ガールズ総選挙ファン投票1位を獲得し、8月のガールズケイリンコレクション松戸ステージで初タイトルを手にした高木真備(たかぎ・まきび)選手。デビュー当初は人気が先行している面があったものの、昨年後半からパワーアップ。初のGP出場へ向けて、現在の心境をお聞きしました。
赤見:まずは、初のグランプリ出場おめでとうございます!
高木:ありがとうございます。ちょっとずつ日にちが近づいて来て、だんだん気持ちも盛り上がって来ました。グランプリはケイリンを始めた時からずっと目標にしていたレースなので、やっとここまで来ることができて本当に嬉しいですし、感謝の気持ちでいっぱいです。
赤見:今年は飛躍の年でしたね。
高木:本当にそうですね。今までずっと先行して来て、なかなか勝ち切れなかったり、大きなタイトルに届かないことが多かったんですけど、それでも力を付けたいと思って、ずっと先行にこだわって来ました。それがやっと結果に繋がったんだと思います。
赤見:先行して勝つことは強さの証ですが、その分勝ち切るのは難しくなりますよね。心が折れそうな時はなかったんですか?
高木:ありました。もう何度も何度も折れそうになったんですけど、でもその度にファンの方の存在が背中を押してくれたんです。負けた時や納得のいかないレースだった時には「がんばれ!」って励ましてくれて、勝てた時には一緒に喜んでくれて...。自分一人ではここまで来ることはできなかったと思います。いつも応援してくれるファンの方がいてくれて、本当に感謝しています。
赤見:今年のガールズ総選挙ではファン投票1位でしたね。
高木:1位にしていただいて、すごく嬉しかったです!ガルコレ松戸ステージはファン投票で選ばれないと出場できないので、投票していただいて、しかも1位だったので本当に嬉しくて。わたしを選んで良かったって思ってもらえるようなレースがしたいと思っていました。
赤見:その言葉通り、見事優勝して初タイトルを獲得しました!
高木:タイトルを獲れてすごく嬉しかったです!!ファンの方に選んでもらって出場したレースで勝てたので、他のタイトルとはまた違う、特別な想いがありましたから。恩返しが出来たことも嬉しかったですね。
ただ、レースに関して言うと、本当は先行したかったんですよ。思い描いていた通りというわけではなかったし、まだまだ課題はあるなと感じました。次こそは先行してタイトルを獲りたいです!
赤見:話はさかのぼりますが、高木選手は中学・高校とハンドボールで全国的な活躍をしていたそうですが、なぜケイリンの世界に入ったんですか?
高木:中学を卒業する時は、「ハンドボールでもっと上を目指したい!」って思ったんですけど、高校を卒業する時は、「これ以上はもうムリかな」っていう気持ちになってしまって。ハンドボールは終わりにして、大学では何か別のスポーツをしたいなと思ったんです。他の競技から入って上を目指せるようなスポーツを探している時、ガールズの1期生のドキュメンタリーをたまたま両親が見たんですよね。それが、他競技から転向した選手に密着していたので、向いてるんじゃないかって進められました。
赤見:ハンドボールから自転車というと大きく違うと思いますが、難しい面はなかったですか?
高木:乗ること自体はスムーズにいったんですけど、競輪学校に入るためにはタイムを出さなくちゃいけなくて、練習がタイム...タイム...タイム...タイム...でけっこう追い込まれました。タイムの壁はキツかったです。
あと難しかったのが「一瞬ですべて出し切る」ということです。ハンドボールは試合時間が前半30分、後半30分で60分あるので、その時間フルに戦えるように体力を使うんですよ。だから、例えば1本のシュートですべてを出し切ってしまうということはないんです。でも、ケイリンはその1本にすべて出し切らないといけない。そこが難しかったです。
赤見:2014年5月のデビューから3シーズンが経ちますけれども、プロになってからはいかがですか?
高木:毎日楽しいです!プロになってからももちろん壁にぶつかることはありますけど、たくさんの方に応援してもらっているし、「1番になりたい」という強い気持ちを持って乗り越えて来ました。ガールズケイリンのポスターにも出させていただいて、いい経験をさせてもらってます。
赤見:あのポスター、インパクトが強いですよね。
高木:キャッチフレーズが「顔より太もも」ですもんね(笑)。他の女性たちとはちょっと違ってて、「太もも太いね」って言われるとすごく嬉しいです。褒め言葉ですよ。
赤見:確かにガールズケイリンならではですね。ちなみにお休みの日は何をして過ごすんですか?
高木:前はけっこう外出が好きだったんですけど、今は家で過ごすことが多いです。普段の練習がキツイので、たまのお休みは家でぼ~っとしています。練習に没頭できているので、今本当に充実していますね。
赤見:では、オッズパーク会員の皆さんにメッセージをお願いします。
高木:今までグランプリは外から見ていたので、今年は出場することができてとても嬉しいです。わたしの持ち味は積極的に動くことなので、画面からでも熱さが伝わるようなレースができるようにがんばります!
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※インタビュー / 赤見千尋
※写真提供:公益財団法人 JKA