オッズパークで発売しているオートレースの各開催(川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、飯塚オート、山陽オート)の展望や、グレードレース(SG、GI、GII)決勝の直前予想情報とレース結果を提供します。
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《SG第39回『全日本選抜』の展望》
オートレース界は青山周平と鈴木圭一郎によるW巨頭体制が何年も続いていた。まずそこへ先陣を切って黒川京介が新たな風を吹き込ませた。
33期の黒川はデビューから長年月を経ずしてグレード戦線の常連になりながら、大レースの決勝戦で青山周の鉄壁のブロックに完封されて勝利できないシーンが数年間に何度かあったが、2024年に自身のホームグラウンド川口で開催された『日本選手権』に6戦6勝して、ついにSG初制覇。翌2025年には、鈴木圭一郎が前年に打ち立てた『年間勝利数記録』を更新して1年間に120勝。2025年後期適用ランキングでは鈴木圭一郎をS3にくだして、全国第2位であるS2となった。
黒川より2期後輩35期の佐藤励も早い時期から頭角を現した。黒川がデビュー約2年半で初めてグレード優勝したのに対して、佐藤励は2022年、デビュー10か月でグレード初制覇。2023年と2024年にもタイトルを獲得すると、2025年は成長と大躍進の年になった。
4月に『オールスター』を6戦6勝で制してSG初優勝。決勝戦は青山周・黒川・鈴木圭を大逆転した殊勲の星であった。9月の伊勢崎G1『ムーンライトチャンピオンカップ』は黒川と鈴木圭をくだして優勝。そして11月、日本選手権の決勝戦は有吉辰也の逃げを捌いて2度目のSG制覇。青山周に対しては10メートル以上の差を付ける完勝だった。
今月に発表された2026年前期適用ランキングでは自身最高位のS4まで駆け登り、その審査基準となる平均競走得点はS5以降の選手のそれを大きく引き離し、S3の鈴木圭とは大差がなかった。そして2025年に複数のSGを制したのは青山周と佐藤励だけと年間MVP級の活躍を見せて、名実ともにトップレーサーの仲間入りを果たした。
31期の青山周は2026年度前期をもって3期連続、通算12度目のS1、全国ランキングのトップに輝いた。昨年10月にはデビュー14年83日という史上最速での通算1000勝と、自身9度目の10連勝を相次いで達成。大みそかには単独で史上最多となる6度目の『スーパースター王座決定戦』優勝。初めてSGタイトルを獲得してから丸10年間、オート界のトップランナーとして君臨し続けている。
最近の推移としては、今年はグレード開催にのみ3節へ出場して優勝をまだできていないことと、昨年12月以降は濡れた走路に苦戦するケースがやや目立っていることがやや気がかりな点。年明けから3節12戦を走って11勝・2着1回・優勝2回の勢いをもって全日本選抜のおこなわれる浜松へ乗り込み、6戦6勝の完全Vで2度目の大会制覇を果たした昨年とはムードが異なる。だが、節間の流れが良くはない時でも最後には何度も結果を出してきた、若武者にはない経験値と底力がある。昨年のスーパースター王座決定戦を制した際に述懐したチャレンジャー精神を胸に、3度目の大会Vを狙う。
32期の鈴木圭は2017年に初めて全国ランキングのナンバー1に立つと、そこから6期続けて王位を維持。2020年以降は冒頭で触れたように青山周とランキングS1・S2を奪還し合いながら両雄で独占し続けてきた。だが2025年度後期と2026年度前期は連続で黒川にS2の座を奪われて、当時の史上最多勝利数記録を塗り替えて勝ちまくった2024年に比べると、昨年の秋以降は白星を挙げるペースが下がっているし、車券圏外である4着以下の敗戦を喫するケースが増えている。
しかし、この全日本選抜の優勝回数は青山周をはるかに上回る通算V5。青山周のSGグランドスラム達成を長年にわたり阻止してきた。そして昨年8月には、青山周に幾度も阻まれてきた『オートレースグランプリ』初制覇を果たして、ついに自身がSGグランドスラマーとなった。あのときからまだ半年も経っていない。歯車さえ噛み合えば、爆発的な速攻力と独走力をまた見せてくれるはずだ。
ここまで、2強から4強へ体制が変化しつつあるように述べてきたが、さらにまた新たな波が姿を現しつつある。34期・長田稚也の台頭である。2022年の賞金順位は全国47位。それが2023年から2025年へかけて16位、13位、12位と上昇し続けて、2023年の秋には日本選手権でSG初優出。全国ランキングも2023年度の後期以降はS級を維持している。
今節へ臨むにあたっての今年3節の流れは山あり谷ありだった。伊勢崎G1『シルクカップ』決勝戦は青山周と黒川を引き離して優勝。ところが飯塚G2『オーバルチャンピオンカップ』決勝戦はブッチギリの先頭でゴールしながら1着失格。その次節に挑んだ山陽G1『スピード王決定戦』は2着の黒川に大差をつけて優勝。近況の成績をみると、先述してきた4選手との実力差を縮めてきていることが良く判る。
全日本選抜は、複数回優勝している選手が多かったり、すでにSGタイトルホルダーである選手が2冠目以降として獲ったりするケースが多いのだが(SG初制覇を遂げるケースが多いのはオートレースグランプリ)、いまの長田稚の勢い・流れをみると、初SGが今回になったとしても不思議ないムードがある。
新世代としてグレード戦線の舞台へ上がってきた36期の栗原佳祐・吉林直都、37期の浅倉樹良・福岡鷹も、今回出場する経験を将来の糧とするだけでなく、非凡な素質を武器に今大会での準決勝戦進出・優出をめざす。
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主な出場予定選手
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鈴木 圭一郎〔浜松 S-3(32期)〕
金子 大輔〔浜松 S-4(29期)〕
栗原 佳祐〔浜松 S-12(36期)〕
青山 周平〔伊勢崎 S-1(31期)〕
黒川 京介〔川口 S-2(33期)〕
有吉 辰也〔飯塚 S-5(25期)〕
佐藤 励〔川口 S-6(35期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
高橋 貢〔伊勢崎 S-13(22期)〕
丹村 飛竜〔山陽 S-14(29期)〕
長田 稚也〔飯塚 S-39(34期)〕
文/鈴木