鈴木圭一郎が今年3度目のGI制覇!
伊勢崎の第23回ムーンライトチャンピオンカップは、浜松の新鋭・鈴木圭一郎が制した。試走は良走路で、一番時計の28をマーク。エンジンは申し分なかったが、レース発走までに走路が濡れて重走路に。それでも好ダッシュから一気に抜け出し、レース序盤でケリを付ける形。見事な勝利だった。
0ハン先行は三浦康平。大きなコース取りでペースを上げたいところだったが、10線からトップスタートを決めた鈴木が早々と交わす。そこからは独走状態。コースを外さず、かつ、ペースを上げて逃げに入る。ただし、木村武之だけは徐々に差を詰めにかかってきた。残り2周はだいぶ差がなくなってきたが、なんとか振り切って優勝を決めた。
金子大輔、青山周平の外枠両者は序盤で好展開を作れず、最後まで苦しいレースを強いられてしまった。前田淳もスタート後の1コーナーで好位を奪えず、見せ場を作ることができなかった。田村治郎はレース終盤で意地を見せ、3着に食い込む健闘。谷川一貴は苦手の重走路で力を出せなかった。
今回の優勝戦では鈴木の対応力の高さが証明された。試走後の走路状況の変化は、選手にとって悩みのタネのひとつ。タイヤもエンジンのセットも良走路を想定してのモノ。それが重走路になったら、どこまで突っ込んでよいか、どこまでグリップを開けてよいか、その判断は難しい。最も若い期である鈴木がそれに対応できたのは、総合戦力が大きく上昇したことを示す形。ファンの想像以上の成長を見せている。これからがますます楽しみな選手だ。
前田淳が2度目のGI制覇へ力走を!
第23回GIムーンライトチャンピオンカップも優勝戦の日を迎えた。4日間の激闘を戦い終え、ファイナリスト8人が出揃った。ハンデは0に2名、10線に6名の構成。記念レースの優勝戦だと0オープンが多い近年だが、今回はハンデ戦。これがレース展開にどう影響を及ぼすか。
まずスタート争い。0ハンは本来のスタート力なら三浦康平の方が上だが、今節は谷川一貴もスタート切れており、内枠の利で先行しそうだ。10線もスタート力は大きな差がなく、ほぼ枠ナリに出るとみた。もしくは最内の田村治郎がやや後手を踏んで、前田淳の先行。
0ハン谷川はインコースを抑えて粘りこむタイプ。対して、三浦は大きなコース取りでスピードを乗せてくるタイプ。三浦にとって谷川はちょうど捲りやすい。序盤は逃げる谷川を三浦が交わして逃げに入る。しかし、そのまま押し切りまではあるかどうか。
10線は田村か前田の先行。田村が出てもすかさず前田がインに突っ込んで行きそう。0ハンを追う一番手は前田に。速攻で0ハン両者を交わすまではなさそうだが、8周のうちには捕らえそうだ。その後はインコースをキッチリ回って、外枠勢に付け入る隙を与えず、栄冠のゴールへ。前田を当ブログの本命に推す。
相手は10線外枠勢。第一候補は鈴木圭一郎。準決では試走一番時計となる29を叩き出している。スピードは申し分ない。道中の攻めもレースを重ねるごとに良くなっており、安心して見ていられる選手になってきた。今回は本命に推しててもおかしくないが、対抗にするには理由がある。鈴木の内枠に木村武之が控えているからだ。木村は準決の動きを見る限り、エンジンは明らかに不足。この優勝戦でも勝ちきるまではなさそう。ただし、枠ナリスタートで出て、道中回り出すと簡単には抜かせないだろう。苦労して突破した先には前田が大きくリードを広げていそう。この優勝戦で金子大輔と青山周平の評価を下げたのも同様の理由。木村を捌くのに手間がかかり、レース展開が多少厳しくなりそうだからだ。
一発があるとすれば三浦。近況は軽いスランプに入っていたが、ここにきて完全に脱出している。序盤で大きくリードを作り、10線勢が激しく競り合うようだと自身2度目のGI制覇も。
◎前田淳
○鈴木圭一郎
△金子大輔
△青山周平
▲三浦康平