佐藤貴也が雨中の決戦を制す!
前日の天気予報通り、GII川口記念の優勝戦は雨走路で行なわれた。制したのは浜松の佐藤貴也。鋭いイン攻めで栄冠を手にした。
試走タイムは金子大輔の51がトップ。次いで、佐藤と若井友和が52。4番手が鈴木清の56で、57が岡部聡と高橋貢。小林瑞季と山際真介は60と厳しい数字。
0ハンの小林がスタートをしっかり残し逃げ態勢に入った。しかし、そこまでペースは上がらない。インコースを主体に佐藤が攻め上げ、早い段階で首位に立った。対して、金子はアウトコースを主体に攻め上げ、先頭に立った佐藤にピタリと続いた。そこからは二人のマッチレース。後ろに付けた金子が佐藤に何度もプレッシャーをかける。抜けそうなタイミングは何度かあったが、佐藤がコースを外さず抑え切った。辛抱の勝利と言える。3着には、若井を逆転し、インコースを我慢して走った鈴木が食い込んだ。岡部はいいところがなく、高橋も1周2コーナーでの滑りが響いたかたち。
このレースの佐藤は、本来の走りができていた。思い切り良く、目一杯に乗っているときの佐藤は、だいたい良い成績を残せる。デビュー直後からそれなりの活躍を見せていたが、ここ1~2年で飛躍的な成長を見せた。記念レースを獲るようになった。あとはSGの大舞台で最高の結果を出すだけだ。
今年初のナイター開催!
今年は例年よりナイター開催が早まり、4月9日から開催されるようになった。気候的にはだいぶ暖かくなってきたので、オートレース観戦の楽しみの幅が広がった。ナイターの時間帯に早くセッティングを合わせられるのは誰か。
伊勢崎は前回の開催から間が空いておらず、地元選手の多くはその時の動きが参考になる。優勝した伊藤信夫は今回、参戦していないが、準優勝だった早川清太郎は参戦。王者・高橋貢は不参加なので、早川が地元勢を引っ張っていく存在になる。早川は食い付く走路で持ち味を出せるので、ナイターの時間で走路が冷えるのは好材料。他に、前回の優勝戦に乗っていたのが猿谷敦史、亀井政和、中野光公の三人。三人ともエンジンが良いのはもちろんの事、ハンデの軽さを存分に活かしている。猿谷が最重ハンの30M前、亀井と中野は最重ハンの20M前だったが、今回は変動があるのかどうか初日の番組を注視したい。
外来で注目なのは、今期から全国ランク1位になった中村雅人。前走の山陽GIもしっかり優出していた。優勝戦こそエンジン不足で4着だったが、ここ何節も優出を逃しておらず抜群の安定感を誇っている。今回もその力強さを見せつけてくれそう。その中村に取って代わられ全国ランク2位になったのが永井大介。今年に入ってからは優出がまだ2回と、やや調子を欠いている。それでも大崩れしているわけではないので、ちょっとした調整で完全復活も十分。他の外来は飯塚勢がS級3人参戦。ランク筆頭の田中茂は、地元4日間開催で優勝している。試走タイム28を出し、浦田信輔を破っての優勝は大きな価値がある。今回に向け、弾みが付いたことだろう。東小野正道はだいぶ調子が戻ってきた。全盛期ほどの動きではないが、本来の走りが出てきている。滝下隼平もエンジンは悪くない。課題のスタートさえこなせば上位争いに参加できる。
A級で注目はやはり32期勢。一番の実力を誇る鈴木圭一郎は、前走の山陽GIで優出。優勝戦こそ8着だったが、プレミアムカップで優出するのは簡単なことではない。松本やすしは前回の地元を休んだので、前々回の川口で優勝して以来のレース。勢いは昇り調子なので、鈴木圭に負けずと奮闘する可能性大。山陽から小栗勝太と長田恭徳も参加するが、1級車に乗り替わってから着実な成長を見せている。藤本梨恵にしても車券に絡めるようになってきた。ここまで、前評判ほどの活躍が見られない佐藤裕児だが、ここらで大化けするかもしれない。
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主な出場予定選手
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早川 清太郎〔伊勢崎 S-15(29期)〕
田村 治郎〔伊勢崎 S-38(30期)〕
中村 雅人〔船橋 S-1(28期)〕
永井 大介〔船橋 S-2(25期)〕
田中 茂〔飯塚 S-13(26期)〕
滝下 隼平〔飯塚 S-37(28期)〕
東小野 正道〔飯塚 S-44(25期)〕
湯浅 浩〔伊勢崎 A-5(19期)〕
飯塚勢VS山陽勢の構図
今回の4日間開催は、船橋や伊勢崎からも数名の選手は参戦するが、大多数は地元飯塚か山陽の選手たち。飯塚勢は大将格の浦田信輔を軸に、万全の構えができている。外来勢はそれを切り崩すことができるか。
優勝候補筆頭は浦田。前走の地元開催でも準優勝だった。晴れに関してはエンジン全く問題なく、乗り手の方も乗れている。地元勢を鼓舞する存在になりそう。次いで状態が良いのは篠原睦。浦田が準優勝だったレースで3着。準決ではしっかり1着を取っており、スタートも走りもキレている。今回も得意の速攻を決めそうだ。荒尾聡は、本来の実力を考えればやや物足りない近況。勝ちきれないレースが増えてきた。それでも整備には熱心な方なので、エンジン復活の日も近いだろう。永冨高志は、山陽での落車の影響が心配された前走の地元開催では準決に進出していたので、そこまで悪い影響はなさそう。竹谷隆や別府敬剛らも1着はないものの、エンジンはマズマズの状態で推移。
外来勢のS級は3人。山陽から前田淳と人見剛志。船橋から鈴木慶太だ。前田は地元のGIの準決で4着になり、優出はできなかったがシリーズを通してソコソコの内容。人見もハンデ戦になれば、持ち味の捌きが活きてくる。鈴木慶は近況はパッとしない。武器である爆発的な走りを取り戻したい。
A級の中で最も注目なのは西村龍太郎。今年に入ってから成績が良く、ここまで3節連続優出中。エンジンが良いのはもちろんだが、本人の体重の減量により車の推進力が増したのも好調の要因だと思われる。他に、エンジンが高位で安定しているのは青山文敏や岡本博幸。この2人は走りもシッカリしているので、エンジンが良い今は積極的に狙っていける。
B級では、西村昭紀が前走の伊勢崎開催で優出しているし、城戸徹も前走の地元開催で優出。2人共優勝戦までの予選道中は全て1着という驚異的な内容。今節も動きから目が離せない。
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主な出場予定選手
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浦田 信輔〔飯塚 S-7(23期)〕
篠原 睦〔飯塚 S-8(26期)〕
荒尾 聡〔飯塚 S-11(27期)〕
永冨 高志〔飯塚 S-29(17期)〕
竹谷 隆〔飯塚 S-32(23期)〕
前田 淳〔山陽 S-18(27期)〕
人見 剛志〔山陽 S-40(28期)〕
鈴木 慶太〔船橋 S-48(20期)〕