにいる碧衣さんもですし、優勝された(千葉106期・石井)貴子さんも、普通の開催でも凄いと感じるのにビッグレースではそれ以上の力を出しています。なので、まずはビッグレースでまともに戦えるようになりたいですね。
山口:普通開催のレースでの具体的な違いは感じましたか?
内村:ピッチが速いですね。普段のレースだと打鐘から飛び出していく選手はほとんどおらず、残り1周あたりから仕掛けがはじまります。それが、全員が打鐘からどんどん仕掛けていました。私は7人の中では弱い方なので、注意しなければならない選手がたくさんいたことで、おいていかれてしまうレースが多かったです。
普段のレースでは強い選手はだいたい1人、もしくは2人なので冷静にその人の動きを見て対処できますが、それが全くできませんでした。今振り返ると、もっと落ち着いてもっと選んで決めて走れれば良かったなと反省しています。
山口:3日間の中で吸収できる部分はありましたか?
内村:展開はガールズケイリンフェスティバルの時は失敗してしまいましたが、今は分析も出来ているので反省して、次回に活かせると良いなと思います。
山口:以前インタビューさせていただいた時は優勝もまだという状態でしたが、今は優勝もされてビッグレースにも出場されています。現状はいかがでしょう?
内村:去年まではマーク選手としてやっていたんですが、今は、多少は自力も出せるようになってきているので、その部分では成長しているかなと思います。マークで2着3着は多くてもそれだけでは成長はしません。その時も練習では自力の練習はしていたんですが、今はレースで自力を出せるようにならないといけないと思い実践しています。
先行して粘れず失敗してしまう時もあるんですが、良い時は逃げ切れています。失敗してしまっても、何もしないよりは良いのかなという考えに変わりました。
山口:近況の目標は何でしょうか?
内村:競輪祭の選考期間ですが、私は出走本数が足りていないので何とも言えないんです。出たいですが、走れるレース数は決まっていますし点数を上げてもこればかりはどうしようもありません。出られたら決勝を目指して頑張りたいですね。
その他の大きな目標としては、来年のガールズケイリンフェスティバルで決勝に乗ることですね。前回の別府が本当に悔しかったんです。地元地区での開催でしたし、師匠もかなり付きっ切りで練習を見てくれて仕上げていったのに大きい着を取ってしまいました。その悔しさがあるので、またフェスティバルに出場し決勝を目指したいです。でも出場するには優勝を何度かしないといけないので、優勝を目指して頑張りたいです。
山口:次走の川崎はGIIIの4日制ですね。
内村:そうなんです。私はまだ走ったことがないんですが、碧衣さんが四日市4日制を走った時に「めっちゃ長いよ」と仰っていたので今から不安です。予選に関してはチャンスも大きいのでしっかりと決勝を目指して頑張りたいです。
山口:SNSを拝見していつも児玉選手と練習している様子がありますが、姉弟子はいかがですか?
内村:良いところは、間近で見られるところですね。オンとオフの切り替えが本当にはっきりしています。碧衣さんはゲームがお好きで休憩中にされているんですが、いざ練習になるとバシッと変わるのは凄いなと思います。また一緒にもがくときも、トップの選手に1周駆けてもらって、それをマークする機会は他ではなかなかないと思うのでありがたいですね。踏むタイミングなどもわかるし、とても勉強になります。
悪い部分というか、マイナス面は自分と比べてしまって凹んでしまう事ですね。私が強くなれば良いことなんですが、たまに「まだまだなんだな」とか「これでも勝てないのか」と自信が無くなってしまうことがあります。自分ではタイムが出たと思った時も、次に碧衣さんと対戦すると差せてなかったり。私も徐々には成長していると思うんですが、碧衣さんとの差がまだまだありすぎるので、そこに少しでも近づけるように頑張りたいです。
山口:頑張ってください!それでは最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。
内村:いつも応援ありがとうございます。自力自在にもっとうまく走れるように頑張ります。これからも応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。
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※写真提供:公益財団法人 JKA