永井大介が激闘を制し、ゴールデン17年振りの制覇!
浜松の第61回GI開場記念ゴールデンレースは、川口の永井大介が制した。レースは早い段階から鈴木圭一郎とのマッチレース。最後は経験の差を見せ付けて勝利をもぎ取った。
試走は永井が一番時計の28。次いで鈴木圭が29。他は中村雅人が31で中村友和が32。山浦博幸と藤波直也が33、遠藤誠が34、牧野貴博が37と大きく数字を落とした。
レースは0ハン両者が枠ナリ発進。10線からは最内の藤波が先行。その後に大外から鈴木圭がダッシュを決め、永井も遅れずに付いていった。そして、鈴木圭が順当に前の車を交わし先頭に踊り出る。永井も落ち着いた走りで離されずについて行った。そこからは3番手以下を大きく引き離し、永井と鈴木圭の攻防が続いた。鈴木圭の後ろで様子をうかがっていた永井は、角度のない差しで先頭に立ったが、すぐさま鈴木圭に差し返されてしまう。その後も永井は鈴木圭にピタリと続き、抜き去る機会をうかがっていた。そして、最終周回に入る青旗すぎ、コースが小さくなった鈴木圭を永井がうまく捲りで交わして行く。そこで勝負あり。永井が一番でゴールを通過した。
試走タイムが表すとおり、永井のエンジンが一番良かった。しかし、このレースの勝因は永井のこれまでのレース経験の豊富さだろう。極限のスピードで走る車を交わすにはエンジンパワー差だけでは厳しい。うまく回れなかったとは言え、1回インに突っ込んだことは、鈴木圭のその後の周回に警戒感を与えた。鈴木圭はインから抜かせないような走りになってしまった。そこをうまく突いたのが永井。鈴木圭のスピードダウンのタイミングを見逃さず、外から交わすことを選択。これが見事、功を奏す。数々の大舞台でのレース経験が、永井を強くした。レースでの勝ち方の引き出しを増やしてくれた。ここ1年は記念レースで元気がなかった永井だが、エンジンさえ仕上がれば栄冠を勝ち取ることができると証明した。まだまだ永井は衰えない。強い永井であり続ける。
地元Vの篠原睦に勢いあり!
山陽オートはGI平成チャンピオンカップ以来となる、約一ヶ月ぶりの開催。平日の4日間シリーズだが、前走の飯塚で好走していた選手が多く、その時の動きが大いに参考になる。果たして、優勝争いの行方は。
5月16日の飯塚優勝戦で見事に優勝したのは篠原睦。レースでは得意の速攻を決め、8号車ながらなんと2周で先頭に立ってしまった。スタートを含めて序盤からの仕掛けが冴えに冴え渡っている。更に、シリーズ通してオール連対。エンジン好調なだけでなく、安定感も抜群だ。山陽走路との相性も悪くはないので、連続優勝も十分あり得る。
その優勝戦に乗っていたのは佐々木啓、穴見和正、林弘明、岡松忠、辻大樹。佐々木は今年に入り、優勝戦には縁がなかったが、ここに来て今年の初優出となった。調子の変動が穏やかなタイプで、ここから好調モードに突入となるか。穴見も、ずっと良くなかったが、ようやくいつものイン走法が戻ってきた。林は道中の展開の読みが巧く、厳しい展開になってからでも巻き返していけるタイプ。岡松と辻は共に速攻タイプで、同ハンに数車並んだ状態からでもトップスタートを決め、一気に先頭に踊り出ることができる。
荒尾聡は、その開催で優勝戦まではいけなかった。試走タイムも、やや物足りない数字になっていたが、整備には熱心に取り組むほうで、早い段階での立て直しに期待できる。もちろん、現状でも大崩れしているわけではないので、一般開催ならそれなりの走りは披露できるだろう。桝崎陽介もエンジンは一息。新村嘉之は完全にスランプに入ってしまった。
伊勢崎からはS級として新井恵匠と吉原恭佑が参戦。共に、前走は地元の4日間開催。2人とも優勝戦には乗れなかったが、シリーズを通して悪くはなかった。新井はレースごとに走りに自信を深めており、強豪相手でも臆することなくアタックできている。低迷が続いていた吉原も、前走あたりから良化の兆しが出ていた。
その開催で優出したのが山陽の岡部聡。優勝戦は7着に終わったが、今年はこれまで5優出の1優勝と安定した成績を残している。今年はまだ、地元での優出がないので、この辺で存在感を示しておきたいところ。山陽S級は他に、松尾啓史、前田淳、角南一如が参戦。松尾は前走の飯塚では優出できなかったが、今年はおおむね好調を維持。角南はこのところ調子が上向き。前田はエンジン状態にムラがある。試走タイムが出れば狙っていけるが...。
______________________________
主な出場予定選手
______________________________
松尾 啓史〔山陽 S-12(26期)〕
岡部 聡 〔山陽 S-28(19期)〕
前田 淳〔山陽 S-30(27期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-40(23期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-11(27期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-13(26期)〕
新井 恵匠〔伊勢崎 S-10(30期)〕
吉原 恭佑〔伊勢崎 S-29(32期)〕