良走路で絶好調なのは人見剛志!
今回の地元勢は浦田信輔や篠原睦が不在。地元の牙城を守る一番手は荒尾聡。他の地元S級は田中茂、岩見貴史、久門徹、滝下隼平などで脇を固めるかたち。対する外来は、山陽からS級が3車参戦。伊勢崎からも田村治郎がやってくる。
荒尾の前走は地元3日間開催。準決で2着だったが、このシリーズでは準決で1着のみ優出の勝ち上がりシステム。優勝戦には行けなかったが、3日間をオール連対でまとめていた。試走も上がりタイムもソコソコ出ていたので、エンジン面は心配なさそうだ。スタート、スピード、雨走路と、どれをとっても一流の技術を兼ね備えている。
田中茂、岩見、久門の3者はエンジン状態マズマズ。完全に仕上がってはいないが、ある程度の走りはできている。田中茂は前走の浜松では、準決で試走27をたたき出していた。岩見も前走は浜松で、タイムはそれほど出ていないが、鋭いスタートからの速攻に期待できる。久門も序盤の仕掛けが早く、一気の抜け出しがありそう。滝下はエンジンが安定していない。ただし、勝つときは強烈な走りを見せることがある。
外来S級で最も注目なのは人見剛志。2節連続優勝で迎えた前走の浜松では、準決で苦手の重走路になり力を出せなかったが、良走路に関しては素晴らしい仕上がり。エンジンの調子の波が穏やかなタイプで、今は好調モード。今節も雨が降らぬ限りは、力強い攻めを発揮してきそうだ。松尾啓史は今年、絶好調。これまで6節を消化し、5優出。今回の走路と同じ飯塚では、前々走で優勝している。その時から気候も大幅に変わってないので、セッティング的にアドバンテージがある。
佐々木啓と田村治郎もエンジンは中の上。佐々木は前走の伊勢崎GIIで準決だけ6着だったが、それ以外は全て車券に絡んでいる。試走も30前後のタイムをマークしていた。田村は、前々走の川口で準優勝の次の浜松では初日から2連勝。その後は、やや失速したがマア悪くはない。
S級以外では、片野利沙が前走の地元で連勝を決め優出。優勝戦は重走路で8着となったが、良走路で逃げる展開になれば結果を残せてきている。鈴木静二も前走の地元4日間開催で優出。ハンデ的に最重ハンの10M前に置かれている今は狙い目。地元飯塚では小里健太が、前走の地元開催で優出。特に、準決では荒尾を振り切り1着の金星。直線の伸びが良く、ポイントはスタートを含め序盤の展開だけ。小里と共に優勝戦に進んでいたのは山陽の藤本剛。こちらは最重ハンの30M前という好位置を生かし、準優勝の結果を残していた。
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主な出場予定選手
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荒尾 聡〔飯塚 S-9(27期)〕
田中 茂〔飯塚 S-13(26期)〕
岩見 貴史〔飯塚 S-15(29期)〕
久門 徹〔飯塚 S-22(26期)〕
佐々木 啓〔山陽 S-24(23期)〕
松尾 啓史〔山陽 S-25(26期)〕
人見 剛志〔山陽 S-40(28期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-46(30期)〕
丹村飛竜が悲願のGI初制覇!
4日間、天気に恵まれたGI開設記念グランプリレースは、優勝戦の日も快晴。レースも良走路のもとで行われた。試走一番時計は鈴木圭一郎と丹村飛竜の26。次いで、高橋義弘と木村武之の28。山田達也、浜野淳、永井大介が29。古木賢は31と、やや数字を落とした。
レース展開のカギを握るスタート争いだが、まずは2枠から高橋が飛び出す。そこに古木と浜野が乗って出た。一番人気の鈴木は6番手発進となった。しかし、1周3コーナーでいきなり大きな波乱が待っていた。
3番手以下の混戦の中で、浜野が前を走る永井に追突しそうになり車のコントロールを失って落車。その後ろに付けていた鈴木も被害があり落車。木村も大きな不利を受け、ほぼ戦線離脱状態。
トップスタートを切った高橋に、古木がやや離れて追走していたが、その後ろから超抜マシンを駆って追い込んでくる選手が一人。丹村だった。丹村は1周バックストレッチでは最後方に付けていたが、山田のひと滑りで番手を上げ、更に先述の事故のインコースを回り、一気に3番手まで浮上していた。前を走る選手は古木と高橋。試走タイムが表すとおりエンジン差をバックに、落ち着いて攻めていった。古木をパスすると、高橋とマッチレースに。後ろに付けて2周ぐらいは直線で高橋に離されていたが、冷静に抜く態勢を整えると、綺麗に捌いていった。2着には高橋が残り、古木は健闘し3着。試走イマイチだった永井は凡走に終わった。
丹村は、これが嬉しいGI初制覇。記念レースは昨年にGIIを制している。今期は初めて山陽でランク1位になるなど、このところ躍進が目立っている。元々あったスピードに捌きが着実に身についてきた形。雨走路でも実績を残している。あとはスタート。この優勝戦でも8番手からのレースになったように、スタートに課題を残している。それさえ完全に克服されれば、SG戦線でも十分通用するポテンシャルを秘めている。スタートが良化した時、それは丹村にとってSGを初制覇する時である。