
石田啓貴が鈴木圭一郎の完全Vを阻止する金星
予選中から高いパワーを見せていて、準決勝戦では地元浜松の誇る速攻派である鈴木辰己との先行争いを制して勝利した石田啓貴が、この決勝戦では単独0ハンから快速逃走。昨年4月以来となる通算3度目のVに輝いた。それも、ハンデ差があったとはいえ鈴木圭一郎を破っての価値ある1勝であった。
鈴木圭は1周回バックストレッチでまず伊藤信夫と佐藤貴也を、2周回4コーナーで木村武之をインから捌き、SGタイトルホルダーは全員退けた。そして4周回ホームストレッチで2番手まで上がったが、逃げる石田啓の姿はおよそ20メートル前方。残り2周で5メートルほどまで差を詰めたのはさすがだったが、追い上げの効きにくくなる熱走路でもあり、今節4戦4勝の完全Vはならなかった。ただ、今月25日に開幕する次節『G2浜松記念 曳馬野賞』へつながる道筋は付けたといえそうだ。
文/鈴木
早津康介が通算3度目の優勝
スタート力は高い方で、捌くレースもできるがどちらかといえば速攻タイプに近い早津康介。この決勝戦でも出足は決して遅くなかったが、スタート直後は10メートル後ろの森且行と黒川京介に1~2車身差まで接近された。しかし叩かれることはなく態勢や走りのリズムを崩すことなく、1周2コーナーから力強く立ち上がって後続を突き放すと、自身の同ハン内枠から先行して逃げていた小椋華恋を4周回1コーナーで差して先頭へ立った。
黒川は10線5車から先制して追撃する形になったが、3周回バックストレッチで森が捲って3番手を奪取。そして5周回1コーナーで小椋の内へ突っ込んで2番手に上がったかと思われたが、2コーナー立ち上がりで外へ流れてしまい小椋が再び2番手へ。この競り合いの間に先頭との車間が大きく開き、早津康は20メートル近い大差をつけて1着ゴール。2023年4月ぶり通算3度目の優勝を果たした。
4番手を回っていた黒川は終盤に森へ再接近しかけたが、後方から追い上げてきた若井友和が6周回2コーナーからの立ち上がりで森と黒川のインに攻め込んで3着。10線5車の中で試走タイムが最も遅かったこともあり車券オッズでは人気を得られなかったが、さすがの底力とテクニックを示した。