激戦必至のA級、B級戦!
前節で通常のナイターは終了し、今回から昼間開催に移行する伊勢崎オート。直前にSG日本選手権が行われている関係で、今回はA級中堅以下での戦いになる。まだ優勝経験のない選手にとっては初優勝を掴むチャンス。
今回出場する中でランクトップは田中哲。近況のエンジン状態はまずまずといったところ。走りの特徴としては強気な面が目立つ。前を走る車を抜く態勢が万全でなくても、インに強引にねじ込み番手を上げていく印象。展開的に他車がバラけるスピード戦よりも、車群が密集する混戦で持ち味が生きてくる。今節はスピードある選手が少ないので、田中哲にとってはやりやすいメンバーと言える。
同じように混戦で走りの威力が倍増されるのは新井淳や清水卓。新井淳はデビュー時からスタート力がウリで、短ハンデ戦で好成績を残せるタイプ。前を走る車群がスローな流れになるとインから攻め上げていける。清水卓も同様で、レース序盤から一気に仕掛けていくシーンが目立つ。前々走では久々に優勝を果たしており、本人のリズムも良い。
今節の中では数少ないスピードタイプは桜井晴光や岩沼靖郎、鈴木将光など。桜井は混戦になると凡走も多いが、スピードが活きてくる展開になると伸び伸びとした走りで台頭してくる。岩沼は元々スピードがある方で、今はハンデ的にも恵まれているので上位着に期待できる。鈴木将はスピードに加えてパワーもある。前団が混み合っていても豪快に攻めて行ける。
優勝経験がない中で、最も初優勝に近いのは浜松の長谷晴久。前走の飯塚4日間開催では、オール連対での準優勝だった。スタートに不安要素はあるが、レース道中の攻めはしっかりしており、デビュー28年目にして初優勝が狙える状態。吉田恵輔もまだ優勝経験はないが、今回のメンバーの中ではランクが上位の部類。スタート力や重走路でアドバンテージがあるので、天候が不順なら初優勝も十分ある。長谷が準優勝だった飯塚の開催で、優出3着だったのは林弘明。課題のスタートに一定の改善が見られ、近況は好成績でまとまっている。道中の捌きも的確な方だ。
B級では北爪勝義が前走の地元で優出している。成績は安定しない傾向あるが、有利なハンデ位置に置かれた時は激走が目立つ。渋太いイン走法があるのは深沢悟。スタートで多少遅れてもインから巻き返して行けるのは小林晃や岩永清文。一発力があるのは稲原良太郎だ。
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主な出場予定選手
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田中 哲〔伊勢崎 A-29(28期)〕
桜井 晴光〔伊勢崎 A-35(26期)〕
清水 卓〔伊勢崎 A-63(19期)〕
鈴木 将光〔伊勢崎 A-64(27期)〕
新井 淳〔伊勢崎 A-76(23期)〕
岩沼 靖郎〔伊勢崎 A-78(25期)〕
長谷 晴久〔浜松 A-173(23期)〕
林 弘明〔山陽 A-131(24期)〕
森且行がSG日本選手権初制覇!
川口オートで行われていたSG第52回日本選手権オートレースは、地元の25期・森且行が優勝した。森はこれがSG初優勝。オートレース最高峰の大会で悲願のSG制覇を成し遂げた。
大会最終日は1Rこそ重走路での競争となったが、徐々に走路は回復。7Rあたりからはほぼ良走路での競争だった。優勝戦の前には軽く雨がパラついていたが、競争には影響なく、良走路のタイムが計時された。試走は鈴木圭一郎が一番時計で26。次いで高橋貢が27、荒尾聡が29、中村雅人と金子大輔と森且行が30、木村武之が31、山田達也が34だった。
レースのカギを握る0Mオープンでのスタート争いは、4枠から鈴木圭が先行。これに7枠から森が乗っていく。荒尾が3番手に付け、以下は金子、山田達、木村武、高橋貢、中村と1コーナーを旋回して行った。
序盤で逃げ態勢を作った鈴木圭ではあったが、思うようにペースが上がらない。2番手発進の森は付かず離れずの追走を見せていく。しかし、3番手発進の荒尾がインを突いて2番手を奪取。鈴木圭と一対一の態勢に持ち込む。そして、大きな動きがあった。荒尾が鈴木圭を差しにかかるが、この時に車体が接触し2人とも落車。3番手を走っていた森がトップに躍り出た。その時、残り周回は半分を切っていた。森の後ろに付けていたのは金子。残りの周回で森にプレッシャーをかけにいくが、最後まで交わし切るまでは行かず森が先頭でゴール線を通過した。
ついに森は大仕事をやってのけた。デビューしてからずっと夢見ていたオートレース頂点の座にたどり着いた。これは本人にとって相当、感慨深いモノがあっただろう。ファンのみならず日本人の誰もが知っている大人気アイドルグループを脱退してまでなったオートレーサー。そこで最も格式高いタイトルを手に入れた。先頭でゴールした時は、これまでの人生で最高の瞬間だっただろう。これまで数々のドラマを生んできたオートレース史の中でも、燦然と輝く今回の日本選手権。これからもオートレース界は感動を与え続けてくれるだろう。