松尾啓史がスピード王決定戦2度目の制覇!
山陽オートで行われていた第57回GIスピード王決定戦は、地元の26期・松尾啓史の優勝で幕を閉じた。松尾は2006年にこのタイトルを制しGI初制覇を成し遂げたが、それ以来2度目のスピード王決定戦制覇。地元ファンの期待に応えてみせた。
試走の時は走路の一部が濡れていたが、レースが始まる頃にはほぼ良走路になっていた。試走タイムは松尾が一番時計で33。次いで丹村飛竜、若井友和、青山周平が38。松本やすしが39、三浦康平が43、緒方浩一が48、石橋大が51とかなりバラつきがあった。
レースでは若井がフライングを犯し再発走。2度目のスタートは0ハンの石橋が残していく。10線最内の緒方が枠ナリ発進を死守。それに松本が乗っていく。大外の青山はそこまでダッシュがつかなかった。
石橋の逃げで始まったが、レース序盤で動きがあった。1周バックストレッチで松本やすしが緒方と石橋をまとめ差し。すぐに松本が逃げる展開を作った。しかし、三浦を早めに捌いた松尾が好位置につけていた。そして、3周3コーナーで松尾が松本のインに入る。結果的にそのまま松尾が先頭でゴール。後ろでは若井と松本が競り合い、その後ろで青山が様子をうかがう展開。最終的には若井が松本を抑え切り、青山は2車の間を割れず4着入線だった。
このレースでの松尾は自信を持って走れていた。試走はレースの時よりも不安定な走路だったとはいえ、そこでしっかりと一番時計を出せた事がレースでも落ち着いて走れた要因か。エンジンが出ている時の松尾は、レース運びに余裕が出るし、攻めもいつもより鋭くなる。スタートもそこまで遅れる事はない。この機力をキープし続けたいところ。年末には川口でスーパースター王座決定戦が待っている。それに向けて最高のリズムを作れたのではないか。また一人、大みそかを盛り上げる強力な存在が現れた。